電撃小説大賞《大賞》受賞作『姫騎士様のヒモ』の誕生秘話を白金透先生が語る
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電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『姫騎士様のヒモ』を執筆した白金透先生のインタビューを掲載します。
灰と混沌の迷宮都市“灰色の隣人(グレイ・ネイバー)”を舞台に、麗しき姫騎士“アルウィン”と、彼女の『ヒモ』である元冒険者“マシュー”が紡ぐ、異世界ノワールストーリーです。
第28回電撃小説《大賞》受賞作がついに発売! 本作を生み出した白金透先生に作品の誕生から今ハマっているゲームまでいろいろお聞きしちゃいました。
──この作品を書いたキッカケを教えてください。
某小説投稿サイトのランキングを眺めているときに不意にタイトルが頭の中に浮かびました。
「もしこのタイトルで書くとしたらどんな話になるだろうか」とそこから設定やキャラクターを膨らませていきました。
──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。
やはり主人公のマシューだと思います。
普段はだらしなくて減らず口ばかりですが、いざとなれば姫騎士様のために全力を尽くす男です。
そのギャップも魅力の一つかな、と思います。
──作品を書くうえで悩んだところは?
設定や展開です。人を選ぶ話なので「この設定でいいのかな?」とか「この展開は読者に受け入れられるのかな」とかいろいろ考えましたが、最終的に「書いたほうがおもしろくなりそう」と判断したほうを選びました。
──執筆にかかった期間はどれくらいですか?
一度仕事や別作品のために中断していましたので、実際に書いた期間は半年くらいでしょうか。
──執筆中のエピソードはありますか?
完成したのが締め切り二日前でそこから誤字脱字修正してギリギリになってからの応募だったのでまさか受賞できるとは思ってませんでした。
──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
前述のようにタイトルから考えた話なので「どうして姫騎士がヒモなんて養っているのか」と、タイトルから生まれた疑問を突き詰める形で世界観やキャラを作り上げました。
マシューはロクでなしだし、アルウィンのほうもいろいろ悩みを抱えている人なので、生みの親としては「こいつら大丈夫かなあ」と不安ばかりです。
──特にお気に入りのシーンはどこですか?
マシューとアルウィンの出会いのエピソードで、ラストあたりの会話が気に入っています。特にマシューの長いセリフは「ああでもないこうでもない」と何度も書き直しました。
──今後の予定について簡単に教えてください。
今は二巻に向けて動いているところです。迷宮都市を舞台にマシューとアルウィンが色々と災難に巻き込まれることになります。新しいキャラも出てきます。
──小説を書く時に、特にこだわっているところは?
読みやすさです。意識の流れというか順番を意識して書くようにしています。
──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
集中力に関しては単純に場所を変えたりしています。
この作品のプロットも近所の喫茶店で練り上げました。
アイデアについては時間と場所を変えながら常に考えるようにしています。
歩いているときも電車の中でも仕事中でも風呂の中でも布団の中でも。
映画見ていると不意に思いつく場合もあります。
──学生時代に影響を受けた人物・作品は?
大学時代は時代・歴史小説をよく読んでいました。
藤沢周平、池波正太郎、司馬遼太郎、隆慶一郎、山本周五郎、山手樹一郎です。
──今現在注目している作家・作品は?
井原忠政先生の『三河雑兵心得』シリーズです。
電撃文庫だと逆井卓馬先生の『豚のレバーは加熱しろ』と、香坂マト先生の『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』です。
──その他に今熱中しているものはありますか?
映画鑑賞と古本屋めぐりが好きなんですが、今後どうやってその時間を確保していくかが課題になりそうです。
──最近熱中しているゲームはありますか?
『アイドルマスター シンデレラガールズ』は10年近くやっています。好きなアイドルはライラさん、南条光、神谷奈緒、久川凪、久川颯です。
──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
人を選ぶ話ではありますが、間違いなくおもしろい作品になったと思っています。
『電撃文庫史上最低のロクでなし』の生き様を是非ご覧いただければ幸いです。
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『姫騎士様のヒモ』
- 著者:白金透
- イラスト:マシマサキ
- 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
- 発売日:2022年2月10日
- ページ数:376ページ
- 定価:748円(税込)