囲恭之介先生が新作『その勇者はニセモノだと、鑑定士は言った』執筆中に不安になったこととは?

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『その勇者はニセモノだと、鑑定士は言った』を執筆した囲恭之介先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:桑島黎音先生)

 本作は、かつて勇者が闇の軍勢を退けた異世界を舞台に、各地に出没する“自称勇者”の真偽を鑑定するため、有能な鑑定士“ダウト”が奮闘する、異色のファンタジーコメディです。

 異世界の社会問題(!?)を描いた囲恭之介先生が、本作のポイントを教えてくれました。

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

 奇跡は、オカルト(本物)か? はたまたインチキ(偽物)か? ……といった定番のテーマを、コミカルなファンタジーへ落とし込んだらどうなるかなと、考えたのがスタートでした。

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 オレ勇者詐欺が、社会問題となっているファンタジー世界。勇者の真偽を見定める鑑定士――勇者鑑定士のダウトと、個性豊かな(無駄に濃い?)自称勇者達との戦いを描いたのが本作です。

 異世界“ニッポン”から来た人間が勇者となって世界を救う、という伝説の予言があるため、自称勇者達は揃いも揃って、“ニッポン”から来たことを主張しています。彼らの語る中途半端な“ニッポン”知識や、どこかズレた挙動を、ダウトは痛快にツッコみ、虚実を暴いてゆきます。

 一風変わったファンタジーならではの独特なキャラクター達が繰り広げる、熱いバトルに真相看破の爽快感、そして荒唐無稽なコメディが、本作最大の魅力です。

──作品を書くうえで悩んだところは?

 身も蓋もない話になりますが……コロナ禍で、ホントにこの本出せるの? 取りやめになったりしない? そんな不安との戦いが、最大の悩みでした。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 本作はエピソードが三つ収録されており、エピソードごとに執筆していたので期間がバラけてしまいましたが……合計すると、およそ三ヶ月半くらいだと思います。

──執筆中のエピソードはありますか?

 あります。デリケートな頭髪の話が!

 こちら、制作秘話という形で、文庫本のあとがきに掲載していますので、最後までご覧いただければ幸いです。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 自称勇者達に濃いメンツが多いので、それに対抗する主人公サイドも濃くせねばと、真逆の凸凹コンビが誕生しました。それが、鑑定士のダウトと、神官見習いのノーリーンです。

 正反対の着眼点や価値観を持つ彼らの、ユーモラスな掛け合いも醍醐味の一つですのでお楽しみに。

──特にお気に入りのシーンはどこですか?

 ヒロインであるノーリーンが、必殺技の一つ、パイルドライバーを仕掛けるシーンですね。

 え? ヒロインの職業? 神官見習いですよ。

──今後の予定について簡単に教えてください。

 諸々制作中であります。

 本作の続きも書きたいですね。そんなわけでお頼みしますよ、電撃さん!(笑)

──小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 読みやすさでしょうか。

 文字は多かろうとも、読者さんがシーンに熱中しながらスムーズに読み進められる、そんな小説を心掛けています。

──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 ウォーキングしたり、風呂に入ったり、空いている電車の車内でただ座っている等、ほかにすることがなくリラックスできる環境に身を置くことが、自分はアイデアを閃きやすいようです。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 学生時代となると、手塚治虫先生の『火の鳥』でしょうか。

 小学生の頃、はじめて図書室で見た時は、私が幼すぎて内容を理解できなかったのですが、高校時代に読み返してドハマりしました。

 結構影響を受けたんじゃないかと思います。

──今現在注目している作家・作品は?

 スリル満点の小説を書かれる貴志祐介先生ですね。

 雑誌掲載小説の単行本化が、楽しみでなりません。

──その他に今熱中しているものはありますか?

筋肉体操、頑張っています! 筋肉は裏切らない。ファイオッ!

──最近熱中しているゲームはありますか?

 最近は、中々ゲームをやる時間がなくて……。

 昔から遊んでいるTRPGは、やり出すとメッチャ熱中します。

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 ここまでインタビューをお読みくださり、ありがとうございました。

 拙著『その勇者はニセモノだと、鑑定士は言った』に少しでもご興味をお持ちいただけていたら、とても嬉しいです。

 本作が、あなたの手で紐解かれることを祈って――。

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