『ぷよぷよ』の対戦を練習するラグナス役の三木晶さんにインタビュー。過去のキャラを踏襲しつつ演じたい

電撃オンライン
公開日時
最終更新

 『ぷよぷよ』シリーズで、ラグナスを演じる声優・三木晶さんへのインタビューをお届けします。

 『ぷよぷよ』は、同じ色が4つ以上並ぶと消える“ぷよ”を配置していく落ち物パズルゲーム。さまざまなハードでリリースされ、愛され続けている、人気シリーズです。

 三木さんは『ぷよぷよ!!クエスト』のラグナス、ベルナール、シンディというキャラを担当。インタビューでは、キャラを演じる際の注意点やタイトルの印象、連鎖の練習をしているという『ぷよぷよ』について、お聞きしました。

これまでの演技を踏襲しつつ演じているラグナス

――最初に三木さんと『ぷよぷよ』の出会いについてお話いただけますか。

 小学生の時、『す~ぱ~ぷよぷよ』で友だちと対戦して遊んでいたのが出会いになります。物語や設定との出会いという意味では、『ぷよぷよ!!クエスト』にてラグナスとしてキャスティングされた時です。

――ラグナスを演じる際に、どのようなことを意識されていますか?

 ラグナスは『ぷよぷよSUN』で初めて出たキャラクターです。

 『ぷよクエ』では少し天然でヤンチャな面もあるのですが、ファンの中には「ホントはもっとイケメン」と思っている人もいるようです。

 ラグナスは私の前に2人の方が担当されていて、私が3代目となります。そのため、“これまでとまったく別のラグナス”にするのではなく、前の方の演技を踏襲しつつ、フラットに『ぷよぷよ』でも『ぷよクエ』でも、今のラグナスが同じ1人のキャラクターとして成立するように心がけています。

――『ぷよクエ』生放送に出演されていますが、生放送での思い出は?

 直近の放送ではなかったのですが、“生まんざいデモ”ですね。私は3キャラを演じているのですが、まんざいデモには2キャラまで出ていました。ところが、ある時から全キャラを演じることになりました。

 台本を書かれる方の特徴になるのですが、自分のキャラ同士が掛け合いをするシーンがよく取り入れられます。3キャラ目が発声の仕方から変えなければならない魔物だったので、自分との掛け合いはしんどかったのですが、とても楽しかったので印象に残っています。

――同じ方が演じるキャラ同士の掛け合いは、“生まんざいデモ”の見どころの1つですね。

 私は3キャラですが、園崎未恵さんや菅沼久義さんはもっと多くのキャラの掛け合いをやられています。先輩のアフレコにすごさを感じつつ、四苦八苦で演じています。

――『ぷよクエ』はコラボも多彩ですが、印象的だったものはどちらでしょうか。

 どれも楽しいのですが、自分が担当したキャラが出てくるのは特にうれしくて印象的です。具体的にはラグナスがピックアップされている『サクラ大戦』と『銀魂』ですね。

 あとゲーム外コラボで、実店舗様とさまざまな取り組みをやられているのですが、それもあげたいです。いろいろあるのですが、個人的にはスイーツパラダイスさん、ケンタッキーフライドチキンさん、バーミヤンさんあたりが思い出されます。食べにいくと、限定のキャラやアイテムなどをもらえるのが好きで、何度も足を運びました。

  • ▲“ぷよクエカフェ2018”で登場したラグナスのコラボメニュー(※)。
  • ▲2014年に開催されていた『KFC』×『ぷよクエ』コラボ(※)。

画像は過去のコラボ開催時のものです。現在は開催されていません。

 ご時世的な問題もあるのですが、落ち着いたらコラボをやっていただきたいですね。

 私が『ぷよクエ』を始めたのは、ラグナスにキャスティングされてからで、最初の1年くらいはプレイしていないんですね。そのため、築地銀だこさんとのコラボなどは体験していないので、可能でしたらまたやっていただきたいと願っています。

連鎖への憧れから『ぷよぷよ』をプレイ!

――最近、『ぷよぷよ』を練習されていると聞きましたが、どのようなきっかけで始めたのでしょうか?

 『ぷよクエ』で『ぷよぷよ』の世界にかかわることになりました。そのなかで、『ぷよぷよテトリス』や『ぷよぷよeスポーツ』での落ちものパズルの対戦を見る機会をいただきました。

 プロ選手などのうまい方が連鎖されているのを見て、「自分も連鎖してみたい!」と憧れを抱いていました。ただ、当時はなんとなく思っているくらいでした。

 2021年で『ぷよぷよ』が30周年を迎えた際に「せっかくだからこのタイミングを始めるきっかけにしよう」と思いました。

――具体的な目標などはあったのでしょうか?

 「10連鎖をできるようになりたい」と「大会に出てみたい」という2点を目標にしていました。

 練習したのですが、あまりうまくいかなったのでいろいろと調べました。いまはブログや動画など、探せる情報がいろいろあるじゃないですか。それらを見たところ、説明で言っていることは“なんとなくわかる”けど、“理解できなかった”のです。

 丁寧に説明してくれているのですが、知識があるのが前提のものが多く、特に後半になってくると「ここまで来たら練習あるのみ!」とか「反復練習をして身に着けよう」となるものが多い。「そこに至るまでのやり方や練習の仕方がわからない……」とモヤモヤしました。

 「誰かに教えてもらったほうがいいかもしれない」と思うようになり、セガさんに相談しようかと思っていた際に、プロ選手のコーチングを有償で受けられることを知りました。「どのような指導があるのか、受けてみたい」と思い、申し込みをしました。

――タイミングがよかったんですね。

 そうですね。具体的な内容は言えないのですが、どれくらい連鎖を組めるのかを10回ほど行い、そのプレイを見ていただき、指導していただきました。

 指導は“この行動は、こちらにしたほうがいい。なぜなら、次にこう繋がるから”というように言語化されているのですごくわかりやすいです。あとは、何度もやることで、自分の場合は“10連鎖への挑戦”を同日に何度も見てもらうことで、自分のクセやできていないことがしっかりと浮かび上がります。問題がピックアップされ、傾向と対策が出てくるのが、とてもためになりました。

――実際にどれくらい成長されたのでしょうか?

 当初は、まぐれで8連鎖できるくらいでした。指導を受けた結果、邪魔されなければ10連鎖できるようになりました!

――それはすごいですね。

 「大会の初心者枠ならば、出られるのかもしれない」と考えるようになりました。そうなると、自分のレベルを知る必要があります。

 私の練習方法として、1人用モードでぷよが“自由落下”でゆっくり落ちてくる間に考えて、連鎖を組むことしかやっていませんでした。それだと対戦に不向きですし、レベルがわからないので、コンピュータと対戦してみたところ、一番難易度のやさしいキャラにすら勝てませんでした。それくらいに、ゲームの速度やおじゃまぷよの存在に慣れていなかったのです。

 そこから、早く操作する練習をするようになりました。

――2月4日の生放送“ぷよの日2022生放送 ~そうだ!「ぷよの日」だから対戦しよう!”に出られていたので、対戦をやられているのかと思いました。

 番組出演のオファーですが、ギリギリのタイミングでいただきました。観戦することは好きなので、観戦要員かと思っていたところ「連鎖できるようなので、対戦で参加してください」というものでした。

 オファーをいただいたのですが、先ほどのような状況だと対戦は難しいじゃないですか? ただ、せっかく機会をいただいたので、どこまでやれるか試してみようと思いました。対戦に向けた練習をした結果、対戦形式でおじゃまぷよが降ってくるなかでなんとか連鎖の土台部分は組める程度になりました。

――殻を破った瞬間、成長を感じた瞬間はいつでしょうか。

 ぷよを置く場所がわかったり、教えていただいたことがわかったりした時に成長を感じました。大会などで対戦を見ていても、実況内容が以前と比べて格段にわかるようになってきました。できなかったことができるようになるのは楽しく、そこは勉強や運動などの感覚と近いかもしれません。

――これから始める人は何をしたらいいでしょうか?

 私もまだ勉強中なのですが、今からやられるのであれば、それこそプロによるコーチングに参加してみたり、セガさんのほうで公開されている『ぷよぷよ』を観戦する際に注目するところを教えている解説動画を見てみたりというのは、いかがでしょうか。

 あとは周りにうまい方がいるようでしたら、教えていただくというのもいいかと。

――『ぷよぷよ』『ぷよクエ』の魅力はなんだと思われますか?

 『ぷよぷよ』は30年間愛されてきた、歴史のあるタイトルです。最近ではeスポーツタイトルとしても親しまれていますが、落ちものパズルゲームとしてかなりできあがっています。また、多種多様なルールがある、素敵なキャラによる物語があるなど、魅力的な要素が揃っているので、支持されているのだと思います。

 『ぷよクエ』は、『ぷよぷよ』から生まれたタイトルということで、ベースがあるうえで“なぞって消す”という新たなゲーム性になっています。さらに、『ぷよぷよ』同様、愛されるキャラが多いことも魅力。それらがあるからこそ、サービス開始から8年も楽しまれているのではないでしょうか。

 昨年2021年には、『ぷよクエ』に時空探偵社の主人公3人が追加されました。

 『ぷよぷよ』と『ぷよクエ』は別のものと捉えている人も多いですが、私個人の考えとしては大きな枠組みの中に一緒に存在していると思います。

 『ぷよぷよ』から派生して生まれた作品が『ぷよクエ』ですが、『ぷよクエ』で生まれた新たなキャラクターが『ぷよぷよ』にプレイアブルキャラクターとして逆輸入されたということがあったように、『ぷよクエ』のキャラが『ぷよぷよ』の物語にかかわることがあるのだろうと思います。

 シリーズの歴史が、あの3人からまた動くかもしれないと考えると、すごく楽しみですね。

 アプリやコンシューマでいろいろなタイトルを展開しているので、もし気になるものがあれば楽しんでいただきたいです。

©SEGA

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら