超リアルなサバイバルシミュレーション『ICARUS』。過酷な環境での自給自足は達成感が癖になる!

セスタス原川
公開日時

 『DayZ』を手掛けたDean Hall氏率いるRocketWerkzが開発した『ICARUS』(イカルス)のレビューをお届けします。今夏にベータ版が配信されたSteamではその面白さから話題になり、ウィッシュリスト・ランキングで5位を達成。全世界規模での盛り上がりを見せている作品です!

異星で生き抜き、ミッションを達成

 本作は、テラフォーミングに失敗した惑星を舞台の調査を行うサバイバルシミュレーションゲームです。大地に降り立ったプレイヤーの前には、リアルな大自然が広がっており、自由自在に散策できます。

 身体1つで地球そっくりの惑星に降り立ったプレイヤー。落ちている資源を活用しながら大自然を生き抜いて、惑星開発のためのミッションを達成することが目標です。


  • ▲ゲーム開始時にはキャラメイキング要素もあります。

 最初にプレイヤーが持つのは道具の設計図のみ。落ちている石や枝から斧とつるはしを作り、それを使って木や鉱石を集めるという原始的な生活からスタートします。

 プレイヤーレベルが上がると、徐々に作成できる道具の種類が増加。経験値は採集や狩猟、道具制作などあらゆるところで獲得できるので、まずは黙々と目前のやるべき事をこなすことが、この星を生き抜くための最初の1歩です。

 初めての料理に成功する、初めて家を建てるなど、何もなかった土地を開発していく作業は、1つ1つ終えるごとに達成感を感じられました。資源が増えてくれば、より大きな家を作ったり、もう1つの拠点を作ったり、さらにできることが増えていきます。

 今回はベータ期間だったのでレベルは20ほどまで上がりましたが、さらに上がれば鉄製の武器や銃など、より発展した道具を製造できるようです。


 ゲームはミッション方式で、クリアするとメニューに戻り、また別のミッションに挑戦する形式。ミッションごとに手持ちアイテムはリセットされますが、プレイヤーレベルと設計図は引き継がれるので、回数を重ねるごとに快適なサバイバル生活を送れます。

  • ▲ミッション報酬で獲得したポイントは、次回ミッションに持ち込める道具などに引き換えできます。

 今回プレイしたベータ版は英語表記が中心でしたが、一部では日本語のサポートもあったので、プレイ自体に大きな支障はありませんでした。正式リリース版ではすべて日本語に対応するとのことなので、より遊びやすくなりそうです!

サバイバル知識が深まる達成感が癖になる

 サバイバル生活の醍醐味は、採集や道具制作だけでなく、動物を狩って食料を確保する自給自足の食生活です。地上では鹿や兎が走り回っているので、弓で狩りを行い食料を確保しましょう。

 狩猟のコツは、しゃがみ歩きでバレないように近づいて、しっかりと頭を狙って一撃で仕留めること。こちらに気が付くと動物は逃げ出してしまうので、何度も狩りに挑戦してコツを掴んでいきましょう。

 最初の頃は、動物の索敵範囲や、バレないように近づく方法などがよく理解できておらず、食料を調達するだけで一苦労。ところが、練習を重ねているうちに簡単に狩りで食料を確保できるようになりました。

  • ▲この瞬間だけはFPSをしている気分。ヘッドショットに成功した際の爽快感は病みつきになります。

 また、ゲーム内では現実世界の数倍の早さで時間が経過していきます。もちろん街頭などはないので、夜中は完全に真っ暗。火を焚いて明かりを灯さなければ、歩くことすらままなりません。夜は家の中で料理をする、迷わない拠点の近場で作業するなど、昼とはまた違った生活を送る必要がありました。

 最初は右も左もわからないサバイバル生活でしたが、プレイをしている内に少しずつ狩りの仕方、夜の生活の仕方の理解が深まり、自分のサバイバル力が高まっている実感を楽しめました。

 サバイバルの基礎になれてくれば、まだ訪れたことのない場所を探索したり、狩猟でレベル上げをして新しい設計図を獲得したり、ゲームの遊び方の幅も広がってきます。

 ゲーム性としては、やればやるほどサバイバルが楽しくなってくるスルメ色のある作品。1つ1つのミッションが決して簡単ではないので、クリアした際の達成感が癖になります。

過酷な自然が牙を剥くことも

 未開の地での生活は簡単ではありません。自然の中には、至るところに命の危険が隠れています。

 最初に直面する問題が、食料と水、酸素の確保です。この3つの要素がどれかが尽きてしまうと倒れてしまうので、定期的に補給をおこなわなければなりません。ミッションポイントに向けて遠征を行う場合もあるので、食料を備蓄も大切です。

 もう1つの脅威は肉食動物です。周辺に生息する野生動物は鹿や兎などですが、中には狼や熊など凶暴な動物も潜んでいます。こちらを見つけると襲い掛かってくるので、弓や槍で対抗しなければあっという間に倒されてしまうでしょう。

  • ▲手ぶらの状態では狼や熊に勝てる可能性はほぼゼロ。まさしく弱肉強食の世界が広がっています。

 他にも、天候で体温が低下しすぎてしまう、使っていた火が引火して山火事が起きるなど、どんな時でも危険は隣り合わせ。油断できません。ちょっとしたことですぐに死亡してしまうこの過酷さこそ、サバイバルシミュレーションの醍醐味と言えますね。


  • ▲せっかく建てた拠点に焚火が引火して全焼……。頑張って作ったものが壊れてしまうこの喪失感がありますが、ストレス発散に近い癖になる気持ち良さもあります。
  • ▲死亡した後には、倒れた場所にアイテムを全てドロップした状態でリスポーンします。経験値も減ってしまうので、できるだけ死亡は避けたいところです。

 広大なマップの奥には、凍えてしまうような天候の雪山の地域もあります。凍死の危険はもちろん、凶暴な狼が群れを成しており、生半可な装備では足を踏み入れただけで殺されてしまいます。

 他にも、ミッション用の機材設置中に狼の群れがやってくるなど、一筋縄では行かないミッションもあります。特に、クリア直前で倒されて全てを失ってしまった場合の悔しさと言えば、台を叩きたくなってしまうような気分でした。

 とはいえ、よくよく考えると最初は狩りをすることもままならなかったサバイバル生活です。少しずつ作れる道具の種類を増やしていき、準備を整えれば、さらに厳しい環境にも適応できるはず。失敗すればするほど「次はこうしよう!」とサバイバル欲が高まっていきました。


  • ▲暗闇の中で狼に囲まれてやられてしまうのは誰もが一度はやる失敗です……。

 まずは、目の前でできることをコツコツと。サバイバル生活に近道はありません。材料集めから時間を掛けてミッションをクリアした際の達成感は、サバイバルゲームならではの気持ち良さです。

 今回はソロプレイでしたが、本作は8人までフレンドとのマルチプレイも可能なので、一緒にミッションクリアを目指せば、面白さは倍増するはずです。ぜひ、この大自然を生き抜く達成感を味わってみてはいかがでしょうか?

権利表記:RocketWerkz, Yooreka Studio

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