『Windows 11』はゲーム機能が充実してるって知ってた?

後藤宏
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 10月5日からWindowsの新バージョン『Windows 11』の配信がはじまりました。新バージョンでは、デスクトップのデザインがリニューアルされたことをはじめ、さまざまな新機能が追加されていますが……。気になるのは、やはり“ゲーム環境に影響があるのか?”です。ここでは、ゲームに関連する機能に注目して『Windows 11』のポイントを紹介していきます。

『Windows 11』ではゲームも重視

設定メニューの「ゲーム」項目に関連機能を集約

 じつは『Windows 10』でも、ゲーム向けの機能を備えていました。動作環境の自動調整やプレイ動画を配信などの機能です。『Windows 11』では、それらの機能を引き継いでいて「設定」にある「ゲーム」項目にまとめられています。まずは「ゲーム」項目をチェックしてみましょう。

  • ▲「スタートメニュー」から「設定」を呼び出すと、左側に並ぶメニューの一覧に「ゲーム」が用意されています。

「Xbox Game Bar」や録画時の設定などゲームを盛り上げる機能を集約

 「Xbox Game Bar」は、プレイ中の様子を録画したり、PCの動作状況をチェックしたりできる機能。「Xbox ネットワーク」との連携機能も備えていて、仲間とのチャットなどもスムーズに楽しめます。「ゲーム」項目では、Xbox用コントローラーからの呼び出しのオン/オフを切り替えが可能です。

 また「キャプチャ」項目では「Xbox Game Bar」で録画データの保存場所や録画時のフレームレートの設定など、録画時の設定を管理できます。

 各設定の変更や録画の開始/終了も手軽にでき、特に実況動画の撮影や配信を楽しみたいユーザーは重宝する機能です。


  • ▲コントローラーからの呼び出しをオンにすれば、プレイ中にすばやく「Xbox Game Bar」を呼び出せるようになり、気軽に録画設定の変更やオーディオ環境の調整が可能。
  • ▲「キャプチャ」は、録画時の画質を変更したり、最長録画時間を設定したり、録画に関する設定を変更するための項目。マシンのスペックに合わせて設定を調整できます。

パソコンをゲーム向けに調整する「ゲームモード」

 一方の「ゲームモード」項目は、機能のオン/オフを切り替える項目。「ゲームモード」は、『Windows11』の動作をゲーム優先に調整する機能で、バックグラウンドで実行されているプロセスを停止するなど、ゲームプレイ中の環境を最適化してくれます。

  • ▲「ゲームモード」は、めんどうな設定などがなく、オン/オフの切り替えるだけで利用可能。快適にゲームがプレイできる環境を手軽に利用できます。

快適にプレイできる画期的な機能を新搭載!

プレイ中の待ち時間を減らす「Direct Storage」

 従来からゲーム向けの機能を備えていたWindowsですが『Windows 11』では、ゲームのプレイをしやすくなる機能が、さらに追加されています。それが「Direct Storage」と「Auto HDR」です。

 いずれも『Xbox Series X/S』で、すでに導入されている機能で、プレイがより快適になる機能。それが『Windows 11』にも導入されました。

 「Direct Storage」は、CPUを経由して処理されていたデータをGPU(グラフィックを処理するチップ)へ直接展開する機能。最近のゲームでは、高精細で美しいグラフィックを楽しめますが、その反面、処理が重くなり、ロード時間も長くなります。「Direct Storage」はプレイに水を差す“待ち時間”を減らし、よりゲームを快適に楽しめるというわけです。

  • ▲NVMe対応のSSDは、そもそもアクセス速度が高速で、最新の規格では、HDDと比べて40倍以上の速度になることもあります。CPUの処理ステップを省くことで、さらなる高速化を実現し、SSDのメリットを最大限に発揮します。

輝度を補正して視認性を向上する「Auto HDR」

 最近のゲームでは、映像表現がリアルになり、まるで映画のワンシーンを観ているような作品も増えています。そこで、気になってくるのが映像の輝度です。

 暗がりや逆光のシーンなどの輝度が極端なシーンでは、全体が真っ暗で周囲が見にくかったり、ハイライトに引きずられてディティールがかすんだりしてしまい、プレイに影響を及ぼすケースもありました。「Auto HDR」は、映像の輝度を自動的に調整し、視認性を向上してくれる機能です。

  • ▲「Auto HDR」は「ディスプレイ設定」にある「HDR」項目でオンにして、さらに「自動 HDR」をオンすると有効になります。なお「Auto HDR」を利用するには、ディスプレイもHDR表示に対応している必要があります。
  • ▲HDRを有効になっていると、輝度の高い場所と低い場所の明るさを調整。映像がグッと観やすくなります。対戦プレイの際に、すばやく的確に相手を発見できるなど、効果を発揮します。

期待の技術やサービスが盛りだくさん

リアルな映像体験ができる「DirectX 12 Ultimate」を採用

 ゲーム向けの機能を整理したり、プレイがより快適になる機能を搭載したり、ゲームに集中できる環境を整えてきた『Windows 11』ですが、開発者向けの機能が刷新されている点も見逃せません。

 「DirectX 12 Ultimate」では、リアルな映像体験を実現する「DirectX Raytracing」や画像描画のパフォーマンスを向上する「Variable Rate Shading」など、最新の技術に対応。いままで以上に映像表現に凝ったゲームの登場に期待が膨らみます。

  • ▲従来以上に映像表現の幅を広げる「DirectX 12 Ultimate」。グラフィックボードやゲーム側でも対応する必要がありますが、クリエーターがイメージした世界を、より忠実に表現できるようになります。

「Xbox Game Pass for PC」のラインナップ拡充

 また、肝心の遊べる作品もぬかりありません。サブスクリプションでゲームが楽しめる『Xbox Game Pass』のPC向けプラン「Xbox Game Pass for PC」を展開。Xbox Game Studios や Bethesda Softworksなどの名作が遊び放題になるほか、EA(Electronic Arts)の作品が遊べる「EA Play」も利用できます。

  • ▲スタートメニューの「Xbox」から『Xbox Game Pass』のゲームを手軽にプレイできるようになりました。月額は850円(初月は100円)ですが、「EA Play」に収録されている作品もプレイできます。
  • ▲『Microsoft Flight Simulator』や『Halo: The Master Chief Collection』など、Xbox Game Studiosの作品を中心に、名作ゲームがラインナップされています。

 約6年ぶりにメジャーアップデートが実施され、10月から提供がはじまった『Windows 11』ですが、ゲームに関連する機能に注目して紹介してきました。今回のアップデートでは、家庭用ゲーム機にも採用されているさまざまな技術が導入され、もやはゲーム機との垣根がなくなりつつあります。

 いままではゲーム機専用に提供されていた作品も、クロスプラットフォームになるケースが増えるかもしれません。今後はパソコンゲームやゲーミングPCのチェックも欠かせなくなりそうです。

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