『デッドバイデイライト』ディレクターに聞くSwitch版、『2』の可能性や新システムについて【TGS2019】
- 文
- 電撃オンライン
- 公開日時
※『Dead by Daylight』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
3gooから9月26日に発売される、Nintendo Switch版『Dead by Daylight(以下、DbD)公式日本版』。その発売を記念して開催される“Dead by Daylight公式日本版リリースパーティー”に合わせて来日した、本作のディレクターのマシュー・コート氏にインタビューを行いました。
『DbD』は、世界累計で1200万以上販売された、非対称対戦型のホラーサバイバルゲーム。“キラー”と呼ばれる殺人鬼1人と、キラーから逃げながら脱出を試みる“サバイバー”と呼ばれる生存者4人に分かれて、壮絶な鬼ごっこを繰り広げます。
Nintendo Switch版の発売に先がけて、新チャプター『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の配信も決定。Netflixで配信されている大人気オリジナル作品をもとに、新たなキラーが1体と新サバイバーが2人登場します。さらにドラマの舞台の1つをモチーフにした新マップも追加されます。
Swtichを持ち寄ってのパーティプレイは非常に楽しみ!
――いよいよSwitch版が発売されますが、どれぐらいプレイヤーが増えると思いますか?
マシュー・コート氏(以下、敬称略):全然予想がつきません。たくさんかな? Switchは成功しているハードなので、持っている人はとても多いです。すでにPCやPS4でプレイしている人もSwitch版をプレイしてくれることも期待していますし、新たにSwitch版から始めてくれる人が多いこともすごく期待しています。
――Switch版をどのように遊んでほしいと思いますか?
マシュー:どこでも遊べるというのがSwitchの一番大きな利点だと思うので、テレビの前で遊んでいただくのもいいですが、いろんな場所で遊んでもらいたいですね。
――例えばスターバックスでプレイして急に悲鳴をあげる人とかが出てくるかもしれませんね?
マシュー:そういうことが起こって欲しいと思っています(笑)。
――みんなでSwitchを持ち寄って遊ぶことで、どんなことが起こると思いますか?
マシュー:パーティであったり友だち同士だったり、一緒に楽しんで欲しいという思いがあるので、Switch版ではそれがさらにカンタンにしてくれると思います。そして、その場でどのような交流が発生するのかを見るのが楽しみです。
みんなで集まってプレイする場合、隣に友だちがいて「助けて!」って言えるけど、その友だちが「助けられるけど自分は逃げたいんだよね」って言い出したりとか。そういった交流がおもしろくなると思います。
――以前『DbD』は孤独に楽しむゲームだとおっしゃられていましたが、Switch版ではパーティゲーム要素が増えるかと思います。その変化に関してどう思われますか?
マシュー:非常にいいことだと思います。そのゲームをプレイしている瞬間瞬間の出来事がおもしろわけで、それを友だちや仲間と共有できるのは素晴らしいことだと思っています。
みんなで集まっているとはいえ、自分自身のゲーム上でのアクションなどは変わりません。もちろん協力することは有効ですが、チームスポーツではないことはたしかです。ミスをしてパニックを起こしたり、恐怖を感じたときなどに、その集まりが崩壊するのがおもしろいところじゃないかなと思います。
――集まってプレイすることでサバイバーが情報共有できることを恐れているだろう、世界中のキラーにアドバイスはありますか?(笑)
マシュー:友だち同士なら元々さまざまな方法でボイスチャットを使っていることが多いので、集まって情報共有することはさほど問題だと思っていません。もちろんアドバンテージではありますが、それほど大きくはないと思います。
それは先ほども言いましたが、協力するのにも限界があって、悪いリアクションをとったりパニックを起こしてダメになったりするからです。あえてキラーにアドバイスをするなら「心配するな、やることをやれよ」ですね(笑)。
――Switch本体のディスプレイだと、スキルチェックが少し見にくかったのですが、カスタマイズなどはできるようになりますか?
マシュー:あえてカスタマイズできないようにしているのではなくて、現在のUIなどでうまくいくと思って作りました。ただ、なるべくプレイヤーには最高の体験をして欲しいので、ほかのプラットフォームと比較して劣っているというのであれば、改善したいと思います。
すでにPC版やPS4版でプレイしていた人とSwitch版から始める人とで、どれだけ違うのかという問題もあるので、両方の意見を参考に検討したいと思います。
――Switch版だと無線LANでプレイする人も多いと思いますが、無線LANでもPS4版などと同じようにプレイできますか?
マシュー:多少の違いがあると思います。ほかの機種に比べて、キラーのほうに少し遅延が発生するかもしれません。しかし遅延よりも注意しなければいけないのが、回線切断ですね。
回線が切断されそうなときにマッチングを維持していくことが重要なので、そこに対応しなければいけません。ただ、いよいよ専用サーバーも立ちますので、全員にとってもっといいプレイ環境になると思います。
――Switch版のバージョンアップのスケジュールは、PS4版と同じになりますか?
マシュー:新しいプラットフォームが出るたびに毎回大きな課題になります。非常に野心的な目標ではありますが、新しいチャプターもコンテンツも全部のプラットフォームで同時に出したいと思います。
止まることを知らない『DbD』の未来はどうなる?
――新たなコラボレーションの『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は厳密にはホラーではないと思うのですが、ホラー以外にもコラボの枠を広げていくというような意味はありますか?
マシュー:『ストレンジャー・シングス』には2つの要素があると思うのですが、1つは70~80年代のノスタルジーを楽しむ。もう1つは古いホラー映画からのインスピレーション。この2点において、『DbD』と同じポジションにあると思います。本作も70~80年代のホラー映画をインスピレーションしています。
コラボを行いたいホラーのフランチャイズ的なものはまだあるのですが、そのリストはだんだん小さくなっています。すでに『DbD』でレジェンドホラーをとりあげてきたので、残っているものはそんなに多くはない。しかし、コラボレーションを増やすプランはあります。
――コラボコンテンツが配信されるといつもその再現度の高さに驚かされますが、これはチームにコラボコンテンツがとても好きな人がいるのか、それともチームとして完璧な再現を求めているのか、どちらですか?
マシュー:両方ですね。ホラーファンもすごくいっぱいいて、チームのなかに必ず誰かしらすごいファンの人がいます。そのうえ、毎回世界に深く入り込めるように努力をしています。そして我々はコラボレーションがあるときには、必ず尊敬を示せるような形でゲームに取りいれるようにしています。
――私は『DbD』とコラボを発表するまで『ストレンジャー・シングス』を知らなかったのですが、見てみたらすごくおもしろかったです。
マシュー:Netflixもハッピーでしょう、新しいファンを獲得できて。
――Switch版から始める人のなかには、ホラーは好きではないけど非対称型対戦ゲームが好きな人もいると思います。本作をプレイすることでホラーに興味をもって好きになる可能性もあると思いますか?
マシュー:まさに我々もそれを期待しています。さらに、Switchのファンが今までプレイしたことのないジャンルにトライする機会になれれば、とも思います。
任天堂さんも、自分たちが作るハードを子ども向けの健全なものだけでなく、すべての人向けにしたい、と努力をされています。我々が健全ではないと言ってるわけではないですが(笑)。
ちょっとだけ私たちの作品が大人っぽいし、ちょっとだけバイオレンスもありますが、人々のなかには違う体験をしたいという欲はありますからね。
――PC版の発売から約3年以上が経過していますが、数カ月に1度のアップデートはいつまで続けられると思いますか?
マシュー:逆に聞きたいのですが、どれぐらい長くプレイしたいですか?
――ずっとプレイしていたいです。
マシュー:私たちも同じ気持ちです。まだまだ伝えたいストーリーもたくさん残っていますし。人が怖がるようなものは、チャプターの『断絶した血脈』のような東洋ベースのものだったりとか、世界中の文化にまだまだ残っていると思います。
ゲームそのものを見ても、まだまだ成長の機会がたくさんあると思っています。3年前から比べたら、ゲームはずっとずっとよくなっているし安定もしてきていますじ、相当な進化をしてきていると思うので止まることはないと思います。
シリーズとして『DbD2』をやろうか、という話も出たのですが、そのアイデアはすぐに捨てました。全部の努力を1つのゲームに生かし続けたほうがいいと思っていますし、継続的な改善や、コンテンツを増やすことのほうが重要だと考えています。
もちろん、常に新しいコンソールが出るとか新しい技術が出るということに関しては観察をしているので、常に改善をしていきたいと思っています。プレイヤーが新しいハードを使っているかもしれないので、それをサポートしてフォローし続けていきます。
じつは新しいゲームのアイデアもあるので、それももしかしたらいずれ発表できるかもしれません。だめだめだめ、これ以上はまだ言いませんよ、聞かないで(笑)
――わかりました(笑)。バージョンアップでは常にバランスを変更していますが、このバランス変更の基準はどのように判断しているのですか?
マシュー:誰にとってもバランスが完璧になることはないと思います、それがゲームというものですから。しかも『DbD』はすごくカオス的なゲームなので、そのカオスを意図的に動かしています。ただ、みなさんが楽しく遊べるというのが非常に重要なので、3つの要素を大事にしています。
1つはコミュニティーのフィードバック。新バージョンが出た直後だと判断が難しいので、1~2週間のお試し期間のあとでコミュニティーのフィードバックを見ています。2つ目はマッチのデータや統計を見て決めます。そして3つ目は、自分たちの直感です。我々はこういう風にゲームを作って、こうあるべきという思いがあるので、お互いの判断を信頼しています。
――9月にも新チャプターの配信とバージョンアップがありますが、こちらで行われることを具体的に教えてください
マシュー: 新しいチャプターが導入されるのが、かなり大きいことだと思います。あと3カ月後ぐらいの登場になりますが新しいチャプターを開発しています。ペースは相当速いです。我々は止まることを知りません。
―今後『DbD』の世界がどう広がっていくのかが気になります。バージョンアップ以外にも、例えば映画化して世界を広げたりしますか?
マシュー:ストーリーを伝える方法がどんなものがいいのか、我々は検討しています。映画やマンガなど、伝えるいい方法はたくさんあると思います。しかし、ゲームのなかでもストーリーを伝えるためにもっといい方法があればと検討しています。
現在制作しているのが"アーカイブ"というもので、これはプレイヤーに裏のストーリーを伝えるものです。なぜこんなキャラなのか、以前はどんな人だったのかといったことが伝えられるものを用意しているので、とてもエキサイティングだと思います。
この"アーカイブ"は今までのものとは違うシステムになります。特定の目標やクエストがあって、その報酬として知らなかったストーリーの部分が明かされたり、コレクションやカスタマイズを入手できます。ストーリーの伝え方も、テキストとイメージとアニメーションで行います。
まだ日付は決まっていないのですが、年末までには実装したいと思います。
――モバイル版も開発されていますがこれは日本で配信する予定はありますか?
マシュー:今年中にワールドワイドでのリリースが決まっています、日付はまだ言えません。『DbD』はもともとワールドワイドなんですが、そのなかでも日本にはとくに注力しています。コミュニティーの大きい部分を形成していますし、あと私が日本に来る理由ができます、日本が好きですから(笑)。
――リリースパーティーで日本のファンのみなさんと交流を持ちますが、今はどんなお気持ちですか?
マシュー:すごくエキサイティングだと思っています。日本人の文化として、何かのファンになるとファンであることに誇りを持っていく人たちだと思います。『DbD』のファンでそれを見られるのが素晴らしく思っていて、彼らとコンタクトをとれるのが非常に光栄だと思っています。
――最後に、リリースパーティーの会場に来られないファンのみなさんもコメントをお願いします。
マシュー:メッセージはいつも同じなのですが、本当に大きな感謝をお伝えしたいと思います。我々がこの素晴らしい仕事ができるのも、日本に来ることができるのも、この最高のゲームに毎日触っていられるのも、私たちと一緒に何年もプレイしてくれたファンのみなさんのおかげです。私たちをサポートしてくれて、インスピレーションを与えてくれます。
Switch版から始める新規プレイヤーにも“Welcome”と言いたいですし、そして“勇敢であれ”とも言いたいです。最初は何度も死ぬと思いますが、そのぶん勝ったときに感動を得られると思います。古いプレイヤーは新しいプレイヤーに、いろいろ教えてあげてほしいですね。
コミュニティーコンテンストで“新規に教えるガイドを作ろう”というのをやったところ、すごい才能を持った人たちがかっこいい動画を作ってくれたので、1週間ぐらいで配信できると思います。新規プレイヤーが歓迎されたと思ってエンジョイしてくれたらいいと思います。そのあとでしっかり処刑してください。
――十分に育ったところで吊ればいいのですね(笑)。
マシュー:Very Good!
(C)2015-2019 Behaviour Interactive Inc. All rights reserved. BEHAVIOURR, DEAD BY DAYLIGHTR およびそれらのロゴはカナダ、アメリカ合衆国、および/またはその他の地域における、Behaviour Interactive Inc.の登録商標です。その他のすべての商標は、それぞれの所有者の所有物です。Published and distributed by 3goo K.K.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
『Dead by Daylight(デッドバイデイライト)公式日本版』公式サイトはこちら
『Dead by Daylight(デッドバイデイライト)公式日本版』パッケージ版予約ページはこちら
Dead by Daylight 公式日本版
- メーカー: 3goo
- 対応機種: Switch
- ジャンル: アクション
- 発売日: 2019年9月26日
- 希望小売価格: 4,600円+税