10周年を迎えたDMM GAMESが次に目指すものは? キーマンの2人にインタビュー

カワチ
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 10周年記念生放送で多数の新タイトルを発表したDMM GAMES。ここでは合同会社EXNOAのCEO兼合同会社DMM.comの最高執行責任者COOの村中悠介氏と合同会社DMM.comの執行役員マーケティング事業責任者である川端祐喜氏のインタビューの後編をお届け。今後のビジョンをお聞きしました。

  • ▲川端祐喜氏(左)、村中悠介氏(右)。

 インタビュー前編に続く今回は、主に今後の抱負についてお聞きしました。

コンテンツが飽和している時代に、量ではなく質を目指して

――DMM GAMESさんならではの強さはどこにあると思いますか?

川端祐喜氏(以下、敬称略):ほかにはないオリジナルコンテンツを提供していること、そしてPCゲーム市場としては国内最大規模のプラットフォームであることです。

 マルチプラットフォームで提供している作品も、データ連携すればスマホとPCの両方で遊べるのが強みかと思います。

――そんななか、この10年を改めて振り返ってみていかがでしょうか?

村中悠介氏(以下、敬称略):事業としてはこの10年で方針自体は変えていないですね。

川端:そうですね。方針は変わっていないです。ただ、6年目で大きく流れは変わりましたね。6年目で売上成長が止まってしまい、その後の3年間はどう売上を伸ばすのか試行錯誤の日々になりました。

村中:最初の6年が成長していたのは単純にコンテンツの量を増やしていた結果でした。今はコンテンツが飽和してきているので、新作を投入すれば伸びるわけではないと思っています。そのため、今はひとつひとつの質を上げている最中です。

川端:はい。最初の6年は過渡期ということもあって多くの作品をリリースしましたが、開発費が高揚するようになり、量ではなく質を上げるほうにシフトしていくことになりました。

 そして、今まではPC向けということで期間限定イベントは1回が長くて太いものを提供していましたが、スマートフォンはユーザーさんの接触時間が圧倒的に多いので、スマホ向けユーザーにも楽しんで頂けるイベントサイクルにに変えています。

 また、『刀剣乱舞』からはじまり、最近は『ウインドボーイズ!』など女性向けも多くなっていますが、そこはプラットフォーマーとして先陣を切って市場を開拓していく必要があるなと感じてやっています。

  • ▲『ウインドボーイズ!』。

――ここ数年はコンシューマゲームにも力を入れていますね。

村中:コンシューマは新規事業として始めました。

川端:海外のコアだけどおもしろいゲームをローカライズして届けるということを、ほかにやっているところが少なかったので自分たちで挑戦した領域ですね。

村中:こちらについても、たくさんの作品を届けるというよりは、より厳選してやっていく予定です。

――これまでさまざまなタイトルをリリースしてきたと思うのですが、とくに思い出深いタイトルはなんですか?

川端:『ミストトレインガールズ』です。なかなかヒット作が生まれずに厳しかったなか、ようやく光が見えたタイトルでした。

 マルチプラットフォームで展開しましたが、本作が注目してもらえたことでサードパーティさんにもDMMでゲームを配信することのメリットを感じてもらえました。

――10周年にあたり、終了したゲームのタイトルから上位3位に選ばれたタイトルをグッズ化する“復刻投票キャンペーン”も開催されましたが、こちらの感想はいかがでしょうか?

川端:プラットフォームを支えてくれていたタイトルであっても、時間が経てばクローズしてしまうこともあります。そんななかで、今でも愛され続けているキャラクターがたくさんいることがわかり、ファンの方にお届けできた事は作り手としてもよかったです。

――DMM GAMESは作品の数も多いですが、複数のタイトルを同時にプレイしているユーザーも多いのでしょうか?

村中:多いですね。『千年戦争アイギス』や『FLOWER KNIGHT GIRL』は7年近く続いていてコアなファンも多いですが、そんなコアなユーザーさんも新しい作品がリリースされると遊んでくれています。

川端:もちろん、1タイトルのコアなファンが1タイトルだけを遊んでいる……というパターンももちろんあります。

――ここまでDMM GAMESを続けてきたなかで、とくに思い出深いことはなんですか?

川端:サービス開始当初、サードパーティ様の参入は本当に苦労しました。最初のころは、ほぼ門前払いのような形でしたね。『艦これ』や『刀剣乱舞-ONLINE』などのヒットのおかげでようやくパブリッシャーとして認めてもらえるようになりました。

村中:やはり結果を出すのは重要なことなのだなと思いましたね。

――DMM GAMESさんはセカンドパーティさんと組んでゲームを作ることも多いと思いますが、こちらも思い出深いですか?

川端:そうですね。本当に多くのセカンドパーティの開発会社様に制作して頂いたタイトルに支えて頂きました。『神姫PROJECT』『あやかしランブル!』や『千年戦争アイギス』『オトギフロンティア』は特にプラットフォームを盛り上げて頂きましたね。最近では『ミストトレインガールズ』などが人気を博しています。

 最近では新作『れじぇくろ!』が好調なほか、新作3DタクティクスRPG『天啓パラドクス』、“クリエイティブチーム くまさん”によるタワーディフェンスRPG『モンスター娘TD』の発表も行いました。

 過去の開発タイトルが気に入っていただき、同じ開発会社だからという理由で新作を遊んでくれるユーザーさんも多くなってうれしいですね。

――最後に今後の展望についてお聞かせ下さい。

村中:スマートフォンのブラウザ市場はこれまで以上に踏み込んでいくつもりです。PCにも変わらず力を入れますが、スマートフォンに関しては、もういちど創業するつもりで10年かけて取り組んでいきます。そしてスマートフォンならではの体験をみなさんにお届けしたいですね。

川端:PCプラットフォーマーとしては認知されてきているので、スマートフォンでもDMM GAMESが知られていきたいですね。

村中:現在のメインが30代から50代なので、より多くの層に知ってもらうことが当面の目標ですね。今後ともよろしくお願いいたします。

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