スピード感を楽しんでもらいたい──土橋真二郎先生が語る『魔法少女ダービー』制作秘話
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電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『魔法少女ダービー』を執筆した土橋真二郎先生のインタビューを掲載します。
本作は、別の未来から次々とやってくる主人公の娘たち(魔法少女)が、お互いの未来を賭けて恋のダービーを繰り広げるラブコメディです。
早くも『魔法少女ダービー』次巻執筆中の土橋真二郎先生に、物語を書くうえでのこだわりなどをお伺いしました。
──この作品を書いたキッカケを教えてください。
基本的にセッティングした舞台に何らかのルールを入れ作品を作ることにしています。今回は日常に魔法少女というルールを組み込みストーリーを作ろうと編集さんと話し合いました。
──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。
シンプルにいうと愛のお話で、そんなぼやっとした要素を可視化したエンタメです。恋愛と言葉にすると簡単ですが実体はよくわからないものです。見えないのでいつのまにか変化し失われ破壊されていたり、つきあっていたはずの彼女がいきなりマルチビジネスの話をし始めたり、なんなんだよってことがありますよね……。
──作品を書くうえで悩んだところは?
設定をどう説明するか。わかりやすくしようとすると複雑になるパターンもあり難しいところです。自作語りで恐縮ですが、以前にメディアワークス文庫で書いた『演じられたタイムトラベル』はタイムトラベルを最大限にわかりやすく説明しようとした作品なのですが、逆に難解になり、今でも編集さんから「あのパターンに気をつけて」みたいな警告素材として扱われています。
──執筆にかかった期間はどれくらいですか?
構想や修正などを含めて三か月ほどです。
──執筆中のエピソードはありますか?
作中に競馬のネタがありまして、『ウマ娘』が好きな編集さんがいろいろと語ってくれたうえタイムリーだとの言葉をもらったんですが、実は『ウマ娘』に触れたことがありませんでした。他にも何も考えてなさそうな飲み友達がこっそりNISA(ニーサ)積み立てとか始めてたり、自分だけ取り残されたというかアンテナの感度の低さに愕然としました。
──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
主人公はなんとなく流されるタイプで、同好会に強引に入部させられこき使われながらも不条理さを受け入れる人間です。そんな感じなので明確なヒロインがいない構造というかフラフラしている印象があるかもしれませんが、それも度量ではないかと思うのです。
──特にお気に入りのシーンはどこですか?
舞台が東京のとある街なのですが、東京オリンピックのロードレースのコースに組み込まれ、ベストなロケーションを走り抜けてくれました。主人公たちがそんな街並みを歩いているシーンが好きです。
──今後の予定について簡単に教えてください。
次巻を執筆中です。
──小説を書く時に、特にこだわっているところは?
プロットをしっかり組むことです。キャラが勝手に動くなどライブ感的なものに未だに遭遇したことがないのでコツコツとやっています。執筆は喫茶店で行うんですが、長居しないとか店をローテーションするなど工夫しています。
──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
こっちが聞きたいです。アイデアが浮かばないときはコーヒーをがぶ飲みしたりこぶしで太ももをぶっ叩き虚空を見つめ続けるんですが出てきません。最終的にお酒に逃げますが、もちろん出ないものは出ません。
──学生時代に影響を受けた人物・作品は?
ゲームブックやTRPGなどにはまったこともあり安田均さん。また、家にゴルゴ13の漫画がそろっていたので、世界にはこんな男が存在するのかと子供ながらに戦慄し、今でも心の中にゴルゴを棲まわせています。
──今現在注目している作家・作品は?
マトリックスの続編映画が楽しみです。コミックでは仲谷鳰さんの作品が好きです。
──その他に今熱中しているものはありますか?
熱中というほどではないのですが、プロ野球ではドラゴンズを応援しています。今シーズンは五位を堅持し来シーズンに希望を繋げました。ちなみに新監督の立浪和義さんには子供のころに空港で握手しプロ野球カードにサインまでいただきました。夏休みのいい思い出だったのですが、最近になってなんでシーズン中に国際線の空港にいたんだとの疑問が生じ調べてみると、深刻な肩の怪我の相談でアメリカに行ってたんですね。そんなデリケートな状況にも関わらず笑顔で対応してくれたあのミスタードラゴンズが監督として帰ってきたのですよ。電撃オンラインを見ているドラゴンズファンがいたら来シーズンは五位を死守、いや四位を目指し応援していきましょう! ライバルはカープとベイスターズです!
──最近熱中しているゲームはありますか?
あつまれ どうぶつの森です。
──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
魔法少女ダービーはスピード感のある作品で楽しんでいただけると思います。TwitterのサイトやPVも公開されているので興味がありましたらそちらも覗いてみてください。それでは本日はありがとうございました。
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『魔法少女ダービー』
- 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
- 発売日:2021年12月10日
- ページ数:280ページ
- 定価:704円(税込)