『テイルズ オブ』×『アトリエ』×『ブルリフ』キャラデザイナーインタビュー。互いの印象や成長を感じた時は?

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 『テイルズ オブ』シリーズと“ガストブランド”、両プロジェクトから発売される25周年作品を記念したキャラクターデザイナーインタビューをお届けします。

 『テイルズ オブ』シリーズと『アトリエ』シリーズ、25周年記念作品の発売をともに盛り上げるべく、両プロジェクトでのさまざまな切り口でのコラボ企画が開催に。その一環として、バンダイナムコエンターテインメントから発売中の『テイルズ オブ アライズ』、コーエーテクモゲームスから2月24日に発売される『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』、発売中の『BLUE REFLECTION TIE/帝』の3タイトルによるコラボイラストが公開されました。

 イラストは、岩本稔さん(『テイルズ オブ アライズ』アートディレクター / キャラクターデザイン)、ゆーげんさん(『ソフィーのアトリエ2』キャラクターデザイン)、NOCOさん(『ソフィーのアトリエ2』キャラクターデザイン)、岸田メルさん(『BLUE REFLECTION TIE/帝』キャラクターデザイン・監修)が手掛けます。

 その4名による対談インタビューの模様を掲載。タイトルの印象やキャラクターの作り方、コラボイラストなどについてお聞きしました。

  • ▲左からゆーげんさん、NOCOさん、岩本稔さん。

 なお、インタビュー中は敬称略で、岸田さんはオンラインで参加。

岸田メルさんに憧れて育った3人。作品の進化と継承のために意識したことは?

――今回参加された方々が担当した作品の印象はいかがでしたか?

ゆーげん:前作にあたる『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』は企画段階から数えると約8年が経過しています。当時を振り返ると、その時点で『テイルズ オブ』シリーズはすでに巨塔のようにそびえ立つIPものという印象がありました。当時はどの会社もキャラクターIPを作ろうと必死になっていた時期でしたので、こうしてコラボをさせていただくことは感慨深いものがありますね。

NOCO:私は『テイルズ オブ』シリーズは『アライズ』が初プレイだったのですが、グラフィックやキャラクターデザインはもちろん、RPGとしても素晴らしい作品で、楽しませていただきました。『BLUE REFLECTION TIE/帝』も丁度先日クリアをしまして、超最高の青春を体験させてもらいました。

岸田:『テイルズ オブ』シリーズ、『アトリエ』シリーズは僕が子どものころから王道RPGとして存在してきたタイトルなので、こうしてコラボさせていただけて光栄です。自分がデザインしているものはマイナー思考でニッチな方向のデザインが多いのですが、岩本さんのキャラクターデザインは現代の王道ファンタジーの印象を受けました。そういったデザインには憧れますし、まぶしさすら感じます(笑)。

岩本:『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターの魅力は、藤島康介さんやいのまたむつみさんなど、今までシリーズを積み重ねてきた方々の功績だと思います。それを意識して『アライズ』には身が引き締まる思いで臨ませてもらいました。皆さんにそう言っていただけるのはとても光栄です。

 自分からすれば、みなさんのイラストの破壊力はすさまじく、見ただけで好きになってしまうような魅力があると思います。メルさんの絵は、初恋を思い出すような甘酸っぱい感覚がありますよね。

岸田:素晴らしい表現をありがとうございます(笑)。

岩本:そして、以前から存じ上げている『アトリエ』シリーズを手掛けるゆーげんさん、NOCOさんとも今回コラボさせていただくということで、何か1つでも得るものを持って帰りたいという一心です。

――昨今のキャラクターデザインは2Dグラフィックだけでなく、3Dグラフィックを意識する必要があると思いますが、両方を意識する中での苦労は?

ゆーげん:今回のメンバーのおもしろいところが、僕らはフリーで、岩本さんは社内デザイナーという立場の違いですよね。それぞれ違ったおもしろさがあると思います。

 あと、普段僕らはイラストレーターと名乗っていますが、時代はもう3Dですし、2DでもLive2Dで動く時代です。それを考えると、イラストレーターというよりも、キャラクターデザイナーという呼称が近いですよね。

 3Dは裏側もあるわけですから、正面から見て大丈夫でも裏側から見ると破綻するのはダメで、キャラクターデザインをする際には考えないといけないですよね。『BLUE REFLECTION TIE/帝』を見ていると、その制限がさらに強いと思いました。学生服に合う髪型で、あれだけの世界観を構築できているのは、メルさんの個性と実力が出ている部分ですよね。

岸田:ゆーげんさんもめちゃくちゃいい言い方をしてくれますね!

(一同笑)

ゆーげん:実は、インタビュー前にお話をしていた時に、我々は“メルさんフリーク”という共通点がこのメンバーにあると分かりまして……メルさんの背中を見て育ってきている絵描きです。

NOCO:私も『アトリエ』シリーズを担当することになった際、メルさんのイラストには強い影響を受けましたね。

岸田:そう言っていただけると報われた気がします。ありがとうございます。

ゆーげん:約8年前に『アトリエ』シリーズにたずさわった時、初めて見たシリーズ作品は岸田メルさんが担当していた“アーランド”シリーズでした。“アーランド”シリーズが『アトリエ』シリーズでそれまで受け継がれてきたもののひとつを踏み越えて変化を与えて、その変化に影響を受けた“不思議”シリーズが始まり、現在までのシリーズに繋がっていると思っています。

 そういう意味では『テイルズ オブ』シリーズも『テイルズ オブ ファンタジア』から始まって、数々の名作がありますよね。これまで藤島さんやいのまたさんらがキャラクターデザインを担当されていて、それから変わる際には、これまで積み重ねてきたものを乗り越えたり、崩したりする必要があったと思います。

 そんな中、『アライズ』でファンの心をしっかりと掴んでいるのはすごいことですよ。プレッシャーもすごかったでしょうし、デザインの決定もどのように決めたのかが気になります。

岩本:『テイルズ オブ』シリーズは、3Dタイトルでもドット絵を使った表現をしていました。その中で絵の表現をゲームモデルに落とし込む際に、アニメーションの表現もある中で魅力的になるように意識し続けてきた作品なので、そこは同じように考えました。

ゆーげん:『テイルズ オブ ファンタジア』や『テイルズ オブ デスティニー』は、ゲームはドット絵なのに、オープニングでアニメーションが流れるという、未だに語り継がれる伝説がありますからね。

岩本:僕も当時のアニメーション演出は大好きで“それを超えた”とは言い難いですが、当時の熱量とファンをワクワクさせたいという気持ちは引き継いでいます。

ゆーげん:『BLUE REFLECTION TIE/帝』はタイトルからもわかる通り“青い”じゃないですか。NOCOさんも言っていたように、青春の色合いが作品から感じられますよね。

岸田:あれはもう記号の1つですよね。青っぽいというかデザインで全体を青くしようとしていて、キャラクターモデルの反射光まで青っぽい色を入れてもらっています。それが全体で統一感を生むような作りになっているのです。『BLUE REFLECTION TIE/帝』に関しては、それがすごくわかりやすい形の作品だと思います。

ゆーげん:僕のメルさんのイメージは赤系のイラストの印象だったのですが、ご自身では色のイメージはありますか?

岸田:個人的にはアンバー系や赤系はもうほぼ使わないですね。青や白がある中で、アクセントにそういった色合いを加えることはありますが、メインに使うことは少ないです。担当した“アーランド”シリーズは花とかで煌びやかなイラストにしたので、そこで赤のイメージが付いたのかもしれませんね。

ゆーげん:確かに。そのイメージが強かったかもしれないです。

岸田:僕が“アーランド”シリーズで描いたものを、イラストレーターの左さんが“黄昏”シリーズで受け継いでくれて、ゆーげんさんとNOCOさんもその雰囲気を何となく拾ってくれている。それが以降の明るくてキラキラした『アトリエ』シリーズの雰囲気に繋がっているのだと思います。

NOCO:着手した際に明確な指示があったわけではないですが、シリーズ作品に携わる際には歴代作品の流れは踏襲していかなければならないという想いはありました。ファンの方になじむようなデザインを考えていたことも覚えています。

岸田:僕が花とかをたくさん描いていたのは、そういう表現が好きなだけではなく、シリーズ1作目『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』の意匠が当時はセンセーショナルで、その印象が強かったことが影響しています。自分が同じようにしてもフォローにしかならないので、それであれば花を記号でなくボタニカルアートのようにしたらいいと考えたのがきっかけです。変化しつつも、最初に『マリーのアトリエ』を担当した桜瀬琥姫さんのデザインを意識しています。

――『アライズ』も歴代作品からの継承と進化を感じた作品でしたが、いかがでしょうか。

岩本:『テイルズ オブ』シリーズは僕も大好きな作品で、アクションとRPG、そしてキャラクターという三大要素を持った作品という印象でした。そこは僕も変わってないと感じていますが、時代に合うような変化を加えつつ、でも表現はかわらない。そういう工夫がされていると感じています。

 昨今はアクションゲームも進化して、オープンワールドのようなデザインだったり、シームレスの戦闘だったり、チャレンジする要素が増えてきています。それを組み込もうと試行錯誤した結果『テイルズ オブ』シリーズとして“これくらいがちょうどいい”というバランスを目指しました。

 開発途中の段階では、発売したものよりもっとリアルテイストなRPGで、ゴリゴリの重厚感で作ろうとしていた時もあります。その際には「これは『テイルズ オブ』じゃない!」とお叱りを受けて、今の形に落ち着きました。『テイルズ オブ』シリーズタイトルとして受け入れてもらえる新しい作品にするための試行錯誤が、開発期間の5年間の中でかなり長かったですね。

キャラクターデザインはどのように始まる?

――キャラクターデザインをする際、どのような流れで行うのでしょうか?

ゆーげん:恐らく僕とNOCOさん、メルさんのクリエイティビティは近しいものだと思っています。それはデザインをする際に自由にやっていいというザックリとしたオファーがあって、それに沿う形で自分のやりたいデザインをしているのです。岩本さんのような社内デザイナーの場合は、どのようなフローで進めているのでしょうか?

岩本:『アライズ』では、どんなストーリー、世界観にするかを会議で話し合って、その議事録をベースにキャラクターデザインが行われます。そういう意味では、やりたいデザインではなく、どうしたらゲームがおもしろくなるのかを中心としたデザインになります。

 自分からすると、フリーである皆様がゲームクリエイター側の縛りがない状態で、華やかで力強い絵を描き、その表現に3Dデザイナーやモデラーの方がしっかり応じている関係性がすごいと感じています。

ゆーげん:『アトリエ』シリーズは、キャラクターデザインをする我々と、他のチームメンバーが話す機会は滅多にないですね。上がってきた3Dモデルに対して「ここはもう少しこうした方がいいです」などいろいろな角度から修正をお願いする関係性です。そういう意味では、僕らがニッチであることは必要なことだと思います。少しマイナーな部分がなければ、自分たちのデザインのよさを拾いにくいでしょうし、あえて自分の表現を出すように意識していますね。

NOCO:私も尖ったデザインを出すことがありますね。あえて自分の色を強く出して、それをうまく組み込んでもらえればと考えています。

ゆーげん:『ソフィーのアトリエ』でNOCOさんは、シリーズの前のタイトルを意識しつつ、その上で自分の表現を出すことを意識していましたが、『ソフィーのアトリエ2』でどんなことを意識していましたか?

NOCO:「とりあえずいろいろ描いてみるか」というスタートでした(笑)。すでに完成された『ソフィーのアトリエ』のデザインがある中で、それを“リデザイン”することはとても難しかったです。最初はとにかく案を出して見ようということで、男装のソフィーやボーイッシュなソフィー、制服っぽい衣装など、いろいろな案がありました。

 結果的に、最初のスタイルがいいということで、いろいろ寄り道をしたうえで現在のデザインに落ち着いた形です。『ソフィーのアトリエ』では15種類くらいのデザイン案を出しましたが、『ソフィーのアトリエ2』でも同じくらいの案を出しましたね。

ゆーげん:悩んで描いたソフィーがすでにいたからこそソフィーには、無邪気な性格が出ていたり、羽織ったコートが風で翻っているというイメージがあったりと、NOCOさんの個性が強く出ていると思います。

NOCO:『ソフィーのアトリエ2』の新キャラクター・人間のプラフタはどうでしたか?

ゆーげん:プラフタは前提となるデザインがなかったので、同様にとりあえず好きなように描いてみるところから始めました。人形プラフタとは少し違う部分を出したいと思ったので、まずはその違いを取り入れる意識はしていましたね。

 無責任にも聞こえますが、かなり気楽に描かせてもらいました。ソフィーは前作のイメージを守ることで大変そうでしたが、プラフタに関しては自分の好きなデザインを取り入れています。

NOCO:すごく遊び心を感じるデザインだと思いました。

ゆーげん:『BLUE REFLECTION』シリーズはいかがですか?

岸田:『BLUE REFLECTION』は最初の企画立ち上がりから、現在開発中のモバイル版まで、シームレスに作業を続けている作品です。そのため、時間を空けて再起動という流れはありませんでした。

 流れとしては、最初に『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』があり、『BLUE REFLECTION SUN/燦』(iOS/Android/DMM GAMES)のデザインを2年くらい続けて、その後に『BLUE REFLECTION TIE/帝』のデザインに入りました。

 『BLUE REFLECTION TIE/帝』では、シリーズにおける位置付けや、プロデューサーの意向などを汲んだうえでデザインをしました。前作からの反省点などは考慮しましたが、あまり縛りも感じることはありませんでしたね。例えば、前作では変身後の衣装が3人とも似ていましたが、今作ではそれぞれデザインを変えるなどです。

ゆーげん:メルさんのデザインは「こうだよね!」と思わせてくれるような、青春を感じる黒髪ロングの女の子が印象的です。我々はそれを見て育ってきましたから。本当に好きなものを組み込んでいるように見えるのですが、実際のところどうでしょうか?

岸田:よく誤解されがちなのですが、僕が好きなものというよりも、“僕の絵が好きな人が好きそうな要素を入れている”というのが正しいですね。黒髪少女の部分は、好きな人が楽しむためのサービス要素なので「どうぞ楽しんでください」という気持ちで描いています。

 むしろ『BLUE REFLECTION』シリーズに関しては、デザインよりも世界観や作風に僕の好みが強く出ています。制服や学校の表現は古今東西たくさんありますが、学校は床や壁に年季が入って汚れている、制服もデフォルメされた表現はあまりせず実際の質感に近いものを描くなど、そういったところに僕のこだわりが出ていますね。

ゆーげん:『BLUE REFLECTION』内でキャラが変身した姿を見て「メルさんのデザインはすごいな」と思ったのですが、ご自身ではいかがですか?

岸田:あれこそサービスですよね。僕は好きなもの詰め込んで造形するタイプではなくて、そうではない部分に好きな部分が勝手に出てくるタイプです。そのため、制服や変身の衣装などは、基本的には打算でやっていることが多いです。「こういうのが好きなんじゃないか」や「ウケるんじゃないか」と想定をしています。

 その理由としては、すごく変わった趣味をしているので僕の好みに沿ったデザインをしてしまうと、誰にもウケないものになってしまう自覚があるからです(笑)。それでは商売にならないですから、なるべく自分の好みを抑えて、キャッチーなデザインをしています。

 その結果、残った部分が“岸田メルのやりたいこと”と認識されているところはあります。今はそれにこたえないといけない大変さもあります。

NOCO:『ソフィーのアトリエ2』では、前作から期間が空いたこともあって、自分の絵柄や趣味が変わっていると感じましたね。その中で、前作を踏襲した受け入れやすいものを描かなければならないので、そこは悩んだ部分です。

ゆーげん:絵柄は、固定されているものとイメージする方が多いですよね。漫画だとしばらく連載している中で絵柄が変わることはあると思いますが、イラスト業やデザイン業もユーザーが求めるデザインが水の流れのように日々変わっているので、『ソフィーのアトリエ』から『リディー&スールのアトリエ』までの過程で絵柄そのものが変わっています。先日、『ソフィーのアトリエ』の時の作業フォルダを見た時にビックリしますしたね。「こんな絵を描いていたのか」と。

岸田:それは気分的にはどうでしょう? いい気分なのか、逆に恥ずかしいのか。

ゆーげん:当時は青かったなと思いますね(笑)。今はイラストから引き算ができるようになって成長したかなと。

コラボイラストのこだわりポイント

――今回のコラボイラストについては、どのようにとらえられていますか?

岩本:名立たるイラストレーターの方々と絵を描かせていただいて恐縮で……キャラクターデザインとは違ったプレッシャーを感じています。イラストは女子会のようなイメージです。シオンは本来そういうキャラクターではなのですが、その雰囲気に戸惑いつつ、他のキャラクターたちとふれ合っているような、珍しい一面を描いています。

 メルさんの絵は繊細な女性らしい部分が特徴なので、そこは合わせていければと思っています。シオンは戦うキャラクターなので騎士鎧を纏っていますが、手の動きや表情でうまく女性らしさを表現したいですね。

NOCO:ソフィーはシオンの髪飾りをお借りして装着しているイラストです。ヘアアレンジをしたイラストはあまり描かないですし、今回のポニーテールの髪型をしている貴重なソフィーになっています。完成が楽しみです。

ゆーげん:プラフタは仮面を付ける予定でしたが、それだと誰だかわからなくなりそうでしたので、手に持たせたりといろいろと考えてアクセントと付けたいと思っています。完成した全体像としては、別軸のクリエイターが関わっているので、1枚で何度でも楽しめる要素のあるイラストにしようと思っています。

岸田:ファンタジー色の強い2作品に対して、『BLUE REFLECTION TIE/帝』はこの中では若干現代風ファンタジーなので、その違和感はあえて残した方がおもしろいと考えています。女子会風の雰囲気にも合うように、後ろからくっついて仲よさげなイラストにしたいですね。

ゆーげん:キャッキャウフフしているイラストは、やっぱりいいですよね。

岸田:このように違う絵柄で描くことは楽しいと思うタイプなので、できあがりが個人的にも楽しみです。

ゆーげん:絵は仕上げのひと味で個性が出ると思うので、完成項を一度全員で回してみたいです。「自分だったらこうする」みたいな案を出し合したらおもしろそうですね。

イラストレーターとしての成長や交流、立場の違いを質問

――絵描きとして成長を感じるタイミングやターニングポイントを教えてください。

ゆーげん:きっかけになるのは、形づいたものではなくて抽象的なことが多いです。例えば、ロゴマークを見たり、トイレで壁の模様眺めたりしている時に、アイデアを思いついたりしますね。その瞬間に絵描きとして感覚が成長した気がします。

 その時には「最高のアイデアだ!」と浮かれているのですが、30分くらいしたら大したことない案になっている。これはクリエイターであれば誰もが経験のあることだと思います。絵描きの成長はその繰り返しなので、それが毎回楽しみでもありますね。

NOCO:私はそれこそ『ソフィーのアトリエ』に初めてたずさわった時が大きかったですね。絵描きとしての技術はもちろんですが、社会人としても成長できたと思います。

(一同笑)

岩本:アートディレクターを担当したことで、人を頼ることを覚えました。すべてを自分1人でやるのではなく、皆で協力して作品を作る意識が強まりましたね。絵描きとしては、まだまだ常日頃から勉強続きで、他にも学ばせてもらう機会が多くていろいろな方のお話を聞くたびに、それがターニングポイントになっていると感じます。今日もいろいろなことを学ばせてもらいました。

――イラストレーター同士で日々交流することもあるのでしょうか?

NOCO:その人のタイプによると思いますね……。

ゆーげん:そうですね。中には、同期のような人の集まりをする人もいます。例えば、絵を公開し始めたころに、同じタイミングで活動を始めた人と繋がって、その人たちと関係が続いたまま活動することは多いかと。僕の場合は、ファッションデザイナーやゲーム会社を経ているので、あまり同期という人はいないです。そのため、周りの方との繋がりは少ないですね。

NOCO:実は、私もあまり友だちを作らないタイプなので……。それでも、今のような情勢になる前は飲み会とかで交流する機会はありました。

――そういう意味でも『ソフィーのアトリエ』の共同デザインは特殊なのでしょうか?

ゆーげん:今でも特殊なケースだと思いますね。

NOCO:私もそう思います。

ゆーげん:当時は「これは大丈夫かな?」という心配がありました。2人で同じ作品を作らなければならないので、夜な夜な作業をしながらコミュニケーションツールを使って「どうやって進めていこうか」という相談をしていたことを覚えています。今となっては、ソフィーとプラフタというキャラクターがユーザーに受け入れられて、愛していただけているのでうれしい限りです。

岩本:若いころにイラストレーターを目指していた時期は、すごく外交的に活動していました。が、今となってはだいぶ内向的な活動になりましたね。というのも『アライズ』に着手しはじめた5年間は、外の人との交流はほとんどなかったからです。元々とのギャップもあり、めちゃくちゃ寂しいですね。

――こうしたコラボでは緊張もあったのでしょうか?

岩本:久しぶりのコラボということで緊張はしましたね。事前にインタビューなども読ませていただいて、実際にこうしてお顔を拝見できたことで個人的にはもう“勝ち”です(笑)。

ゆーげん:交流という面では、僕もNOCOさんも周りに仲間を作らないタイプ。交流面ではかなり危ないところまで来ている人と言えますね(笑)。

NOCO:家では1人で淡々とサバイバル動画を見ていたりしていますね。

ゆーげん:フリーで活動している我々としては、岩本さんはアートディレクターとしてチームで作業する感覚が気になります。

岩本:最近ではみんなに頼ることを覚えてからは意見を交わしたり、交流したりする機会が増えましたね。相談できる人が周りにいることは幸せだなと思います。アートディレクター経験がある先輩に相談させてもらうこともありますね。

 やはり、1人で黙々とイラストを描いている時が一番苦しかったので、チームでの開発になってからは仲間と共に楽しめる部分が9割くらいに感じています。

NOCO:私は今の岩本さんの話を聞いて、すごく羨ましくなりました。1人で作品を作ると、いいのか悪いのかわからないまま行動して失敗することもありますから。アドバイスや意見をもらえない状況は苦しいので、そういう意味で周りに相談できる人や、新しいアイデアをくれる人がいるのはうらやましいですね。

ゆーげん:我々は、新しいデザインを作った時に「これいいね!」と言ってくれる人が周りにいないですよね。自分で判断して、自信を持ったうえでクライアントに見せなければならないので、そのプレッシャーがフリーのつらいところだと思います。

NOCO:クライアントからOKが出たとしても、自分が納得していない部分があったら「本当にいいと思ってくれたのかな?」と感じてしまいますよね。

岩本:所属の身としては、フリーの方々はクリエイティブがすべて自分の成果物なので、そこで生まれる責任感はならではのものだと思います。その過程で、さらに自分を高めていく必要もあるわけですよね。それは自分が過去に挑戦して辿り着けなかった境地なので憧れます。

 皆さんはそれを体現されている方なので、プロ野球選手を見るような羨望の眼差しで見ていますね。

――会社所属ならではのことはありますか?

岩本:所属している人の中には“会社に入れたらゴール”という感じで、絵をうまくなることを辞めてしまう人も意外に多いです。そこはいい傾向ではないので、自分の価値を高めないといけない危機感を感じていることがいいと思います。甘えてしまわないように、つねにアンテナを強く張りつつ厳しく向き合っているところです。

岸田メルさんへの個別質問を掲載

 スケジュールの関係で、岸田さんには後半部分の質問をメールインタビューで行いました。

――絵描きとして過去の自分から成長したポイントはありますか? もしあれば、そのきっかけは?

岸田:単純に描くスピードはすごく早くなりましたね。ただ抱えている仕事量や、仕事以外の時間との兼ね合いであまり能率は変わってないのですが……きっかけではなく、積み重ねた時間や失敗のおかげだと思っています。

――イラストレーター同士の関係性について。直接仕事で関わりがなくても、横の繋がりはありますか? もし交流があれば、どういった形で交流をしますか?

岸田:最近はほとんどないですね。普段遊んだり連絡取り合ったりする友人は他業種の方が多いです。唯一普段から話している絵描きさんとも絵の話はほとんどせず、趣味の服の話ばかりですし……。この業界での友人知人もいるにはいるにはいますが、オフでもSNSでも全然絡みがありません……。

――フリーのイラストレーターと、企業所属イラストレーターについて。それぞれのよさと難しさをどう感じますか? 逆の立場にあこがれますか?

岸田:企業に所属したことがないのでそちらは語ることはできませんが、月並みで言えばフリーランスは収入と納期さえきちんとしていれば後は何をしていても自由なところがよく、しんどい部分は何もかも自分でやらないといけないところですね。そして僕は絶対会社でやっていけないタイプの人間です……。

生放送

 本企画の一環として『テイルズ オブ アライズ』と『ソフィーのアトリエ2』それぞれのゲーム内での相互コラボアイテムの配信も予定されている。詳細は2月22日放送の“発売直前!『ソフィーのアトリエ2』生放送”にて公開予定とのこと。

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