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【電撃PS】“Ultimate”に昇華した『無双OROCHI3』の姿にインタビューで斬り込む!!

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 『真・三國無双』シリーズと『戦国無双』シリーズの英雄たちが競演する、コーエーテクモゲームスのタクティカルアクション『無双OROCHI』シリーズ。昨年発売された『無双OROCHI3』では、総勢170名による神と英雄の戦いが描かれましたが、さらにキャラクターやモードを追加した『無双OROCHI3 Ultimate』が、PS4、Nintendo Switchで12月19日に発売されます。
※Steam版は、2020年2月14日配信予定。

 今回はその目玉となる要素について、本作プロデューサーである庄知彦氏のインタビューでお伝えします(インタビューは9月2日に実施)。なお、発表済みの追加キャラクターで、ハデス、リュウ・ハヤブサ、ジャンヌ・ダルク、アキレウスについては、9月26日発売の電撃PlayStation Vol.680でデザインのポイントや追加の狙いを掲載しますので、そちらをご覧ください。

  • ▲『無双OROCHI3 Ultimate』プロデューサー、庄 知彦氏。『真・三國無双2』以降、『真・三國無双5』までリードプランナー、ディレクターを担当。また『ドラゴンクエストヒーローズ』シリーズ(スクウェア・エニックス)でもディレクターとして携わる。

物語に厚みを持たせることを第一に掲げた!

――今回プロデューサーとして、『無双OROCHI3』からバトンを受け取る形になりました。まずはそこへの意気込みからお聞かせください。

庄氏(以下、敬称略):とにかくベストを尽くしてやる、というのが私のポリシーですので、引き継ごうが、完全新規でゼロから始めようが、そこについては変わらない想いです。『無双OROHCI3』は古澤(正紀氏。『無双OROCHI3』プロデューサー)と青木(智彦氏。『無双OROCHI3』ディレクター)をはじめ、多くのスタッフたちが作った作品なので、彼らの気持ちはもちろん、何よりユーザーのみなさんからいただいた反応をいかに汲み上げた形で作れるかという部分に注力しています。

――これまで『真・三國無双』シリーズをはじめ、『無双』タイトルにタッチされてきました。あらためて『無双OROCHI』シリーズと、『無双OROCHI3』ならではの魅力はどこだと分析されていますか?

庄:『無双OROCHI』シリーズは『真・三國無双』シリーズと、『戦国無双』シリーズと、さらにはほかにもいろいろなキャラクターが一堂に会して、毎回新しい物語が始まるのが魅力だと思っています。『真・三國無双』シリーズも『戦国無双』シリーズも、どうしてもベースには歴史があるので、同じ合戦を取り上げ続ける形になりますよね。

――同じ合戦でも作品ごとに膨らみは持たせていますが、根底にある史実は同じですよね。

庄:そうなんですよ。私は『真・三國無双』シリーズを長く作っていましたが、「今回の黄巾の乱はどうしよう、次の黄巾の乱はどうしよう……」と、すごく悩まされていましたから(笑)。どんなに物語にアレンジを加えても、みなさんが知っているお話であることは変わりませんし。

 ですが『無双OROCHI』シリーズの場合は、完全新規の物語を作れることが魅力ですね。それこそ『真・三國無双』勢と『戦国無双』勢のキャラクターが邂逅したことで、より魅力的な人間関係やキャラクター性を引き出せます。

『無双OROCHI3』という点で言えば、ユーザーのみなさんからのご意見もそうですが、やはり170名の操作キャラクターがいるということが一番ではないでしょうか。ただ、人数が多いぶん、キャラクターの魅力を引き出しきれていないというご意見もいただいていました。

――となると、ユーザーから届いている声で一番大きかったのは、もっと物語の掘り下げがほしいという点でしょうか?

庄:そうですね。物語、そしてそれを彩るキャラクターですね。私も『無双OROCHI3』をいちユーザーとしてプレイしましたが、全体的なお話は「なるほど」と思う部分があるのに、すごく駆け足になっているという印象を受けたのも事実です。キャラクターの絡み方もどうしても物量が多いぶん、薄くなりがちなので、今回そこはしっかり描きたいと考えました。

――たしかに『無双OROCHI3』は主軸の話は太いものがありつつ、枝葉の部分が少し物足りないという感もありました。

庄:とはいえ、170名を平等に深く掘り下げられるのかというと、現実的には難しいと思っています。そこで今回は人気のあるキャラクターを単に選んで注力するのではなく、物語をしっかり楽しませるために必要なキャラクターを選び、掘り下げています。

 取捨選択はどうしても必要ですし、そこをしっかり考えたうえで、物語を厚くする取り組みに力を入れています。当然、前作よりもいろいろなキャラクターを深く描けていると思いますし、世界観に関してもより理解して楽しんでいただけるようになったと思います。

――先ほどから“170名”というものすごいキーワードが出ていますが、どんなキャラクターが好きなどというユーザーの傾向はありますか?

庄:一言では難しいですね。このシリーズを遊んでくださっている方は、『真・三國無双』シリーズから入った方、『戦国無双』シリーズから入った方、両方を遊んでいる方、どちらのシリーズも未経験で新規で入った方の4つに分類できると思います。そのなかで熱量が高いのは、やはりどちらかのIPを好きな方で、例えば「どちらかのシリーズのキャラクターのほうが優遇されているんじゃないか」などの声もありますね。

――それだけファンの“愛”が強いタイトルなんでしょうね。ちなみに、前作は“最も多い操作可能なキャラクターを持つハックアンドスラッシュゲーム”として,ギネスワールドレコーズより世界記録に認定されましたが、今回はキャラクターも増えたし記録更新ですよね?(笑)

庄:認定はされていませんが、心のなかでは記録更新したなと思っています(笑)。

――差し支えなければご自身がよく使うキャラクターがいたら教えていただけますか?

庄:あえていうなれば、ですが、私は『真・三國無双』をずっと作っていたこともあり、「三国志」のキャラクターに好きなキャラクターが多いですね。なかでもアクションが好きでよく使っているのは関羽ですね。あと、純粋に好きという理由で使っているのは諸葛亮ですね。私は諸葛亮の誠実な生き方が大好きで偏愛していまして(笑)。もちろん、どのキャラクターもひと通り使って愛していますが、とくに挙げるとしたらこの2人ですかね。

必然性から厳選された新キャラクターたち

――『OROCHI』シリーズではおなじみの“Ultimate”というタイトルですが、ご自身のなかで本作の“Ultimate”部分はどんなポイントになるとお考えですか?

庄:私のなかで『Ultimate』というタイトルは、ボリュームがものすごく重要だと考えています。先ほども言いましたが、物語とキャラクターという部分を、しっかりボリュームアップさせることが重要だと考えています。

 それ以外で“Ultimate”という部分で目指したかったのが、やり込み要素の充実ですね。前作の『無双OROCHI2 Ultimate』では「アンリミテッドモード」がありましたが、ユーザーのみなさんが好きでやり込んでいくことに、しっかり応えられるだけのボリュームやゲーム性を用意することが、重要だと考えています。

――キャラクターという面で言えば、既存の170名にまさかの新キャラクターを追加するという、無謀にも思える挑戦をされていますね(笑)。現在5名(ガイア、ハデス、リュウ・ハヤブサ、ジャンヌ・ダルク、アキレウス)が発表されていますが、追加した狙いや、デザインのポイントを教えてください。

ガイア(CV:早見沙織/出典:オリジナル)


  • ▲原初の昔、多くの大地を生み出した代償として、肉体を失った。はつらつとした性格の、聡明な女神であり、世界を救うために皆を引っ張っていく。大地に刻まれた記憶を具現化する力を持つ。

ハデス(CV:関 智一/出典:オリジナル)


  • ▲鷹揚な性格で、包容力があり、神だけでなく人間にも気さくに接する。普段は冥府で過ごしているため、他の神と交流する機会は少ないが、ゼウスのことはいつも気に留めている。

アキレウス(CV:神奈延年/出典:『TROY無双』)


  • ▲ギリシャ軍最強の戦士。名誉と名声を求め、トロイ軍の数多の将を刃に掛ける。獰猛で血に飢えた戦いぶりから敵のみならず、味方からも獅子と恐れられている。

ジャンヌ・ダルク(CV:冬馬由美/出典:『BLADESTORM 百年戦争』)


  • ▲フランス王国・オルレアン出身の救国の少女。百年戦争で故国が荒れるのを憂い、民や仲間を守るために戦うことを決意した。正義感が強く心優しい“白銀の乙女”。

リュウ・ハヤブサ(CV:堀 秀行/出典:『NINJA GAIDEN』シリーズ)


  • ▲“龍の一族”とも呼ばれる忍者集団・隼一門の若き忍者。幾多の戦いを乗り越え続けた強者で、いつからか“超忍”とも呼ばれるようになった。愛用の武器・龍剣を携え、日々、邪悪な存在と戦い続けている。

庄:全体としての狙いでいえば、やはり一番は新たな物語と、既にある物語を掘り下げるためですね。また、デザインについては、大きな方向性としてわかりやすくカッコイイ、わかりやすくかわいいというところで、方向性を決めました。

 個別でいえば、ガイアは、本作で新たな物語を作るのにあたり、どんなキャラクターがいたら前作の物語をさらにおもしろく膨らませられるかを考えました。『無双OROCHI3』はギリシャ神話がベースで、ゼウスが中心にいることを考えると、どうしてもゼウスと同格以上のキャラクターが必要だったんです。

 ゼウスと同格以上の神様はガイア以外にもウラノス、クロノスなどがいますが、私が求めるすべての条件を満たすのはガイアだけでしたし、女性はやっぱり必要でしょうと(笑)。真面目な話に戻すと、今回の物語では、“大地を作った女神”という設定が必要だったのが登場してもらった一番の理由ですね。

――デザインは背後の手を含めて相当インパクトがありますよね。

庄:そうですね。既存のキャラクターの中で埋もれないこと、キャラクターの見た目とアクションのギャップを付けることを考えてデザインしてもらいました。『無双』シリーズの女性キャラクターは、どちらかといえばセクシーなキャラクターが多いと思いますが、ガイアについては可憐なキャラクターを目指しました。

 とくに西洋系で可憐というキャラクターはあまりいなかったので。ジャンヌ・ダルクもそうなのかもしれませんが、ガイアについては少し違う方向性になったと思っています。で、アクションに関しては真逆で、ごっついヘカトンケイルが神器となっています(笑)。

――このデザインに決まるまでは悩まれたのですか?

庄:ヘカトンケイルという名には100の手という意味があるのですが、実際にこのゲーム中、アクションゲーム的にそれはないだろうなと(笑)。そこで、自由に出し入れできるようにしたほうがいいなと、このようなデザインを採用しました。

――使用する技によって、腕がいっぱい出てくるのでしょうか?

庄:そうですね。このイラストはあくまでイメージなので、技によってはいっぱい「バババッ」と腕が出てくるものもあります。かなりアクション担当ががんばってくれています。

――キャラクターの動きはいかがですか? 見た目からはゆっくりしている印象を受けますが。

庄:ガイア本人はある意味優雅な動きをしています。フィギュアスケートの動きも取り入れているんですよ。その反面、ヘカトンケイルの腕自体は、かなり豪快になっています。相手をボコボコに殴って、ときにはロケットパンチのように腕が飛んでいったりするんですよ(笑)。ガイア自身は常に手に乗っている状態で、その上から「ふんふん~♪」みたいに指示を出して、その周りがひどいことになっているというような感じです。

――それはギャップという部分があっておもしろいですね。ぜひ早く動かしてみたいです(笑)。ちなみに、公開されたキービジュアルも、ものすごく神々しい構図ですよね。

庄:物語の中心となるユグドラシルと、その周囲に神々、さらには人間を代表する形で『真・三國無双』勢からは趙雲、『戦国無双』勢からは真田幸村を選びました。

――こちらは「このイメージで行こう」と、スパッとイメージが固まった形でしょうか?

庄:『無双OROCHI』シリーズは、毎回いろいろな場所に行き、違う物語が描かれています。ですが、趙雲や幸村といった、『真・三國無双』シリーズと『戦国無双』シリーズのキャラクターが中心にいるのは変わらないんです。今回、これまでのパッケージを見返したのですが、そんなわけでどれもこの2人が描かれているんですよ。それで並べてみたときに「うーん、たいていのことはやっているな」と(笑)。

 とはいえ、この2人をはずすわけにもいきませんし、逆にこの2人はしっかり出したいと思っていましたので、今までにないパッケージデザインで、趙雲と幸村をどう見せるかがスタートとしてありました。そのうえで『無双OROCHI3 Ultimate』の世界観をどう融合するのかを考えた形です。ここに到達するまでは、けっこう試行錯誤しましたね。

――完成品を見た側としてはバシッと決まっていて、迷いのない構図になっているなという印象を受けて、素晴らしいイラストだと思います。

庄:ありがとうございます。制作途中の2段階目くらいには、私が「こうやったらいいんじゃないの?」と、イメージ絵を描いたんですよ。それをもとにデザイナーにまとめてもらったのですが、やはりしっくりこなくて。いろいろこねくり回したのですが、私の案はボツになりました(笑)。

――中央にユグドラシルが描かれているということは、今作でもこれが重要なキーになるわけですね?

庄:そうですね。ただなんとなくユグドラシルを中央にポンと置いたというわけではありません。ユグドラシルの存在が、前作も含めて物語のコアとして意味があるものになっているので、そこはプレイでたしかめてほしいですね。

ユーザーの声に応えたシステムの大幅調整

――神器の持ち替えが可能になり、遊びの幅が広がってファンとしてはうれしい限りですが、そこを決断した一番の理由はなんでしょうか?

庄:ユーザーさんからも「神器の付け替えをしたい」という声が多かったんです。個性がなくなってしまうのでは? という懸念もありましたが、それ以上に付け替えられることにより、キャラクターの個性を伸ばしたり、弱点を補ったりできるんですね。

 このゲームは、やはり自分が好きなキャラクターで自由に遊びたいという部分があるので、好きなキャラクターでこういうアクションをしたい、という要望に応えたほうがメリットとして圧倒的に大きいだろうと、最終的に判断しました。

 ただ、完全に自由にしてしまうとそれはそれで個性が弱くなるので、固有神術に関してはキャラクター固有のものとして残し、神器を付け替えても固定にしました。通常のアクションのバリエーションを膨らませるという意味で、神器の付け替えは楽しい要素となっています。

 なお、神器の付け替えは物語の途中から解放される要素ですが、『無双OROCHI3』をプレイされていてデータを引き継いでいる方は、新しい物語からすぐに付け替え可能となります。前作までのパートはキャラクターごとのアクション、神器の組み合わせを楽しんでいただき、そこから先は自由に選べる形です。

――新たに追加される神器はどのくらいの数が登場するのでしょうか?

庄:特定の神様固有の付け替えできない神器が2つ、その派生となる神器が2つ。そして、いろいろなキャラクターで付け替え可能な神器が2つの計6点ですね。デジタルデラックス版ではさらに付け替え可能な派生となる神器が2つあります。

――固有の神器はガイアとハデスですよね?

庄:そうなります。

――武器属性や新武器の追加などはありますか?

庄:属性の種類は十二分にあると思いますが、最終的に2種類追加しました。今回のやり込み要素である「インフィニットモード」や「チャレンジモード」で手に入れられるので、やり込みのモチベーションになればと思っています。

 武器については新規キャラクターのぶんに加え、「インフィニットモード」で手に入る「真」武器を用意しました。『無双OROCHI3』もユニーク武器を1つ手に入れたら終わり、という作りではありませんでしたので、今回の「真」武器に関しても、やり込んでいただければと思います。

――それだけあると、収集マニアにはたまらないですね(笑)。あとは新たに追加された「無双スイッチコンボ」ですか、こちらの詳細を教えてください。

庄:これは無双乱舞や無双奥義をキャラクターがスイッチしながら繰り出すものですね。より派手で気持ちいいアクションを入れようという狙いがありまして、威力も無双乱舞を3発出すよりも強力です。

 ただ、1番のポイントはそこではなくて、これを使って敵を倒すと経験値がものすごく大量にもらえるんです。もちろん、強敵に対して使うのもありですが、たくさん敵がいる場所で使えば、巻物がものすごい勢いで大量に出てきます(笑)。キャラクター育成のやり込みなどにぜひ使ってください。

――先ほど「インフィニットモード」や「チャレンジモード」の話題が出ましたが、こちらはクリアすると何かご褒美がもらえるのでしょうか?

庄:「インフィニットモード」の報酬は「真」武器の素材が得られます。また、先にお伝えした追加の武器属性パーツについては「チャレンジモード」の報酬となっています。

――やればやるほど報酬を得て強くなって、さらに高みを目指していけるという感じですね。

庄:「インフィニットモード」は、名前は「インフィニット」ですが、お話もちゃんとあって、クリアすることによる特典もあります。そして名前の通り、クリア以降も「インフィニット」に遊べるようにもなっています。

――相当手ごたえはある感じですか?(笑)

庄:そうですね。やはり実装した狙いがやり込みの充実なので、それについては満足いただけるのではないでしょうか。遊び方はユーザーさんしだいだとは思いますが、クリアまで到達するだけでもけっこうな達成感があるのではないかなと。

――神格化についてですが、今回神格化できるキャラクターが増えることはありますか?

庄:結論から言えば、今回神格化できるキャラクターを1人追加しています。神格化については、開発がスタートしたときから、追加しないほうがいいと私は考えていました。

 前作を遊ばれたユーザーさんから追加してほしいという声もありましたが、仮に特定のだれかを、例えば陸遜に追加しましたとなれば、喜ばれる陸遜ファンはいらっしゃるかと思いますが、ほかのキャラクターのファンは「なんで?」となってしまいます。

 私としては追加するなら全員やるかやらないかの2択だろうと。ただ、全員を神格化させるのは無理ですよね(苦笑)。また、さらに言えば、前作の物語上、神格化できるキャラクターが増えたらおかしいですよね(笑)。物語としても不自然ですし、キャラクターのバランスという点でも私は平等に見たいという思いがあるので、追加しないことにしました。

――ですが1人増えるというお話でしたよね?

庄:はい。増やさないつもりでしたが、制作を進めるにあたり「このキャラクターは神格化と同じことができないと不自然じゃないか?」となりまして、追加することにしました。詳細はまだ言えませんが、設定上、納得していただけるキャラクターだと思います。

――少し細かい話なりますが、前作は『戦国無双』勢の神速アクションは武器属性を100%発動していたので、やり込むと圧倒的な強さを発揮していました。反して『真・三國無双』勢は多段かつ100%属性が発動するアクションが少なかったので、最高クラスの難易度ではせん滅力に差を感じることが多かったです。そのあたりのバランス調整などはされているのでしょうか?

庄:そういうご意見は実際ありました。「神速攻撃があるキャラクターは、すごく優位なんじゃないか」などですね。それ以外に『真・三國無双』『戦国無双』という話以外に、そもそもこのキャラクターは強い、弱いという意見はたくさん届いていますね。

 その点については、我々も実際に触って「ここは手を入れたほうがいいんじゃないか」という箇所は対応しています。『真・三國無双』勢については、そこの是正ということではないですが、『真・三國無双』勢はそのらしさをより引き出すような調整を入れています。

 細かくはまだ調整中なのでお伝えできませんが、『真・三國無双』勢は「これをやれば操作していて気持ちがいいよね、超強いよね!」となるように、手ごたえをたしかめているところです。

――『戦国無双』勢の神速アクションが強いから、同じものを追加するという方向性ではないんですね。たしかにその方向性の調整は、『真・三國無双』勢にピッタリだと思います。

庄:それ以外の『無双OROCHI』シリーズにもとからいたキャラクターは、一部個別の調整を行っています。ピンポイントでいえば、ゼウスは強くなります(笑)。ゼウスは物語上で全能な主神にもかかわらず、私としては「あれ?」という感じでした。アレスやアテナより強くなくてどうするんだよ、という思いもあり、主神相応な強さにしています。

 あとはオーディンと比べても攻撃などが抑えめで足りてない感じがありましたので、そこも大きく修正しました。さらに特定のキャラクターに限らない細かい話になりますが、攻撃が当たっているように見えるのに当たりにくいように感じる攻撃の調整など、遊んでいて違和感を覚える部分はできるかぎり修正を加えています。

 もっと細かい話ですが、見た目よりも当たり過ぎているように感じる攻撃については残すことにしました。すでに「ここまで当たるよね」というイメージでプレイされている方がいるなかで、それをなくしてしまうとある意味グレードダウンになってしまうので、そこはあえて残させていただいています。

――『無双OROCHI3』をやり込んでいた方への特典などはありますか? アップグレードパックの仕様についても教えてください。

庄:基本的には前作をアップグレードすることで、『Ultimate』として遊べます。セーブデータも、『無双OROCHI3』のデータを引き継いで、本作用の新しいデータとしてプレイできますし、その際に引き続き遊んでくださるときに役立つものを付加する予定です。そのあたりの仕様は現在詰めているところです。

――であれば、発売前までに『無双OROCHI3』をやり込んでおけば、新規要素を存分に楽しめるわけですね。あとは『無双OROCHI2 Ultimate』では『ソウルキャリバー』シリーズ(バンダイナムコエンターテインメント)のソフィーティア参戦が話題をさらいました。今回は他社のタイトルからのゲスト参戦は予定されていますか?

庄:結論としてはないです(笑)。もちろん、ゲストキャラクターは楽しいところがありますが、先にお伝えした通り今回は数を絞りたかったので。世界観的にも、あまりちゃんぽんになり過ぎてしまうのも、現状よろしくないと判断しました。

 あくまで『真・三國無双』勢と『戦国無双』勢のキャラクターたちが主軸の物語のなかで、新しい世界でその関係性が構築されている。そこにいろいろな複雑な関係性も出てくるので、それで十分なのではないかなと。増えれば増えるほど、より複雑になってしまいますし。あとはなかなかコラボ企画というのも実現させるのが大変なんですよ(笑)。

 たしかにソフィーティアなどは、「また出してほしい」という声もありますし、個人的にも好きなので出したいですが、今回は絞りたいという思いがあるので、ゲスト参戦はやめることしました。

――最後に発売を待つファンに向けてメッセージをお願いします。

庄:シリーズファンの1人1人皆さまが求められるものは違うし、好みもいろいろあるとは思います。なので、すべてのご要望に応えることは難しいですが、こうあるべき、こうしたかったという声をできるだけ汲み取りつつ、『無双OROCHI3』のアップデート版、『Ultimate』としてどうあるべきかを考えて取り組んでいます。

 新たな物語や新モード、一部UIの刷新など、前作を楽しんでくださった方もしっかり楽しめるようになっているので、前作ユーザーの皆様に本作もぜひ遊んでいただきたいです。また、本作は『無双OROCHI3』の『Ultimate』ですが、『無双』シリーズとして、究極の爽快感を目指して、クオリティアップやチューニングしています。前作を遊んでいないけれども『無双』シリーズには興味があるという方も、本作で究極の無双の爽快感を楽しんでいただければ幸いです。

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
※画面はすべて開発中のものです。

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無双OROCHI3 Ultimate

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクション
  • 発売日: 2019年12月19日
  • 希望小売価格: 7,800円+税

無双OROCHI3 Ultimate

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: アクション
  • 発売日: 2019年12月19日
  • 希望小売価格: 7,800円+税

無双OROCHI3 Ultimate(ダウンロード版)

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクション
  • 発売日: 2019年12月19日
  • 価格: 7,800円+税

無双OROCHI3 Ultimate(ダウンロード版)

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: アクション
  • 発売日: 2019年12月19日
  • 価格: 7,800円+税

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