『New GUILTY GEAR(仮)』は完全新作どころではない!? 開発陣が掲げる『ギルティギア』の再構築とは?【TGS2019】
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9月12日~15日に千葉県・幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2019(TGS2019)にて、アークシステムワークス最新作『New GUILTY GEAR(仮)』の開発陣にインタビューを行いました。
EVO 2019で『GUILTY GEAR(ギルティギア)』シリーズの完全新作として発表され、PS4向けに2020年発売予定であることも明らかになった『New GUILTY GEAR(仮)』。
最新トレイラーも公開され、これまでの『ギルティギア』とは大きな違いを感じさせる本作のコンセプトやゲーム内容ついて、ゼネラルディレクターの石渡太輔さんと、ディレクターの片野旭さんにお話しを伺いました。
『ギルティギア』の新たな挑戦、そして再構築とは?
――新作ではなく完全新作とのことですが、ナンバリングタイトルではないということでしょうか?
石渡:ナンバリングタイトルかどうかは、現時点では公開できない部分です。ナンバリングタイトルかもしれないし、そうではないかもしれません。
片野:少なくとも『Xrd』ではない、ということです。
石渡:『ギルティギア』の新作というよりは、アークシステムワークスが新しい格闘ゲームを作ったというスタンスを強調していきたいと思っています。
――『Xrd』シリーズは『Rev2』で完結するのでしょうか?
石渡:ゲーム性としては『Rev2』で完結していると考えていただいて間違いありません。物語や背景に関しては、そのまま続いています。
――メイの容姿が変わっていることから、『Rev2』からの時間経過に気になるところですが、いかがでしょうか。
石渡:時間が経ったのではなく、絵柄が変わったと捉えていただければと思います。世界設定的には地続きでして、遙か未来に行ったわけではありません。
片野:本作の内容に関わりますので、具体的なところは続報にご期待ください。
――トレイラー映像に登場したドレッドヘアーのキャラクターは、どのような人物なのでしょうか?
石渡:まず、あのキャラクターを発表したのは、新規のビジュアルをお見せして、新作を作っているとアピールの一環でした。キャラクター設定について詳しい話はできないのですが、従来の歴史に何かしら関係しています。
――現時点で4人のキャラクターが公開されています。キャラクター総数はおよそどれくらいに……?
石渡:すべてを作り直していますので、それなりに労力が発生していまして。立ち上げのタイミングで全キャラクターが登場することはないと思います。
片野:『Rev2』からの続投キャラクターが気になっている方も多いと思いますが、既存リソースを流用せずに作り直しています。今の時点では、そのことから予想していただければと。愛着を持っていただいているキャラクターがいることは重々承知していますので、なるべく期待に応えられるよう開発を進めていきます。
――ビジュアルの変化は見るに明らかですが、ゲームシステム面も大きく変わるのでしょうか?
石渡:そこが一番変わっているところです。『Xrd』と比べての変化ではなく、『ギルティギア』として今までとは大きく変わる手応えのシステムになっています。
――吹き飛ばした相手を追いかけていき、そのままステージが変化するシーンがありました。過去作品から考えると、ただの演出ではなく戦術に関わるものだと推測されるのですが……?
石渡:我々の専売特許に、何をするにしてもゲームバランスや自分たちの格闘ゲーム哲学に基づくところがありますので、間違いなくただの演出ではありません。新しいプレイフィールを得ていただくためのシステムになっています。
片野:そうなってしますし、そうしている最中と言いますか。ただの演出にするだけではもったいないと思っていますし、ゲームシステムの軸のひとつになるのかなと思っています。
石渡:従来の格闘ゲーム、あるいは『ギルティギア』の問題点や課題を解決しようとしている時に出てきたアイディアです。
片野:爽快感であったり、ゲームシステム的な意味を持たせてあったりするので、アレが起きる時が盛り上がるポイントかと思います。
――最近のアークシステムワークス作品には、初心者でも入りやすい補助的な操作システムを採用されていることが多いと思います。本作にも、そういった機能があるのでしょうか?
石渡:初心者向けのフォローをすることは、そもそもゲーム自体が難しいのではないかと個人的に解釈していまして。今作の理念として、そのようなフォローが必要のないゲーム性を目指しています。そのために、従来の『ギルティギア』のような複雑だったり、多すぎたりするシステムなどはゼロから考え直しています。
片野:初心者向けにするというよりは、シンプルにするという表現が近いでしょうか。これまで行っていた初心者へのフォローとは別の方法で、より幅広い方がプレイできるタイトルにできればと思っています。
石渡:シンプルと言うと、ゲーム自体をシェイプアップするように聞こえるかもしれませんが、ゲームの間口は広げるというだけです。その先にある奥深さは死守して、我々らしい格闘ゲームにしていくつもりです。顧みる点として、無駄に広げ過ぎていたところもあるので、そういったものを見つめ直して最大公約数を導き出す方針です。
片野:見た目が難しそうなところを払拭していきたいと考えています。ボタン連打システムなどによって格闘ゲームをプレイできた方が多いのは事実です。とはいえ、その手のシステムがあっても、知らない人から見たら簡単そうには見えないのではないかと。格闘ゲームをプレイしていない方でも何が起きているのかが分かる、ということを大事にしていきたいと思います。
石渡:今回のキーワードですね。
片野:現時点でも完成しているわけではなく模索中ではありますが、今までの弊社のアプローチとは違った形で、より幅広い層の方に遊んでもらえるようなゲームにできたらと思います。
――間口を広げるためのアプローチとして進めていること、考えていることがあればお教えください。
片野:無視できない話題として、e-sportがあります。もちろんおもしろいゲームを作ることが第一ですが、ゲームが仕事になる方がいらっしゃることを踏まえて、ゲームを買ってプレイしたら終了……からさらに広げ、イベントなどのアプローチはこれまで以上に頑張らなければいけないなと。
石渡:『ギルティギア』シリーズはゲームセンターを中心に広がってきたためアーケードスティックでプレイする方が多く、我々もそれを基準に開発していました。しかし、海外に目を向けるとパッドでプレイされている方も多く、パッドでプレイする時のことは今まで以上に真摯に考えています。
――『ギルティギア』は日本プレイヤーの強さが際立っていますが、一から作り直している理由には、世界との差をなくす側面もあったのでしょうか?
石渡:そもそも今までシリーズを続けるうえで、問題点や課題がわかっていながらも『ギルティギア』だからできなかったことがたくさんあります。それが本当に解決できないものかどうかを、一から作り直すことで見直している形です。
片野:日本と世界だけに限った話ではなく、国内でも元々『ギルティギア』シリーズを長くプレイしていた方が、ナンバリングが変わっても初めから強いということが続いていました。それ自体を否定するつもりはないのですが、完全新作として展開するのであれば、いろいろな立場のプレイヤーに対してフラットな作品が望ましいのではないか、という発想はやはりあります。
――新たなチャレンジとして目標をひとつ挙げるとすれば、どんなことでしょうか?
石渡:ここをどうしようというよりも、ゲームそのものが大きなチャレンジです。これまでは、パワーアップさせたり、削ぎ落としたりする発想をしていたのですが、今回はそういう考え方をしていません。『ギルティギア』が持っていたものは無いものとしてゼロから再構築したうえで、今までよかったものは残すというスタンスです。
片野:これまで『GUILTY GEAR』シリーズやアークシステムワークスの格闘ゲームは、日本に向けたアプローチが多く、日本のプレイヤーが強いタイトルでした。最近では海外のプレイヤーも活躍してうれしいところではありますが、本作ではより一層、世界全体に向けてアプローチしていくことが一番のチャレンジです。ゲームシステムにしても、プロモーションにしても心掛けている部分です。
――トレイラー映像ではテーマ曲も公開されましたが、本作でも石渡さんが楽曲・BGMを担当されているのでしょうか?
片野:まずテーマ曲ですが、『Xrd』シリーズに引き続きNaoki Hashimotoさんにボーカルを担当していただきました。映像を公開したあと「買いたい」というコメントも寄せられていて、ご好評いただけているようでよかったです。音楽についても石渡の作曲のもと、今まで以上に力を入れていきたいと思っています。
石渡:絵柄とあわせて、音楽についても路線みたいなところが少し変わっているかもしれないですね。
――ARCREVO America 2019で試遊出展を予定されていますが、どういった内容がプレイできるのでしょうか?
片野:フルスペックではありませんが、少なくとも格闘ゲームとして、プレイヤー同士が新しいシステムに触れながら対戦できるというところは確保します。完成には程遠いですが、新しい挑戦をするためにも早いうちから皆さんに触っていただき、その感想をフィードバックしていきたいと思っています。プレイするうえで必要な情報は、開催までに順次紹介していければと思います。
東京ゲームショウ2019 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……9月12日~13日 各日10:00~17:00
一般公開日……9月14日~15日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)2,000円(税込)/前売1,500円(税込)
※小学生以下は無料
(C) ARC SYSTEM WORKS
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New GUILTY GEAR(仮)
- メーカー:アークシステムワークス
- 対応機種:PS4
- ジャンル:対戦格闘
- 発売日:2020年予定
- 価格:未定