あ、これ好き。ブラックな要素満載のドット絵RPG『パーティラッシュ!!』が毒多めで素敵!【電撃インディー#202】

セスタス原川
公開日時

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、CRESTより配信される『パーティラッシュ!!』を紹介します。

 本作のジャンルは異世界救済シニカルRPG。ゲームビジュアルはドット絵のレトロ感のあるデザインで、ライトで遊びやすいRPGです。

 異世界からやってきたモンスターたちにより、突如日常が失われた世界。そこで、主人公の“ペパーミント”は、逆に異世界の人やモンスターの力を借り、平和を守るために奮闘します。

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ファンタジーなストーリーかと思いきや……?

 ストーリーは、異世界と繋がるゲートやモンスターなどが登場するファンタジー色の強い内容です。それだけでも設定としては十分なところですが、その中に含まれたリアルテイストなやり取りが、急にプレイヤーを現実に引き戻すところが良い感じのスパイスになっています。

 例えば、主人公は召喚を使いこなす“パーティメーカー”としてデビューをしますが、その際にまず組合に所属するという現実の職のような展開に。さらに、その契約の際に「社保完備の安全な職場だから」と言われて納得するなど、妙にリアルな描写が多いです。

 他にも、BGMかと思ったらキャラクターが部屋で音楽を流しており、本当にゲームの世界のBGMだった……という設定だったり、キャラクターのセリフが音で表わせない「。」などのネットスラングだったり、メタな要素も満載です。

 モンスターやら異世界でファンタジーの世界に引き込むかと思いきや、リアル描写やメタ描写で現実に引き戻してくる、妙なくすぐったさが癖になる物語が展開されます。

  • ▲まさかBGMが本当にゲームの世界で流れるBGMだったとは……。あまりの種明かしに、ゲーム内のキャラクターたちもツッコミを入れる始末。

  • ▲個人的なツボポイントは、配達員の名前がサガワ・ヤマトだったこと。どっちなのかハッキリして欲しい……(笑)。

 好みが分かれる部分ですが、現実世界を皮肉ったようなゲーム内のキャラクターたちのセリフは、刺さる人には刺さるユーモアを感じさせてくれます。

  • ▲世界を守るヒーローかと思いきや、実は“パーティーメーカー”は複雑な立場にあるようで……?

仲間で広がるバトルと編成の幅

 本作は、ストーリーや探検でバトルを行い、敵を倒し、時にはその敵を仲間に加えながら、事件を解決していきます。

 その道中で行われるバトルが、本作のメインコンテンツ。MPを消費してスキルを使って戦う“RPGらしい”バトルです。

 攻撃の種類などもありますが、基本的にはスキルを使って戦うのみ。バトルシステムはシンプルで、まどろっこしい要素が無く、誰でもすぐに戦い方を把握できる作りです。

 特徴的な点を挙げるとすれば、主人公の“ペパーミント”自身はまったく戦わないところ。彼女はスキル“誰か助けてください!”を使い、異世界からランダムな人物やモンスターを召喚して攻撃します。

 何か出てくるかは引き次第。運よく強力なモンスターを呼び出すこともあれば、何の変哲もない人のシンプルな攻撃が発動することもあります。このランダム性が、シンプルなゲーム性の中で良いアクセントとして機能しています。

 召喚される仲間とは別に、バトルには主人公を含めた4体のキャラクターを連れていけます。このメンバーは、仲間に加わった異世界の住人たちを自由に編成できます。

 相手によっては特定の攻撃しか通用しないなど、さまざまな条件がバトルで発生。これを乗り越えるために、ストーリーを進めながらさまざまな仲間を加えて行く必要があります。ここが本作のやりがいポイントです。

 仲間を増やすためには、メインストーリーとは異なるコンテンツの“探検”で、異世界の住人と邂逅する必要があります。これはストーリー進行に関わらない寄り道的な要素ですが、しっかりと並行して進めることで、サクサクとストーリーを進められるようになるわけです。

  • ▲中には曜日によって変わる要素もあるようです。

 仲間にできるキャラクターは約100体で、組み合わせは約16万通り。各キャラクターも、わかりやすいモンスターから、中には「本当に戦えるの?」という人間まで、ユニークさがあふれるレパートリーです。

 必ずしもプレイする必要があるわけではないのですが、時間を割けば先々で楽になる機能。RPGでサブイベントや依頼のような寄り道要素が好きな方は、この作りのおもしろさがわかるはずです。

  • ▲他にもストーリーを進めるごとにガチャで仲間を加えられます。引き次第では強力な仲間が来るかも……?

 筆者は、RPGでは寄り道をガッツリして、万全の状態でメインストーリーに挑みたいタイプなので、できる限りの探検をしてからストーリーを進めていました。その結果、強力なモンスターを仲間にでき、ストーリーをサクサク進める爽快感を楽しめました。


  • ▲どんな仲間に出会えるのかは、探検に行ってみてのお楽しみです。

 全体的にライトなRPGなので、ちょっとした休憩時間に遊びたくなる作品。シニカルなファンタジーが好きな方は、キャラクターの掛け合いを見ているだけでも楽しめることでしょう。お手軽に遊べるので、ぜひ一度お試ししてはいかがでしょうか?


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