『バーチャファイターeスポーツ』セガ公式大会のフォトレポート。初の“プロゲーマー”誕生の軌跡!
- 文
- 栗田親方
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PS4『Virtua Fighter esports』において、3月20日(日)に開催されたセガ公式esports大会「VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON_0【2nd】FINAL」の模様を、臨場感あふれる写真(撮影:イトラ)とともにレポートします。
本大会の結果まとめ
大会結果は下の表にあるとおり。「FREE部門」のファイナリスト2名が“プロゲーマー”に、「U22部門」「FREE部門」それぞれの優勝者が“スタープレイヤー”に認定されました。
「U22部門」結果一覧
結果 | 名前 | メインキャラ | 活動エリア |
---|---|---|---|
優勝 | やそかみ | レイ・フェイ | 東京都 新宿 |
準優勝 | 滅リュウJacky★ | ジャッキー | 愛知県 豊田市 |
「FREE部門」結果一覧
結果 | 名前 | メインキャラ | 活動エリア |
---|---|---|---|
優勝 | カメレオン | パイ | 中国地方 |
準優勝 | ちびたろう | ジェフリー | 東京都 新宿 |
ベスト4 | とんちゃん | ジャッキー | 東京都 渋谷 |
― | ちょっぱぁ~ | リオン | 三重県 四日市 |
ベスト8 | じゃんぬ | ジャッキー | 大阪府 大阪市 |
― | たね | アキラ | 大阪府 梅田 |
― | ハート様 | 鷹嵐 | 主にオンライン |
― | ポメタロウ | ジェフリー | 滋賀県 東近江市 |
ベスト16 | キリコ | ベネッサ | 北海道 札幌市 |
― | やそかみ | レイ・フェイ | 東京都 新宿 |
― | バルゴのジャン | ジャン | 東京都 池袋 |
― | 首無しライダー | レイ・フェイ | 東京都 品川区 |
― | でんせつえすぴ~ | ジャン | 東京都 池袋 |
― | うめっち | アイリーン | 大阪府 大阪市 |
― | とまりおん | リオン | 愛知県 岡崎市 |
― | ホームステイアキラ | アキラ | 東京23区内 |
なお、大会後に発表された『鉄拳7』コラボなどの新情報については、すでに公開されている下記の記事を参照してください。
公式大会のアーカイブ動画
大会翌日の「電撃バーチャ道 SPIN-OFF」にプロゲーマー2名が出演してくれました!
大会翌日、「電撃バーチャ道」に2人のプロゲーマーがボイスチャットで出演! 筆者とともに公式大会を振り返り、当日の心境などを語ってくれました。
ちびたろう選手が[0:06:40]頃、カメレオン選手が[2:06:40]頃から登場するので、お時間のあるときにぜひご視聴ください。
U22部門:決勝戦
「U22部門」では、ファイナリスト2名による、3試合先取の決勝戦のみが行われました。
やそかみ(レイ・フェイ)vs.滅リュウJacky★(ジャッキー)
U22部門は3試合先取のFINALのみが行われ、やそかみ選手が滅リュウJacky★選手を3-0ストレートで撃破。
優勝後のインタビューでは、「これからFREE部門で闘うので、U22ぐらいで負けてられないッス」と強気な発言を残していました。
大会前に滅リュウJacky★選手にお話を聞いたところ、「直前のランクマッチではフルセット&フルラウンドで負けた」と互角の試合が行われていたようですが、本番では側面からの攻めに対応しきれず無念の敗北。相手の弱点をうまく突いた、やそかみ選手の作戦勝ちというところでしょう。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒【電撃バーチャ道 RADIO】(やそかみ)
⇒【電撃バーチャ道 RADIO】(メツリュウ)
⇒「屈伸ジェネレーションVS」(メツリュウ)
⇒「屈伸ジェネレーションVSⅡ」(メツリュウ)
FREE部門:1回戦
1回戦の組み合わせはランダム抽選&当日発表。
右下のブロックにハート様選手やホームステイアキラ選手などの優勝候補が固まり、有識者には“デスブロック”と見られていました。
①じゃんぬ(ジャッキー)vs.とまりおん(リオン)
初戦は西日本で最強のジャッキー使い、じゃんぬ選手が2-0で快勝。元全国覇者のとまりおん選手をねじ伏せました。
とまりおん選手も『VFes』で復帰してから徐々に力を戻してきましたが、かつて一世を風靡した頃の実力にはまだ届かず……といったところでしょうか。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒「第1回 電撃杯」(じゃんぬ)
⇒「第2回 電撃杯」(じゃんぬ)
②とんちゃん(ジャッキー)vs.でんせつえすぴ~(ジャン)
組み合わせが決まった瞬間、得意な相手ということで露骨にうれしそうにしていたとんちゃん選手が、2-0でしっかり勝ち上がるという結果になりました。
都内でよく闘っている間柄だけに、日ごろの結果がそのまま表れたというマッチングでしたね。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒「とんかつ vs カシンの10先」(とんちゃん)
⇒「HSA vs ヨゴ vs とんかつの10先三つ巴」(とんちゃん)
③キリコ(ベネッサ)vs.たね(アキラ)
ディフェンシブ&オフェンシブの両スタイルを巧みに使い分け、ベネッサの強みを引き出すキリコ選手でしたが、たね選手の高い対応力の前に一歩届かず。
特に、思い切って踏み込んでからの躍歩頂肘がカウンターで刺さるシーンが多く、読みの鋭さを感じさせる力強いアキラでした。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒「屈伸ジェネレーションVS」(たね)
⇒「第1回企業対抗戦」(たね)
④やそかみ(レイ・フェイ)vs.カメレオン(パイ)
「U22部門」で優勝し、“スタープレイヤー”の称号を得て勢いに乗るやそかみ選手でしたが、「FREE部門」の洗礼を受ける形で0-2敗退。“VFおじ”の強さを味わうハメになりました。
とはいえ、このあと優勝するカメレオン選手に対し、2試合とも接戦に持ち込んでいたのはお見事。将来性を感じさせる若きスタープレイヤーの、今後の活躍に期待したいところですね。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒【電撃バーチャ道 RADIO】(やそかみ)
⇒「セガ公式大会FINAL」の感想交流会(カメレオン)
⑤うめっち(アイリーン)vs.ちょっぱぁ~(リオン)
どちらも「電撃バーチャ道」で開催された大規模大会で優勝している強豪でしたが、結果は接戦ながらも0-2でちょっぱぁ~選手の粘り勝ち。
土壇場からの大逆転勝利が多いうめっち選手が逆転の流れをつかみかけるも、最後はちょっぱぁ~選手が守り切った形となりました。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒「第2回 電撃杯」(うめっち、ちょっぱぁ~)
⇒「電撃チャンピオンシップFINAL」(ちょっぱぁ~)
⑥首無しライダー(レイ・フェイ)vs.ポメタロウ(ジェフリー)
長年『バーチャファイター』の世界で闘ってきた“ライバル”ともいえる両者の対決は、一進一退の末に1-2でポメタロウ選手が勝利。
通称“カステラ”と呼ばれる細長いステージが選ばれた3試合目の4ラウンド目、首無しライダー選手がビッグチャンスを逃すコンボミスをしたのが致命的でした。
判断が難しい状況ということもありましたが、やはり“大会には魔物がいる”といったところでしょうか。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒「プレ電撃杯」(首無しライダー、ポメタロウ)
⇒「第1回 電撃杯」(首無しライダー、ポメタロウ)
⇒「第2回 電撃杯」(首無しライダー、ポメタロウ)
⇒「第1回企業対抗戦」(ポメタロウ)
⑦ホームステイアキラ(アキラ)vs.ハート様(鷹嵐)
“レジェンド”なアキラ使いのホームステイアキラ選手と、“ラスボス”と呼ばれる前回覇者のハート様選手は、いずれも優勝候補に挙げられる超トッププレイヤー。
1回戦で最も注目されたこのマッチングは、ホームステイアキラがあと1本で勝利というところまでたどり着いたものの、最後はハート様選手が逆転勝利。セットカウント2-1で“連覇”の夢をつなぎました。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒「プレ電撃杯」(ホームステイアキラ、ハート様)
⇒「第2回 電撃杯」(ホームステイアキラ、ハート様)
⇒「セガ公式大会FINALの感想交流会」(ハート様)
⇒「しわぽん vs HSAの10先」(ホームステイアキラ)
⇒「HSA vs ヨゴ vs とんかつの10先三つ巴」(ホームステイアキラ)
⑧ちびたろう(ジェフリー)vs.バルゴのジャン(ジャン)
本大会の1週間前に行われた「闘神祭」で圧倒的な強さを見せつけて優勝したちびたろう選手が、その勢いのままバルゴのジャン選手を2-0で撃破。
いわゆる“人間性能”に優れ、相手の技を見てからガードする能力の高いちびたろう選手が、堅い守りから繰り出す大技を見事に当てていたシーンが印象的でした。
■「電撃バーチャ道」出演履歴
⇒「セガ公式大会FINAL」の感想交流会(ちびたろう)
FREE部門:2回戦
2回戦でも最大の注目は、“デスブロック”となる右下の試合でした。
“前大会”覇者のハート様選手と、”闘神祭”覇者のちびたろう選手という重量級同士の組み合わせ。
さらにポイントとなるのは、両者ともにメインキャラ以外にも一線級のサブキャラを持っているという点。
特にちびたろう選手は、汎用性の高いジェフリーをメインキャラとして登録したものの、気持ちとしてはパイがメインキャラということで、いわゆる“キャラかぶせ”の妙も気になる試合となりました。
①じゃんぬ(ジャッキー)vs.とんちゃん(ジャッキー)
東西ジャッキー対決は、東のとんちゃん選手が圧巻の2-0勝利。
じゃんぬ選手も類稀なる強さを持つ強豪ですが、トッププレイヤーいわく「それでも、とんちゃんのほうが1~2枚上手」とのことでした……“銀河系最強”恐るべし。
②たね(アキラ)vs.カメレオン(パイ)
西日本のプレイヤー同士のぶつかり合いは、キャラ的にも実績的にも有利と思われていたたね選手の猛攻をしのぎ切り、カメレオン選手が勝利。
「直線的な単発の技が多い」というアキラ唯一の弱点をうまく突き、避けからの側面攻めを活かすという試合巧者ぶりが発揮されました。
ここで苦手な相手を倒したことにより、カメレオン選手は徐々に“ゾーン”に入っていったのではないかと思われます。
③ちょっぱぁ~(リオン)vs.ポメタロウ(ジェフリー)
スピードのリオン、パワーのジェフリーという対照的なキャラ同士の対決は、フルセット&フルラウンドの末リオン側が辛勝!
ギリギリまでヒリつくようなせめぎ合いが繰り広げられましたが、最後は「ガード外し→中段→投げ→下段」という怒涛のラッシュが刺さり、ちょっぱぁ~選手が“あと一歩でプロゲーマー”というところまで勝ち上がりました。
④ハート様(鷹嵐)vs.ちびたろう(ジェフリー)
この試合ではついに、「負けた側の選手はキャラを変更できる」というルールが適用されました。
1-1で迎えた最終セット、若干のシンキングタイムの後、ちびたろう選手が動いたのです。彼が選んだのは、ハート様選手が操る鷹嵐が最も苦手とするパイ。その作戦は見事に功を奏し、前回覇者の連覇の夢は、ここで途絶えることになりました……。
ここでポイントとなったのは、1試合目で負けたハート様選手が、鷹嵐を続投したところでしょう。ジェフリーを倒したあとにパイが出てくることはハート様選手も予想していたはずなので、汎用性の高いアキラを使うという選択肢もあったと思われます。
しかし、この決勝大会という極限の状態で、最後に信じられるのは“魂のメインキャラ”鷹嵐ということだったのかもしれません。
FREE部門:準決勝
あと1勝でプロゲーマーになれるという、決勝戦よりも1勝の価値が大きく高まったといえる準決勝。ここで今大会最大の波乱が起きました。
準決勝からは3試合先取マッチ……いわゆる「3先」となるため、実力が高いプレイヤーがより勝ちやすくなります。
それを踏まえると、これまでの実績や最近の活躍ぶりから、決勝は「とんちゃんvs.ちびたろう」の可能性が高い……と有識者のほとんどが見ていましたが、“ゾーン”に入っていたカメレオン選手がその予想をくつがえしたのです。
①とんちゃん(ジャッキー)vs.カメレオン(パイ)
本大会の前日、カメレオン選手はとんちゃん選手と野試合を行ったそうですが、ジャッキーには4~5回に1回ぐらい勝てるものの、アキラには10試合以上やって1回も勝てなかったとのことです。
このデータを踏まえてこの試合を見ると、ジャッキーが1回負けるとアキラを選び、そのままアキラで勝利を目指したとんちゃん選手の選択は間違っていなかったといえるでしょう。
ただ1つ誤算だったのは、「どうせ勝てないから思い切ってやるだけ」と吹っ切れた状態で闘ったカメレオン選手が、明らかに前日の野試合のときよりも良い動きをしていたことでした。
その結果、「10試合以上やって1回も勝てない相手に2回勝つ」という、確率的には1%未満のUR(?)を引き当てたカメレオン選手が勝利。見事“プロゲーマー”への切符を手にしました。
②ちょっぱぁ~(リオン)vs.ちびたろう(ジェフリー)
直前の試合で“ジェフリー神”とも称されるポメタロウ選手を倒したちょっぱぁ~選手でしたが、のちに「絶対に勝てる自信があった」と語るちびたろう選手の堅守を崩せず1-3で敗北。
準決勝の第1試合で驚異的なジャイアントキリングが発生したばかりですが、やはり「3先」は実力の高いプレイヤーが安定して勝ちやすいルールということが見えた試合結果でした。
もちろん、ちょっぱぁ~選手の高い実力は疑うべくもありませんが、若干26歳にしてバーチャ歴20年の元“神童”のポテンシャルはそれを凌駕するものでした。
なんとか1試合は返したちょっぱぁ~選手でしたが、セットカウント3-1でちびたろう選手が勝利。大きな夢であった“プロゲーマー”への切符を力でもぎ取りました。
FREE部門:決勝
プロライセンスの獲得が決まった両者による闘いということで、準決勝に比べてなごやかなムードの決勝戦になりました。
カメレオン(パイ)vs.ちびたろう(ジェフリー)
「さっきの試合が決勝戦みたいな感じなので、楽しむ感じでいこうと思います」というカメレオン選手と、「純粋に楽しみだなあって感じです」というちびたろう選手。
試合前の固い握手が物語るとおり、お互いの『バーチャファイター』への愛をぶつけ合うような試合を見せてくれました。
試合結果としては、3-1でカメレオン選手が勝利。
トーキックスプラッシュマウンテンのミスなどで1試合目を落としたあとは、パイで闘い続けたちびたろう選手でしたが、“高速じゃんけん”と言われるスピーディな接戦を十分に楽しんだ末、カメレオン選手の鋭い“読み”に屈する形となりました。
解説陣から“フィジカルモンスター”と評された高い人間性能を誇るちびたろう選手が、“読み”で勝負するベテランの壁に阻まれるあたり、『バーチャファイター』という歴史あるゲームの懐の深さを感じさせられましたね……。
大会後にお話を聞いたところ、「プロライセンスがかかった試合だったら(パイに強い)ウルフを使ってました(笑)」と答えたちびたろう選手ですが、最後は大好きな『バーチャファイター』を楽しむために、“魂のメインキャラ”であるパイを選んだということでしょう。
最後まで楽しく殴り合った新たな“プロゲーマー”の両者に、心からの拍手を送りたいと思います!
フォトギャラリー(撮影:イトラ)
「FREE部門」の選手が入場したあと、組み合わせが発表されるシーンの写真を一挙掲載。名前が呼ばれるたびに一喜一憂する姿を、ニヤニヤしながらながめていただければ幸いです。
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