電撃オンライン

RPG好きはハマる! 寄り道が楽しすぎる『ANNO』をレビュー【電撃インディー#207】

セスタス原川
公開日時

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Lightning Gamesより配信される『ANNO: Mutationem(アノー:ミューテーショネム)』を紹介します。

 本作は2D+3DのアクションRPG。平面的なドット絵ですが奥行きがあるフィールドと、近未来を描いた世界観が特徴的です。

 実際にプレイしてみると、想像を超えるボリューム感とプレイしがいのある要素の数々に驚愕。RPGをすみずみまで遊び尽くすタイプの方は、時間を忘れてのめり込んでしまうこと間違いなしです。

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

治安乱れる近未来の街並み

 舞台は、ロボットやPCなどさまざまな科学技術が発展している中で、街には無秩序が溢れているサイバーパンクな世界。主人公のアンは、自身の抱える“モツレ”という病の解明、そして“N540”と呼ばれる謎のアイテムを見つけるべく、相棒のアヤネとともに困難に立ち向かいます。

 敵が現れるとアンはバトルスーツに変身。剣を使ったさまざまな攻撃や、銃や爆弾などで敵を倒していきます。アクションだけでなく、封鎖された場所に潜入するための謎解き、ちょっとしたミニゲームなど、プレイし続けても飽きないさまざまな要素が盛り込まれています。



 アンが駆け巡る街は、さまざまな建物やショップが立ち並び、各所にNPCが登場。見た目は平面的で狭く見えるのですが、実際は奥行きがあるので見た目以上にフィールドは広く設計されている印象です。

 さらに、会話できるNPCの人数、探索できるエリア、本編から外れた寄り道要素など、ゲーム内のやり込み要素は満載。ドット絵のレトロな雰囲気をいい意味で裏切るボリューム感に驚かされます。


 メインストーリーは“N540”を追いかけるアンと、それを巡る謎の組織の陰謀が絡み合う物語。手がかりを求めて新たな街を訪れたり、次の手がかりを見つけで元の街に戻ったりと、さまざまな場所を行き来するストーリーは「新しく行けるようになったところはあるかな……?」と探索欲をそそります。

 街並みとストーリーの誘導が良い具合にマッチしていることもあり「さっき通ったココでイベントが起こるのか!」と、予想のつかない行き先や展開がプレイヤーを待っています。

 少しストーリーの本筋から離れますが、ストーリーで印象的なシーンは、アンとアヤネの濃すぎる絡みです。アヤネはアンのことを“ダーリン”と呼びゾッコン状態。ことあるごとに“ご褒美”を要求したり、服を見繕ったりします。

  • ▲アヤネはホログラムですが、隙あらばすぐにアンに抱き着こうとします。アン×アヤネ……悪くないですね……!

 アンはツンとした態度で対応するものの、普段はしっかりとサポートしてくれているアヤネに対して恩義は感じているようで、言葉の断片から彼女に対する信頼が見受けられます。

 アクションやバトルを担うアンと、調査やデジタルな作業を担当するアヤネのバディ。2人の活躍と関係性は、本作のストーリーの注目ポイントです。

  • ▲常にベタベタするだけでなく、仕事中はしっかりと役目をこなすのがアヤメの良いところ。しかも、毎回しっかりと何か情報を持ってくるのがスゴイ。

バトル×強化×探索で寄り道が捗る!

 バトルでは、さまざまなアクションを活用して敵を倒します。剣には、通常の攻撃に加えて、広範囲のジャンプ攻撃、一撃のダメージが大きい溜め攻撃があります。シールドを持った相手などに対しては溜めを、大勢の敵にはジャンプ攻撃など、適切な攻撃を仕掛けていきましょう。


 今回はPC版でのプレイでしたが、攻撃の種類は多彩なうえ、同時押しのコマンドも多いので、コントローラーを使ったプレイを推奨。キーボードでのプレイは少し難易度が高い印象でした。

 アンのバトル性能は、ストーリーを進めると獲得できるポイントで強化可能。強化はツリー型の解放式で、後半になればなるほど強力なスキルやステータスが獲得できる仕組みです。

 この強化用のポイントはメインストーリーだけでなく、サブクエストのクリアでも獲得可能。こういったサブクエストにもしっかりと意味を持たせているところが、さらに寄り道欲を加速させてくれます。ゲームを隅から隅まで遊びつくすタイプの人は、メインストーリーほったらかしで探索に熱中してしまうことでしょう。

 序盤のサブクエストには推理パート的な部分が多いのですが、これがまた絶妙な難易度で作業らしくならないのが良いところ。

 例えば、2人の会話の内容と状況から犯人を特定したり、ビルに秘められた謎を解き明かしたり、サブクエスト中はまるで推理ゲームをプレイしているような気分を楽しめました。純粋なアクションRPGに留まらないおもしろさを味わえます。


 筆者はRPGは隅から隅まで遊ぶタイプのゲーマーなので、最初は軽く遊ぶつもりが、気が付けば街全体を歩き回り、NPCに話しかけまくり、メインストーリーもサブクエストも漏れなく進めていました。

 2D+3Dというスタイルを生かしたギミックも散りばめられているので、立体的な3D慣れしている人であればあるほど新鮮な気分でゲームをプレイできます。

 価格は2,570円とリーズナブルな割に、プレイした際の満足感は十分なので、お手軽でもやり込めるゲームを探している方に手に取ってもらいたい作品です。


©2019-2022 Shenzhen Leiting Information Technology Co., Ltd all rights reserved. Developed by Beijing ThinkingStars Technology Development Co., Ltd.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら