鳳加純の実装予定は? もえや美里江の絆エピは社内でもザワザワ… 【アリスギア4周年インタビュー】
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先日、“4周年記念生放送”でさまざまな新情報が発表されたコロプラのiOS/Android/PC用アプリ『アリス・ギア・アイギス(アリスギア)』。
本作の、今後の展望や開発の裏話などを、アートディレクター(世界観やキャラクター設計及びデザインやコンテンツディレクションを担当)、リードアウトゲームプランナー(ホームのスクリプトやバトル以外のデータ設定及びイベント立案などを担当)サブイベントプランナー(フレーバーテキストやシナリオサポート及びイベント設計などを担当)の3名にお聞きしました。
前編“『アリスギア』4周年インタビューでストーリー&キャラの秘話を聞きました! 夢は大きく、CS版だけでなくアーケード版も!”に続き、後編はアクトレスのモデリングやエピソードを中心にした話をお届けします。
モデリングを深く語ると懺悔しか出てこない
──ここからは、個々のアクトレスを中心にお話を聞いていきたいと思います。
アートディレクター:あっ、実装済みのアクトレスの話に入る前にここでちょっとお話しておきたいことがありまして。気になる方も多いと思う加純さんですが、実装はまだ先になります。
サブイベントプランナー:物語に深くかかわっていて3Dモデルもできているため、お客様から実装間近では? というお声もありますが“少し先”ではなく“まだ先”ですね。
──“東京最強”が実装されたら『アリスギア』の物語が終わってしまうのでは? と少しだけ不安を覚えます。
アートディレクター:社内にも「加純さんが使えるようになったら結末が近い?」という声があるんですよ。そんなことないんですけど(笑)。
最強の人が登場してしまったらその先どうなるの? ということかなと思うのですが、そもそも、東京ではありませんが同じようにシャード内最強と言われるアディ(アデライーデ)もプレイアブルになりましたし、誰が実装されたから『アリスギア』が終わるということはありません。
ですから、もうしばらく先になりますが安心して加純さんの実装もお待ちください。
──本題に戻りまして、アクトレスは外見のイメージと設定のどちらから生まれているのでしょう?
リードアウトゲームプランナー:どちらもありますね。あえて、言うなら初期に作成されたアクトレスは先に設定が決まっていました。
アートディレクター:設定案もチームスタッフで様々な形で案出しをしていたので、色々なケースがありますね。スタッフによっては“怪盗”、“クールなお姉さん”といったいくつかのキーワードだけを用意するスタイルだったり。私の場合は家族とか幼少期まで固めてあったり。
そのため、エピソードなどでも「ここを描きたい」というケースもあれば、「どんなお話にしていきましょうか」と、ライターさんをはじめ多くの人の手によって完成したりといろいろですね。
──印象に残っているデザインで難航したキャラはいますか?
アートディレクター:印象に残っているのは、百科文嘉ですね。開発初期段階では、ロングスカートをはかせようと衣装をデザインしていたのですが、まだモデリングの技術やノウハウが今ほどたまっていない状態だったので、パンツスタイルになったのが、当時歯がゆかったですね。
サブイベントプランナー:そこから、しばらくたって椎奈の私服作成時に初めてロングスカートをはいたキャラクターを登場させることができました。
リードアウトゲームプランナー:今からでもふみふみ(百科文嘉)のロングスカートバージョンをモデラーさんにお願いします?
アートディレクター:お願いすると、他の作業ができなくなってしまうので……でも夢は捨てないでいようと思います。
──ほかのキャラクターのスカートも大変だったりするのでしょうか?
リードアウトゲームプランナー:明日翔ちゃんやコロちゃん(州天頃椎奈)など、ある程度ボリュームのあるスカートだと、納得がいくものを作るのに時間がかかりますね。
薫子さんのタイトなスカートが実は難しかったり、杏奈ちゃんのようなフレアスカート気味のものもモデラーさんが頑張って作ってたり……スカートはそれぞれに難しいところがあります。
──ボリューム感と言うと、東雲チヱなどの髪も調整に苦労するのでしょうか?
リードアウトゲームプランナー:そうですね。チヱちゃんの髪型も大変です。
アートディレクター:あと、モデリング自体の大変さとは少し違いますが、絵美さんや、朱音、天音といった人たちは髪の毛が胴体に干渉することが多く、個別の調整に時間をかけています。
──初期から髪型が変わったキャラクターはいるのでしょうか?
アートディレクター:何人かいますね。初期に社内のイメージ共有用に描いたラフからでいえば、司さんや唯、リンちゃんもでしょうか。
あと、変わったというのとは違うのですが、桃歌ちゃんは「ちょっとセンスが古いけど一周回って新しいかもしれない、大丈夫なの? という絶妙なラインの独特な髪型を考えてほしい」と頼んであの髪型になりました。
──そのほか、キャラモデルに関するエピソードがあれば聞かせてください。
リードアウトゲームプランナー:今実装されているアクトレスのなかで梓希ちゃんが最も身長が低いのですが、彼女は実は『アリスギア』のモデルのルールから外れているんです。
──ルールと言いますと?
アートディレクター:バトルのリザルトシーンなどの共通のカメラワークで望んだ位置に収まるように、キャラモデルは144cmが最低身長になっています。ですが、梓希の設定上の身長は126cm。そのためプレイヤーの皆さんが普段接している梓希は本来よりも身長が高くって。
リードアウトゲームプランナー:同じ理由で、イツリン(須賀乙莉)はキャラモデルの身長が本来の身長よりも低く表示されていますね。
──どうしてキャラモデルの身長に制限があるのですか?
アートディレクター:乙莉の場合がわかりやすいのですが、本来の身長でキャラモデルを作るとリザルト画面から顔がはみ出てしまうんです。当初は乙莉だけリザルト画面での立ち位置やカメラアングルを調整できないかも検討したのですが、なかなか厳しく……キャラモデルの方を調整する形をとっています。
ですので、ゲーム内で唯と乙莉が並んでいるときよりも、実際にはもう少し身長差があります。
リードアウトゲームプランナー:唯ちゃんと司くんが、等身大を再現可能となる身長の限界ですね。
──ほかに、モデリングに関する裏話などありますか?
アートディレクター:細かいところを挙げていくとまだまだあるような……。モデリングとは少し違うのですが、睦海のレバーの持ち方は“かぶせ持ち”か“ワイン持ち”かで相談して決めています。
私も大元のネタを考えたスタッフも格ゲーマーなので、モーションキャプチャーの資料用にレバーを持っている写真を取る際に「かぶせ? ワイン?」「かぶせで」くらいの会話で決まりましたね(笑)。
──格ゲーユーザーでも結構分かれるところですよね。ちなみにアートディレクターさんはどちらの持ち方なのでしょう?
アートディレクター:私は、薬指や中指はワイン持ちですが、人差し指から親指にかけてをレバーにかぶせるようにする両者の中間の持ち方をしています。
サブイベントプランナー:裏話と言えば利佳のこと、話しておきます?
アートディレクター:そうですね。波佐見利佳について、一部のお客様から「もしかするとバトルや3DVIEWの表情は不具合じゃないか?」というお話をいただいている眼輪筋がピクっとなる表情の変化ですが、あれは意図したものです。
リードアウトゲームプランナー:普段のおとなしさを見ていると少し彼女らしくない、機嫌の悪さを表現したものです。
──細かい表情にもこだわっているんですね。だから、知らないと一見不具合に見えてしまうと。
リードアウトゲームプランナー:実は完全な不具合というケースもあって、覚えている方も多いと思いますがリタの顔を途中で変えたんですよ。あのときは間違ってテスト用で使用していた初期のゆみの顔のまま実装してしまったので、慌てて修正しました。
ただ、我々の告知も慣れていないころだったので、お知らせで“不具合を修正しました”ではなく、“調整しました”と書いてしまったために誤解を与えたままになっています。
アートディレクター:裏話を深く語れば語るほど懺悔しか出てきません(苦笑)。
リードアウトゲームプランナー:もちろん不具合ではなく顔を調整したアクトレスもいて、例えば金潟すぐみはプレイアブル実装前に目元を調整しています。
アートディレクター:いち早くモデルの状態でアクトレスをお披露目するか、最終調整を優先するかとを天秤にかけて、お披露目を優先した子はあとから調整が入っていることがあります。
方言は現地出身のスタッフが監修
──内面についても聞いていきたいのですが、藤野やよいや依城えりなど特徴的な言葉遣いのキャラのセリフはどうやって監修しているのでしょう?
サブイベントプランナー:監修が大変なアクトレスは何人かいて、やよい、えりといった人たちはお気づきの通り監修に手間がかかっていますね。
アートディレクター:例えばえりは津軽シャードの青森市出身で、さらに一緒に暮らしている祖父もそのあたりの出身。祖母は下北の方で南部弁寄りの下北弁ということで、それに合わせたなまりになっています。
同じように悠都も北九州弁がベースでありつつ、父方の親戚は直方、母方が小倉なので、北九州弁とも博多弁とも取れないニュアンスが混ざることもあります。
──その細かいニュアンスはどうやって調整しているのでしょうか?
アートディレクター:方言は、その地方出身のスタッフがメインになって監修しています。言ってしまえばネイティブが監修しているので、嘘のない監修ですね。
リードアウトゲームプランナー:ちなみにニンニン(蛙坂来弥)も上京してきたアクトレスですが、忍者なので出身地がバレるような言動は避けて、標準語に近い言葉を使用しています。JK言葉や「ござる」も出身地をぼかすための彼女なりの手段のひとつです。
ただ、時々出身地がバレそうな言葉遣いをするときがありますよね? ああいったシーンでは、サブイベントプランナーが言葉遣いをチェックしています。
──出身地によって監修するスタッフが変わるんですね。
アートディレクター:そうですね。今度大阪弁を扱う人が登場するのですが、こちらのリードアウトゲームプランナーを含めた3人の大阪出身者が監修しています。
リードアウトゲームプランナー:同じ大阪と言っても北の方か南の方かで異なるので、中立な立場のアートディレクターも交えて設定に沿った形になるように調整しています。「この言葉って方言だったのか」など分かることもあり、面白いですね。
アートディレクター:摂津弁と泉州弁と河内弁、すごく勉強しました……。
そのアクトレスにとってバッドエンドは用意しない
──続いてエピソードについて、物語上の重要度を抜きにとくに見てほしいエピソードはありますか?
アートディレクター:完全に個人的な理由ですが、兼志谷シタラの絆エピソードでしょうか。ロンチ前の開発中はとにかく忙しく、本来ならほかのスタッフにエピソードの執筆は任せなければいけない中「ここは自分で」と頑張って書いたシナリオなのでぜひ見ていただければと思います。
──読み手として好きなエピソードも聞かせてください。
アートディレクター:好みで言ったら、星3ニーナのエピソードや美里江の絆エピソードをオススメしたいですね。
リードアウトゲームプランナー:アートディレクターはビターなシナリオが好きなんですよ。
アートディレクター:悲しいのが好きなわけじゃなくって……。悲しいけれどもそこに光があって、前に向かって踏み出そうとする。そういう姿に心を打たれるんです。
サブイベントプランナー:お客様に見せる前に当然我々も読み手視点でエピソードを見るのですが、美里江の絆エピソードは「本当にこれでいいのか?」とシナリオ班で何度も会議をしましたね。おそらくエピソード関連の会議で一番回数が多かったのが美里江の絆エピソードだと思います。
リードアウトゲームプランナー:シナリオの書き直しも多かったですね。人によってモヤモヤする人もいますし、これはこれでハッピーエンドという人もいる。スタッフによってハッピーエンドの解釈も違っていたので……。
サブイベントプランナー:同じように、もえのエピソードもスタッフに波乱を呼びましたね。これは果たしてハッピーエンドなのか? と悩むスタッフがたくさんいました。
アートディレクター:もえはハッピーじゃないですか?
本人が喜んでいましたし……。
サブイベントプランナー:コスチュームやアクセサリーのフレーバーテキストも、大事なネタが盛り込まれていることもあります。
リリース当時のフレーバーテキストは少しシステマチックに書いていたのですが、最近はより世界観が伝わるようなテイストに変更しています。美里江の絆エピソードをはじめ、エピソードを読み終えたときに手に入るアクセサリーのフレーバーテキストもぜひ読んでいただけると嬉しいです。
──ビターつながりでひとつ気になったのですが、籠目深沙希はあのエピソードで未亡人というのは正しいのでしょうか?
アートディレクター:確かに深沙希さんは戸籍的には養子ですが、実生活での振る舞いや深沙希さんの精神性を考えると未亡人と呼んで問題ないのかなと。
ただ、お客様から疑問が出てしまったということは、東京シャードは日本と同じような法律なので重婚ができないという事情を踏まえた、戸籍上の婚姻関係と事実婚の違いをきれいに伝えられなかったと反省しています。
──深沙希も含めて周辺人物に不幸が起きるというエピソードもありますが、あえてバッドエンドを目指したエピソードはありますか?
アートディレクター:深沙希さんや未羅の絆エピソードなどは判断の難しいところではありますが、今のところそのアクトレスにとってのバッドエンドは作っていないつもりです。
──今のところは、と言われると今後実装されるアクトレスのエピソードを読むのが怖くなるのですが……。
アートディレクター:我々も、そのアクトレスを安心して推してもらうためになにかしら希望があるエピソードを作っているつもりです。
ただ、勧善懲悪がよい人もいれば、私のように傷は負ったけど光が見えるという形の希望が好きという人もいたりと、人によって見たい希望の形は異なっていて。
そうすると、どうしても推しているアクトレスと、好きな希望の形がかみ合わないケースは出てきてしまうなと……。
かみ合わなかった方には、申し訳ないなと思いつつ、心に残るエピソードを今後も提供していきたいですね。
──最後に、今後の『アリスギア』の未来についてのコメントや意気込みをお願いします。
サブイベントプランナー:お客様に支えられ、4年間運営してこられました。本当にありがとうございます。
私は『アリスギア』のリリースから約1年前に社会人生活が始まったので、『アリスギア』というタイトル自体がある意味でほぼ同期。そんな同期とこれからも頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたします。
リードアウトゲームプランナー:4年間ありがとうございます。お客様の声やファン活動もとても嬉しく思います。特にみなさんフィギュアを作るペースがとても早く、新キャラを実装すると翌日には「できた!」というツイートを見かけることもあり、驚くばかりです。
これからも皆様の期待に応えられるよう、チーム一同頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!
アートディレクター:『アリスギア』は群像劇なので、人物の果たす役割が今のメインシナリオに沿っていない場合は出番が減ってしまいます。そのために「推しの〇〇さんが最近活躍していない」といった声が挙がるのは、申し訳なく思っています。できれば並行して別のメインストーリーを展開したいと思いつつ、ゲーム内で実現するには我々の力が足りません。
“アリスギアマガジン”などを活用して、なるべく見やすい形で、いろいろな人の活躍をアウトプットしていきたいと考えているので今後もお付き合いいただければと思います。
©Pyramid,Inc. / COLOPL,Inc.
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アリス・ギア・アイギス
- メーカー: コロプラ
- 対応端末: Android
- ジャンル: STG
- 配信日: 2018年1月22日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
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アリス・ギア・アイギス
- メーカー: コロプラ
- 対応端末: iOS
- ジャンル: STG
- 配信日: 2018年1月22日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
【PC動作環境】
- OS:Windows10(64bit)
- メモリ:4GB以上
- グラフィックス:Intel(R) HD Graphics 5500以上、ディスプレイ解像度1280×720以上