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シューティングゲームへの愛と熱意を感じる2本セット。『イルベロスウォンプ+ラジルギスワッグ』レビュー【電撃インディー#129】

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 11月18日発売予定のNintendo Switch用シューティング『イルベロスウォンプ+ラジルギスワッグ』のプレイレポートをお届け。前編では『イルベロスウォンプ』をご紹介します!

イルベロスウォンプ

自機とドールの同時操作が頭を沸騰させる!

 『イルベロスウォンプ』は自機と“ドール”を駆使するステージ制のシューティング。

 ドールは、弾消し能力と攻撃能力を兼ね備えた無敵のオプションで普段は自機を守るように配置されていますが、ボタンひとつで射出可能。射出したあとは右スティックなどで自由に動かすことができます。

 ドールは接触している敵にダメージを与えられ、その威力は自機のショットよりも高め。
 
 自機で左の編隊を攻撃しながらドールで右の編隊を攻撃する、中型の敵はドールに任せて自機は小型の敵を狙う、といったように攻撃を分担させることができます。

 そして、ドールにはプレイヤーが任意で操作するもの以外に、時間経過や攻撃でたまるゲージを消費して放つ“メガロドール”という特殊な攻撃手段が存在。

 メガロドールは、敵を自動でサーチする“ホーミングドール”、画面上を高速で反射しながら攻撃する“リフレクトドール”、自機の周囲を周回する“ローリングドール”、自機の左右に広がりながら強力なショットを放つ“ワイドドール”の4種類。

■公式紹介映像

 こういったゲージ消費型の特殊な攻撃はシューティングに限らずゲージがフルに貯まったときにのみ繰り出せるという形が多いのですが、本作ではゲージが少しでも残っていればメガロドールを使用可能。

 極端な話、ゲージが空の状態でも一瞬待てば一瞬だけメガロドールを使えるので、使いたいなあと思ったら使うくらいの感覚で気楽に使える攻撃手段になっています。

 自機とドールの役割分担でゲージを貯めつつ、気軽に強力な特殊攻撃を放てるローテーションはシンプルに爽快で、気持ちよく戦える印象です。

 ただ、自機とドールを同時に動かせるといっても両方を完全に制御しようとするのは1人で2機の自機を操作するようなもの。

 ほかのシューティングで自機の位置調整に100%意識を割いているところを、どうしても自機とドールの意識配分を調整しながらプレイすることになります。

 この意識配分、半ば無意識に行うものですがどちらに意識を割くかが悩ましい。 

 自機は被弾を避けたいけれどもドールは被弾しても問題ない、という点から見ると自機に意識を割きたいですよね。ですが、ドールの攻撃のほうが基本的に強力なので、攻撃面を考えるとドールにより多くの意識を割いたほうが効果的です。

 そこに加えて、敵と自機の間にドールを配置して敵弾を防ぐ、自機をより効率よく守るためにそもそもドールを射出しないという選択肢もあります。

 そういったどう立ち回るかを考えながら2機を同時に操作していると、自機とドールどっちつかずになって自機が被弾する、ふとドールを見たら狙いたい位置とは微妙にずれている、といったことはしばしば。

 2機を同時に操作するというのは、一般的なプレイヤーにとっては未体験の領域。頭を限界まで使って、必死に画面に目を配ってもまだままならない。そんなもどかしさを感じましたね。

 ただ、人間というのは慣れるもの。何度かプレイするうちに、頭の使い方や画面への目の配り方が見えてきます。

 自分の場合は、画面全体をそれとなく意識しながら状況に応じて自機かドールのどちらかに多めに意識を割き、もう一方は画面全体を見ながら動かすようにしたらだいぶしっくりと来るようになりましたね。

 どう考えてどう目を配るかは個人個人で違いが出るかと思いますが、少なくともシューティングを遊んでいる人ならこの独特の操作にも頭が追い付くようになっていくだろうと感じました。

 そして、自機も動かして、ドールも動かしてと遊んでいるうちに覚えたのは自分が普段の限界を超えているような感覚。

 意識配分をうまく切り替えながら、自機は敵弾を回避しつつドールは敵に密着して攻撃という流れがうまくいくようになってくると、未知のシステムを使いこなしているような感じがして普通のシューティングでの上達以上に気持ちがいいんです。

 2機の操作という、最初は無茶に思えるようなことをゲームから提示されるからこそ、それをこなせるようになっていく楽しさは格別ですね。

やりこみとレベルデザインを兼ねた“オーダー”によるステージ解放

 画面全体を意識しながら、自機とドールへの意識配分を考える。

 なんとも難しそうなことを書いてしまいましたが、『イルベロスウォンプ』をまずクリア(スタッフロールを見る)ためにはそんな難しいプレイをする必要はありません。はっきり言って、初めてスタッフロールを見たときには拍子抜けするほど簡単なゲームという印象でした。

 というのも『イルベロスウォンプ』は敵機と接触しても自機がダメージを受けることはなく、初めて遊ぶ際には最終ステージまでほとんど敵弾が飛んできません。

 しかも、ようやくボスらしい敵に出会ったと思ったら、大した攻撃もしてこずそのまま撃破してスタッフロール。爽快感はあっても達成感はないのかと、この記事を書くにあたって少々不安になりました。

 もちろん、そんなことはなく『イルベロスウォンプ』には手ごたえのあるステージも用意されています。

 この難しいステージのプレイに大きくかかわるのが“オーダー”というステージ内での目標。“〇〇を〇体倒せ”、“〇〇を特定の攻撃で〇体倒せ”、“累計〇秒右に移動しろ”といったさまざまなオーダーが各ステージに設定されています。

 そして、各ステージでオーダーをクリアしていくと、その種類や数に応じて分岐ルートが解禁。より難易度の高いステージを遊べるようになっていきます。

 ですから、ただステージをクリアするのではなくオーダーを満たしながらクリアを目指すというのが『イルベロスウォンプ』の目的。初めて(ルート分岐なしで)遊べるステージはオーダーの達成とドールの操作への慣れに注力できるように極端に難易度を落としているのでしょう。

 そして、条件を満たすと行けるようになるステージでは、ガンガン敵弾が飛んでくるように。敵弾をかいくぐりながら、オーダーを満たすことにチャレンジできます。

 オーダーを無理に満たそうとして被弾する、クリアはできたけれどもオーダーの達成にわずかに足りない。クリアしようと思えばできるのにオーダーがあるためにうまくいかないというのは、爽快さとはまた違った楽しさがありますね。

 ある程度プレイが進むと特定のステージでまだ達成していないオーダーを達成するというのが進行上の目的になるのですが、ステージセレクトがあるので目的のステージを遊ぶためにオーダー達成済みのステージを遊ばないといけないというようなわずらわしさは皆無。

 一方で、ショットなどは1プレイ中に使えば使うほどレベルアップして強化されていくというシステムがあるので、あえて序盤のステージから始めて目的のステージまでに自機を強化しておくという遊び方も用意されています。

 また、オーダーの達成に重要になるのが“早回し”の概念。早回しとは、特定の敵を倒すと次の敵がより早く出現するようになること。これを繰り返すと1ステージの間により多くの敵を倒すことができます。

 『イルベロスウォンプ』では、2種類の敵機がローテーションで早回しに関わっていることが多い様子。敵Aの編隊を全滅させると敵Bの編隊が登場。Bの編隊を全滅させるとAの編隊が登場するといった具合です。

 ここに“Aを100体倒せ”というオーダーが絡んでくると、実質的にAとBを素早く倒し続けるというオーダーになりますよね。Aさえ素早く倒せばいいと、Bをのんびり倒していたらそもそも100機のAが画面に現れる前にステージが終了します。

 ただ漫然と出てくる敵を倒していけばオーダーを達成できるわけではない、というのもオーダーの持つおもしろさですね。

 近日公開予定の後編では『ラジルギスワッグ』を紹介しますので、お楽しみに!

(C)RS34.Published by mebius.

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