特撮好きライターがおすすめ。ヒーローの光(熱血)と闇(挫折)を描く『ワヒロ』が鳥肌モノ
- 文
- 長雨
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スクウェア・エニックスのシチュエーションスタイルRPG『ワールドエンドヒーローズ(以下、ワヒロ)』(iOS/Android)が、2019年11月13日に1周年を迎えます!
地球の運命を守るために戦う少年たちを描く本作。今回はヒーロー作品好きライターの視点から、本作をレビューしていきます。
地球の命を喰う未知の敵“イーター”と、それに対抗する“血性”を持つ少年“ヒーロー”たちの戦いが描かれる『ワヒロ』。プレイヤーは彼らを導く指揮官となり、王道少年漫画のような熱いドラマを見守っていくことになります。
少年たちが胸に秘めた想い、闇で蠢く大人の陰謀、謎めいた敵の正体――。ただの正義の味方ではなく、その暗部まで容赦なく語られる物語は、ヒーローモノとしてとても秀逸!
1周年を前に、特撮モノやヒーローを愛するすべてのみなさんにオススメしたい『ワヒロ』の魅力をレポートしていきます。
ヒーローの光(熱血)と闇(挫折)を描く、とても面白いストーリーとなっていますよ!
ヒーローたちの光と闇を映し出す物語が最高
舞台は、約1世紀前に隕石とともに襲来した喰核生命体“イーター”によって多大な被害を受けている地球。地球はその危機を打開するために特殊な“血性”を持つ少年たちを生み出し、“イーター”と戦う彼らは“ヒーロー”と呼ばれるようになりました。
政府と財団は“イーター”の侵攻を食い止めるために“ALIVE”を設立し、都内にある複数の学校に“ヒーロー活動”を推奨。
“ALIVE”の指揮官に選ばれたプレイヤーは、そのなかでも優秀な“崖縁工業高校”、“白星第一学園”、“ラ・クロワ学苑”、“風雲児高校”、“愛教学院”の“ヒーロー”たちを率いることになり……。
小さいころから特撮作品を嗜んできた人間なので、大規模な組織や特殊な才能など、ヒーローモノらしい設定の数々を見るだけでニヤっとしてしまいます。しかも地球に選ばれた存在の指揮官になれるなんて、カッコいいなーなんて気楽なことを考えていられたのは最初だけ。
物語を読み進めるうちにヒーローたちを待ち受ける現実の過酷さと、指揮官の責任の重さを痛感することになりました。
物語は、崖縁工業高校に新たなヒーロー・三津木慎(声優:天﨑滉平)が加わるところから始まります。慎がヒーローになる過程を通して、彼らの役目や力の代償が明らかに!
すべてを受け入れて誰かのために戦える彼らは本当にカッコいい正義の味方で、指揮官としてちゃんと支えていきたいという気持ちが強くなります。
またサポートするヒーローたちが、5つの学校に分かれているというのもポイント! 考え方や立場の違い、過去の因縁などで対立しているメンバーもおり、全員をまとめるのはひと苦労です。目的が同じであっても、まだまだ若い高校生ですから簡単に割りきれませんよね。
さらに、“ヒーローによるヒーロー襲撃”なんて物騒な事件も発生。プレイヤー&ヒーローたちが、どのように事件を乗り越えていくのか注目してください。
ほかにも強大な権力を持ち、ヒーロー活動にも影響力がある星乃家の怪しい動き、3章より姿を見せた未知の存在など、物語の端々で不穏な影がうごめいていて……。読み進めるのが怖い、けど気になるそんな展開になっています。
物語はかなりシリアスですが、登場人物たちの掛け合いが軽妙で、あまり暗い雰囲気になりすぎないのが本作のすごいところ。
男子高校生らしい(?)わちゃわちゃしたやりとりに、ほっこりしたり、クスっとしたり、日常パートもかなりおもしろいですよ。
強化人間から異端の英雄まで、理想のヒーローがきっと見つかる
プレイヤーが指揮するのは5校15人のヒーローたちで、それぞれ異なる目的や考えのもと使命を果たしています。多種多彩なタイプがそろっているので、応援したくなる人物や自分の理想像に近いヒーローに出会えるはず! ここでは、各学校の特徴を紹介していきましょう。
崖縁工業高校:人体強化でヒーローの力を伸ばす古豪
人体強化によって、常人離れした能力を手に入れた者たちが所属しています。かなり個性は強いですが、根はマジメな生徒ばかりだとか!?
かつては優秀なヒーローを生み出す名門でしたが、ある事件がきっかけで衰退し、今は名前通り崖っぷちに立たされています。新人ヒーロー・慎を加え、古豪復活を目指して頑張る彼らの姿は、スポーツマンガの主人公チームのようです。
白星第一学園:名門一族の子息がそろう最強チーム
個々の能力が高く、リーダーの志藤正義(声優:竹内良太)を中心にチームワークも抜群、地域住人の信頼も厚いに非の打ち所のないチームです。
レギュラーメンバーのほとんどが星乃一族に連なる名門の出で、優れた血性の持ち主。そのぶん、星乃一族の影響も大きく受けるようで……。大人たちの政治的な思惑に巻き込まれないか、心配になってしまいます。
ラ・クロワ学苑:ミュータント化により才能を開花
最新医療を用いたミュータント化手術によって、ヒーローとして能力を伸ばすことに成功した学校。金色の目は、手術の副作用によるものです。
ヒーロー校としての歴史が浅く、裕福な家庭の生徒が多いことから「金で地位を買った」と揶揄する声もありますが、レギュラーメンバーは気にしていません。
後輩たちをでき愛する頼城紫暮(声優:梅原裕一郎)と、素っ気ない後輩たちの関係が楽しい学校です。
風雲児高校:不良たちのトップに立つ超人たち
札付きの不良が通う風雲児高校には、あまりやる気のないヒーローが2人所属しています。
それなのに矢後勇成(声優:赤羽根健治)は痛覚がない特殊体質による“馬鹿力”、久森晃人(声優:島﨑信長)は“未来視”という超人的な能力を持っているのですから、世の中ってままならないなと思いました(笑)。能力的には1番ヒーローらしいですし、仲間としては頼もしいんですけどね。
愛教学院:すべての異端を守るヒーロー!?
新興宗教が母体で、穏やかでつつましい校風と評判。その一方で、問題児の受け皿だとも噂されています。
この学園に通う北村倫理(声優:岡本信彦)が目指しているのは、“すべての異端を守る普通のヒーロー”です。その意味が分かったとき、本作におけるヒーローがどんな存在なのか、より深く理解できた気がしました。
個人的に気になるヒーローをピックアップ!
本作は学校だけでなく、所属しているヒーローたちもかなり個性派ぞろい!
戦隊モノファンとしましては同好の士であり、変身ベルトを着用している浅桐真大(声優:吉野裕行)の言動にニヤニヤしてしまいます。
本人は崖縁の人体強化を担当する天才技術者で、どちらかと言えば敵サイドのマッドサイエンティストみたいな感じなところもおもしろいですよ。
ほかにも御曹司で性格も温厚、いかにも優等生な御鷹寿史(声優:鈴木拡樹)が意外なコンプレックスを抱えているなど、一筋縄ではいかないメンバーばかりです。
この、一見優等生の御鷹。戸上宗一郎(声優:日野聡)や透野光希(声優:緒方恵美)との関係性が見どころなんです。
実は、中学は志藤や御鷹と同じ白星の中等部に通っていた戸上。しかし彼は、わけあって白星ではなく崖縁工業高校に行ってしまいます。そんな戸上に対し、複雑な感情を見せたり……。
記憶喪失で自分の家に居候することとなった透野を、まるで本当の弟のようにかわいがり、心配する過保護さを見せる反面、透野の成長を喜びながらも、何やら感じていることがあったり……?
最初は顔で決めていた推しも、物語を第3章まで読んだ今は箱推し以外選択肢がありません。それくらい魅力的な人物ばかりなので、彼らの活躍をお楽しみに!
本編のほかに、彼らの日常やヒーローになった理由が語られるサイドストーリーも! 戸上宗一郎がリスクの高い心臓を強化した理由や斎樹巡(声優:堀江瞬)と両親の確執など、ヒーローたちの本心をのぞける貴重なエピソードになっています。読めば必ず、彼らのことをより好きになりますよ。
現在各2話まで配信中で、続きが読める日が待ち遠しくてたまりません。
変身やポーズなど、バトルのお約束も!
お気に入りのヒーローでチームを組んで戦う“ミッション”では、ヒーローの指揮官気分を存分に味わうことが可能です。
“ミッション”をスタートすると、ヒーローたちがステージのパトロールを開始。メンバーは自分たちの意思で行動しているので、基本的には見ているだけでパトロールは進んでいきます。
途中で非常事態を告げるアラートが鳴り響くことがあるので、そのときはメンバーを指名して事態を解決させましょう。
猫を見つけたり、敵を殲滅したり、アラートレベルに合わせてさまざまなことが起こります。ヒーローによってトラブル解決の向き不向きなどはないので、好きなメンバーを選んでください。
各ステージの奥では、ボスである成体イーターとの戦いが待っています。ヒーローたちが学校ごとのバトルコスチュームに変身し、ポーズを決める姿はまさに戦隊モノという感じで、テンションが上がるんですよね。
彼らは素早い動きを得意とする“迅式武器”、破壊力抜群の“重式武器”、遠距離攻撃にも優れた“術式武器”で戦うんですが、その武器がまたカッコいいんです。水や魔銃など特殊なものが多い“術式武器”は、特に中二ゴコロがくすぐられます。
イーターのHPをゼロにできれば、ヒーローたちの勝利です。
相手の方が戦力が高いときには、負けそうな場面からメンバーの諦めない気持ちが形勢逆転を呼ぶ“クライマックス・プラス”が発生することも!
レアな展開なので見るのは少し大変ですが、ヒーローたちの熱さが伝わってくるステキな演出なので、ぜひ狙ってみてください。
ヒーローたちの熱さを、存分に感じることができる『ワヒロ』。指揮官の同僚として、みなさんにお会いできるのを心待ちにしています。
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