上月司先生が『可愛い可愛い彼女がいるから、お姉ちゃんは諦めましょう？』である確信を持ったシーンは？

　電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『可愛い可愛い彼女がいるから、お姉ちゃんは諦めましょう？』を執筆した上月司先生のインタビューを掲載します。

　先輩と後輩、姉と妹、あなたはどっち派？　意を決して想い人である先輩“城之崎ゆかり”に告白しようとした主人公が、間違えて彼女の妹に告白！　しかも、付き合い始めることになってしまい……。

　新作はラブコメ、特に三角関係が書きたかったという上月司先生に、ヒロイン・詠美のかわいさについて聞いちゃいました！

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

　前作の『世界征服系妹』がハートフルな家族コメディだったので、がっつりラブコメが書きたくて次回作企画の中にこれを入れました。特にトライアングルラブコメが書きたかったです。

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

　パワフルで可愛いヒロインという意味では前作と共通していますが、その方向性を主人公へ全力でぶつけてくる詠美が書いてて好きです。『世界一可愛い』というとんでもないハードルを悠々飛び越えてくれるし。同じくらい姉のゆかりも好きですが、あの一見完璧そうで実は穴だらけのチーズみたいな可愛さをまだ出し切れていないのが悔しい……！

──作品を書くうえで悩んだところは？

　恋愛面での力関係というかバランス。誰かが誰かを嫌っている組み合わせが一つくらいあった方がめちゃくちゃ楽だったけど、基本みんないい子なので。ただし細雪の馬亥兎への態度はガチ。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか？

　なんだかんだで半年くらい。コロナ渦で外仕事し辛くなったのが超響きました。

──執筆中のエピソードはありますか？

　自宅で割と長時間集中して作業した後、ご飯と風呂を済ませて戻ったら、点けっ放しのノートパソコンの上に飼っている猫が座ってて、見たことない画面になっていてどこをどう操作すればいいのか分からなくなっていた時は「あれ？　もしかして終わった？」とマジで思った……スマホで思いつく限り検索してどうにか直した時は、テレビでやっていたオリンピック以上に感動しました。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

　ヒロイン姉妹は対極のようでしっかり結びつけて、それぞれ違った魅力を引き出しあえたらなー……と思いながら組み立てました。当初の想定より詠美が可愛くなってくれたのは嬉しかったです。主人公の往人は、なるべく受け身になりきらない、しっかり自分を持ったキャラにしました。その一途さと頑固さのせいで、「なんでそこで受け入れない……！」ってこっちが思う。

──特にお気に入りのシーンはどこですか？

　詠美が往人を襲うシーン。ヒロインのとっていい行動じゃないって。でも書きながら、ここは絶対挿絵入るだろうなー、と確信した。

──今後の予定について簡単に教えてください。

　未定ですが、個人的には何巻も続けたいところです。

──小説を書く時に、特にこだわっているところは？

　セリフだけでもちゃんとキャラ分けが出来て、「こんな感じで喋ってるんだろうな」とテンポを想像しながら読めるように気を付けています。出来てなかったら未熟でごめん。

──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは？

　アイデア出しは.歩いたり音楽聴いたり、他の刺激を受けつつ考えてます。集中は、もう長時間は無理だと悟って、むしろ細かく休憩しながら短期集中を繰り返してやってます。あれだ、電柱ごとにダッシュとランニングを繰り返すトレーニングみたいな感じで。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は？

　もうおっさんなので、水野良さんとか神坂一さんとか秋田禎信さんとか。電撃関係だと深沢美潮さんとか秋山瑞人さんとか。

──今現在注目している作家・作品は？

　未来の話になりますが、今年の奨励賞作品にめっさ好みっぽいあらすじの作品があるので、来年の発売を楽しみにしています。「こういうのが売れて欲しい……」って読む前から思ってる。

──その他に今熱中しているものはありますか？

　ポーカーとか麻雀とか。もう二年はオンラインでしか対戦してないですけど。ポーカーはあと十年もすれば日本でもメジャースポーツの仲間入りしそうな気配もあるなー。

──最近熱中しているゲームはありますか？

　ガストのアトリエシリーズをひたすらやっています。新作も旧作も。周回で積み立てて効率上げていく地道な作業が好き。

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

　買って読んで広めてくれたらガンガン続きが出ますので、皆さんよろしくお願いします！