電撃オンライン

『LIBLADE』はアナログスティックで自由自在に斬りまくる良質な爽快アクション【電撃インディー#183】

豊臣和孝
公開日時
最終更新

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は『LIBLADE』のレビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

2本のアナログスティックがあるゲームパッド必須の爽快アクション

 『LIBLADE』は“斬撃”にフォーカスした横スクロールタイプのアクションゲームだ。Steamで配信中の作品だが、ちょっと珍しいのは「プレイには2本のアナログスティックを持つコントローラーが必須です」といった注釈がついていること。

 PCゲームの多くはキーボードやマウスでのプレイをサポートしているものだが、本作はアナログスティックが2本ついているゲームパッドが必須。筆者はXbox One用ゲームパッドで問題なく遊べているが、メーカーや製品によってはうまくいかないケースもあるようなので、念のためご注意いただきたい。

 操作方法は、正直に書くと少々慣れが必要。Xbox One用ゲームパッド準拠で説明すると、左アナログスティックで主人公を動かし、右アナログスティックで斬撃を繰り出し敵を攻撃する。ジャンプはLBボタンで、配置はオプションメニューから変更が可能。

 一般的なアクションゲームだとジャンプボタンをキャラクター操作側にもってくることはあまりないが、本作は後述のとおり右アナログスティックを酷使するため、ジャンプボタンは左手側にあるのが無難ではないかと思われる。

 斬撃は、右アナログスティックを倒した方向に、360度どこでもグイッと瞬時に伸びていく。リーチがあって爽快感抜群なのだが、連続攻撃したい時はボタン連打よろしく右アナログスティックを「ガッ、ガッ、ガッ!」と何度も入力しなければならない。慣れないうちはいわゆるガチャプレイに終始しがちだが、ゲームが進むにつれて敵やボスをしっかりとらえて斬りつける“精度”が要求されてくる。

 ザコの群れには大胆にレバガチャ、クセのある難敵には正確な斬撃と、メリハリをきかせていく操作がとても楽しい。


サクサクとテンポよく引っ張られるステージ構成

 ゲーム内容はシンプルで、ステージ内にいる敵やオブジェクトをひたすら斬撃で破壊していけばオーケー。クリアのために必要なギミックは最小限で、プレイヤーはアクションそのものに集中できるのがいい。

 敵の強さも序盤はサクサク、進むにつれてパターンをしっかり把握しないと痛い目に合わされる敵が増えていく王道構成。やられた時のリトライも、少々のペナルティはあるが簡単かつ迅速でノンストレス。

 全5ステージの後半は相応のボリュームだが、半日もあればクリア可能とコンパクトな部類に入るかと思われる。「もっとやりたい!」という人も少なくなさそうだが、718円という価格を考えたら十二分と言える。

主人公をより強くできる成長とスキル

 本作では、敵を倒して獲得した力の欠片(経験値)を消費してさまざまなスキルを伸ばすことができる。

 スキルはツリー形式で、必殺技、攻撃力や耐久力アップ、ジャンプ回数の増加などなど、どれも役立つものばかり。やっていて「ちょっとここ敵がキツイな」と感じたら、セーブポイントの“エリアテレポート”でクリア済みのエリアを周回してコツコツ経験値を稼いで地道なパワーアップが図れる親切設計。筆者のようなヌルゲーマーには心底ありがたい配慮だ。

 必殺技はRBや左右トリガーと右アナログスティックを併用するため、これまた多少の慣れが必要だが、威力はもちろんエフェクトもド派手で素直に「楽しい!」、「気持ちいい!」と感じられる。

 なかには「こんな強くていいの?」といったスキルもあるが、本作のキモである“斬撃”をないがしろにするものではなく、壊れにならない範疇で丁寧に調整されている。スキルツリーは作り手が油断すると形骸化しがちだが、本作はこの辺りもしっかり考えて作られていることが実感できる。

アバウトさと精妙さ、メリハリのきいたプレイと展開が心地いい良作

 前述のとおり、本作は右アナログスティックを酷使するため、やっていると「ゲームパッド壊れないかな?」とつい心配になる人もいるかもしれない。ただ、その激しさはゲームに熱中している証拠でもあり、決して悪いことではないと思う。

 ゲーム終盤に差し掛かるころには「右手ヤバイ! マジヤバイ!」となるのだが……つりそうな右手をねじふせてでもついついプレイを続けてしまうのは、テンポよく爽快にグイグイいける序盤、難敵難所がチラホラ顔を出す中盤、より操作精度を高めないと苦戦を強いられる終盤に至る“エリア構成の妙”にある。

 「ガチャプレイでいけるかな?」と思わせつつ要所でしっかり締めてくる作りは偶然では成しえない。よほどアクションが苦手な人は別として、そうでなければ素直にオススメできる良質アクションだ。

©2021 Eh

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら