『Death’s Door』は絶妙なゲームバランスで最後まで気持ちよく遊べる秀作アクション【海外ゲーム名作案内】
- 文
- 柏又
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海外ゲーム大好きな担当ライターが実際にプレイして気に入ったタイトルを紹介する“海外ゲーム名作案内”コーナー。今回は、Devolver Digitalより発売中のPS5/PS4/Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/Windowsソフト『Death's Door』をとり上げます。
本作は、見下ろし視点のアクションゲーム。近接と遠隔、2タイプの攻撃とローリング回避を駆使して戦うオーソドックスな内容です。しかし、内容はオーソドックスでもゲームバランスや操作感など細かいところをきっちりと磨き上げれば、ゲーム史に燦然と輝く名作になりえるのがテレビゲームの興味深いところ。
今回はPS5版をもとに本作の魅力をお届けします。
カラスの死神が魂を狩り集める、独特の世界観が魅力的!
本作の舞台は、カラスが死期が迫った住人から魂を回収する死神として生きる世界。主人公は死神として生きるカラスの一羽です。死神、といってもその役割は会社や役所のように業務化されていて、主人公は内勤のカラスから狩るべき魂を指示されてから下界におもむくあたりがなんともユーモラスですね。
物語は、主人公が刈り取った魂を別のカラスに横取りされたところから始まります。この世界のカラスは基本的に時間の流れの影響を受けませんが、魂を狩るため開いた下界へのドアがある間は例外として歳をとっていきます。
回収すべき魂が吸い込まれた巨大な“死の扉”を破るため、主人公は住人のなかでもとくに長い時を生きたものが持つ“ジャイアント・ソウル”を回収する冒険に旅立つのです。
キャラクターなどのデザインはコミカルですが、生と死を扱う物語だけに全体的なトーンは暗め。ジャイアント・ソウルの持ち主である3体のボスキャラクターの生い立ちや、主人公の同僚であるカラスたちに起きた過去の悲劇などはプレイしていて興味深く、また先の展開が読めない物語はプレイヤーを強く引き付けるでしょう。
難しすぎず簡単でもない絶妙の難易度。トライ&エラーでの攻略もしやすい
本作で絶賛すべきは、やはりそれなりの手ごたえを感じさせてくれながらも、変にプレイヤーに厳しいところがない絶妙なゲームバランスにあると筆者は考えます。
道中に出現する敵のタイプには、多くはないが必要十分なバリエーションがあり、それぞれ個性的な攻撃を仕掛けてきます。プレイヤーは敵の攻撃パターンに加え、周囲の地形を把握しながら立ち回る必要があるのです。
主人公の操作は近接と遠隔攻撃、そして回避とシンプルで、敵の攻撃は大雑把に回避すればOK。敵の遠隔攻撃の一部は近接攻撃ではじき返すことが可能ですが、タイミングはそこまでシビアではありません。
敵の攻撃パターンを覚え、この敵はコンボで押し切り、またある敵は遠隔攻撃をはじき返してダメージを与える……といった感じでプレイヤー自身が戦い方を習得し、それを実行していく流れは、操作性の快適さもあって非常に気持ちいいです。
ただし、主人公の初期バイタリティ(体力)は敵の攻撃に4回当たると死んでしまうくらい貧弱。このため、敵の攻撃に極力当たらないように回避を優先した立ち回りをプレイヤーに求めるようデザインされているあたりがよくできていると感じました。
なお、本作はやられてもエリアとカラスたちの世界をつなぐ扉の前からリスタートになるだけで、プレイヤーの所持品などにペナルティを受けないため、トライ&エラーがやりやすい印象を受けました。
マップの仕掛けを4つの遠隔攻撃で解いていくパズル要素が秀逸
本作のフィールドは“失われた墓地”をジャイアント・ソウルを宿すボスの住むダンジョンが囲む形で構成されています。各ダンジョンは、マップごとに仕掛けられたパズルが満載で、ダンジョンごとに入手できる新しい遠隔武器を駆使すると解けるように作られています。
ダンジョンのパズルは、頭を使ってじっくり考えるというよりも、起点となるポイントをプレイヤーが見つけ出す観察力がモノをいうと感じました。また新しい遠隔武器を手に入れると、どのような仕掛けで使えるかわかるようにマップが作られていて親切です。
なお、失われた墓地は、各遠隔武器で解ける仕掛けが全種用意されていて、ダンジョンを攻略して新たな遠隔武器を手に入れるたびに、行ける範囲が広がるあたりもわくわく感があっていい感じですね。
基本的にマップの攻略手順は一本道ですが、エンディング後にマップを探索してあるアイテムを集めると真エンディングが発生するという仕掛けも存在。マップを探索して武器やバイタリティとマジックの最大値を挙げるアイテムを探すなど、価格以上にボリュームがありますね。
ストーリーの進行に加え、収集アイテムの入手などゲームの進行ぐあいは達成度として記録されていて、100%でトロフィーも獲得できるのでとにかくコンプリートしたい人も満足できると思います。
ここまで紹介してきました『Death's Door』。筆者としてはこの手のアクションゲーム、とくにインディー系のゲームはプレイヤーに歯ごたえを感じさせるタイトルが多い印象で、なかにはかなりシビアな操作を求めるものもいくつか体験してきました。
あくまで個人的ですが本作は、敵の攻撃もわかりやすいながらもゴリ押しを許さない厳しさがあり、プレイヤーが程よく手ごたえを感じられる絶妙なバランスに仕上がっていると思いました。遠隔武器を使いこなしてダンジョンを攻略していく感じは、スピーディーな『ゼルダの伝説』という印象です。
歯ごたえのあるアクションゲームを求めている人に直撃する内容だと思います。また、アクションに手ごたえを求めたいけど難しすぎるのはイヤ、というワガママなプレイヤーにもオススメしたいところです。
このゲームが簡単だと感じた人は、攻撃力が初期武器の半分しかない縛り武器“忘れられた傘”を装備したまま最初から最後までクリアするトロフィーもあるので、腕自慢ならぜひ挑戦してほしいところですね。
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