αテスト版にしては出来がよくて勘違いされている!?『ブループロトコル』開発者インタビュー
- 文
- イナヤ マギ
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バンダイナムコオンラインとバンダイナムコスタジオによる共同プロジェクトチーム“PROJECT SKY BLUE”による、PC向け新作オンラインアクションRPG『BLUE PROTOCOL(ブループロトコル)』。
7月に行われたクローズドアルファテストでは、美麗なグラフィックやこれからに期待ができそうな完成度の高いゲーム内容で話題となりました。そんな本作の開発陣に、クローズドアルファテストの反響や今後についてお聞きしました。
お話を伺ったのは、株式会社バンダイナムコオンライン“PROJECT SKY BLUE”エグゼクティブプロデューサーの下岡聡吉さん、『ブループロトコル』運営統括ディレクター兼プロデューサーの鈴木貴宏さん、株式会社バンタイナムコスタジオ『ブループロトコル』開発統括ディレクターの福﨑恵介さんの3名です。
※インタビュー中は敬称略
また、インタビュー中の質問、回答には先日公開されたクローズドアルファテストのフィードバックレポートの内容を元にしたものも含まれます。まだご覧になっていない方は、ぜひフィードバックレポートもチェックしてみてください。
PCのオンラインゲームは現在ブルーオーシャンになっている
――まずは自己紹介と『ブループロトコル』における役割を教えてください。
下岡:バンダイナムコオンラインの下岡と申します。“PROJECT SKY BLUE(プロジェクトスカイブルー)”を統括するエグゼクティブプロデューサーを務めています。
福﨑:バンタイナムコスタジオの福﨑です。『ブループロトコル』は複数ディレクター制をとっておりまして、彼らをまとめる開発統括ディレクターをやっています。
鈴木:バンダイナムコオンラインの鈴木です。『ブループロトコル』の運営統括ディレクター兼プロデューサーを務めています。
――そもそもまず最初に気になったのですが、“プロジェクトスカイブルー”というのはどういったものなのでしょうか?
下岡:“プロジェクトスカイブルー”は、バンダイナムコオンラインとバンダイナムコスタジオが協力して創出しているオリジナルIPプロジェクトのことです。
現在はオンラインゲームの『ブループロトコル』から制作していますが、それだけでは終わらずに、さまざまなジャンルに広がりを見せたいと思って設立されました。元々は開発コードで使っていたものがそのままプロジェクト名になっており、発足からすでに5年になります。
――5年は長いですね! そのプロジェクトが、なぜPCのオンラインゲームを開発しようということになったのでしょうか?
下岡:バンダイナムコオンラインは今年で10周年になるのですが、ずっとお客様に楽しんでいただけるオンラインコンテンツを制作したいと思っていました。
今ではオンラインに繋がらないゲームを探す方が難しいですが、創立された10年前といえばPCのオンラインゲームが台頭しており、コンシューマでも『ファイナルファンタジーXI』や『モンスターハンター2(ドス)』といったオンラインゲームがありましたが、数は少なかったころ。弊社もその中で何度かオンラインRPGの制作に挑戦しているのですが、なかなか成立には至らない状態でした。
そして時代が進むにつれて、ゲーム業界では同じ開発費をかけるならアプリゲームの方が効率いいとか、開発や運営のノウハウがないとか、開発費をしっかりかけないと評価してもらえないといった理由で大規模なオンラインゲームが敬遠されるようになっていきました。
そんな流れの中で僕たちは幸運にもオンラインゲームにチャレンジできる環境にあったので、5年前に満を持してプロジェクトが発足しました。そのときに考えたのが、このゲームが完成するときにどういう時代になっているのかということです。
プレイヤーとしては需要がありますが、作れる企業が少ないのであれば、逆にブルーオーシャンになっているのではないかと。この作品をきちんと作り切ることでよい結果に繋がるのではないかと考えました。
――それで『ブループロトコル』の開発が始まるわけですね。
下岡:そうです。最初の2年は“どういうゲームにしていくのか”という企画だけで時間が過ぎていきましたね。先日のアルファテストのバージョンまでにもかなり時間が掛かりましたが、ようやく現在はスタッフも増えてしっかり目的意識を持って作っていけるような状況になっています。とはいっても実際に世に出すとなるとまだまだ時間がかかると思います(苦笑)。
日本のセルアニメ調のオンラインゲームを作りたい
――『ブループロトコル』の開発コンセプトを改めて教えてください。
下岡:本作には、ビジュアルのコンセプトと遊びのコンセプトがそれぞれあります。ビジュアルのコンセプトは“日本生まれ”。日本の企業であるバンダイナムコらしさを考えたときに、世界中に競合するオンラインゲームがあるなかで何か特徴的でありたいと思い、グラフィックはジャパニメーションにしようと決めました。
アニメの表現としては、日本のセルアニメーションと海外のアニメ映画で見るような3DCGのものがありますが、やはり日本国産の特徴ともいえるセルアニメーションを選択すべきだと考えたのです。
日本生まれのオンラインゲームだということをビジュアルで示したいというのもありますし、まったくゼロから作り出すファンタジーの世界をフォトリアルなCGで表現するのは少し違うなと感じたからです。
僕らがちょうどこのゲームを開発しはじめたころ、E3(Electronic Entertainment Expo)で『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のビジュアルが初めて公開されたのですが、それを見たときは衝撃を受けました。リンクが弓を構えているものでしたが、ビジュアルの完成度がかなり高くて、このレベルで開発していかないと世界とは戦えないと、そう感じました。
“アニメのような”ではなく、“アニメの中”を動き回る、しかも普通のアニメではなくて劇場版のような高いクオリティでやりたいなと。プレイヤーがスクリーンショットを撮って友だちに見せたとき、「これは何のアニメ?」と聞かれるぐらいのグラフィックを目標として開発することになりました。
――そして本作の美麗なグラフィックが生み出されるというわけですね。技術面でもかなりこだわったのではないですか?
福﨑:そうですね。本作ではエンジニアとデザイナーが協力して、「本気で大真面目にセル調を突き詰めて制作しよう」としています。
カメラアングル1つとっても、いわゆる映像のカメラアングルではなく、アニメのカメラアングルを意識してほしいと怒られましたね(笑)。
下岡:当時よく話し合ったのは、デモムービーを抜けたときに急に3Dっぽくなったり、表情がまったくなくならないようにしようということですかね。こういうちょっとした違和感から、ユーザーの失望に繋がりかねないと思うからです。
福﨑:今までのゲームの定石で作ると、必ずといっていいほど「それはアニメの演出じゃない」と注意されました。例えばショップの定員に呼吸モーションをつけていたのですが、アニメのキャラクターは話しているとき以外は、目と口しか動かないし、呼吸モーションもないので駄目だと言われましたね。
下岡:ずっと呼吸モーションだけで動き続けているより、プレイヤーが話しかけたときにしっかり表情が変わったり、動作する方がアニメの表現らしいと思ったので、修正してもらいました。ただ大事なのは、プレイヤーに開発のエゴを押し付けないことだと思いますので、うまく調整できたらと思っています。
また、プレイヤーの操作するキャラクターをしっかりとストーリーの中心に置くことで、自分が“主人公”である感覚を味わえるように制作しています。
ただゲームとして成立しないと困るので、ゲームの基本構成は守りつつも、アニメに入り込んで遊んでいるというところを大事にしています。
福﨑:ゲームの遊びやすさと、アニメ表現のどっちを優先するのかでぶつかるんですよ。企画側はやはりゲームを遊びやすくしたいですし、グラフィックとしてはアニメ調の表現から大きく外れることはしたくない。じゃあどうバランスをとっていこうかという話になりますね。
現在ベースはアニメ調ですが、オプションでユーザーの好みに合わせてカスタマイズできるようにして、ゲーム寄りに遊びたいプレイヤーにも対応できるようにしていこうと思います。
下岡:モーションと絵作りというのは微妙に違ったりするのですが、絵作りの方は背景美術があってキャラクターセルがあって、その上にエフェクトがあり、最後に撮影処理が入るアニメの作り方に近い手法で制作しています。
エフェクト1つとってもそうですし、カメラワークにしてもデモシーンとプレイ中はわけています。アニメとまったく同じにするのではなく、アニメの中を動いている感触がプレイヤーに残ることを目標に色々と試行錯誤を続けているという感じですね。
福﨑:最後までそのバランスには、良くも悪くも苦しむと思っています。すべてをアニメ表現にするとゲームが成立しないですし、アニメ表現への感動も薄れてしまうので、ポイントポイントでアニメの表現を入れて、その間をゲームで繋ごうという感じになるかなと思います。
アニメの演出は描くべきところだけ描くという徹底的に効率化された形なのですが、結果的に独自の演出手法にまで昇華されていますよね。それをどうグラフィックの演出としてどう組み込むのかは、今後も試行錯誤を続けていくと思います。
一時期デモシーンにテキストを出さないでくれとも言われました。アニメみたいにフルボイスにして全部わかるようにしてくれてと言われたときは、さすがにそれは無理だろうと(笑)。ここまでくると極端ですが、それくらいアニメ表現にこだわっているということです。
――ものすごいこだわりを感じました(笑)。では、遊びのコンセプトはなんでしょうか?
下岡:最高峰のセルグラフィックを表現して“アニメの中で動き回れるような体験”をしてもらうと同時に、遊びのほうでは役割に固執しない“アドリブのある冒険”をコンセプトとしています。
今の時代は情報を調べることが容易で、例えば旅行に行くときも観光地とか調べますし、ゲームでも難しいところがあったら検索するじゃないですか。でも本当に心に残るのは検索した情報ではなく“アドリブ性”だと思うのです。
旅行だったら例えば雨が降ったとか現地の人と交流できたとか、名物の食べ物が売り切れだったとか、それだけでもイベントにはなるじゃないですか。確かに嫌なことかもしれないけど、思い出としてはちゃんと残る。
そういうアドリブ性がオンラインゲームではすごく大事になってくると思っているので、仮にストーリーの攻略チャートを調べてあったとしても、実際にゲーム内では新鮮な体験ができるシステムにしたいと思っています。
クローズドアルファテストは思っていた以上によい反響だった
――今回クローズドアルファテストを行ったのはなぜですか?
下岡:主目的は運営するうえで必要になってくるサーバーの負荷や通信速度といったシステム上の数値の計測でしたが、自分たちの作っているものに対する答え合わせという面もありました。
実はテストで遊んでいただいたものはかなり前のバージョンでして、その後も社内で積極的にテストプレイをし、そこで出てきたアイデアや不満点を解消しているバージョンを開発中です。ですが、実際プレイしていただいたプレイヤーからの答えが違っていたら、すべて無駄になってしまいます。
ですので、現在制作中のものとの答え合わせとしてプレイした方からのリアクションを見たいということもあり、クローズドアルファテストとアンケートを実施させていただきました。
――反響はいかがでしたか?
下岡:今回はサーバーのテストだったので、必要な情報を取得できる5,000人で募集をかけさせていただいたのですが、ありがたいことに初日で応募人数を超えてしまいました。
募集期間もまだあって、倍率が高すぎて遊べない方が増えてしまうのはプロジェクトとしてもよくないと思い、急遽倍の1万人に対応できるようにサーバを用意させていただいたのですが、それでもかなり高い倍率になってしまいました。
福﨑:アルファテストが始まる前に、私と鈴木でどういう反応になるかと話したことがあったのですが、おそらくは「不安はあるけど今後に期待」ぐらいの感想で収まるのではないかと予想していたのですが、思ったよりも反響はよかったですね。
鈴木:期待値が上がり過ぎているのではないかとドキドキしていました。アルファテスト専用のシステムが多かったのですが、この方向で開発が進んでいくのではないかと考えて、ご意見いただいた方が多かったですね。
下岡:ある意味、アルファテスト版にしては出来がよすぎたのかもしれません(笑)。
福﨑:あとレイドモンスターのドラゴン戦までスムーズに進んでほしかったのもあって、クエストもダンジョンも簡単な設定になっていたこともあり、ものすごいスピードで攻略されましたね。
鈴木:早かったですね。フィードバックレポートでは記載していないのですが、最高レベルの25に最速で到達されたのが、7月27日の21時32分でした。テストが始まってトータルで5時間半くらいだったので、思った以上に早かったですね。
レイドモンスターのドラゴンも、運営側は2日目の23時から出現のアナウンスをしていたのですが、実は21時から出現していました。倒されないだろうなと思っていたのですが、21時58分になんと5人パーティに倒されてしまいました(笑)。
福﨑:私たちがアナウンスする前に気づいて、しかも少人数で倒しているというというのにかなり驚かされましたね(笑)。
鈴木:23時台にアナウンスをした後は、それなりの人数の方が集まって戦っていました。出現初日は倒せないというパーティも結構いましたが、次の日にはもうドラゴンを倒す速度の方が早くて、リポップを待つ時間のほうが長いという状態でしたね。
アンケートでは足らずに問い合わせフォームにまでご意見が!
――クローズドアルファテストのフィードバックレポートが公開されていましたが、皆さんからのご意見などを読まれていかがでしたでしょうか?
福﨑:とにかく熱いご意見をたくさんいただきました。アルファテストでこんなにゲームの中身に対してご意見いただけると思っていなかったのでうれしかったですね。
下岡:処理プロセスを見るのが目的だったので、クエストやモンスターは仮置きだったのですが、あの延長上のシステムになると考えられてしまったのは説明不足だったなと反省しています。
先ほども言いましたが、アルファテスト版にしては出来がよすぎてしまったところがあって、皆さんに「このシステムの延長上に開発が進んでいくんだな」と勘違いさせてしまった部分があるように思います。
しかし、プレイヤーの方々がこのまま開発するなら自分は楽しめないとか、僕たちはこのシステムを求めていないという意見を表明していただけたのはよかったです。現在開発中のバージョンでのクエストやバトルシステムは、クローズドアルファテストとはかなり違いますのでご安心ください!
あとすごくうれしかったのが、文字数フリーで書ける欄にたくさん書いてくれるプレイヤーの方がとても多かったことですね。
鈴木:そのうえ、そこだけでは足りないと、お問い合わせフォームの方からもいただきまして、そちらも合わせて集計してアンケートフィードバックに記載した内容にしています。
――お問い合わせフォームにまでご意見をくれるとは、熱いユーザーの方が多くてすばらしいです。レポートを見るとバトルに関する要望が多かったようですね。
下岡:アルファテストでは実装されていなかったのですが、敵にもクラスが存在していてしっかり役割分担してプレイヤーを攻撃してきます。実際のプレイヤー側パーティのようにクラスの概念があります。
回復役がいて、それを守る壁役がいて、敵を攻撃するアタッカーがいるので、本作のバトルコンセプトとなる“プレイヤーパーティVSエネミーパーティ”のバトルができるようになっています。
このシステム下では、敵もこちらのクラスやHPなどわかりやすい指標以外にも多くの戦闘中の指標を元に、自ら現在の状況に対して最適な行動を選ぼうとするので、プレイヤー側も臨機応変に対応する必要がでてきます。アルファテストのときより攻略要素も高く、毎回新鮮なバトルが楽しめると思います。
福﨑:バトルでは“なんとはなしの協力関係”というのがテーマとしてあります。「こういう風に攻略しないといけない」というガチガチなバトルシステムにしてしまうと、それができない人が絶対的に“悪”にされてしまうので、それはやりたくないなと。
自分の思うように攻撃していたら、同じように攻撃した人と相乗効果が生まれたとか、誰かが攻撃したらそのタイミングに合わせてスキルを使うとか、そういう関係を増やしていけたらいいなと思っています。
下岡:もちろんきっちり役割分担して戦えば、より上級者向けの効率のよいバトルができるかもしれません。
アクションゲームですから個人の熟練度によるところも多いと思うのですが、クラスのカスタマイズによって、さまざまなプレイスタイルに対応した遊び方ができるように作っています。ゲーム中に自分が活躍しているという気持ちが高まるようにと考えています。
福﨑:ダンジョンはフリーでマッチングすることができますが、どうしても効率を求める方に合わせなければならなくなると思います。そこでもっとゆっくりダンジョンをクリアしたい方用にパーティを募集できるシステムを準備しています。こちらができれば、プレイヤーのニーズによってうまく住み分けができるのではないかと考えています。
あとフリーマッチングは“何も考えずにマッチングしたら行ける”ようにしたいので、レベルやクラスの細分化はしない予定です。その分、任意のパーティ募集をできる限り細かく設定できるようにしますので、そちらを使っていただきたいなと思います。
プレイヤーの中にはダンジョンをガンガン攻略するとか、まったり絶景を見に行くとか、さまざまなプレイスタイルがあると思うのですが、『ブループロトコル』という世界では、このプレイスタイルをできる限り否定したくないと思って制作しています。
下岡:本作には“街”、“フィールド”、“ダンジョン”の3つのエリアが用意されています。“街”は、冒険の準備や他のプレイヤーとのコミュニケーションの場として、今後もしっかり作りこんでいけたらと思っています。
“フィールド”は、アルファテストではどこでも行けたのですが、今後は探索要素を強くして、より冒険感を強めようと思っています。
あとコミュニケーション用の場所もあちこちに用意しようかと。アルファテストだと平原の途中にあったキャンプ場のような場所がそうです。実はテントの中に椅子があって僕は20分ぐらい座っていたけれど、誰も来ませんでしたね(笑)。
“ダンジョン”もマップ自体に分かれ道やギミックなどを配置して、より攻略が必要な形に開発していく予定です。
――次はキャラクタークリエイトについてお伺いします。アンケート結果にはないのですが、プレイヤーキャラは男女どちらが多かったのでしょうか?
鈴木:74%が女性で、26%が男性でした。初日はもっと女性キャラの割合が多かったのですが、最終日には男性キャラの割合が多くなっていったので、3日間遊んでいただいた中でも男性キャラをちょっと作ってみようかなって思っていただいたプレイヤーが多かったのではないかと感じています。
――男性キャラもおじさんからイケメンまで、かなり細かく作れましたからね。
鈴木:そうですね。男性キャラにも魅力を感じてもらえた結果ならうれしいです。
――キャラクリエイトは体型をもっと変えたいとか、パーツの位置を動かしたいとか、もっと細かくカスタマイズしたいという要望が多かったようですが、そちらの対応予定はあるのでしょうか?
鈴木:パーツ自体については、アニメ調の世界観を守るために差分を設けにくいパーツがどうしてもありますが、やはりプレイヤーとしては他のプレイヤーと差別化したいという気持ちはすごく理解できます。ですので、顔のパーツをもう少しいじれるようにできるのかというのは現在検討しています。
ただ、表情が変化したとき顔が崩れてしまう可能性があるので、慎重にテストしてどこまで対応できるのか今確認をしているところです。現在決まっているところだと、髪型はもっと増やしますし、髪が揺れるようにもなります。
――髪型が増えるだけでも、個性が出せそうですね。あとクラスですが、レポートを見ると、1番多かったのはイージスファイターだそうですね。
鈴木:スタンダードなクラスだったので1番選ばれたとも思いますが、イージスファイターはデフォルトで選択されているクラスだったで、選択し忘れて作成されることも多かったのではないかと思います。
実際にプレイしていた私たちもクラス選択をつい忘れることが多かったので、次回は明確にクラスを選択した後に、キャラクリエイトをするように改善予定です。
クラス選択で特徴的だったのは、“アクションの熟練度が低い”と答えている方ほどスペルキャスターなどの遠距離クラスを選択している点ですね。敵から距離を取りたい気持ちの表れだとは思うのですが、今回の遠距離クラスは操作の難易度的にソロでやるのは厳しかったので、アクションが苦手であるほど実は前衛クラスを使った方がよかったという結果に(苦笑)。
福﨑:HPが低めの設定になっているので、敵の攻撃を全部避けないといけなかったですからね。
下岡:攻撃の方も、強力なスキルが手に入るまではかなり大変だったのではないかと思います。
鈴木:パーティを組んだ場合は、前衛職の後ろで安全に攻撃できるので簡単になったかなと。今後は、スキルビルドを導入してある程度はフォローできるようにしようと考えています。
福﨑:今回のイージスファイターは、確かに純粋におもしろかったですよね。うまくやったときの達成感が1番わかりやすかったと思います。
下岡:敵の攻撃に対して、防御やカウンターなどリアクションが取りやすかったですね。前衛職のゴブリンやイノシシなど攻撃モーションがわかりやすい敵も多かったので、非常に防ぎやすかったと思います。
アルファ版ではイージスファイターががんばってくれていたら、後衛は固定砲台のようになれるのでラクになりました。ただ一方で、遠距離クラスは遠くからダメージを与えるだけになってしまって、クラス特有の楽しみが減ってしまった部分はあったかもしれません。
福﨑:イージスファイターはテストバージョンということもあり、色々スキルを詰め込んだために万能になりすぎたとは思うので、スキルビルドで選択できるように変更していく予定です。
鈴木:他のクラスについては、もう少し各職の特徴をしっかり出しながら、楽しんでプレイできるような調整をしていくと思います。
――ちなみにですが、本作はクラスチェンジも可能ですが、複数のクラスをプレイするとパラメータが上がるなどのメリットは用意されているのですか?
鈴木:色々やっておくといいことがあるかも、くらいしか現時点では言えないですね。
福﨑:開発側としては、どれもしっかり作りこんでいるので全職やっていただきたいなとは思っています(笑)。
下岡:あとアルファテストでも武器に能力がついているものがいくつかあったのですが、その種類が増える予定です。その中にはスキルをより高めたりする能力もあるので、スキルビルドに合わせて武器も変えるようになると思います。
福﨑:武器とイマジン周りは、アルファテストではかなり限定させていただいたので、次の機会にはしっかり入れたいと思っています。
――他にアルファテスト版には実装されていなかったものは何でしょうか?
福﨑:メインストーリーですね。アルファテストでは、ストーリーのデモが一切入っていません。公式でもストーリーに関わるメインNPCは、PVとキービジュアルの5人だけしか公開されていないのですが、ストーリーに関わってくるNPCは現時点で30人ほどいますし、デモも多く用意する予定です。
重要なのはムービーではなく、すべてデモだということです。今回のアルファテストでも見ていただいたと思うのですが、通常のゲーム画面の段階でもデモとして使って遜色ないレベルまでグラフィックのクオリティを上げているので、通常キャラクターのままストーリーデモに流せます。ある意味、アニメ調にこだわった副作用ですね(笑)。
あとはバトルの演出です。アルファテストの前のバージョンでは、バトル演出がもっと入っていたのですが、アクションがやりにくくなってしまって調整に時間がかかってしまうのでテストバージョンではかなり外してあります。今開発されているバージョンではアクションとの調整をしながら、改めて演出を検討しています。
――具体的にはどんな演出が追加される予定ですか?
福﨑:フィニッシュブローの他に、カット演出も入れようと思っています。
鈴木:イマジンが出るときに、もともとカット演出が出る仕様になっていたのですが、アクションに支障が出そうなのでカットされています。
福﨑:アルティメットスキルも最終的にカメラ演出が長めに残ったのはツインストライカーとスペルキャスターのものだけですね。イージスファイターの演出ももっと長かったのですが、扱いにくかったので短くなりました。
鈴木:昔のバージョンだと、アルティメットスキルは5秒くらい力を溜めて武器を投げていましたよね?
福﨑:そうそう。しかも無敵時間がなかったので技が出る前に潰されていましたね(笑)。開発中のバージョンでは使った瞬間から発生する無敵時間で必ずアルティメットスキルが出るようにして、その間はアクションしてなくてもプレイヤーに不利益が出ないようなシステムを構築しています。
下岡:多分ですが、初見はどの演出もかっこいいと思ってもらえると思います。ですが、長く遊んでいただくゲームですので、繰り返しプレイすることによって邪魔に感じてしまう場合もあるので、どの技にどの程度演出をつけるのかは今後吟味していきたいと思っています。
今後はクローズドベータテストを実施予定
――今後についてなのですが、またユーザーがプレイできるテストを行う予定はありますか?
鈴木:次回はクローズドベータテストを行う予定です。
下岡:クローズドアルファテストは、サーバーのデータチェックがメインで正直何もない状態でしたが、次回は本作のコンセプトが明確に出ているものになっているので、そちらで遊んでもらってフィードバックをいただいて、また開発を進めるという流れになると思います。
ただ、しっかり開発に集中する時間が欲しいので、ここからベータテストまでは出せる情報が少なくなってしまうかもしれませんが、楽しみにお待ちいただければと思います。
――まだ先の話になると思うのですが、オンラインゲームはどうしてもエンドコンテンツがどういうものか気になってしまうと思います。本作ではエンドコンテンツはどのようなものになるのでしょうか。
福﨑:基本的なエンドコンテンツとしては、武器やイマジン作りになりますね。ただそこだけをエンドコンテンツにすると、アップデート時点での最高の武器以外は作っても意味がなくなってしまうので、レベルや武器を制限した状態でプレイヤーの方々に競い合ってもらうコンテンツは、各レベル帯に設けようと思っています。
一般的にアップデートが入ると一気に最後までプレイして、その最後の場所でぐるぐる武器を作るのが主流ですが、最高レベルだとランキングにチャレンジするライバルが多いので、別のレベル帯でランキングトップを狙うなんて楽しみ方もありなのではないかと思います。
下岡:レイドやダンジョンでは、パーティを組まないとクリアが難しいような難易度のものを用意する予定です。ソロでも楽しめる遊びや、今回は実装されなかったストーリーもしっかり作りこんだものになっていますので、それをじっくり楽しむというのもいいと思います。
あとはフィールドも細部まで作っていますので、すべてのエリアを踏破するとか、絶景を見に行くとか、そういった旅行もエンドコンテンツになるのではないかと思います。
鈴木:それと、正統派のエンドコンテンツではありませんが、やりこみ要素のあるミニゲームのような遊びも追加できればと考えています。
基本プレイ無料でアバターアイテムやシーズンパスを販売予定
――ユーザーが一番気になっているところだと思いますが、本作のプレイ料金や課金要素などは、どのようになる予定なのでしょうか?
鈴木:基本プレイ無料になる予定です。詳しい内容は決まっていませんが、準月額制と呼ばれる“シーズンパス”は用意したいと考えています。
下岡:課金要素はありますが、課金すれば単純に強くなれるというようなものではなく、“Pay to Joy”というか、楽しんでもらうためにお金を払ってもらえるといいなと思っています。
衣装のようなアバターの見た目を変えるコスメティックな要素を販売予定ですが、これに能力はつかず、純粋に見た目を変えるアイテムになります。全クラス共通なので、ぜひ着替えて楽しんでほしいですね。
――このグラフィックだったら、見た目にこだわりたくなりますね! キャラクリエイト画面の服装選択でも悩みました。そういえば、上下を脱いで設定することもできますね。
下岡:そうですね。おじさんのプリセットは上半身裸だし(笑)。
福﨑:キャラクリエイトの担当にプリセットを任せたら、なぜかああなっていましたね(笑)。
下岡:服装以外にも今後アクセサリーを充実させる予定で、裸で眼鏡だけしているようなファッションもできるようになると思います。
カメラモードも実装するのですが、そこでもアクセサリーはきちんと見せられるようアップにできる予定です。
――カメラモードは個人的にも楽しみですね。ビーチとかで写真が撮りたいです!
鈴木:わかります。ビーチでは撮影とか色々やりたくなりますよね。
下岡:花火は絶対やりたいなと思っています。あと武器を非表示にするとか、水着や水際で水遊びするような特殊モーションなども欲しいなと思っています。みんなで打ち上げ花火を見たり、一緒にスクショを撮るなどコミュニケーションの活性化に繋がってくれるといいですね。
――それでは最後に、『ブループロトコル』を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いいたします。
鈴木:クローズドアルファテストをプレイいただいて本当にありがとうございました。アンケートやお問い合わせフォームからのご要望すべてに目を通して検討を行ったため、結果を出すのが少し遅くなってしまいました。お待たせして申し訳ありません。
いただいたご意見やご要望に対して、しっかり開発していきたいと思います。そのため、これからしばらくお時間をいただくことになると思いますが、ユーザーの皆さんにしっかり楽しんでいだけるように、次回のベータテストに向けて制作していきたいと思っていますので、引き続き注目いただけるとありがたいです。
福﨑:クローズドアルファテストに参加していただいた皆さん、ありがとうございます。そうでない方もSNSで情報を書いていただいてありがとうございます。
アルファテストとしてはありえないくらい本作に対する熱い思いを色々いただけたと思っていまして、正直こんなに熱いご意見がくると思っていなかったので若干おののいているところはあります。
次回はクローズドベータテストになると思いますが、いただいたご意見の中で、できる部分はどういう形で実装したのかということを、できない部分はその理由をしっかりとお伝えして、ユーザーの皆さんとコミュニケーションをとっていきたいと思っています。
開発期間が長いせいもあってか、不安や方向性への迷いもあったのですが、今回アルファテストを行って、いざユーザーの皆さんの目に触れたとき、想定以上の評価と暖かいご意見、ご感想をいただくことができました。
ここでいただいたモチベーションを絶やさずに、サービスインできるまできっちり開発していこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
下岡:本当にクローズドアルファテストにご参加いただき、ありがとうございます。応募された方はもちろん、今も情報を追いかけてくださっている方も、本当にありがとうございます。
今、自信を持ってご期待に添えるような作品を作れているという感触がありますが、もし何か気になることがあればぜひご意見いただきたいと思います。僕らとしてもできるかできないかはしっかりと言わせていただきますが、ユーザーの皆さんとのコミュニケーションはこれからもしっかり続けたいと思っています。
“プロジェクトスカイブルー”としてはゲーム以外の動きも今後出てくると思いますので、そちらもご期待いただけたらと思っています。
実は本作の企画書のページの最後に“皆が待っているRPGを作る”と書いてあるんです。必ず“皆が待っているRPGにする”という強い気持ちでスタッフ全員一丸となってがんばっておりますので、これから長めの沈黙期に入るかもしれませんが、さらにパワーアップして戻ってきますので、温かい目で見守っていただければと思います。
――ありがとうございました!
最新のゲーム内画像を大公開!
最後に、インタビューにお答えいただいた開発陣の皆さんから、アルファテスト版からさらに開発が進んだ、最新のゲーム内画像をいただきましたので紹介します。
今後もさらに進化を遂げる『ブループロトコル』。次のクローズドベータテストまではまだまだ時間があるようですが、本作が気になる方はぜひ、公式Twitterなどをフォローして次の展開をお待ちください!
※本記事には一部『ブループロトコル』クローズドアルファテストで撮影した画像を使用しています。『ブループロトコル』クローズドアルファテストに関するスクリーンショットは、バンダイナムコオンラインより許可を得て掲載しています。
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