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伝説の買い切りアプリがSwitchで復活。絵本のようなRPG『エグリア リバース』レビュー

ophion
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 ブラウニーズが12月16日発売予定のNintendo Switch用ソフト『EGGLIA Rebirth(エグリア リバース)』の感想をお届けします。

世界が広がっていくポジティブな感覚が気持ちいい

 本作の舞台となるのは“エグリア”という世界。絵本を思わせるような温かみのあるグラフィックで描かれているのが特徴です。

 そんなエグリアですが、過去にあった戦争の影響で世界のほとんどが“ニーベルエッグ”という卵に封印されており、物語冒頭では拠点となる街以外にはなにもない世界となっています。

 このニーベルエッグの封印を解けるのが、主人公のレッドキャップ・チャボ(名前は変更可能)。プレイヤーはチャボとなって、ニーベルエッグの封印を解いて世界を元に戻していきます。

 そして、ニーベルエッグには大地や水辺といった空間だけではなく、住んでいた住人も封印されています。

 ドワーフやサハギンなど、その種族はさまざま。そういった住人たちを街に招き入れて、封印された世界の解放と同時に街を発展させていくこととなります。
 

 世界が封印されていて、残っているのはひとつの街だけ。と、世界の大半が失われた状態から物語は始まるのですが、プレイしているなかで滅びかけや終末といった言葉を連想するようなシビアな世界という印象はなし。

 ニーベルエッグの封印を解くのは、失われたものを元に戻す“マイナスをゼロに戻す”ような感覚ではなく、行ける場所が増えるという“ゼロをプラスに変えていく”感覚が強め。

 その過程で街に住人が増えていくのもまた、ゼロをプラスにしていく感覚。住人とのコミュニケーションもポジティブなものが多く、明るい雰囲気の作品となっています。

突っ込み役半不在の掛け合いが楽しい

 ニーベルエッグの封印を解きながら街を発展させていく。その過程でチャボは様々な種族と仲間になっていきます。が、この仲間たち、ちょっとクセのあるキャラクターなんです。
  
 グレムリンの姉妹は、姉のピンチに周囲が奮闘するなか妹だけはあっさり姉を見捨てようとする。犬のような見た目のヴォークス族は、言葉を話せないフリをしていているのに肝心なところで感情が言葉で漏れる。と、心のなかでほんのり突っ込みをいれたくなるシーンが満載。

 彼らと展開される会話劇は、全体的にコメディタッチでつい頬がゆるみます。

 と言っても強烈なボケを押し付けるのではなく、ちょっとずれた感覚での発言や不憫な扱いをされるキャラクターに笑みが浮かぶといった具合。

 唯一フェアリー族のマリーが突っ込みを入れてくれるのですが、明らかに突っ込みが追い付いていません。

 そんな、突っ込み役半不在状態でありながらきっちり物語は進んでいくほっこり感は、仲のよい友人がワイワイと騒ぎながら冒険をしている感覚。

 読み進めているだけで楽しくなりますね。


 

優しい言葉遣いに温かい気持ちになれる

 また、ゲーム全体を通してとにかく優しい言葉が使われているというのも印象的。

 上記のようにコメディタッチの会話が多いのですが、強い言葉が使われることはほとんどなし。

 一部で強い言葉が使われることはありますが、そういった言葉も周囲の優しい雰囲気に流されていくため、物語で気持ちが落ちくぼむようなことはほとんどありません。

 さらに、キャラクターたちの言葉遣いに加えて、システムメッセージなどに地の文にもやわらかい言葉が使われており、世界全体が優しい印象を与えてくれます。

 ただ、優しくてのどかな世界をメリハリなく過ごすというわけではなく、そこはかとなく先を気にしてしまう要素もちらほら。

 例えば、主人公のチャボは本来殺戮を好む種族ですが、角が折られたことで温和な性格になっています。主人公がそういった種族である以上、角が折られる前のことが気になるのは当然でしょう。

 また、物語冒頭で出会うエルフ族の少女・ロビンは、チャボと出会う前からこれからニーベルエッグの封印を解いて世界を元に戻していくということを知っていたようにも見えます。

 そういった、いくつかの謎が物語を大きくしていきそう……という、期待と少しの不安も含めて、本作の世界はこちらをワクワクさせてくれますね。
 

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