近くて遠い“もどかしさ”が魅力な『娘のままじゃ、お嫁さんになれない!』についてなかひろ先生に聞いてみた

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『娘のままじゃ、お嫁さんになれない!』の著者・なかひろ先生のインタビューをお届けします。

 本作は、高校教師“見取桜人”と、祖父がなくなったのをきっかけに引き取った義娘の女子高生“星咲藍良”との、近くて遠い年の差ラブコメです。

『娘のままじゃ、お嫁さんになれない!』あらすじ

 高校教師の見取桜人、26歳、独身。銀髪碧眼女子高生の星咲藍良、15歳。

 冒険家の祖父が亡くなったのをキッカケに桜人は藍良を引き取ることに――。

 「起きた? おはよ、ご飯できてるよ」
 「お風呂上がったから、お次にどうぞ」
 「私……あの頃よりも、成長したよ? 今の私の……見たい?」

 だけど2人は、教師と教え子の間柄でもあって――。

 「一緒に学校行ってもいいんじゃない?」
 「え? 誰かに見られたら、変な噂が立つかもしれない……私は気にしないのに」
 「『学校ではちゃんと先生って呼ぶんだぞ』って……バカ」

 親と娘、先生と生徒、近くて遠い関係が織りなす年の差ラブコメ!


 なかひろ先生には、本作のセールスポイントや公開中のASMRドラマについてコメントしていただきました。なお、ASMRドラマでは、声優・日岡なつみさんがヒロイン・藍良の声を担当していますので、こちらもあわせてお楽しみください。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 イラストご担当の涼香先生にお誘いいただいたのが最初のキッカケです。その後は編集の近藤さんと一緒に企画案を出し合いまして、最終的にこの作品が生まれることになりました。

――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 あらすじにもありますが、親と娘、先生と生徒という、近いようで遠い関係のふたりが紡ぐ日常系の年の差ラブコメとなっています。ほかにもキャンプや旅といったアウトドアの要素を、料理でいうところの調味料の形として用いています。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 本作にはモデルの町があるのですが、このご時勢のためにロケハンが難しかったところに苦労しました。ストリートビューを駆使することになったのですが、慣れていなかったために、現地に足を運ぶよりも時間がかかったかもしれません……。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 他のお仕事と平行していた部分があるため、正確な時間計算は難しいのですが、企画や取材、情報収集が約4カ月、実際の執筆期間が約2カ月といったところです。私はゲームシナリオを書くことが多いため、それと単純比較はできないかもしれませんが、いつもよりも取材や情報収集に多くの時間を割くことになったと思います。

――執筆中のエピソードはありますか?

 本作はASMRドラマにもなっているのですが、その脚本執筆のご依頼は嬉しかった反面、初めてと言っていい作業なので不安のほうも大きかったです。ですが、関係者の皆様のご助力のおかげで無事完成に至りました。アフレコもリモートでお邪魔させていただきました。声優の日岡なつみ様の演技は素晴らしく、惚れ惚れしました。編集の近藤さんも、その声に癒やされて眠ってしまいそうになったとおっしゃってました(笑)。

――本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 ヒロインは銀髪碧眼の女子高生なのですが、個人的に大好物な要素です。涼香先生、とてもかわいく描いてくださってありがとうございます! また主人公はお酒好きなのですが、ヒロインは健康に対して非常に厳しく、飲み過ぎは絶対に許しません。私も同じく辛党(甘いものよりお酒が好きな人)なので、主人公のジレンマがよくわかります(笑)

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 主人公の女友だちである温泉好きのサブヒロインがいるのですが、彼女が電話をかけてくるときはいつも裸です。妄想がはかどるシチュは萌えます。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 まずは続刊が出せることを願っています。

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 ルーティーンでしょうか。小説執筆に限らないのですが、毎日なるべく同じ時間に仕事机に向かうようにしています。私はフリーランスなので、会社員と違って勤務時間の強制力が働かないため、1日のタイムスケジュールには特に気を遣っています。

 執筆というのはスポーツに近いと表現するライターの方は、少なからずいます。ルーティーンがあれば、たとえ執筆意欲が湧かなくても手は動きます。なにがあろうと日々の鍛錬を欠かさずに結果を出すアスリートと同じで、それが習慣になっているからです。習慣が人格を作る、なんて言葉もあるくらいですので、これはひとつの真理なのではないかと思います。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 朝起きたらシャワーを浴び、陽を浴びるために散歩をします。帰宅して食事、食後にニュースをひと通りチェックし、その後は仕事に関する情報を集めたりスキルアップのための時間を割いて、ちょっとストレッチをしたあと、仕事を始めます。上述しましたが、ルーティーン通りに動くと集中力を高めるべき瞬間も毎日同じ時間に訪れやすくなります。習慣をほかの言葉に換えれば、パブロフの犬ですので(笑) ただ、天気が雨だとすべてがくずれます。散歩ができずに1日中眠気が取れなかったりします……ルーティーンの弊害ですね(泣)。

――学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 学生時代にKey様のゲームをプレイし、感動したことで、私はゲームシナリオライターの道に進むことになりました。今では、こうしてライトノベルを出版するという、大変ありがたい機会にも恵まれています。ですので、影響を受けた一番の作品はKey様のゲームです。

――今現在注目している作家・作品は?

 電撃文庫様で書かせていただくことが決まった際、公式ホームページをチェックしていると、“雪仁”様のお名前を見つけて驚きました。以前に一度お会いしたことがありまして、そのときは大変貴重なお話を聞かせてくださいました。そのご縁もあり、著作である『隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった』を微力ながら応援しています。

――その他に今熱中しているものはありますか?

 私の一番の趣味はスポーツ観戦です。私がアスリートのようなルーティーンを重視するのは、たぶんこの趣味が影響しています。

 中でも野球が好きなのですが、ひいきのチームである東京ヤクルトスワローズが優勝争いの真っ最中ですので、熱中せざるを得ません。この記事が載っている頃には優勝してる? それとも脱落してる? 考えると夜も眠れません!

――最近熱中しているゲームはありますか?

 スポーツ観戦もあって、ゲームに熱中する時間まではなかなか取れませんが、最近は『ウマ娘』をプレイしています。競馬については『ダビスタ』程度の知識しかなかったのですが、アニメがおもしろくてつい馬の経歴を調べるようになり、競馬好きの友人の誘いもあってゲームにも手を出してしまいました。おかげで1カ月くらい睡眠時間を削るハメになったなあ……。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 『娘のままじゃ、お嫁さんになれない!』は、親代わりとその子どもという関係に、教師と教え子という関係も加わって、恋愛へのハードルがとても高いラブコメになっています。その高すぎるハードルをふたりはどのようにして乗り越えるのか、その険しい旅路を最後まであたたかく見守っていただけましたら幸いです。

 また、本作はASMRドラマにもなっています。小説だけではわからないヒロインの一面が楽しめます。あなたの身も心も癒やし、天国へと誘ってくれること請け合いです。こちらもぜひよろしくお願いいたします!

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