『ダイイングライト2』先行レビュー! 大量のゾンビから逃げる“鬼ごっこ”と爽快なパルクールが最高に楽しい
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- hororo
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※『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
スパイク・チュンソフトから2月4日に発売される『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』のプレイレポートを紹介します。
『ダイイングライト2』は、人がゾンビ化してしまうハランウイルス(THV)の影響により崩壊してしまった世界を舞台にしたオープンワールドアクションRPG。
2015年に発売されたシリーズ1作目『ダイイングライト』は、全世界で2,500万人以上がプレイし、高い評価を得た名作。それから7年の時を経て、ようやく完成に至った続編が登場するということで、まさに世界中が注目している作品と言えます。
そんな本作の魅力や手触り感をお伝えしていきます。
なお、先行プレイ時点では、ブラーのオフができなかったため、動きのあるシーンは多少のブレがあります。
混沌とした状況下で何かを選ばなければならないままならなさが、苦しいけどおもしろい……!
本作の主人公は、行方不明の妹を探して世界中を旅する“流浪人”のエイデン。その手がかりを追って、一定の秩序のもと何とか文明圏を維持している“シティ”へとたどり着く、というのが冒頭のストーリーとなります。
シティには、武力による治安維持を掲げる“ピースキーパー”と、より自主性を重んじつつ絆を尊重して生きている“サバイバー”、そして暴力ですべてを解決しようとする盗賊集団“レネゲイド”という、大きく分けて3つの勢力が存在しています。
ピースキーパーとサバイバーは表面上は協力状態にあるものの、主義の違いによって小競り合いが絶えず、エイデンがシティに到着したタイミングでは、とある事件によってまさに一触即発の状態……!
プレイヤーは、行動によってサバイバーとピースキーパーのどちらかに肩入れすることができます。
こういった前提のもと、エイデンはさまざまなクエストを通してシティの住人と関わっていくことになるのですが……これがまた、なかなかにひどい!(笑)
流浪人であるエイデンはいわゆる“よそ者”扱いで、簡単には信用してもらえません。ピースキーパーもサバイバーも身内しか信用しない状態に陥っているため、エイデンに対する態度が不審者に対するものと同様です。
過酷な世界を生き抜いている結果でしょうが、無条件の善意なんてものはなく、舞い込むのは誰かに騙されたという話(真偽不明)や、いい儲け話があるという話(真偽不明)、大事な人を助けてほしい(真偽不明)というように、だいたい話を聞くと(真偽不明)が付くものばかり。
とりあえず引き受けてみると、最終的に「お前……嘘じゃねぇか……!!」と思うことも珍しくありません。
そしてたまに聖人のような人が紛れ込んでくるので、余計に依頼人の話が嘘か本当か、善意か悪意かがわからなくなります。
何よりやっかい(褒め言葉)なのが、そんな状態で取り返しのつかない選択を迫られること!
私は、とあるサブクエストで依頼人が死んでしまう結果になったのですが、おそらく選択によっては助けられたのだと思います。しかし、たった一言、彼を救いたくて言った言葉がトリガーになって死んでしまった。このやるせない気持ち、体験を与えてくれるのが、『ダイイングライト2』というゲームなのです。
さして重要そうに見えない普通の会話にも、どちらかしか選べない選択肢があることも……! 会話のたびに疑心暗鬼が増していきます。
さらに、より重大な決断の際にはしっかり時間制限を設けてくるいやらしさ! まったく、疑心暗鬼を植え付けた状態で選択を迫らないでほしい……!(褒めています)
ですが、このような誰が正しいのかわからない状態で選択を迫られ、思った通りにいかなかった時のままならなさがあるおかげで、うまく着地できた際の喜びも跳ね上がるのも事実。
特にピースキーパーとサバイバーが抱える問題は、それぞれ主張、言い分があり、どちらが正しいのかはわかりません。むしろプレイヤーから見れば両者とも高圧的に見えるし、無条件で信用を置ける相手ではないと感じるでしょう。
中には普通に接してくれる人もいますが、脅してくるか騙そうとしてくる人の多いこと……。
私は誰も信用できず、エイデン本来の目的である“妹を探す”という目的を達成するには誰に協力すべきか……といった打算的な考えを始めてしまいました。結果的に、それが一番エイデンという人物に感情移入できる方法だったかもしれません。
プレイヤーの選択とそれに伴う結果をしっかり描く……それが本作の物語体験の魅力であることは断言できます。
ちなみに、ピースキーパーとサバイバーの件に関しては、協力する勢力によって取得できるスキルやフィールド上でのサポートが変わるため、ぶっちゃけてしまえばゲーム的な側面で考えて選ぶのもアリです。
“ゾンビから逃げる”が“ゾンビをあしらう”になる瞬間が最高に気持ちいい!
本作最大の特徴といえば、縦横無尽に街中を駆け巡ることができるパルクールアクション。パルクールとは、肉体のみを使って建物を登ったり、建物から建物へ跳躍したりする動作のこと。その爽快感と見栄えのよさから、さまざまなゲームの移動方法としても取り入れられているため、聞いたことのある人も増えているのではないでしょうか。
本作でも、少しの凹凸があれば多少強引にでも登り降りでき、建物の屋上を跳びまわりながら目的地まで一直線で駆け抜ける気持ちよさを味わえます。
さらに主人公の能力を成長させることで、着地の衝撃を和らげたり、壁を走ったりといった能力を獲得でき、さらにスピーディーなアクションが可能に! ただ街中を走り回っているだけで気持ちよく、“移動そのものが楽しい”という、アクションゲームとして最高の手触りに到達しています。
そしてゾンビゲームにおいてパルクールといえば、まずは“ゾンビから逃げるための手段”とイメージするのではないでしょうか? 私もそう思っていましたし、事実としてそれは間違いではないと思うのですが、本作をプレイしていると、ある瞬間から自分の感覚に変化を感じました。
とにかく最初のうちは落下しないように慎重にパルクールを試したり、追ってくるゾンビから必死になって逃げていたのですが、操作に慣れて思うように跳びまわれるようになってからは、ゾンビから逃げることに楽しみを感じるようになっていたのです。
気分的には鬼ごっこをしている時の逃げ手の心境……! 子ども時代に鬼ごっこにて「捕まえてみな!」と言わんばかりにスイスイと追撃をかわしていく逃げ上手が1人や2人いませんでしたか?
本作のパルクール動作が非常にスムーズなこともあり、うまく立ち回れば立ち回るほど、追ってくるゾンビとの距離は開いていきます。
同じシチュエーションであっても、壁を蹴ってジャンプするのか、パイプをつかんで屋根に登るのか、はたまたスライディングで狭い場所を通り抜けるのかと無数の選択肢があり、とっさの判断で逃走ルートを判断しなければなりません。
そしてそれがうまくハマった時は最高に気持ちよく、「今の逃げ方、カッコイイな!」なんて言いながら悦に入る快感は、本作ならではのものです。“ゾンビから逃げる”が“ゾンビをあしらう”に切り替わった瞬間、本作の魅力が倍増しました。
ゲームの肝である“ゾンビからの逃亡劇”そのものが、主人公の成長具合やプレイヤーの腕前の上達を感じられる指針となっています。要素としての嚙み合わせが素晴らしく、延々と街を走っていたくなる衝動に駆られるほどです。
光に当たらなければ死……! 独自の緊張感を生み出す昼夜のサイクル!
要素がうまく噛み合っているという意味では、昼夜のサイクルも外せません。本作ではゲーム内の時間経過に合わせて昼夜が変化するのですが、それぞれに違った特徴を持っています。
昼間のあいだ、強力なゾンビ(感染者)は建物内に潜んでおり、外の探索は比較的簡単。これはこの世界の強力な感染者は紫外線に弱いという弱点を持っているからです。
紫外線への耐性を持った比較的弱めの感染者は昼間でも活動していますが、動きは遅く、数さえ集まらなければそれほど脅威ではありません。そのため屋外の探索を行うには、昼間は最適な環境と言えます。
一方で夜になると、建物から強力な感染者が外に出始めるため、移動には大きな危険が付きまとうことに。逆に感染者の多くが出払うことで、屋内の探索は昼間よりも安全になる、といった特徴があります。
感染者が根城にしている建物は“ダークゾーン”と呼ばれ、危険度が高いぶん貴重な物資も多め。夜になったら積極的に挑みたいところです。
特に夜間には特殊な感染者の一種である“ハウラー”が出現。エイデンを発見すると叫び声をあげ、周囲の感染者をけしかけてくる能力を持っています。このハウラーに叫び声を上げられてしまうと、大量の感染者が追いかけてくる“チェイス”モードに移行し、安全圏まで逃げない限り追われ続けるという事態に!
ハウラーに一瞬見られた程度ではチェイスは始まりませんが、一定時間視界に入っていると叫ばれてしまいます。
前述の通り感染者は紫外線に弱く、ブラックライトで照らされている空間には近づけません。したがって、チェイスモードになったら急いで周囲の紫外線エリア目指してダッシュする必要があります。チェイスが長引くほど追ってくる感染者の大群は勢いを増し、逃走難度が上がっていくため、素早く振り切りたいところ。
この時の緊張感はまさしくゾンビパニック映画そのものなので、ぜひ一度は体験してみてほしいですね。まだパルクールに慣れないうちは絶望でしかありませんが(苦笑)。
昼夜は感染者の行動にのみ影響するわけではありません。実は主人公や本作の舞台となるシティの住民たちもTHVに感染しており、定期的に紫外線を浴びないとゾンビへ変異してしまうという状況にあります。
つまりもっとも効果的な紫外線の供給先……太陽が隠れている夜間は、ウイルスの進行が進みやすいということ。画面に表示されているタイマーがゼロになる前に、UVライトに当たって変異を抑えなければならず、夜間の行動は昼間に比べて難しくなっています。
その代償として、夜間の行動には経験値ボーナスが入ったり、夜間に探索しやすい場所ではいい物資が手に入ったりするため、相応のメリットはあります。
なお、昼間でも太陽の光が遮られる屋内などではウイルスの進行が進んでしまうため、制限時間に気を配らなければなりません。
このように、本作の昼夜のサイクルはプレイにメリハリを与えてくれており、オープンワールドの探索という要素に程よい刺激を与えてくれています。
もちろん、寝台で寝ることで昼夜を逆転させることは可能です。一部の時間帯が指定されたクエストを除き自分のペースに合わせて時間をコントロールできるので、昼夜のサイクルでストレスを感じることはほぼないでしょう。
武器の収集や改造に加えて多彩なアクションで、戦闘がおもしろい!
エイデンは、探索中に発見した武器や衣服を装備して、戦闘力を高めていきます。装備品にはレアリティやボーナスが設定されており、同じアイテムでも性能が異なる、いわゆるトレジャーハント要素になっているのがポイント。
加えて武器には耐久力があるため、強い武器をずっと使い続けることが難しく、性能のいい武器はここぞという時のために取っておきたくなることも珍しくありません。
とはいえ武器自体は潤沢に手に入るため、基本的には使い潰す感じで順次新しいものに取り換えていけばOK! 探索で手に入る素材を使えば改造パーツなどをクラフトでき、使いやすい武器に電撃や凍結などの属性効果を与えることが可能です。
武器を改造すると、任意のタイミングで炎を噴き出す斧のような、最高にイカした武器を作ることもできます!
戦闘の経験値を積むことで、新しいスキルをアンロックすることができます。例えば敵の攻撃をパリィで弾いた際に、その敵を乗り越えて別の敵にドロップキックをお見舞いできる“跳躍キック”や、高所から落下する際に敵を蹴り飛ばせ“エアキック”など、習得するほどにアクションの幅が広がり、より多彩な立ち回りができるように!
こうなるともう敵との戦闘が楽しくなってしまい、多少の感染者の群れや盗賊程度であれば、逃げるどころか「むしろ戦いたい!」と思ってしまうほど。
敵との戦いに主軸を置いたアクティビティも用意されているので、戦闘を楽しみたい方はそちらもオススメです。
リターンが大きいものとしては、感染者の強力な個体に挑むものがあります。報酬としてインヒビターなどが手に入り、エイデンの強化につながるため、余裕があればチャレンジしてみたいところ。
個人的におもしろかったのは、バットを使って感染者を場外へと殴り飛ばすスポーツのような“究極・怒りのクリケット”! 四方八方から襲ってくる感染者を手持ちのバットで殴って飛ばすだけなのですが、微妙に障害物があったり、バットの当て方で思っていた方向に飛ばなかったりで、お笑い要素が多めながらも手ごわいアクティビティでした(笑)。
基本的には重苦しく、マジメ一直線な世界観になっているのですが、たまに入ってくる変わったアクティビティやド派手で超人のような戦闘など、張り詰めすぎない余裕を残してくれているタイトルに仕上がっているのが、個人的にはとても好感触です。
海外ドラマのような重厚なストーリーと、目が覚めるほどに爽快なパルクールアクション。これらに興味を持ったなら、ぜひプレイしてみてほしい一作です。
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『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』特集(電撃オンライン)はこちら
『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』公式サイトはこちら
ダイイングライト2 ステイ ヒューマン
- メーカー: スパイク・チュンソフト
- 開発: Techland
- 対応機種: PS4
- ジャンル: ARPG
- 発売日: 2022年2月4日
- 希望小売価格: 7,980円+税
ダイイングライト2 ステイ ヒューマン
- メーカー: スパイク・チュンソフト
- 開発: Techland
- 対応機種: PS5
- ジャンル: ARPG
- 発売日: 2022年2月4日
- 希望小売価格: 7,980円+税