えんため大賞・優秀賞受賞作、カプ萌えと人狼が融合したデスゲーム『マジカルデスペア』レビュー【電撃インディー#185】

Ak
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はカプ萌えデスゲームADV『マジカルデスペア』Steam版のレビューをお届けします。

 物語の核心的なネタバレはありませんが、第1章中盤以降の展開について触れることもあるので、気になる人はご注意を!

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

キャラ描写はカプ萌え重視! 登場人物たちは超個性的!

 本作は、人狼ゲームを主軸としつつ、魔法少女要素やバディ&カップリング萌えを盛り込んだ推理アドベンチャーゲームと、かなり欲張りな作りです。

 魅力的なキャラクターとドラマチックなストーリー展開で多くのユーザーの支持も集めており、第4回えんため大賞xRPGアツマール自作ゲームコンテスト2020優秀賞受賞作品にも選出されました。

 今回発売したSteam版では、第1章がプレイ可能。物語は完結しておらず、今後も続いていく予定です。

 いろいろな要素が盛り込まれており、覚えるべき設定やキャラ数も多いのですが、ベースとなるのはあくまで人狼ゲーム。

 縦筋はシンプルで分かりやすく、同ジャンルのゲームをプレイしたことがあれば流れは理解しやすいです。

 主人公の三峯トウカは、強気な性格の女子高生であり、魔法少女です。魔法少女名はヴァスティーヌ(ヴァス)。

 かなりサバサバした性格で、話し合いよりはパワーで解決したがるタイプなので、いろいろ話が早いです。

 そのバディとなるグラシカルは、ミステリアスな雰囲気のイケメン。

 いろいろと胡散臭い部分もありますが、ヴァスの味方であるという部分だけは、信用していい気がします。たぶん。

 ただ、その愛しかたがけっこう歪んでいて……少々ヤンデレ風でもあります。


 そのほかの登場キャラも、ひとクセもふたクセもある人物ばかり。

 まだ第1章ということもあって全貌が見えないキャラクターも多いですが、かなり個性的です。

 また、各キャラクターには“スキル”と呼ばれる特殊能力があり、それが事件や謎解きと深くかかわってくることも。

 第1章の段階ではまだスキルが不明の人物も多く、また明らかにされている人物も、それが真実かは分からない状況。

 各キャラのスキルの詳細が、今後の展開に大きくかかわってきそうですね。人狼ゲームの“占い師”にあたるスキルを持つことを披露した人物もいるため、その真偽も重要となりそうです。

 第1章序盤では、まだキャラを把握できないままにショッキングかつスピード感のある展開が続きますが、中盤以降のある展開をきっかけに物語のおおまかな方向性が見えてくると、主人公の目的やキャラの立ち位置が分かりやすくなって、話に入り込みやすくなります。

 淡く美麗なグラフィックも本作の見どころのひとつ。カメラワークが巧みで、美麗なCGが各シーンを盛り上げます。

 全体的なストーリーのボリュームに対してCGの種類は非常に豊富。

 なお、流血シーンやグロシーンも存在します。少し過激なシーンもあるので、苦手な人は要注意! ちなみに、ホラー表現はとくにないので怖いゲームが苦手な人でも安心です。

システムはシンプルなRPG&アドベンチャー!

 本作はRPGツクールで作成した作品とあって、基本システムは非常にシンプル。

 RPGのようにマップを移動し、手がかりを探していくことになります。マップはそれほど広くないため、ストーリーはスムーズに進められます。

 一般的なRPGのような戦闘は発生せず、育成要素などもありません。あくまでRPG要素は探索だけで、会話や謎解きがメインとなります。

 ちなみに、キャラとの会話パートでは、ボタン長押しでスキップも可能です。

 ただしバックログ機能がなく、重要な台詞を聞き逃す可能性もあるため、基本的には非推奨です。

 そのほか、ストーリー上で選択肢が発生することもあります。選択肢によってはバッドエンドに直行することも……。

 なお、選択肢による大きなストーリー分岐などは存在しません。とはいえ、第2章へとストーリーが続くため、当然といえば当然ですね。

 ゲーム中で犯人を当てるなどの推理要素もそれほど重要ではなく、あくまで一本道のアドベンチャーゲーム。

 おそらくですが、第2章以降はゲーム的にも推理が重要になってくると思われるので、今から第1章の伏線などをしっかり確認しておくのがよさそうです。

 人狼×魔法少女×カプ萌え×アクションと、魅力的な要素をこれでもかと詰め込んだ本作。

 女性視点でのバディとのキスシーンや、“カプ萌え”重視のキャラクター描写などもあり、ささる人にはささる一作じゃないかと。

 ちなみに現在、Steam版では第1章のみが配信中ですが、公式サイトでは第2章前編がプレイ可能です。どうしても続きが待ちきれないという人は、そちらをプレイするのもオススメです!

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