リアルチャットが話題の『プラスリンクス』が美少女ゲーム『アイキス3』とコラボ。理由は？どんな内容になるの？

文: カワチ

公開日時: 2021年11月26日(金) 18:50

　EXNOAより配信中のPC/スマホ向け新感覚恋愛ゲーム『プラスリンクス～キミと繋がる想い～』にて、11月25日より『アイキス3 cute』とのコラボイベントが実施中です。

　『アイキス3 cute』は、エンターグラムより2022年3月25日にPS4/Nintendo Switchで発売される恋愛ゲームです。

　ここでは『プラスリンクス』プロデューサーの永野義彦氏とディレクターの湊江哉氏、『アイキス』シリーズプロデューサーの黒太陽氏へのインタビューの後編をお届けします。

▲写真左から『アイキス』シリーズプロデューサーの黒太陽氏、『プラスリンクス』ディレクターの湊江哉氏、プロデューサーの永野義彦氏。

『プラスリンクス』を
プレイする

なぜ『プラスリンクス』と『アイキス3』がコラボ？

――『プラスリンクス』と『アイキス3』がコラボすることになった経緯を教えて下さい。『プラスリンクス』は特殊な作品なのでコラボも難しいと思いますが、どのように実現したのでしょうか？

永野：エンターグラム様からEXNOAへ『アイキス3』での連携に関するお誘いをいただき、それを私が所属する事業部で知りました。女子学生の青春ストーリーということで、世界観はピッタリ合うなと思って「ぜひ、やらせてください！」とお願いしました。

黒太陽：自分も同じです。『アイキス』シリーズでは登場キャラクターとそっくりな子がVTuberデビューするなど、新しいことも積極的に取り入れているので、どんな企画にも前向きです。そのため、武器を持たせて戦うような内容でもOKするつもりだったのですが、内容を知ってそのままでもピッタリ合うなと思いました。

――コラボイベントは2つに分かれるということですが、どのような内容になるのでしょうか？

永野：第一弾となる11月のイベントは『アイキス3』の予約開始を記念して、『アイキス』側のキャラクターである女の子との恋愛を『プラスリンクス』のチャット機能を通じて体験できる内容で、過去にくららやひまわりで開催したボイスメッセージイベントを『アイキス3』の葛城七瀬と桜田杏で展開しようと思っています。

▲葛城七瀬。

▲桜田杏。

　2回目のイベントは、『アイキス3』の発売に合わせて2022年3月開催予定で、『アイキス3』のヒロインたちが『プラスリンクス』の世界にやってくるという今回のコラボのためのオリジナルストーリーになる予定です。グラフィックに関しては、『プラスリンクス』のヒロインたちを『アイキス』シリーズのタッチに合わせて描き下ろしてみようと思っています。

――プレイヤーは『プラスリンクス』の主人公としてチャットするのか、『アイキス』の主人公としてチャットするのかどちらになるのでしょうか？

永野：そこはプレイヤー様に委ねようと思っています。これまでのイベントも自由に楽しんでもらっていましたが、今回のイベントもどちらの視点でも違和感のないように作るつもりです。設定としては爽やかに楽しめるものになっていますが、どのような立ち位置でプレイするかはプレイヤー様にお任せします（笑）。

黒太陽：『アイキス』シリーズに思い入れを持ってくれている方は主人公の蓮としてプレイしてくれてもいいですし、そのまま『プラスリンクス』の主人公としてプレイして『アイキス3』のヒロインに興味を持ってもらえてもうれしいです。

湊：最初の案では主人公の名前を強制的に蓮にするというアイデアも存在していました。ただ、プレイヤー様によっては、これまでとは違う設定に戸惑ってしまうと思って、そうではない方法を採用しました。

　ただ、蓮くんとして楽しんでも違和感はないので、『アイキス』シリーズのファンは蓮くんが後袋にやってきたと思って遊んでもらえればと思います。

黒太陽：『プラスリンクス』のコラボイベントをプレイした人が『アイキス3』を遊んでガッカリしないためにも、どうすればお互いの作品をより魅力的に伝えられるのかという部分は話し合いました。

　最初の段階から、なんでもアリでいいと考えていて、コラボする作品によっては、武器を持たせて戦ってもいいと思っていましたが、せっかく『プラスリンクス』にお声がけいただいたコラボですし、なによりファンの方々をガッカリさせてはいけないとは考えていました。

――リアルタイムチャットができる『プラスリンクス』だと監修も難しそうですね。

湊：これまでの『プラスリンクス』はとにかく自由だったこともありキャラの設定が少し崩れたりすることもありましたが、今回はコラボということで、なるべく設定を崩さないように努力します。……できなかった場合はエンターグラムさんに土下座して謝ろうかなと……（笑）。

永野：その可能性も込みで、本編とは異なる世界であると説明はしているので、想像と違う反応が返ってきてもご容赦いただければと思います。

黒太陽：『キス』シリーズは同じディレクターが一貫して手掛けているのですが、『アイキス』シリーズのみ私が統括していまして、新しいことに挑戦していこう、失敗を恐れても何もできないという意識で制作、展開しています。

　『プラスリンクス』もつねに新しいことに挑戦しているということで、そこは相乗効果でやっていきたいなと。ミスがあったとしても、それは新しい挑戦をした結果ですし、次に繋げていきたいなと考えています。

湊：最初の打ち合わせで「キャラクターのイメージを変えてしまうかもしれない」と相談したのですが、そこも了承してもらえました。

永野：チャットのイベントに関しては導入のストーリーや合間に挟まれる物語上の会話はしっかり監修してもらっています。今回は今までのイベントに比べてかなり爽やかです。

湊：そこは僕の好きな杏ちゃんに壊れてほしくなったという理由もあります（笑）。ちなみに自分は『アイキス』を2周プレイしていて、3周目をNintendo Switchで遊んだのですが、最近は七瀬ちゃんがいいなと思い始めています（笑）。

ヒロインのなかから七瀬と杏が選ばれたのはなぜ？

――コラボ第1弾に登場する杏と七瀬はどういったところが魅力なのでしょうか？

湊：コラボをするにあたり、当然どのキャラクターを登場させるのかという話になったのですが、まず自分的に譲れなかったのが杏ちゃんでした。

　その後、もうひとりは杏ちゃんと対比するようなキャラクターがいいなと思い、七瀬になりました。結果的には先輩キャラと後輩キャラで分かれてよかったと思っています。

　もともと、杏ちゃんの後輩をいじる感じとかが好きだったですが、七瀬の家族を思いやる優しさも好きです。最初のほうの七瀬は小悪魔的なところもあるかわいい後輩といった立ち位置なのですが、それが……（以下、七瀬への熱弁が続くが『アイキス2』本編のネタバレになるため割愛）

▲葛城七瀬の制服姿と私服姿。どちらもかわいい！

　そんなふうに過ごした『アイキス2』の七瀬と、『アイキス3』ではどのような物語が展開するのか、『プラスリンクス』でその間を埋められたらいいなと思っています。

黒太陽：湊さんに熱く語られすぎて原作者として語ることが無くなってしまった（笑）。

湊：杏と七瀬の対比という部分ではオタクとギャルという部分もありますね。

黒太陽：そうですね。杏はオタクでコミュ障ですが、七瀬は友だちもたくさんいる甘ギャルです。なお、『アイキス』では主人公が1年生で、『アイキス2』で2年生になったタイミングで七瀬が新入生として入学してくることになります。

▲桜田杏の制服姿と私服姿。服の着こなし方にも個性が出てますね！

――『プラスリンクス』のコラボを遊ぶ前に『アイキス』シリーズを予習しておくと、なお楽しめそうですね。

黒太陽：PC版（18禁版）の話になってしまいますが、『アイキス3/ゼロ』という『1』と『2』をやっていない人向けに再編集した物語が無料でダウンロードできるようになっています。

　『3』は『3』で体験版を出す予定なので、体験版ではなく『アイキス3/ゼロ』という名前にしています。『アイキス3』は過去作をプレイしていない方でも楽しんで頂けるように制作しております。『アイキス3』まで我慢できないという方は、Switch／PS4で『アイキス2体験版』を公開していますので、是非触ってみてください。もしかしたら『プラスリンクス』も『アイキス3』も、もっと楽しめるかもしれません！

――湊さんは『アイキス』シリーズを何周もプレイされているということですが、どのようなところが魅力だと思いますか？

湊：それぞれのヒロインに、すぐに分かる魅力である表の部分と、深く付き合うことで分かってくる裏の部分のふたつがあるなど、作り込まれているところですね。

　ここまでちゃんと王道のアドベンチャーゲームを作れるメーカーはほかにあまりないと思います。正直、ずるいなと思うほどです（笑）。

　『プラスリンクス』のコラボをプレイして『アイキス』を遊んでくれたら自分もうれしいですね。

黒太陽：自分もずるいなって思っているところはあって。『アイキス』シリーズというか世の中のパッケージゲームは、絵柄も含めてひとつの世界観に統一する必要があるので、『プラスリンクス』のように自由に制作できるのがうらやましいです。

永野：ゾンビの世界までやってしまいましたからね。自由です（笑）。なお、今後もそういった驚きのイベントは実装予定です。昔のヴィジュアルノベルみたいに、いろいろと分岐していくようなストーリー展開を『プラスリンクス』の中でも実現してみたいですね。

湊：“突然来たチャット～ひまわり～”はゲームでしか描けないものに挑戦しています。過去に手掛けたタイトルでも同じような挑戦したのですが、自分にとって、これは怨念のような信念です。

　もともと森博嗣先生の作品なども好きで、あの方が手掛けた某ミステリィ作品のような、その媒体でしかできない驚きの仕掛けを手掛けたいと思っています。そのため、ひまわりのイベントを最後までプレイした人は「良かった」と言ってくれたので、すごくうれしいです。

永野：そうですね。ただ、途中でイベントを進めるのを止めてしまった人もいるようですし、全1話で終わらせてしまうには説明が足りなかったのかなと思う部分もあります。ぜひ続きを描きたいと思っています。

――なるほど。それは楽しみです！

永野：話が脱線してしまいましたが、まずは『アイキス』のコラボイベントを楽しんでいただければと思います。本格的なシナリオイベントは第2弾でのお披露目になりますが、第1弾も杏と七瀬のここだけしか聴けないボイスなどもあるので、ぜひプレイしてみてもらいたいですね。

――最後に『アイキス3』のコラボを楽しみにしているファンにひとことお願いします。

黒太陽：『プラスリンクス』と『アイキス3』、どちらを好きな人もいると思いますが、お互いにいいと思えるものを制作しているので、楽しみに待っていただければと思います。

湊：『プラスリンクス』はシステムで新しいことをやっていたり、『アイキス』も続編を次々にリリースするという新しい試みをしていたりと、両方とも新しいことには挑戦していますが、それ以上に王道を大事にしていて、美少女ゲームを盛り上げていこうという志は共通していると思っています。ぜひ双方のファンにプレイしてもらいたいです。

永野：『プラスリンクス』初の外部IPコラボということで、大きな節目になるのではないかと思っています。『アイキス』は学園ものの美少女ゲームのなかでは、どの作品よりもこだわりを感じるシリーズなので、その魅力を引き出せたらいいなと思っています。ぜひコラボにご期待いただければと思います。