スーファミ世代直撃、でも、ちゃんと今風。2DドットRPG『ライズ・オブ・ザ・サード・パワー』を高評価!【電撃インディー#187】

カワチ
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPS4/Switch/Xbox One/PC向けRPG『Rise of the Third Power(ライズ・オブ・ザ・サード・パワー)』のレビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

RPG黄金期を彷彿とさせるグラフィックがイイ!

 みなさん、RPGは好きですか? 筆者は……大好き! とくにスーパーファミコン時代のドットで描かれた、あのRPG!! リアルな3Dグラフィックに比べれば表情の変化は乏しいですが、その分、キャラクターが全身で大きく感情を表現するのは人形劇を見ているようで可愛かった。

 また、2Dで作られたマップも最高。構造がわかりやすくて迷うことはないし、3D酔いも無いのでずっと世界観に浸れることができるんですよね。こんなこと言うと、「90年代に帰れ!」と言われそうですが、帰れるものなら帰りたいですよ……(笑)。

 いやぁ、でもあの頃って自分も元気な子どもで時間も体力も無限にあったから、永遠にRPGが遊べたんですよねぇ。自分は今、40歳ですが、30~40代の人は共感してもらえるのではないでしょうか?

 今回、紹介する『ライズ・オブ・ザ・サード・パワー』はそんな古き良き時代のRPGを彷彿とさせる作品。最近はこういった当時のRPGを再現した作品も多いですが、本作はとくにドットへのこだわりを感じるものになっています。

 とくに気合いを感じるところはバトルでのグラフィック。ドット作品だとキャラクターが小さく表示されることも多いですが、本作は味方キャラクターも敵キャラクターもかなり大きく表示されているため、迫力があります。

 描き込みもこまかく見ていて楽しいですし、アニメーションも多いところがうれしいポイント。このドット絵だけでも一見の価値アリです!

 ストーリーはローワンとコリーナのふたりが戦争の引き金となる政略結婚を阻止すべく、アリエール姫を誘拐するところからスタート。

 最終的には8人の仲間が加わり、戦争の阻止、そして帝国の野望を打ち砕くのが目的になります。

 最初は自分を誘拐したローワンのことを嫌っていたアリエールが、だんだんと彼のことを認めるようになったりと仲間たちとの交流が丁寧に描かれます。


 また、物語の途中でローワンの過去が明らかになったりと、各キャラクターの掘り下げもしっかりしており、どのキャラクターも好きになります。

禁断の“瞬殺”があるから誰でもクリアできる!

 ゲームはエンカウント式のバトルで、難易度はストーリー、ノーマル、ハード、エキスパートの4種類が存在。難易度はいつでも変更できるほか、いちど倒した敵は宿屋に泊まると復活するのでRPGらしくチマチマとレベルアップすることが可能。詰まる心配はありません。


 また、難易度をストーリーにするとコマンドに“瞬殺”が追加。ザコであろうがボスであろうが一撃で倒せるようになり、ストーリーのみに集中することができます。

 バトルはMPを消費して特技を消費する仕組み。難易度をノーマルでプレイするぶんにはバランスが絶妙でダメージの大きい技だけを使っていても勝てません。強力な魔法を使う敵を眠らせたり、挑発でHPの低い仲間を守ったりといったサポートが重要になり、頭を悩ませながら戦うのがおもしろいです。

 なお、戦闘に参加するのは3人で、4人目以降が仲間になったときは戦闘前に誰を出撃させるか選ぶことに。また、戦闘中も入れ替えができるため、戦術性が上がっていきます。

 また、キャラクター同士で連携して強力な技を繰り出す“チームコンボ”も存在。コンボに参加するキャラクターのコンボ能力ゲージがマックスになっていると選択することができるようになりますが、その組み合わせを探すことが楽しいです。

 レベルに関しては少し変わっていて、キャラクターごとではなくパーティ全体で存在します。

 そのため、新しい仲間が加わったときも戦力差がないのですぐに第一線で活躍させることが可能です。

 また、レベルアップで“天与”のポイントが手に入るので、このポイントを使って新しいスキルを覚えることができるようになっています。そのため、お気に入りのキャラクターを贔屓するということは可能です。

 また、キャラクターを強くする方法にはクラフトも。冒険していると宝箱などからレシピを見つけることができ、このレシピのアイテムを参考に新しい装備を作ることができます。装備の効果は大きいので新しいものを作っていくのは重要になります。

 バトル以外の部分で自分が関心したのは街やワールドマップがちゃんと作り込まれていること。最近のゲームだと省略されてしまうことも多い要素ですが、本作ではしっかり作り込まれています。


 街にはメインとは関係ないサブクエストもあり、探索するのが楽しいです。また、迷子になる不安もあるかもしれませんが、メインクエストやサブクエストの内容はいつでも確認でき、目標にはマークが付いているのでわかりやすいです。

 ゲームはオートセーブが実装されており、イベント前には先に進むかどうかの確認があったりと遊びやすいように工夫されています。

 スーパーファミコン世代リスペクトでありながら、ゲームをプレイするとしっかり現代向けにアレンジされていることが分かります。クリアまでたっぷり遊べるので、RPG好きならぜひチェックしてみてもらいたいです!



カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


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