CPU最前線! 新世代アーキテクチャの投入でゲーミングノートPCに激的進化が!?

後藤宏
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 米国で1月4日から7日まで、家電やデジタル製品の展示会『CES 2022』が開催されましたが、そこでインテル社とAMD社から相次いで新CPUが発表されました。その中でも見逃せないのがノート向けのCPUです。両社とも、アーキテクチャが新世代に刷新されましたが、特にゲーミングノートPC向けのCPUは“本気”のラインアップを展開。新年早々から、激しく主導権の獲り合いを演じています。

 ここでは、両社からリリースされたノートPC向けの新世代CPUの進化ポイントをチェックするとともに、『CES 2022』で発表された注目の新世代CPU搭載ゲーミングPCを紹介!

待望のノートPC向け
第12世代Coreシリーズが登場

 インテル社からは、昨年10月にリリースされた第12世代CoreシリーズのノートPC向けラインアップも発表されました。高性能なノートPC向けのHシリーズ、15型クラスのノートPCを中心に幅広いモデルに搭載されるPシリーズ、モバイルPCで採用されるケースが多いUシリーズの3種類。まずは、Hシリーズが出荷される予定で、すでに同CPUを搭載したゲーミングノートPCも発表されています。

  • ▲第12世代Coreシリーズの特徴は、2種類のCPUコアがハイブリッド搭載されている点。消費電力は大きいが処理性能を優先したパワフルな“Pコア”と、消費電力が少なく電力効率を重視した“Eコア”の2種類が、状況に合わせて稼動する仕組みです。
  • ▲気になるHシリーズのモデルの一覧。Hシリーズは、14コア(Pコア×6/Eコア×4)を備え、20スレッドを処理できるCore i9-12900HKを筆頭に、8モデルがリリースされました。従来モデルのCore i9-11980HK(第11世代)とCore i9-12900HKを比べた場合、ゲームプレイ時のパフォーマンスは最大で約28%向上。

第12世代Coreシリーズを搭載した
注目のゲーミングノートPCは?

 CPUに、いち早くノートPC向けの第12世代Core i9を採用して、『CES2022』で発表された製品の中でも、特に注目を浴びているのが、Acerの『Predator Triton 500 SE』です。グラフィック処理(以下、GPU)には、GeForce RTX 3080Ti Laptopを搭載しながらも“第5世代AeroBlade 3D ファンテクノロジー”をはじめとした独自の冷却システムで、厚さ19.9ミリのスリム設計を実現していることが特徴。

 16型のディスプレイは、2560×1600ドット(240Hz)表示で応答速度は3ms。表示速度にこだわるユーザーも納得の仕様です。また、ストレージは最大で4TBを搭載していて、100GBを超えるようなタイトルも余裕でインストール可能。加えて、CPUやGPUの性能を極限まで引き出す、オーバークロックツールがあらかじめインストールされており、ゲームを快適に楽しめます。

  • ▲第12世代Core i9とGeForce RTX 3080Ti Laptopを組み合わせ、デスクトップPC並みのパフォーマンスを実現しつつも、ゲーミングノートPCとしては、かなりスリムな19.9ミリの筐体に凝縮。ハイエンドなゲーム環境を気軽に持ち歩ける点も魅力です。
  • ▲ノートPCらしからぬ仕様のパフォーマンスを存分に発揮させるため、冷却性能にもこだわっています。第5世代AeroBlade 3D ファンを採用したトリプルファンや断熱材を巧みに配置した設計など、同社が培ってきた冷却技術を惜しげもなく投入。

RyzenシリーズがノートPC向けの
新世代CPUを投入して対抗

 一方のAMD社からもノートPC向けの新世代CPUがリリースされました。発表されたのはRyzen 6000シリーズで、製造プロセスの刷新により、性能は従来のCPUに比べて約1.3倍に向上しています。こちらは、優れた性能を発揮する高性能ノートPC向けのHシリーズと、消費電力を抑えたモバイルPC向けのUシリーズの2シリーズをラインアップ。すでに、搭載モデルを発表しているメーカーがあり、早ければ2月中から販売が開始される予定です。

  • ▲HシリーズとUシリーズを合わせて合計13モデルがリリースされました。基本的なアーキテクチャは従来のCPU(Ryzen 5000シリーズ)から引き継いでいますが、CPUの処理性能を大きく左右する製造プロセスルールは、従来の7ナノミリに対して、若干微細化されて6ナノミリに刷新されています。
  • ▲Ryzen 6000シリーズが強化されたのは、パフォーマンスだけではありません。データの伝送速度が従来の2倍となるUSB4に対応したほか、DDR5やPCI Express 4.0など次世代の規格をカバーしました。Windows 11やPCゲームが軽快に動作するゲーミングノートPCの登場が期待されます。

Raizen 6000シリーズを搭載した
注目のゲーミングノートPCは?

 『CES2022』で発表された新世代Radeonを搭載したモデルの中でも、ゲーム向けのギミックを満載しているのが、ASUSの『ROG Zephyrus Duo 16 GX650RX』です。

 CPUにRyzen 9 6980HXを搭載し、GPUにはGeForce RTX 3080 Ti Laptopを採用した16型のノートPC。キーボード面にタッチ操作対応のセカンドディスプレイを備え、さまざまな情報を表示できることはもちろん、操作性の向上にも利用できることが特徴です。

 また、メインディスプレイは、4K表示とフルHD表示を切り替えられる仕様。加えて、応答時間は3msと高速で、どんなゲームも快適にプレイできます。しかも、ストレージでは、PCI Express 4.0接続のSSD(2TB)2基をRAID構成で搭載するなど、デスクトップPC顔負けの環境を追求。ゲーマーも見過ごせないスペックに仕上がっています。

  • ▲メインディスプレイには、3840×2400ドット(120Hz)の4K表示と1920×1200ドット(240Hz)のフルHD表示を切り替えられる16型液晶“ROG Nebula Display”を搭載。広範囲な視界が有利なゲームは4K、フレームレートが求められるゲームはフルHDといった使い分けも可能です。
  • ▲キーボード面の上部には、14.1型(3840×1100ドット表示)のセカンドディスプレイ“ScreenPad Plus”を装備。メインディスプレイでゲームをプレイしつつ、セカンドディスプレイには攻略情報表示するといったことも可能。タッチ操作対応で、咄嗟の場合にも、すばやく操作できます。

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