DMM GAMES10周年インタビュー。初期の苦しい時期の流れを変えた2本のタイトルとは?

カワチ
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 DMM.comのゲーム事業部門であるDMM GAMESが2021年12月に10周年を迎えました。

 ここでは合同会社EXNOAのCEO兼合同会社DMM.comの最高執行責任者COOの村中悠介氏と合同会社DMM.com執行役員マーケティング事業責任者である川端祐喜氏のインタビューをお届け。これまでの10年の歩みを振り返ってもらうとともに、今後の展望についてお聞きしました。

  • ▲川端祐喜氏(左)、村中悠介氏(右)。

3年めにサービスを開始した『艦隊これくしょん -艦これ-』が機転に

――10周年おめでとうございます。おふたりは現在どのようにDMM GAMESには携わられているのでしょうか?

村中悠介氏(以下、敬称略):私自身がこれまでDMMのエンターテインメント系の事業に多く携わってきたので、ゲーム事業であるDMM GAMESには興味がありましたし、とても重要な事業として注目していました。2019年5月より合同会社EXNOAのCEOに就任しており、会社全体の経営を見ています。会社の方針決定や制作タイトルの決定などに多岐に携わっています。

川端祐喜氏(以下、敬称略):DMM.comは13年目で、ゲーム事業には立ち上げから携わっています。直近まではEXNOAのプラットフォーム事業責任者を務めていて、2021年の10月からはDMM.comに異動し、マーケティングの本部長として全体のマーケティングに携わっています。

――まずはあらためて、DMM GAMESが生まれるきっかけと、目指してきたものについてお聞かせ下さい。

川端:DMM GAMESはフィーチャーフォンのゲームが全盛期の時代に最後発としてゲームの事業を立ち上げることになりました。当時はフィーチャーフォンのソーシャルゲームが主流となっているなかで、どうやったら我々が差別化したコンテンツを作ることができるのか試行錯誤しました。美少女ゲームが人気だったので、そのソーシャルゲーム版を展開していたりしました。

 また、当時のDMMはPCをメインに事業展開をしていたため、PCのトラフィックは潤沢にありました。そのため、最初はフィーチャーフォンでスタートしたものの、プラットフォームシナジーを考慮してPCゲームで展開していくことになりました。

――DMM GAMESさんは初期からクオリティの高いものを作られていたイメージです。

川端:クオリティに関しては先行している他社さんのほうが高いと思っていたこともあり、どのようにオリジナリティを出すのか考えていました。ただ、フィーチャーフォンが主流のなかPCでゲームを作っているので、PCならではのクオリティは意識していました。

 事業を始めて3年目に『艦隊これくしょん -艦これ-』のヒットがあり、そこからはDMM GAMESにしかできないコンテンツ作りができるようになったのではないかと思っています。

村中:『艦これ』のおかげで、多くの会社さんがサードパーティとして参入してくれるようになりました。

川端:それまでは一般向けPCゲームというもの自体が世間ではあまり世間に認知されていなかったのですが、『艦これ』と『刀剣乱舞-ONLINE-』をPCファーストで展開していたおかげで「PCにも市場はあるんだ」と多くの人に気づけてもらえたのではないかと思います。

 PCゲーム市場自体は縮小していく時期でしたが、弊社は逆に成長していきました。PCであればSNSや何かをしながら遊べたりしますし、アプリの容量を気にしなくてサクサク動作する環境でもあったのでコアユーザーにも受けたのだと思います。

 Cygames様のゲームを提供できたのも大きかったのではないかと思っています。

村中:『艦これ』のサービスがはじまった時期は証券や英会話など新しい事業も始まった時期で、DMM全体が伸びていました。

――DMM GAMESの立ち上げ当時はフィーチャーフォンとPCの両方同時に展開したのでしょうか?

川端:最初はフィーチャーフォンのみでした。その1年後ぐらいにPCが動き出しました。

村中:フィーチャーフォンはゲームだけでなくDMM全体としても苦戦していました。そのため、スマートフォンはなにがなんでも成功させようと思いました。

 現在、スマートフォン事業は動画などでは好調ですが、ゲームももう少しシフトできるといいかなと考えています。最近はPCとスマートフォンで同時展開しているゲームも多いのですが、まだPC先行の部分があります。今後は同時展開のタイトルをもっと増やしていきたいですね。

――DMMさんは、2020年に新ブランドの“クリエイティブチーム くまさん”を設立するなど、社内での開発体制も強化していますね。

川端:初期は特に、パートナーが少なかったという理由もあります。それならば自分たち自身でクオリティの高いゲームをしっかり作りたかったのもあります。

村中:そういった流れもあり、最近は社内のノウハウもたまってきたので内製で作るタイトルも多くなってきましたね。

※インタビュー後半は後日公開予定

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