『イースⅤ 失われた砂の都ケフィン』26周年:アドルが挑む、亡失の王国と“錬金術”をめぐる冒険【ファルコム40周年特集】

電撃オンライン
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 2021年3月9日に日本ファルコムは創立40周年を迎えました。これを記念して、電撃オンラインでは日本ファルコムに関する企画記事を展開していきます。

 そして、本日12月29日、1995年(平成7年)に発売された『イースⅤ 失われた砂の都ケフィン』が26周年を迎えたことを記念して、ゲームプレイバック記事をお届けします。

イースⅤ
失われた砂の都ケフィン
・発売日:1995年12月29日
・機種:SFC
・メディア:ロムカートリッジ
・ジャンル:A・RPG
・価格:¥8,800(3%税込)

[備考]
・PS2でも発売された
・PS2版はタイトーから発売された
・のちに難易度が調整されたSFC版『イースⅤエキスパート』が光栄から発売された
・プロジェクトEGG(PC)でSFC版がダウンロード販売中

『イースⅤ 失われた砂の都ケフィン』とは?

 1995年12月29日に日本ファルコムよりSFCで発売された『イースV』。「最後で最初のイース」というキャッチコピーがつけられた、『イース』シリーズの5作目です。

 アフロカ大陸のケフィン砂漠を訪れた冒険家・アドルが、かつて錬金術で栄えた幻の都であるケフィンの謎に迫ります。また、『イースIX』をプレイした方ならば、本作で語られる“錬金術”というワードにピンとくるのではないでしょうか。

 特筆すべきはシステムの変化で、これまでの体当たりから剣を振って戦う形へと進化をとげました。

  • ▲高さの概念の導入により、ジャンプを駆使するフィールドや戦闘が登場。これに合わせてアクションも、剣を振って攻撃を行い、盾を構えて防御をするといったアクション性を重視したものに変更された。

 こちらでは、『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(発行:KADOKAWA)に掲載されていた、ストーリープレイバック部分を再掲載。

 システム的に大幅な進化を遂げ、シリーズの転機となったとも言える本作。そこで語られた、錬金術で栄えた幻の都・ケフィンの謎を追うアドルの冒険をご紹介します。

『イースⅤ 失われた砂の都ケフィン』システムチェック

■錬金魔法

 本作では、いたるところで発見できる6つのエレメンタル(火、水、風、地、光、闇)から3つを選んで合成することで、魔法が完成する。魔法の種類は合成の組み合わせで18種類に分かれる。魔法は剣に装備することで使用でき、使用時にはMPを消費する。

■換金

 本作のお金の入手方法。敵が落とす換金用アイテムを店で換金する。換金率は店ごとに異なる。

『イースⅤ 失われた砂の都ケフィン』ゲームプレイバック

OPENING DEMO




  • ▲オープニングデモでは、冒険家のスタンがケフィン王国の謎を解き明かすために各地を冒険する様子がダイジェスト形式で流れる。ニーナを拾い育てる話やケフィンの廃都で王家のメダルを発見する場面など、本編を補完する内容も描かれている。

01 ドーマンの依頼

 サンドリアの町に到着早々、アドルは兵士に絡まれるが、隊長のリジェの仲裁で事なきを得る。その後、大富豪のドーマンに冒険家として雇われて、古代錬金術に使う結晶の探索を依頼される。

02 赤毛の旅人の伝承

 ドーマンの指示でフォレスタ村へ。村には赤毛の旅人にまつわる不吉な伝承があり、アドルは敬遠される。そんな折、女性が洞窟にとり残される事件が発生し、村の長老に救出を依頼される。

03 偉大な冒険家の娘のニーナ

 村の少年ウイリーに洞窟の扉を開けてもらい、洞窟内部へ。しばらく進むと、倒れている女性を発見する。女性は有名な冒険家の娘で、ニーナというらしい。女性は救援の男達に無事保護された。

04 ウイリーの危機

 ついて来たウイリーが先に行ってしまう。あとを追うとウイリーが魔物に襲われていたので撃退する。その先は行き止まりだったが、目の前にある怪しげな床を踏むと、どこかへと転移される。

05 氷漬けの女性と腕輪の魔人

 転移先では魔人のストーカーと氷漬けの女性のフォレスタに出会う。ストーカーは自らの魂の器である時の腕輪をアドルにわたして消えた。その先で魔獣ヴァルテモスを倒し、光の結晶を入手する。

06 ニーナの生い立ち

 村に戻ったアドルはサンドリアに帰還。ニーナから、彼女が孤児だった話などを聞いたのち、ドーマン邸へ。ドーマンに光の結晶をわたすと、次の結晶がある沼地の洞窟に行くように告げられる。

07 ニーナの家の侵入者

 町で悲鳴を聞いてかけつけると、ニーナの道具屋に謎の男がいる。男はケフィンにかかわるなとアドルに忠告して、去っていく。ニーナが持つ、ケフィン王国に関するメダルを盗んでいったようだ。

08 錬金魔法の習得

 沼地への道中、一軒の小屋で錬金術師のマーシャに錬金魔法を教わる。先に進むと盗賊団イブール家のテラ、ディオス、ノティスに金を奪われ、彼らに巨大な獣をけしかけられるが、これを撃退する。

09 カメリアの花を届ける

 コキリコ村では、病気の娘のために魔物の生息地帯を抜け、沼地の宿屋にカメリアの花を届けるのが目的。旅人ハルタからロッド親方へ、そしてアドルへと託された花は、無事に宿屋へ届けられた。

10 水の精霊ネード

 宿屋の娘に洞窟の扉の開け方を聞き、内部へ。魔獣ヒュドールを倒すと水の精霊ネードから結晶をもらえるが、イブール家にかすめ取られる。彼らはセーベ遺跡へ向かうと言って去っていく。

11 水門の鍵をもらう

 遺跡近くのラムゼンの町で、おばさんに結晶が遺跡にあることを聞く。その後、町娘のマサラから水路の扉を開く水門の鍵を入手。だが、このおばさんの正体はイブール家の女ボスのアルガだった。

12 セーベの遺跡とガラム老人

 多彩な仕掛けがある水路を抜けて遺跡内部へ。魔獣アグニヒュームを倒して火の結晶を入手すると、マサラの父のガラムが現れて、一族に伝わる使命を全うしたいという。アドルはガラムの家に向かう。

13 スタンの手記

 ガラムの家では、冒険家スタンの手記をわたされる。そこには土の結晶を求めて北に行くこと、結晶が幻の都にたどり着く鍵であることが書かれていた。アドルは、土の結晶を求めて北へ進む。

14 土の結晶を求めて

 ラムゼン峡谷の険しい崖、狭く暗い鍾乳洞、未開の地ジャングル。多数の難所を越えた先にある丸太小屋で、大魔道師サラバットから結晶を得るための試練が与えられた。それに備えて休息をとる。

15 ストーカーの過去

 ここで場面は小屋の外へ。そこでは、ストーカーが過去を振り返っていた。光の結晶を狙う敵を退けるために結晶の力を暴走させたフォレスタが、氷漬けになってしまったときのことを……。

16 サラバットの試練

 試練の内容は暴風が吹く地を抜けて魔獣アゾートを倒すというもの。すべてを終えたアドルは、土の結晶を入手。サラバットは、ドーマンに気を許すなと伝えると、町に戻るためのイカダを用意した。

17 砂嵐で飛ばされたアドル

 渡航中、砂嵐で体が吹き飛ばされてフェルテの町に漂着したアドルは、町娘のエフィに助けられて一命をとりとめる。回復したアドルは町の散策中、近くの遺跡に結晶があるという情報を得る。

18 ケフィン廃都の探索

 砂漠で魔物からエフィの父のムハーバを助けると、お礼に風を見極められるサージアイをくれる。それを使って砂嵐を抜け、ケフィン廃都へ。廃都で魔獣ニグルニカスを倒し、闇の結晶を入手する。

19 サンドリア帰還

 サンドリアに帰還する途中、ウイリーから、ドーマンが幻の都を復活させるために大規模な錬金術の準備をしていると知らされる。錬金術に詳しいマーシャに助っ人を頼み、サンドリアへ急ぐ。

20 本性を現すドーマンとリジェ

 サンドリアでは、ドーマンとリジェがニーナを人質にとる。アドルは地下からドーマン邸に侵入するが、見つかってしまう。リジェの子飼いの3人の魔道師の魔法で気絶させられ、結晶も奪われる。

21 秘密結社の館への潜入

 アドルは捕らえられ、彼らの本拠地である秘密結社の館に連行される。かけつけたマーシャやイブール一家の妨害もむなしく、6つの結晶を使った錬金術が発動。だが、水の結晶が砕け散って不発に終わる。

22 ドーマンとの戦い

 水の結晶はイブール一家がすり替えた偽物だった。ドーマンは怒り、錬金術でアデプトスドーマンに変身して襲ってくる。しかし、自由になったアドルが返り討ちに。するとそこにリジェが登場する。

23 秘密結社の館からの脱出

 リジェに続いてカリオン、バルク、アビスと名乗る三幹部が登場。ニーナを人質に水晶を奪うと、ケフィンの門を通って逃亡する。突如、激しく振動して館が崩れ、アドル達も急いで館から脱出する。

24 ケフィン王国への道

 ケフィン王国の復活は人類の滅亡につながる。アドル、マーシャ、イブール家は、オアシスにあるケフィンの門を開いて、飛び込んだ。ケフィン王国に着いた面々は別行動をとり、各自で探索する。

25 幻の都ケフィン

 ケフィンの町の審判の館に住民達が入っていく。それを見てあとに続こうとするが、地下組織パルチザンの一員というジャンに止められる。運命の館の儀式に選ばれた人々は、行方不明になるらしい。

26 地下組織パルチザン

 リーダーに会うようにすすめられ、パルチザンのアジトへ。リーダーは不在だったが、ニーナがケフィン王国の人間で、南の塔に捕らわれているという情報が聞ける。アドルは南の塔に向かう。

27 南の塔への侵入

 南の塔では三幹部の1人、バルクと戦う。ニーナを人質にとるバルクだが、ディオスとノティスにニーナが救出され、自身はアドルによって討たれる。その後、パルチザンの参謀オーウェルに会う。

28 秘密施設への侵入

 先に招かれていたマーシャと再会。オーウェルから、ケフィンの秘密施設から戻らないリーダーの様子見を依頼される。施設では敵幹部の1人アビスが、リーダーの奇襲により一撃のもと葬られた。

29 ケフィン滅亡作戦

 リーダーとは行方不明の冒険家スタンだった。彼はすべての元凶は錬金術師ジャビルであること、ケフィン王国が賢者の石の力で都市や住民の命を吸収して繁栄する、危険な都であることを語る。

30 作戦の下準備

 アドルは、ケフィン滅亡作戦への協力と、作戦決行日までに賢者の石の制御室への道を確保する作業を頼まれる。ケフィン王国の各地にある4つのスイッチを押すことで、道が通れるようになる。

31 スタンの救出

 アドルがルートの確保を行っている間に、別行動をしていたスタンが捕らえられたと聞き、ケフィン城へ救出に向かう。落石の罠が敷かれた牢からスタンを救出して、無事にアジトへと帰還する。

32 いよいよ作戦を決行

 ケフィン滅亡作戦とは、アドルが持つ契約の腕輪で賢者の石の力を歪めることだった。ケフィン城に侵入したアドルは制御室に向かう。途中、最後の敵幹部カリオンに遭遇するが、早々に退ける。

33 時をかけるアドル

 制御室に着いて操作を行うと、アドルの身体は過去に飛ばされる。それは、ストーカーとフォレスタが光の結晶を守っている場面だった。結晶に群がる敵を倒すと、再び時空が歪んで制御室に戻る。

34 ジャビルクローン戦

 都では住民の避難が完了。アドルは、ニーナとイブール家をいけにえにすると息巻くリジェに遭遇する。奥へ向かう彼女を追って、城の中枢へ。途中、ジャビルのクローンに阻まれるが排除する。

35 リジェとニーナ

 中枢では、ケフィン復活に固執するリジェと、王国繁栄のため両親が犠牲になったニーナとの口論になっていた。そこへすべての元凶であるジャビルとその首を狙うスタンが現れ、混乱の様相を呈す。

36 ジャビルとの最終決戦

 ニーナは隙を突いて賢者の石を操作して王国の滅亡を早めるが、空間が歪んで異空間へ飛ばされる。そして、醜悪な実体を見せたジャビルとアドルとの最終決戦となる。勝利したのはアドルだった。

ENDING

 近隣都市のエネルギーとケフィンの住民の命を糧に繁栄するケフィン。賢者の石の暴走により、そのすべてが崩壊していく。アドル達は辛くも脱出に成功したが、そこにニーナの姿はなかった。

 しかし、ニーナは生きていた。ストーカーが時の腕輪の力を使って命を救い、崩壊する都から脱出させていたのだ。旅の仲間達は奇跡を喜び合う。そしてアドルは、次なる冒険へと旅立つのだった。

TOPICS

幻の初期設定ではドギが大活躍

 本作の初期設定では、ドギが登場することになっていた。ドギはアドルとともにアフロカ大陸を訪れて、エフィと恋に落ちるという役どころが与えられていたのだ。

 この設定は、のちにPS2版『Ⅴ』で採用されている。また、初期設定ではスタンとマーシャが恋人関係となっていたり、リジェの性別やキャラクターの年齢設定が異なっていたりと、細かな違いもある。

『イースⅤ 失われた砂の都ケフィン』SFCがプレイできるプロジェクトEGGとは?

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※掲載しているパッケージはSFC版。掲載している画面写真はSFC版。
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