【ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話 18】私の愛するマチカネタンホイザのお話をしたい、します!

柿ヶ瀬
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 柿ヶ瀬です。2022年最初のコラムとなります。昨年は初めてこのような場でコラムを書かせていただくこととなり、気がつけば実に17回。8カ月もの間、『ウマ娘』をさらに楽しめるようなお話をしてまいりました。本年も連載が続く限りは頑張って行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

 さて、このコラムが初めての新年を迎えるのと同様、ウマ娘も初めての新年を迎えました。リリースされたのが昨年2月24日。もう1カ月もすれば、1周年となります。アプリゲームの1周年ともなればさまざまな施策も行われるでしょう。1周年で新シナリオ実装とともに実装される育成ウマ娘が増えたりすることだってあるかもしれません。あるいは普通にガチャ新規で来ちゃうかもしれないんですが、ともかく、実装される前に、筆者が最も愛した競走馬、マチカネタンホイザの話をしたい。そう思い、今回の筆を執ったのでした。やるぞ~、えい、えい、むん!

 マチカネタンホイザが最初にウマ娘になると判明した日を今でも鮮明に思い出せます。2020年12月19日の“ぱかライブTV vol.2”でのことでした。アニメ最新情報として、2期アニメのPVが流れたのですが、主題歌『ユメヲカケル』とともにトウカイテイオーとメジロマックイーンとのライバル描写から始まり、そしてナイスネイチャとチームカノープスのメンバーが流されたのです。

 最初に出たのはツインターボ。私の競馬仲間がツインターボを愛していたので「オイオイオイ、死んだわアイツ」と思っていた直後、イクノディクタスをはさみマチカネタンホイザ登場。仲よく枕を並べ討ち死にとなったのでした。

マチカネタンホイザはどうしてウマ娘になったのか

 マチカネタンホイザの主な勝ち鞍は、高松宮杯、目黒記念、アメリカジョッキークラブC、ダイヤモンドS。

 ご存知の方も多いと思いますが、アニメ2期において初期からいたナイスネイチャとともにチームカノープスのメンバーとしてツインターボ、イクノディクタスとともにマチカネタンホイザは登場しました。アニメ2期の主人公トウカイテイオーとメジロマックイーンが走っていたころにともに現役であった、GI未勝利の個性馬を集めたチームなのです。

 しかし、狂気の逃げ馬と呼ばれ、ナイスネイチャとともに絶大な人気を誇ったツインターボ、50戦以上を走ったタフネス牝馬、宝塚記念でワンツーとなったメジロマックイーンとの恋物語の噂もあり、実際に種牡馬と繁殖牝馬として結ばれてもいるイクノディクタスという他の2頭に比べるとやや意外とも取れた人選(?)だったかもしれません。

 この時代、GI未勝利の個性馬は他にもたくさんいました。天皇賞春、安田記念、宝塚記念という長距離・マイル・中距離で3戦連続2着という快挙を成し遂げたカミノクレッセ。伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナからその名を取ったステイヤーズS連覇のステイヤー、アイルトンシンボリ。天皇賞秋2年連続2着のセキテイリュウオー。このコラムでも以前紹介したもう1頭のブロンズコレクター、ロイスアンドロイス……。

 その中でマチカネタンホイザがウマ娘に選ばれたのはもちろんさまざまな事情はあるにせよ、大きな理由としてとある特殊で、しかしあまり自慢できないエピソードがあったからだと思われます。

 それは94年の秋から95年にかけてタンホイザの身に降り掛かった3度のアクシデントです。94年のジャパンカップを鼻出血で除外、有馬記念は蕁麻疹で取消、そして翌年のAJCCはフレグモーネ(外傷に雑菌が入り化膿する病気)で回避と、3戦連続、3カ月連続で疾病を発症してしまうというアクシデント。これによってタンホイザは“鼻血ブー”とか“病気のデパート”などと呼ばれる“ネタ馬”になってしまったのです。

 筆者の個人的な空想でしかありませんが、この個性でもってタンホイザはウマ娘になることができた可能性は非常に高いのではないかと思います。アニメにおいてタンホイザは鼻血を何度も噴き、蕁麻疹の原因ではないかと噂された蜘蛛を食べてしまうというネタも多く使われていたのはその証拠と言って差し支えないのではないでしょうか。

 筆者はこの病気3連発以前からマチカネタンホイザが好きだったので、ネタ馬扱いに忸怩たる思いをしたこともありました。しかし巡り巡ってそのおかげでウマ娘となったマチカネタンホイザに出会えた可能性が高いと思うと、人間万事塞翁が馬……と言うべきなのでしょうか。『ウマ娘』世界だとなんて言うんでしょうね、人間万事塞翁が馬。

マチカネタンホイザを最初に知ったのは

 筆者とマチカネタンホイザの出会いですが、当時筆者はまだ学生。オグリキャップの頃から競馬は見ていましたが、地上波で中継するメインレースを用事がない時に見るくらいでした。なのでさすがに新馬の頃から、というわけにも行かず、最初にマチカネタンホイザを知ったのはずっと後。1992年の菊花賞のことであり、かなり遅い出会いです。

 1992年の菊花賞と言えば皆さんもご存知、ミホノブルボンの三冠をライスシャワーが阻止した菊花賞です。しかしその当時の筆者はまだまだ競馬初心者であり、三冠の概念自体は知っていましたが、ブルボンが敗れたことの衝撃はまだあまり理解していませんでした。それより筆者は実況アナウンサーから出てくる“マチカネタンホイザ”という馬名の響きに囚われて、そしてそのマチカネタンホイザが3着に健闘する姿をずっと見ていました。

 筆者が毎週新聞で競馬をチェックするようになったり、土日には競馬中継を録画したり、競馬専門誌を買うようになり……競馬沼にダイブするキッカケになったのは、間違いなくこのレース、そして、マチカネタンホイザでした。

 2021年から競馬を見るようになった人で、例えば“アサマノイタズラ”(セントライト記念勝ち馬)の響きに囚われて、ファンになった人もいるのではないでしょうか。明らかな珍名ではなくても、なんだか気になる響きの馬名。強さや美しさ、ドラマ性ばかりではなく、そんなところから好きになる競走馬がいてもいいんです。

病気ネタだけじゃない! マチカネタンホイザの個性

 先程にも申し上げた通り、マチカネタンホイザがウマ娘になれたのは鼻血、蕁麻疹、フレグモーネの3連コンボの可能性が高かったです。しかしタンホイザの個性がそれだけだったのか、と言われればそうではありません。同じチームカノープスのナイスネイチャは皆様ご存知の通り“3着の馬”でしたが、マチカネタンホイザは“4着の馬”でした。

 ナイスネイチャの成績は競馬でよく使われる表示で[7-6-8-20]。7勝2着6回3着8回、4着以下の着外が20回。さすがは3着の馬と呼ばれるだけあって、3着の数が8回です。対してマチカネタンホイザは[8-2-2-20]。8勝で2着2回、3着が2回。着外が20回です。しかしその着外のうち、4着の回数はなんと、ナイスネイチャの3着と並ぶ8回! いわゆる馬券圏内と言われる3着にもあと僅か届かない、2着や3着の惜しいとはまた意味が異なる“惜しい馬”だったのです。

 しかしそれは同時に賞金は持ち帰っているということでもあり、事実、大種牡馬・ノーザンテースト産駒で最も賞金を稼いだ馬主孝行な馬でもありました。髪型と帽子で表現されている、厩舎で“ハナモゲラ”と呼ばれた理由である鼻のところでひん曲がった流星もキュートでしたし、ウマ娘でのハリキリ真面目キャラに反映されているであろう一生懸命に走りすぎてしまうところ、4着になった後は好成績を残すことが多かったり、GⅡ大将(GⅠには足りないけどGⅡはたくさん勝ってる馬)だと言われたり、贔屓目を抜きにしてもそれなりに愛される個性馬だったのではないかな……と思っています。

 育成キャラとして投入された際には、課題レースで3着や5着以内でクリアになるところを、4着以内という課題を出してほしいと思う次第です。あと当時GⅡの2000mだった高松宮杯(現在の高松宮記念)の代わりに金鯱賞を走る、ナイスネイチャの中日新聞杯と対称になるようなルートを通ってほしいなあとか、カノープス以外ではどのウマ娘と絡むのだろう、やはり近い時代で同時代だったウイニングチケットだろうか、あと何故か理事長あたりと絡んだりしないかな~とか。妄想は色々捗るばかりです。

今もまだ、現実感はありません

 それにしてもマチカネタンホイザに現役引退から25年以上経った今、ウマ娘という形で現役時代を越えかねないような人気が出るなんて、そんな嘘のようなことが起こるなんて、正直今も信じられません。育成に実装されたら、また変わって来るのでしょうね。

 ウマ娘キャラクター当てクイズでビコーペガサスらしきウマ娘が出た時に「GI勝ってないビコーペガサスがウマ娘になるならマチカネタンホイザも出ないかなー! 出ないよなー!」なんて言って笑ってたことがあまりにも遠い昔のように感じます(ユキノビジンもGI勝っていませんでしたが、当時別の馬の可能性も少しあったのです)。まあ最後にどう見てもナイスネイチャが出てきて、逆にナイスネイチャが出たらタンホイザの出番はないよな……とかも思ったこともありました。

 『ウマ娘』から競馬を見始めた方も多いと思いますが、是非とも好きな競走馬を作って欲しいと思います。『ウマ娘』というコンテンツがいつまで続くかはわかりませんが、好きになった馬が数年後にウマ娘になっていることは、今の『ウマ娘』を見ていると充分に起こりうることではないかと感じます。筆者のように数十年越し……ということは流石にないでしょうが、少しでもこの嬉しいけれどどこか現実味のない、不思議な感覚を味わう人がもっと増えたらいいなあと感じています。

 今回は自分語りが中心となってしまい申し訳ありませんでした。しかしマチカネタンホイザはいわゆる病気ネタ、特に鼻血ネタばかりがどうしても目立ってしまうこともあり、それだけではないということをお話したかったのでした。

 また次回もこういった“楽しみ方”を提示していければと思いますのでお時間ありましたらぜひご一読いただきたければ幸いです!

 それではまた!


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 連載コラム“ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話”のまとめページはこちらです。過去に掲載してきたコラムをここで一気に読むことができます。いろいろな驚きや発見があると思いますので、ぜひチェックしてくださいね!!


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