一言でいうと難解! 『マジック・ザ・ギャザリング』の最新版『神河:輝ける世界』で実際に戦ってみた感想は?

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 シルバースタージャパンに所属している、将棋プロ棋士の星野良生さんのコラム“将棋プロ棋士・星野良生五段のゲーム自戦記”がスタート。連載第4回をお届けします。

 今月は『マジック・ザ・ギャザリング アリーナ』の自戦記をお送りします。このゲームは世界最古のトレーディングカードゲームで、30年ほどの歴史があります。

 今回は“ドラフト”と呼ばれる『マジック・ザ・ギャザリング』独特のフォーマットのプレイレポートになります。以下は専門的なことになりますことをご容赦ください。

『神河:輝ける世界』環境分析

 この環境は一言でいうと難解です! 難解ということは楽しいということでもあり、やり込みがいもあるということです。これから色別に個人の感想をつけて整理してみます。

緑白

 最も好きで最もプレイしていると思います。エンチャントがテーマでピックもプレイもこの環境では比較的簡単です! 緑があるので多色化がしやすく、“更生の季節”が強く使えてキーカードとなります。巨大な空亀とのコンボでエンチャント無限回集ができます。

青黒

 環境最強の一角とされていますが、ピックもプレイも難解です。特に忍術のプレイが難しく、月罠の専門家は高難度を象徴するカードだと思います。私には手に負えないので、あまり狙わないようにしています。

緑黒

 あまりシナジーが少ない組み合わせですが、どちらの色も人気の色なので注意が必要でしょうか。アーティファクトとエンチャントが入れやすいので、“恐るべき秘密の神”が強く、使えることが多いです。基本的には質の良いクリーチャーと除去とカードアドバンテージで戦うことになるでしょう。

緑青

 人気がない組み合わせです。カウンターをテーマに“朧宮の守り”をアタッカーにして攻めます。個人的には好きですが、あまり強くない気がします。

青白

 機体が軸となりますが、キーパーツがアンコモンばかりでなかなか実現しません。そろえばなかなか強いアーキタイプだと思います。

 赤はほとんどやらないのでわかりません(笑)。ここからは実戦のピックと対戦を紹介します。

1-1

 カードパワーは“嵐風招来”ですが、クワッドシンボルを嫌いました。代わりのカードが大したカードではないので、取った方がいい気がします。

1-2

 白緑タッチ黒をイメージして闇呼びを選択。

 “せし郎師匠の伝承”と“致命的な不具合”で迷って“致命的な不具合”を選択。除去を優先しました。

1-6

 “神社の世話役”は黒緑では“ねじれた抱擁”を持ってこられる除去枠になりますが、まだ“ねじれた抱擁”が取れていないので、“母性樹の加護”を選択しました。

2-1

 “魂転移”が来ました。エンチャントとアーティファクトをコントロールしていなければいけませんが、“巨大な空亀”があれば6マナで無限クリーチャー破壊が完成します。

2-2

 ここは迷いましたが、“波止場の料理人”より“梅澤俊郎の生涯”をとる人が多いでしょうか。“波止場の料理人”も1枚は欲しいですが、タフネス1を除去できてクリーチャーになる英雄譚はそれ以上に強いです。

2-4

 “ねじれた抱擁”が回ってきて黒緑ベースになるのが決定的になったでしょうか。

3-3

 巨大な空亀ゲットだぜ!

 デッキはこちらで戦いました。“空に祝福されし侍”はタッチで入れるカードではなかったですね。44飛行は強いですが、このデッキはアーティファクトも入っているので、コスト軽減されても5マナぐらいでしょうから抜いたほうがよかったでしょう。

 それでは対戦の反省点を紹介します。

 ここは相手のターン終了時です。相手の3/2クリーチャーを除去した方がよかった気がします。“折り紙細工のおとり”の能力の2マナを使って1ドローされるのが嫌でしたが、次のターン2体で攻撃できます。

 前のターンに除去しなかったのでこのターンが難しくなってしまいました。ここは“精霊との融和”を使わずに攻撃した方がよかったでしょうか。相手はダブルブロックしてくるのが予想され、除去を使って“地下街のたかり屋”まで出したいからです。ただこのときはエンチャントでいいカードもってこれないかなーと思って使ってしまいました。

 使うと土地しかめくれずがっかりしてしまいましたが、ここは当初の予定通り、除去を使ったあと“地下街のたかりや”を出せるように“森”を持ってくるべきだったでしょう。

 2ターン後、“巨大な空亀”と“ねじれた抱擁”をドローしました。ここで“慈悲無き者”に“ねじれた抱擁”をつけてしまったのがミスです。“地下街のかたり屋”につけていれば“慈悲無き者”の攻撃誘発で2マナクリーチャーを復活させられました。これは凡ミスですね。このミスが響き削り切られてしまいました。このデッキでは4勝でした。

 もう少しプレイがうまければ1、2勝できたでしょうね。動画で振り返るとミスばっかりで、いやになりますが上達はしそうだなと思います!


将棋プロ棋士・星野良生五段:シルバースタージャパンに所属しているサラリーマン棋士。2014年4月に棋士デビュー。2021年10月、eスポーツタイトル『リアルタイムバトル将棋』でプロ資格を獲得。


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