『CODヴァンガード』レビュー 第二次世界大戦にふさわしい大規模バトルが3つのモードで楽しめる!
- 文
- 柏又
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※『Call of Duty:VANGUARD』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox one/Windowsで好評発売中の『コール オブ デューティ ヴァンガード』。本作は世界的な人気を誇るFPSシリーズ『コール オブ デューティ(以下、CoD)』の最新作です。開発は2017年発売の『CoD ワールドウォーII』を手がけたSledgehammer Gamesが担当しています。
今作の舞台は、今から約80年前に行われた第二次世界大戦。プレイヤーは、東西ヨーロッパのほか、北アフリカや太平洋戦線を再現した戦場で戦います。
近年の『CoD』シリーズは、ストーリーモードである“キャンペーン”と対戦モードの“マルチプレイヤー”に加え、作品ごとに特色ある協力プレイモードを搭載。それぞれのモードがフルプライスソフトに匹敵するボリュームとクオリティを持っているのが特徴です。
今作は、昨年発売された『CoD ブラックオプス コールドウォー』と同じくTreyarchが手がけるゾンビモードがプレイ可能です。
今回は、SIEより11月5日に発売されたPS5版をもとに、本作の魅力を解説していきます。
操作周りは相変わらずの快適さ。新アクションはキャンペーンでとくに有用
『CoD』といえば秒間60フレーム以上でスムーズに動作する軽快なアクションが特徴。今作もそのあたりは変わりなく、操作していて気持ちいい操作感は健在です。オプションの設定項目もかなり細かくなっているので、じっくり調整することで自分好みの操作性に近づけることができるでしょう。
さらに、昨年から発売された新世代のハードや高スペックのPCを使っている人はより高いグラフィックでゲームが楽しめます。
またアクションとしては、2019年発売の『CoD モダン・ウォーフェア』で採用された、短時間ながら通常より早く走れる“タクティカルダッシュ”と射撃の安定度が増す“武器マウント”が復活しているほか、新たに“ブラインドファイア”が追加されています。
新アクションのブラインドファイアは、背の低い障害物へしゃがみながら密着するなどした際にアイコンが表示されると使えるもので、障害物から武器だけ出して射撃します。通常よりも精度は落ちますが、より障害物に隠れたまま銃を撃てるのが利点ですね。
動きながら戦うことの多いマルチプレイヤーやゾンビモードでは使いどころが難しいですが、キャンペーンモードでは使うことで楽に戦えると思いました。
キャンペーンは大戦末期が舞台。独自の特技を持つ主人公たちで任務を遂行!
本作のキャンペーンの舞台は大戦末期となる1945年4月。時期としてはソ連軍がドイツの首都ベルリン目前で攻略を始めるあたりとなります。プレイヤーは、出身や人種の異なるメンバーで構成された連合軍の特殊部隊の一員としてドイツ第三帝国本土へ潜入。敵の極秘作戦“フェニックス”の詳細をつかむのが目的です。
キャンペーン中の各ミッションでは、フェニックスの内容を追うごほか、過去に特殊部隊のメンバーたちが経験した戦いのものも挿入されます。物語は彼らの戦いを通じて、メンバーたちのプロフィールが明らかになりつつも、バラバラの存在であった彼らが1つの目的に向かって集結していく構成となっていて、ミステリアスながら派手さもある興味深い内容ですね。
またプレイヤーが操作するキャラクターが、それぞれ独自の特殊能力を持っているところもキャンペーンの特徴でしょう。たとえば特殊部隊のリーダーであるアーサーは、味方に命令を与えて、特定のポイントを攻撃させたり障害物をどかして通路を作ることが可能です。
各ミッションは、彼らの特殊能力を駆使することでより有利に戦えるマップとなっていて、戦いの舞台もさることながらゲームプレイもバリエーションが豊富で最後までプレイヤーを飽きさせない作りになっているのが好印象でした。
マルチプレイヤーは最大参加人数を選べる“戦闘規模”が目玉!
マルチプレイヤーはシリーズを通して人気のある対戦モード。UIなどは『CoD モダン・ウォーフェア』に近い感じになりましたが、プレイ感覚としてはよりアグレッシブに戦える印象をうけました。
最大の特徴は、クイックプレイで遊びたいルールを設定するフィルターの項目で、最大参加人数を表す“戦闘規模”が選択可能になったことでしょう。戦闘規模にはシリーズおなじみの対戦ができる“TACTICAL”に加え、より大人数で遊べる“ASSAULT”と“BLITZ”が用意されています。
とくにBLITZは、従来の『CoD』ではあまり味わえないカオスなバトルが楽しめるので、ぜひ一度体験してほしいところですね。
プレイヤーは前作に引き続き、オペレーターと呼ばれるプレイキャラクターを選択して戦います。今作ではオペレーターにもレベルが設定されていて、レベルアップでカスタマイズアイテムが入手できます。さらに、オペレーターごとにお気に入りの武器が設定されていて、使うと武器やオペレーターの経験値にボーナスが入ります。
個人的にはカスタマイズできる要素が増えていて、やり応えがある内容になったと思います。
また、今作では新ルール“PATROL”がプレイできます。このルールは移動し続ける目標を確保した時間を競うルールで、確保には目標内にプレイヤーがとどまり続ける必要があります。
基本ルールは“HARDPOINT”に近いのですが、目標が移動し続ける関係で守りやすい場所と攻めやすい場所ができるので、より目標をめぐる攻防が白熱するように感じました。HARDPOINTもそうですが、大人数で対戦するとより熱いバトルになると思います。
パワーアップの選択がより重要なゾンビモード。物語は『BOCW』の過去を描く
昨年に引き続きTreyarchが開発を担当するゾンビモード。前作でゾンビを生み出す元凶となった異空間“ダークエーテル”を巡る物語が展開。プレイヤーは、マルチプレイヤーと同じくオペレーターを操作してゾンビとの戦いに挑みます。
敵となるのは異界の魔王“コルティフェックス”と組んだ親衛隊准将フォン・リスト。プレイヤーは彼らの力を削ぐため、異界の地でさまざまなミッションを達成します。
今作のゾンビモードは、スターリングラードの市街からポータルと呼ばれる時空の裂け目を通じて各地へワープ。ワープ先でミッションをクリアし、スターリングラードへ帰還することでラウンドが進んでいきます。
ラウンドが進むごとに出現するゾンビの数やミッションの難度が上昇していきます。この原稿を書いている現在では、全滅するかラウンド5以降に選べる脱出ミッションをクリアするまで生き残ることが目的です。
ゾンビモードの拠点となるスターリングラードには、武器を強化するパックアパンチマシンをはじめとして、プレイヤーの強化に必要な設備がひと通りそろっています。序盤のミッションをクリアすることで行動範囲が広がっていき、PEAKを獲得できる泉が利用可能になります。
過去作はゾンビを倒すとラウンドが進むため、パワーアップも戦いながら行わなければならなかったことを考えると、より落ち着いてできるようになったと言えます。
ただし、今作のゾンビモードはパワーアップ要素にプレイヤーの選択する幅があるのが特徴です。今作では、ゾンビを倒してエッセンスを集め武器やPEAKをそろえていくほかに、盟約の祭壇による強化が存在します。
盟約の祭壇は、ラウンドをクリアするごとに1つずつもらえる“心臓”を捧げることで用意された能力が得られる設備です。能力は3つの中から選択可能で、内容はラウンドで変化。さらに能力には3段階のレアリティがあり、ラウンドが進むほど強力なものが登場します。
たとえば一撃の威力は高いが弾数が少ない武器に、クリティカルキルで弾薬が補充される能力を組み合わせるなど、盟約の祭壇で得られる能力は、装備している武器の種類によって絶大な効果を発揮します。
狙った能力が手に入るかは運しだいになってしまうため、入手できる盟約や武器を考えながら、プレイヤーがパワーアップを選んでいくところが今作のゾンビモードの特色といえるでしょう。
ここまで各モードについて解説してきた本作。毎年秋ごろに発売される『CoD』シリーズですがFPS基本的な遊びやすさは相変わらず。FPSの楽しさを初心者に伝えるのに最適のタイトルだと筆者は思います。
プレイヤーを戦争映画のスクリーンのなかにたたき込むようなキャンペーンに、参加人数の選択によって趣の異なる対戦ができるマルチプレイヤー、新機軸のシステムを組み込みプレイヤーの臨機応変な戦い方が求められるゾンビモードと、各モードの遊び応えも十分以上に楽しめるでしょう。
12月にはシーズン1がスタートしマルチプレイヤーの新マップやモード、ゾンビモードのアップデートも行われるとのことなので、今後の展開も楽しみです!
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