『刀剣乱舞無双』気になる序盤のストーリーや刀剣男士の意外な一面が垣間見えるミニゲームを紹介!
- 文
- 原常樹
- 公開日時
DMM GAMESが2月17日に発売するNintendo Switch/PC(DMM GAME PLAYER版)用アクションゲーム『刀剣乱舞無双』。大勢の審神者(さにわ)が待ちに待った本作のファーストインプレッションをお届けします。
なお本記事は、ゲームの進行に合わせて記者の個人的感想を含めた解説記事となっています。ゲーム未プレイでストーリーなどをゲームで楽しみたい方は、ネタバレを含む可能性がありますのでご注意ください。
舞台はかなり特殊な本丸?
『刀剣乱舞無双』は、刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』と、大人気アクションゲーム『無双』シリーズのコラボ作品です。
そもそも“審神者”とは物の心を励起する技を持つ者であり、審神者によって励起された付喪神が「刀剣男士」と呼ばれます。
物語の舞台となる西暦2205年では、過去へ干渉することで歴史改変を企む“歴史修正主義者”による攻撃が始まっており、“時の政府”はこれに対抗すべく“審神者”の率いる“刀剣男士”を各時代へと送り込み、激戦を繰り広げてきました。
つまり刀剣男士の戦場となるのは戦国時代といった過去。ところが本作『刀剣乱舞無双』では、本丸に歴史修正主義者の率いる“時間遡行軍(じかんそこうぐん)”が攻めてくるところからスタートします。
まさか作品の冒頭からそんな展開になるとは……。この本丸はかなり特殊な状況ということがうかがえます。
しかも、この本丸は長らく審神者が不在で漂流していた模様。刀剣男士たちはそのことを時の政府に隠していましたが、実際には筒抜けで、ナビゲーター役の“こんのすけ”が派遣されてきたとのことです。
……なんだか、本丸と政府、両陣営の関係も複雑なものがありそうですが、とにもかくにも時間遡行軍を撃退しなくては話が進みません。アクションのチュートリアルも兼ねて各部隊ごとに所属する刀剣男士の中から一振りを選び、順番に時間遡行軍に立ち向かっていくことになります。
第一部隊
第二部隊
第三部隊
第四部隊
第五部隊
謎の人物
本丸に現れた時間遡行軍との戦いの中では、こんのすけがナビゲートを買って出てくれます。
このときに方向キー↑を押すとささっと目の前にやってきてくれるんですが、これがまたキュートで! この場面は一本道なのでとくに用事もないのですが、むやみやたらと呼び出したくなってしまいます。
そんな愛くるしいこんのすけですが、刀剣男士に否応なく強化を施したり……腹の内はなんだか読めません。昨今は“かわいいマスコットほど豹変したときに怖い”という風潮もありますし、何を考えているのか気になりますね……。
本丸ではミニゲームも遊べる!
こんのすけから強化を受けた刀剣男士たちは押し寄せた時間遡行軍を退け、ここで待望の本丸機能が解放になります。
本丸には自由に刀剣男士を配置可能で、場所によってさまざまな恩恵を受けることができるのがポイント! 配置した刀剣男士は出陣に応じて経験値や報酬を獲得することが可能で、本丸レベルが上がると配置できる場所や人数も増えていきます。
また、出陣後にランダムでミニゲームを発生させることが可能に! ミニゲームは奥の間以外のすべての場所に一振り配置用と二振り配置用のものがそれぞれ用意されており、本丸レベルに応じてクリア時のボーナスも増加します。
ここでは、その一部を紹介しましょう。
【おにぎり作り】(厨)
左スティックと右スティックを回転させることでおにぎりを作るミニゲーム。左スティックと右スティックを同じ速度で回転させるとおいしいおにぎりが作れるので、うまく調整しながら握っていきましょう。しかし、おにぎり作りに失敗してもそれはそれでおいしそう……。
【餅つき】(厨)
二振り配置用のミニゲーム。LボタンとRボタンを交互に押すことで餅をついていきます。押すタイミングの目安としてリングが表示され、白色のゾーン→赤色のゾーン→黄色のゾーンの順に高評価となります。
タイミングはテンポよく、なおかつシビアなので動体視力が問われるミニゲームといえそうです。
強襲調査では濃密な歴史ドラマを堪能!
いったん本丸の安全が確保できたところで、こんのすけは強襲調査を提案します。「どうするか……」という空気が刀剣男士たちの間にも流れますが、審神者不在の本丸が漂流し続けていることは事実であり、時の政府から援助を受けるためにもこの提案に乗ることにしました。
まずは第五部隊の山姥切国広と山姥切長義が1582年頃の“備中高松城”へと向かうことに!
1582年頃の備中高松城は毛利氏の配下である清水宗治が城主を務めており、織田信長の命を受けた豊臣秀吉がこれを攻めたことでも知られています。
正史においては、豊臣秀吉が城全体を水没させるという大規模な水攻めを成功させるも、主君である織田信長が本能寺の変で没したために、そのまま毛利氏と速やかに講和を取りまとめて引き返した──いわば“中国大返し”の始まりとしても知られています。
こちらは備中高松城(岡山県)から明智光秀軍が布陣する山崎(京都)までの200km以上の迅速な行軍は歴史にも残る采配として知られていますよね。
ところがそんな歴史を改変すべく、時間遡行軍は毛利軍の武将を操り“備中高松城の戦い”におけるいくつもの偽史を生み出していました。そして、第五部隊はこんのすけが検出した偽史をひとつずつ解決していくことになります。
従来の『無双』シリーズは、ひとつの大きな戦いを全体の流れを俯瞰しながら追う形になっていましたが、『刀剣乱舞無双』はどちらかといえばひとつの任務に集中して取り組むような“わかりやすい作り”に仕上がっています。
マップも小さくコンパクトにまとまっているので、あまり地図を読むのが得意ではないというプレイヤーでもこれならば安心でしょう。ただし、一部のマップは“未解析戦場”となっており、戦場に隠された場所を調査するなどして解析率を上げなければならないものもあります。
解析率が不十分なままクリアしてしまうと任務失敗となってしまうので注意しないといけません(なお、失敗した場合も、一定以上の情報を手に入れていれば、以降は“重要情報”としてヒントが表示される親切設計です)。
見事に“備中高松城の戦い”、そしてそこから続く“山崎の戦い”の偽史を解決させた第五部隊でしたが、豊臣秀吉とその臣下である黒田官兵衛に姿を見られてしまいます。
さらに強襲調査を任されてからも責務を感じながら「写しである自分なんかが」と卑屈になっていた山姥切国広と、そのコンプレックスの対象である山姥切長義との間にも穏やかではない空気が漂います。
“小牧長久手の戦い”をどうにか乗りきった第五部隊ですが、さらにピンチは続くもの……。敵は“小田原征伐”(1590年頃)を利用して第五部隊を狙い撃ちにしてきました。
“小田原征伐”といえば、豊臣秀吉が小田原北条氏に勝利して実質的に天下を手に入れた戦としても知られています。当然ながら、時間遡行軍は正史での敗者・北条氏に加担して勝たせようとしますが、それを第五部隊は阻まなければいけない。
つまり、ふたりはかつての主と交戦しなければならないわけです。
いざ戦場で対峙した山姥切国広は、己の価値を見つめ直すことになります。
ほんのわずかな気づきが歴史に影響を与える──もはやバタフライエフェクトのようなものかもしれませんが、そもそも歴史というのは小さなさざ波の積み重ねのようなものなのかもしれません。
豊臣秀吉と黒田官兵衛の歴史を追ってきた第五部隊の強襲調査もいよいよ佳境。
聚楽第では敵に察知されないようにしながら目的地までたどり着く潜入ミッションもあります。敵の視線が表示されているのでこれをかわしながら移動する判断力が問われます。なお、見つかった瞬間にやり直しになってしまうので強行突破はできません。
さらに第五部隊は、装甲に覆われて巨大な角を生やした禍々しい姿の甲虫と戦うことに。
見た目どおりにタフな相手で、強烈な速度で突進を繰り出してきますが、実は逆にこのときがチャンス。突進を受け止めるとそのまま鍔迫り合い(ボタン連打による勝負)になるので、ここで押しきれば相手のスキを作ることが可能に!
とはいえ、回を追うごとに連打の要求速度が跳ね上がっていくので、3回目ともなるとかなりの連打力が要求されます。
さて、ここまでが本作の第一章となるわけですが、そのタイトル“伯仲の章”。“伯仲”とは、“力がつりあっていて優劣のつけがたいこと”を示す言葉ですね。
一見するといびつに見えますが、実際には優劣の存在しない山姥切国広と山姥切長義の関係性を示すのにピッタリな言葉のようにも思えます。
また、山姥切国広のコンプレックスと天下人・秀吉が内に抱える葛藤を結びつける構成は、非常に興味深いものがありました。史実では何かと非情な面も垣間見える秀吉もこういった弱さを抱えていたのかもしれません。
なんだか大変な充足感がありますが、これはあくまで第一章。いなくなった審神者の行方や、時の政府の動向も気になります。また、以前より登場が予告されていた謎の人物・面影もどのような形でストーリーに絡むのか楽しみです!
今回は『刀剣乱舞無双』の最序盤のストーリーを紹介しましたが、発売日となる明日はアクションについて紹介します。ぜひこちらもチェックしてみてください!
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