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ホラ吹き劉備や恐妻家の孔明が魅力的! 『新解釈・三國志』を見るべき理由とは?

Ak
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 福田雄一督のコメディ超大作『新解釈・三國志』のレビュー記事をお届けします。

福田ファンなら脇役にも注目! 山田孝之がまさかの役に……?

 本作は、『勇者ヨシヒコ』シリーズや『今日から俺は!!』などのコメディ作品で名を馳せた福田雄一監督が、三國志に独自の新解釈を加えたコメディ作品。


 臆病で日和見主義者だけど、酒を飲むと大言を吐くせいでカリスマに祭り上げられてしまう劉備(大泉洋)や、三顧の礼を尽くさずとも自分をグイグイ売り込んでくる孔明(ムロツヨシ)など、人物設定も超ユニーク!

 主役や準主役級の役どころはもちろん、脇を固める俳優陣もかなり豪華です。福田作品のファンからすると、「ここでこの人使う!?」みたいなキャスティングも多く、それだけでも楽しめるレベル。

 まさか序盤に出てくる“黄巾の人”なんて適当な名前の人物に山田孝之を使うとは……贅沢すぎる!

 意外(?)にも『三国志』作品としてのストーリー展開は超王道。歴史の流れもしっかり踏襲しており、黄巾の乱~赤壁の戦いまでが描かれます。

 超ザックリかつ簡潔に歴史の流れを解説してくれるので、『三国志』をまったく知らない人でも安心。

 この作品を機にほかの『三国志』作品を読んだら、たぶん趙雲や周瑜のカッコよさに驚くと思います(笑)。

孔明の策が実は嫁の……? 大胆すぎる解釈で描かれる新しすぎる『三国志』

 『三国志』に新解釈を加えるといっても、シリアスに史実を検証するわけではもちろんなく、あくまで「こうだったらおもしろくね?」というノリでストーリーが進みます。

 個人的には、孔明が実は恐妻家のごく潰しで、三顧の礼を尽くさずとも一回目の訪問でグイグイ雇われにきたのが笑えました。まあ、いつものムロツヨシではありましたが!(笑)


 呂布VS関羽&張飛や、趙雲の一騎当千の活躍など、見せ場のアクションはなかなか本格的!

 孔明が矢を集めた逸話や赤壁の戦いでの計略など、おいしい見せ場はしっかり押さえてあります。

 『三国志』好きが史実との違いを真剣に楽しむというよりも、『三国志』を舞台にした連作のコントだと思ったほうがより楽しめる作品。とくに福田作品が好きな人には「いつものヤツ」と言えば通じるくらい、濃度の高い福田作品です。

 いい意味で肩肘張らずに見たほうがいい作品なので、テレビやブルーレイなどで家で見られる今の状況こそ、本作を楽しむ絶好の機会かと思います。


※画像は金曜ロードショー公式Twitterのものです。
© 2020映画「新解釈・三國志」製作委員会

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