三国志レトロ風ゲームを制作しようと思ったのはなぜか?【神奏三国詩開発者コラム#1】

電撃オンライン
公開日時
最終更新

 『神奏三国詩』の企画立案をし、ディレクター務められている猫目騎虎氏による三国志コラムです。『神奏三国詩』開発中のエピソードや、おすすめの三国志ゲームなどを紹介していきます。

 『神奏三国詩』の開発コラムをスタートすることになりました。ここではメイキング的な開発内容や、三国志の思い出等を書いていければと思っております。

 早速ですが、第一回は【神奏三国詩はなぜ生まれたのか?】という部分をお話出来ればと思います。

きっかけは変わらない「好き」という気持ち

 私は小学校に上がる前からゲーム大好き少年でして、そのまま大人になり、幸せなことにゲーム業界一筋で働いております。

 40歳を過ぎて人生残り半分かな? と考えた時に昔好きだったテイストのゲームを自身の手で作りたい、という気持ちが生まれてきました。

 ちょうど『終末のワルキューレ』の公式Twitterで『自分の中の小5がテンション上がりすぎて気絶する』みたいなキャッチがあり、『大人になっても、昔から好きなものは今でも変わらず好きでいる』という気持ちをストレートにゲームに表現したいと思いました。

 いざ作るのであれば、やっぱり子供の頃たくさん遊んだRPG、そして題材はこれまた大人になっても大好きが溢れる三国志と決めました。

  • ▲梅村真也原作、フクイタクミ構成、アジチカ作画による日本の漫画。月刊誌『月刊コミックゼノン』にて、2018年1月号より連載中。人間代表の一人として三国志から呂布が登場します。

コンテンツ戦略の考え方

 とはいえ……正直日本含め、全世界のトレンドはサブスクリプション、ゲームよりもカジュアルゲームがシェアを伸ばしていると思います。

 携帯端末の普及によりゲームユーザー数は拡大しましたが、お金を支払い購入したゲームで遊ぶ、ではなく無料で遊べるのが普通という時代になり、F2Pに慣れたユーザーが多くなっています。

 マスに向けてハイリターンを求めるのであれば、昨今の流行り、数値の根拠を元に制作を進めていくのが正しいと思います。

 課金を考慮したゲームサイクル設計、一回のプレイ時間、オートバトル必須、要素は慣れ親しんだものが良い、という判断基準も生まれてきます。

 ですが、今回制作を進めているゲームの企画内容は上記とは真逆となり、ゲームハードを購入済みでゲームを遊びたいと思っているお客様をターゲットとしています。

 その中でもこの題材が好きな層、この座組みにピンとくる層、昔はゲームといえばこのジャンルでRPGが好きという層を狙います。

 ようはニッチ層を狙う形ですが、ターゲットがピンとくる要素をしっかりと入れることが戦略となり、売れるものを作ろう【ではない】形から始めることが、コンテンツの魅力を引き出すことにつながると思っています。

個人制作からチーム制作へ

  • ▲個人制作時代のプロトタイプ画面。

 最初は個人制作でイラスト、プログラム、ドットとほぼ全て一人で制作を進めていたのですが、様々なご縁もあり、BGMにBUNBUN氏を起用する形となりました。神曲揃いと評価の高い『天地を喰らうII 諸葛孔明伝』をご担当された方です。

  • ▲1991年4月5日カプコンから発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト。原作は本宮ひろ志の漫画。週刊少年ジャンプにて1983年から1984年まで連載された。

 BUNBUN氏の起用をきっかけに個人制作体制から、イラスト、プログラム等含め、開発販売をウニコ様にお願いする形となり、ゲームとしてのクオリティアップをさらに目指して制作を進めることになりました。

  • ▲コンシューマーゲームの開発を中心としているゲーム開発会社。unico(ウニコ)とは、スペイン語で「唯一の」、「独自の」、「ユニークな」、「大切な」などの意味を持つ言葉です。

三国志らしさとオリジナル要素

 題材で三国志を描くにあたり悩みもありました。それはすでにIFシナリオがすごく面白いものが世にたくさんでていることもあり、何か独自のオリジナル要素、オリジナル解釈を入れていかないとダメだな、という点です。

 アイディアとして浮かんだのが、複数の名を持つと言われる徐庶を主人公に置くことでの“黄巾の乱~赤壁の戦い”までの歴史の流れのアレンジという形でした。

 また、桃源郷というファンタジー要素もプラスしております。桃源郷を治めるのは神になったあの武将です。この辺りはゲームをプレイしてぜひお楽しみください。

  • ▲主人公の徐庶。

 『神奏三国詩』の面白さとしては、三国志ネタをこう扱ってきたか、という部分だったり、たくさんの仲間が加入、好きな仲間を編成、武将ごとの強さや個性、計略を駆使したバトル要素、レトロ風ゲームならではのテンポ感のあるシナリオ、これらはゲーム本来が持つ楽しさ、と思っておりまして重きをおいております。




  • ▲開発中のゲーム画面。様々な武将との出会いによって物語は描かれていきます。

 具体的なゲーム内容等については次回から紹介していければと思います。

思い出三国志:三国志のRPGといったらこのシリーズ

 さて、三国志の思い出を紹介するコーナーです。

 ゲーム大好き小学生として、ゲーム三昧、特にRPGにたくさん触れていく中で『天地を喰らう』と出会いました。

  • ▲1989年5月19日カプコンから発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト。アーケード用のベルトスクロールアクションゲームとは別の作品。

 数多くの武将が登場し、どんどん仲間が増えていき、好きな武将を編成して物語を進められる(兵士数が増える武将は限定されていますが)といったシステムが楽しすぎました。

 とても面白いゲームですが、小学生の私はある罠にはまりました。

 それは、寝ている諸葛亮に話しかけた時に起こさないようにしばらく放置する、というものです。

 三国志演義を知っている人には当たり前に知っている三顧の礼のシーンですが、これが小学生の私には意味がわからず、諸葛亮をいつまでたっても仲間にできません。

 一体何をすればこの先へ進められるのか、諸葛亮はどうやったら仲間に出来るのか……。私はコタツに入りながら意味もなくレベル上げをし続け、そして寝落ちする日々を繰り返しました。

 たしか3000も兵士数がいかない段階で、10000は軽く越えているぐらいレベル上げを延々としていた記憶があります。まさに孔明の罠……?

 それではまた次回お会いしましょう!

現在『神奏三国詩』武将投票が開催中!

 『神奏三国詩』では、現在、武将投票アンケートが開催中。

 投票できる武将は孫乾、伊籍、諸葛均、夏侯氏、王元姫、鄒氏の6名からで、このうち上位2名に選ばれた武将が、新たにイラストが描き起こされ、ゲームに登場します。

 アンケートに協力してくれた方には、抽選でAmazonギフト券3000円が当たるチャンスもありますので、ぜひ投票に参加してみてください!


猫目 騎虎:『神奏三国詩』の企画立案・ディレクター。ゲーム業界歴20年以上の何でも屋さん。


『神奏三国詩』とは?

 『神奏三国詩』とは、昔懐かしのドット絵で繰り広げられる、“三国志を題材としたレトロ風RPG”です。

 剣に導かれた徐庶を主人公にオリジナリティあふれるIFシナリオが繰り広げられます。


 『天地を喰らうⅡ 諸葛孔明伝』を担当したBUNBUN氏が手掛けるBGMも大きな特徴の1つ。数々の熱いBGMがゲームプレイを盛り上げてくれます。

●『神奏三国詩』NintendoSwitch™ 第一弾PV

 総勢120名以上の現代風のイラストで描かれる三国志の英傑たちが躍動します。

※内容・仕様は予告無く変更になる場合がございます。
※画像はイメージです。
©unico inc.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

神奏三国詩(しんそうさんごくし)

  • 発売日: 2022年春予定
  • 価格:未定
  • プラットフォーム:Nintendo Switch ダウンロード専用ソフト
  • 開発・販売: 有限会社ウニコ

関連する記事一覧はこちら