ブラウニーズと言えばやり込み要素。気軽に遊べて奥が深い沼ゲー『エグリア リバース』レビュー
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- ophion
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ブラウニーズが贈るNintendo Switch用ソフト『EGGLIA Rebirth(エグリア リバース)』のシステム面を中心とした感想をお届けします。
『エグリア リバース』世界観編レビューはこちら
卵を割って世界を拡張
本作では、主に“ニーベルエッグ”という卵の封印を解いて世界を広げていくことで物語が進みます。
ニーベルエッグの封印を解くと、世界に新しい場所が解放。
そこにあるダンジョンを探索するとストーリーが進み、新しいニーベルエッグが手に入るというのが基本の構造です。
ニーベルエッグの封印を解く、新しい場所に向かう、さらに新しいニーベルエッグが手に入る……という流れが本作のメインシナリオと言ってよいでしょう。
また、このメインシナリオを進めていくと、拠点となる街に新たな住民が移住してきます。彼らのコミュニケーションもまた本作の重要な要素。
ゲームの進行に伴って、次第に街が賑やかになっていくのが楽しいですね。
移動も攻撃もサイコロしだいのダンジョン探索
ニーベルエッグによって解放されるダンジョンは、シミュレーションRPGのような六角形のマス目の組み合わせで構成。そこに魔物や宝箱、切り倒すとアイテムが手に入る木などが点在しています。
ダンジョン内では、プレイヤーが一度動くと魔物も動くターン制で進行。サイコロを振って出た目の数だけ移動でき、一定ターン以内にマップ上のゴールにたどり着けばクリアとなります。
と言っても、ターン数にはそれなりに余裕あり。「サイコロの出目が悪いと、どれだけ頑張ってもゴールにたどり着けない!」というような運要素はありません。
また、魔物との戦闘でもサイコロの出目によって与えられるダメージが変動。出目しだいで倍近くダメージに差が出るときもあります。
一方で魔物の攻撃は、行動パターンこそあるもののサイコロのような大きなランダム要素はなし。
サイコロを振ったあとに行動を決められるので、出目しだいで戦闘を続けるか一度逃げるかを考える運と戦う駆け引きがあります。
また、上記の通りダンジョン内での目的はマップ奥のゴールにたどり着くこと。魔物を倒さずにゴールを一目散に目指しても構いません。
ターン制という点から、ダンジョン探索はローグライクダンジョンRPGに近いプレイ感覚。ダンジョンの構造によっては狭い場所に避難して魔物に囲まれることを防ぐといった動きも行えます。
ですが、サイコロによるランダム性に加えて、木に擬態した魔物や弱い敵のフリをした強敵などのハプニング要素もあり、意外と予想通りにはいきません。
ときには、逃げようとしたけれどもサイコロ運が悪くて追い付かれてしまうことも。出目に一喜一憂しながらもベストな行動を考える要素もあるのがダンジョン探索の魅力です。
探索には精霊の準備がカンジン
そんなダンジョン探索で大きな役割を担うのが“精霊”です。
精霊は、一般的なRPGの装備やセットする特殊なアクションなど、キャラクターの強化要素とカスタマイズ要素をひとつにまとめたようなもの。
最大3体まで編成でき、編成した精霊によって主人公の攻撃力などの能力が強化されます。
さらに、各精霊は攻撃寄りの“アサルト”か補助寄りの“サポート”のどちらかを選んで編成可能。
同じ精霊を編成していても、アサルトなら攻撃力が大きく上がり、サポートなら防御面を強化してくれると効果に違いがあります。
また、編成した精霊によってそれぞれ異なるルーンを使用可能。こちらもアサルトとして精霊を編成すると魔物にダメージを与えるなどの“アサルトルーン”、サポートとして編成すると補助効果のある“サポートルーン”と異なるものを使用できるようになります。
1体の精霊のアサルトかサポートかを切り替えるだけで、かなりプレイ感覚が変化。同じ育成度合でも主人公の能力を幅広いバリエーションから選べ、正解がないのが楽しいですね。
また、ルーンは1ターンに1ずつ貯まるマナを消費して使用するというのも重要なポイント。
強敵に出会ったときは、マナを貯めてから近づいた方がその後の戦闘が楽になります。状況によっては戦闘中に一度逃げてマナが貯まるのを待つというのも選択肢になるでしょう。
ただ、あまりじっくり立ち回っていると、さすがにダンジョンを探索できるターン数の制限がネックに。
マナを貯めるのに必要なターン数や、魔物を倒したあとゴールまでの移動に必要そうなターン数、そこにサイコロ運と、考えながら探索を進められるのが面白いところです。
アイテムを集めて住民とコミュニケーション
ダンジョンを探索するごとに次第に増えていく街の住民たち。
彼らは、食べ物が食べたい、家を作るための素材が欲しいといったさまざまなお願いをしてきます。
ダンジョンで入手したアイテムを渡してこういったお願いを叶え、住民との交流を深めていくのも本作のだいご味のひとつ。
住民の家が建ったり拡張されたりしていくと、街のなかでできることが増えていくためその後の探索にも影響します。
また、探索には街の住民を連れていくことができ、住民は探索中にアイテムを拾ってくれます。ただ、住民には“やる気”というステータスがあり、これが0になるとアイテムを拾わなくなります。
やる気は現実の時間経過などで回復できるのですが、住民と交流を深めておくとやる気の最大値が上昇。長期の探索でも最後までアイテムを拾ってきやすくなります。
このように住民のお願いを聞くことが、決してフレーバーにはとどまらずしっかりと探索に紐づいているので探索を進めるか交流を深めるかを迷いますね。
本作はメインシナリオがありつつ、住民のお願いが細かな目的としてほぼ常時提示されています。そこに加えて、主人公や精霊を強化する育成要素や、序盤から会うことはできるものの到底倒せない強敵がいるため、メインシナリオ以外の長期的な目標も意識させてくれます。
そういった複数の目標がありつつ、どの目的をどんな順番で達成していくかは自由。特定の目標に縛られることなく、やりたいことができます。
また、ひとつのダンジョンをクリアして手に入ったアイテムを住民の交流などに活用する、というゲームの1サイクルにかかる時間は30分もかからない程度と短め。サイクルの区切りがはっきりしているので、ちょっとした時間に1サイクル分だけ楽しんでも、中途半端にプレイを終えた感はありません。
プレイスタイルに合わせて、自由に世界を探索できるのが嬉しいタイトルですね。
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