『ディサイプルズ リベレーション』レビュー。自由度の高い物語と戦略的なタクティカルバトルがおもしろい!
- 文
- 滑川けいと
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Kalypso Mediaから11月25日に発売されるPS4/PS5用タクティカルRPG『ディサイプルズ リベレーション』のプレイレビューをお届けします。
本作は、さまざまな種族の暮らす世界“ネヴェンダール”を冒険していくタクティカルRPGです。プレイヤーの選択により変化するシナリオや、戦略的に戦えるバトルなど、おもしろい要素がふんだんに盛り込まれている本作を紹介していきます。
黄昏の世界で紡ぐ主人公アヴィアンナの物語
本作の舞台となるのは、黄昏の世界“ネヴェンダール”。任務でとある神官の暗殺を受けた主人公のアヴィアンナと相棒のオライオンは、標的の前までたどり着きますが罠にはまってしまいます。
そのとき不思議な力が発現し、アヴィアンナとオライオンは空間移動をすることで危機から逃れたのでした。
しかし、彼女たちが移動した先は見覚えのない場所。そこは、聖天使の都市の意味を持つ伝説の街“イリアン”でした。
アヴィアンナは自身の壮絶な人生から脱するため、イリアンを故郷にすることを決意。ネヴェンダールをめぐり、イリアンを栄えさせるために行動することになります。
ネヴェンダールには、帝国、エルフの部族、悪魔の群れ、不死者の群れという4つの勢力が存在しています。本作ではアヴィアンナを操作して各勢力を味方につけたり、ときには敵対したりしながら物語を進めていくことになります。
本作の最大の魅力は、選択肢によるアヴィアンナの行動の決定です。ネヴェンダールの住人たちとの会話では、選択肢がひんぱんに発生。選択肢は友好的なものから好戦的なものまであり、選んだものによってその後の展開が変化します。
“味方につけたり、ときには敵対したり”と書きましたが、選択肢のどれを選ぶかによって話している相手と友好関係を結べることもあれば、敵として戦うことにもなる、ということなんです。
「このキャラクターとは戦いたくないから、できるだけ友好的な選択肢にしよう」、「こいつは何か気に食わないから好戦的な選択肢を選んでバトルに持ち込み、倒してやろう」など、プレイヤーの感情をある程度反映できるのです。
もちろん、これだという選択肢を選んでも思った通りの展開になるとは限りません。それもまた人生。そんなところも含めて、感情移入の度合いはかなりのものとなっています。
バトルではAPの使いどころがカギを握る!
本作のバトルは、マス目で区切られたマップ上で編成したユニットを動かし敵の撃破を目指すターン制のタクティカルバトル。ユニットにはそれぞれAP(アクションポイント)があり、行動のターンがおとずれるとAPを消費して移動したりアビリティで攻撃したりしていきます。
このAPが、バトルに深みを与えてくれる要素となっています。
APには移動のみ青色、アビリティ使用のみ可能な赤色、移動とアビリティどちらか使用可能な黄色という3種類があるのですが、そのターンに使わなかったAPがあると特殊効果を獲得。青が残っていれば素早さが上がり、赤が残っていればそのユニットが強化されます。また、黄色が残っていれば素早さも上がり、強化の効果も得られます。
APの特殊な効果があることで、敵に特攻するだけでなく強敵と対峙した際はあえて待ち、味方を強化させてから迎え撃つといった戦い方もできるようになります。
また、APが残っているとHPを少しだけ回復してくれるという効果もあるため、ダメージを受けた味方は後ろに下げて回復に専念させるといったことも可能。このAPの持つ効果があることで、戦略の奥深さがかなり出ているなと感じました。
ユニットの攻撃方法として挙げられるアビリティには単体に攻撃できるもの以外にも、広範囲に攻撃したり相手に状態異常を与えたりするものなどさまざま。中でもアヴィアンナは主人公だけあり、少し特殊な立ち位置のユニットです。
仲間となる他のユニットは固定のアビリティのみ所持するものの、アヴィアンナは“呪文”を使用可能。呪文には回復や攻撃、支援など豊富な種類があり、どの呪文をいかに使用するのかもバトルでは大事な要素となってきます。
呪文は、物語で呪文の巻物を入手することで習得が可能になります。たくさんの呪文を覚え、適したものを使うことが勝利へのカギとなるのです。
また、味方同士で敵を挟むと“挟撃”になり、攻撃にボーナスがつきます。アヴィアンナの育成はもちろんのこと、アビリティの効果や挟撃を考えて味方をどのように動かすのかがキモに。バトル自体はターン制なので、じっくりと考えながらバトルを楽しめます。
イリアンに建造物を建て理想の故郷を自分で創造しよう
アヴィアンナたちの拠点となるイリアンは、ゲームスタート時には何もありません。ですが物語を進めると手に入る“設計図”があれば、イリアンの各所に施設を建てられます。
建てられる施設には“市場”や“魔術師ギルド”、“墓場”などがあり、イリアンの外観を華やかにするだけでなく装備の購入やアップグレードができるようになります。
施設の効果で大きいのは、“ユニットの雇用”です。本作ではアヴィアンナやオライオンのように物語上で絡んでくる味方キャラクターもいるのですが、それ以外の仲間はイリアンの施設で雇用することで戦ってくれるようになります。
最初こそ1種類のユニットしか雇用できませんが、イリアンが発展すれば雇用できる種類も多くなります。雇用できるユニットの種類が増えれば、それだけ多彩なアビリティを目にすることになるのため、どのユニットをバトルで使うかの編成の楽しみも広がってきます。
ではここで、編成について紹介しようと思います。バトルでは編成に入れたメンバーで行うのですが、本作には“前衛”と“後衛”があり、前衛に入れたユニットを動かして戦っていきます。後衛に配置すると、バトルには参加できないものの特殊なアビリティを使用して前衛をサポートしてくれる役割を担います。
そして各ユニットは“指導力コスト”があり、編成には前衛と後衛の指導力コスト合計値が指導力内におさまるようにする必要があるのです。そのため、前衛に何体、後衛に何体置くのかも考えなくてはならないんですよ。後衛用のアビリティは役立つものも多く、これが意外に悩みどころ。
でも、こうした考えている時間も楽しいんですよね。考え抜いて編成したメンバーでうまく勝てたときの喜びはひとしおですよ。数多のユニットから選び抜き、最強の布陣を見つけましょう!
多彩な選択肢から自分だけの展開を作れる自由度の高い物語と、戦略性の高いタクティカルバトルで非常に満足度の高い本作。重めのダークファンタジーが好きな人はもちろん、タクティカルゲームが好きな人にもチェックしていただきたいタイトルです。
数々の選択肢を経て、アヴィアンナがどのような人生をたどるのか、ぜひその目で確かめてください!
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