電撃文庫『エンド・オブ・アルカディア』蒼井祐人先生が執筆中に悩んだこととは?
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電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『エンド・オブ・アルカディア』を執筆した蒼井祐人先生のインタビューを掲載します。
舞台は、クローン技術が発達し、死しては復活する“死を超越した子どもたち”が戦場を舞う世界。
エルメア合衆国少尉“一之瀬秋人”と敵国のエリート少女“フィリア・ロードレイン”は、戦場でのアクシデントによって、復活不可能な地下深くへと落ちてしまい、協力して地上への帰還を目指すことになります。
電撃小説大賞《金賞》を受賞した蒼井祐人先生に、本作の制作秘話をお聞きしました。最後までお楽しみください!
──この作品を書いたキッカケを教えてください。
ある日ふと、もしもFPSゲームのような世界が現実になったらどんな物語になるんだろう、と思い至ったことがきっかけです。
──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。
本作は、性格も立場も真逆──どころか敵同士のエルメア軍のエース・秋人とローレリア軍のエリート・フィリアが、理不尽な世界に立ち向かう物語です。そんな二人が「ぐぬぬ……っ、本当は絶対に手を組んだりなんてしないけど、今回は仕方なくなんだからねっ」と互いに睨み合いながらも肩を並べて共闘していくところが、ひっっっじょーにカワイイ&かっこいい物語です。
──作品を書くうえで悩んだところは?
目を離した隙に(?)キャラたちが好き勝手に暴れ出すのをどうにか制御して予定のページ内に抑え込むところに悩みました笑
──執筆にかかった期間はどれくらいですか?
プロットの構想期間を含めると半年ほどかけて応募原稿を執筆しました。
──執筆中のエピソードはありますか?
改稿の最後の最後の段階で、プロット段階で予定していたよりも誇張抜きで百倍熱い展開に変貌しました。キャラが我慢できずに動きまして……特に秋人とフィリアがとにかく元気です!笑
──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
秋人とフィリアは、二人とも自分の中にある「こんな奴がいたら絶対に好きになる!/絶対に友達になりたい!」像を全面に出した結果、生まれたキャラクターになっております。
飄々としているけどいざ戦うと頼りになる秋人も、普段はクールなのにデレると超かわいいフィリアも、どちらも大好きなキャラクターです。
そんな彼らをとにかく過酷な運命に突き落さなければならないので、物語を書きながらもう心が痛くて痛くて……。
──特にお気に入りのシーンはどこですか?
全編通して何十か所もあるのですが、特にコレ!というものを選ぶならばやはりクライマックスです。彼らが背負わされた絶望を共に乗り越えるドラマは必見です!
──今後の予定について簡単に教えてください。
『エンド・オブ・アルカディア』の続編を絶賛執筆中です! ご期待ください!!!
──小説を書く時に、特にこだわっているところは?
読んでいるだけで「ここに世界がある」と感じていただけるような作品作りを常に意識しています。活字を目で追っているだけのはずなのに、周りの音も景色も匂いすらも消えて、物語の世界が目の前にどこまでも広がっていく──そんな没入感を作るため、一文字一文字にこだわりをもって書きました!
──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
よく寝ることです!笑 しかし、疲労困憊で睡眠不足で今すぐに寝たいけど、あれ……、Wordの左下に表示されている字数は完成までまだ一桁足り、な……い。みたいな状況もしばしば。そんな時はカフェなどに赴き、強制的にセルフ缶詰状態に追い込むことで手を動かすようにしています。
──学生時代に影響を受けた人物・作品は?
『とある魔術の禁書目録』と『ソードアート・オンライン』には学生時代、とにかくハマりました。あの頃に罹患した中二病が未だに治りません。
また『攻殻機動隊』シリーズには大きな影響を受けました。小学生の時に初めてテレビシリーズを見て以来、SFへの憧れが自分の中に根付きました。
──今現在注目している作家・作品は?
『とんがり帽子のアトリエ』がとにもかくにも好きな作品です。緻密な画に魅力的な設定もさることながら、繊細に描かれたキャラクターたちの葛藤や瑞々しい感情が熱を持っているようで、ぐいぐいと引き込まれます。
──その他に今熱中しているものはありますか?
アニメ『平家物語』第二弾PVです。ええ、おかしなことを言っている自覚はあります。しかし、コレ、本当にすごい作品なんです。音楽、セリフ選び、そして何よりも編集が見事にかみ合った一分四十秒の動画で、『平家物語』という作品の深さをその一瞬でぶつけにくるような、そんな映像なんです。最初の二カットから既にゾクゾク来ます。……という感じで、私は結構執筆のモチベーションを上げる際に映像作品を見ることが多いです。
──最近熱中しているゲームはありますか?
たまーにですがBeat Saberをやります。執筆の息抜きがてらにVRゴーグルを被ってぶんぶんと光の剣を振り回して遊んでいます。狭い部屋なので何度小指をぶつけ、何度照明器具を殴りつけたことか……。
──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
凄腕絵師GreeNさんの描かれる銀髪蒼眼のヒロインが超絶カワイイ作品です!
ページを捲った瞬間から『アルカディア』の世界に入り込んで、元気なキャラたちとともに楽しくて刺激的な旅が出来る物語を書きました。
秋人やフィリア、その他沢山のキャラクターたちと一緒に物語の中でお会いできるのをお待ちしています!
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『エンド・オブ・アルカディア』
- 著者:蒼井祐人
- イラスト:GreeN
- 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
- 発売日:2022年3月10日
- ページ数:328ページ
- 定価:726円(税込)