『天使は炭酸しか飲まない』丸深まろやか先生が目指す作品とは?

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『天使は炭酸しか飲まない』を執筆した丸深まろやか先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:Nagu先生)

 本作は、不思議な力を持ち、天使と呼ばれている主人公“明石伊緒”が、“柚月湊”の異常な惚れ癖を直すために力を貸す、すこし不思議な青春ストーリーです。

 恋多き少女との不思議な青春物語を描いた丸深先生に、本作が誕生したお話を伺いました。

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

 もともと恋愛ものは大好きなので、次もラブコメを書こうとは思っていました。

 ただ今回は、恋愛以外の人間関係や感情もたくさん書きたいな、という気持ちがあり、それができるお話ってどんなものだろうと考えて、今回の作品が生まれました。

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 読んでいる人が、まるで彼らの一員になったように、一緒に本気になれるような作品を目指して書きました。

 爽やかで、優しくて、ドキッとして、グッとくる。そんなお話になってると思います。

──作品を書くうえで悩んだところは?

 キャラクターの行動と、その動機や感情に説得力を持たせるところです。

 特に主人公とヒロインは、設定も事情も特殊なので、彼らがなにを考えて、どうしたいのか、対話に時間がかかりました。

 ただ、生きたキャラクターを書くのには必要なことなので、うんうん唸りながら考えてました。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 キャラクターやお話の展開を作るのに四ヶ月、本文の執筆と修正に三ヶ月ほどかと思います。

 書いている時間よりも、考えている時間の方がずっと長かったです。

──執筆中のエピソードはありますか?

 お話の筋は全部担当編集さんと相談して決めたのですが、唯一ラストシーンをどんな感じにするかだけは、編集さんにもあまり伝えずに原稿を書きました。

 というのも、原稿をチェックしてくださる編集さんにも、お話を読むのを楽しんで欲しかったからです。知ってる展開だけじゃつまらないだろうな、と思い、あえて一番美味しいところだけはボカしていました。

 うまくいったかどうかはわかりません(笑)。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 出会うのは偶然でも、そのあとで関わっていくのは必然、そんなふたりになってくれるように考えました。

 自分の過去と必死に戦っている彼らが、作者ながらに好きです。

 彼らが幸せになって、多くの人に愛されてくれたら嬉しいです。

──特にお気に入りのシーンはどこですか?

 終盤、主人公とヒロインが、お互いに秘密を打ち明ける場面です。

 その前後のシーンも合わせて、いい空気感が出せたと感じています。

 一章のラストも好きです。自分らしさが出たシーンだなと思っています。

──今後の予定について簡単に教えてください。

 続きを書かせてもらえたときのために、1巻の彼らと、新しいキャラクターを掘り下げています。

 読者さんたちとまた会えたら嬉しいですね。

──小説を書く時に、特にこだわっているところは?

①キャラクターの言動に、リアリティが感じられるように書く
②どんな人に楽しんでほしいのか、しっかり決めて書く

 たくさんありますが、大きいのはこのふたつかなと思います。

──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 最初のアイデアはふとしたときに頭に浮かぶので、必ずその場でメモを取ります。

 そうして浮かんだアイデアを深めるときは、とにかく長い時間考えます。

 集中するのは、実は苦手です(汗)。

 ただ、何時までしか作業をしてはいけない、と決めると捗る気がしてます。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 作家の辻村深月さん。特に講談社さんから出されている作品群が大好きで、畏れ多いですが、作品にもご本人にも、影響を受けまくっていると思います。

 ペンネームにも「深」の字を勝手に取らせていただきました。

 また、恒川光太郎さん、本多孝好さんの作品も同様に、今でも愛読してます。

 作品を読んだときのあの興奮が、今でも小説を書く原動力になってます。

──今現在注目している作家・作品は?

 『千歳くんはラムネ瓶のなか』の裕夢先生。完全にファンです。

 それから、『わたし、二番目の彼女でいいから。』の西条陽先生。尊敬してます。

──その他に今熱中しているものはありますか?

 マーベル・シネマティック・ユニバース。出てくるもの全部がおもしろすぎて、今の生きがいのひとつです。

 創作者としても、いちファンとしても、圧倒されています。

──最近熱中しているゲームはありますか?

 Apex Legends以外にはハマらないように気をつけてます。

 ただ、それでも時期によっては全然プレイできないので、上手くなれなくて悲しいです(泣)。

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 「これは自分のために作られた物語だ」。そんなのあり得ないのに、でも、そうとしか思えない。そういう出会いはありますか?

 この『天使は炭酸しか飲まない』が、あなたにとってのそんな作品になればいい、と思います。

 そしてもし違っても、きっといつか、そういう出会いが訪れることを、ひとりの物語ファンとして心から願っています。

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