『鋼の錬金術師 MOBILE』先行レビュー。原作をとことん堪能できる歯応え抜群のタクティカルRPG

原常樹
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 スクウェア・エニックスが、2022年夏配信予定の新作スマートフォン用アプリ『鋼の錬金術師 MOBILE』のクローズドβテスト先行レビューをお届け!

 全世界シリーズ累計8,000万部を突破するなど、ダークファンタジーの金字塔として愛され続けている『鋼の錬金術師』。その生誕20周年という記念すべきタイミングに、同コンテンツを題材としたスマートフォンゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』がスクウェア・エニックスより2022年夏にリリースすることが発表されました!

 今回は、3月31日~4月8日にかけて行われる『鋼の錬金術師 MOBILE』クローズドβテストを、実施に先駆けてプレイさせていただきました。その先行プレイレビューをお届けします。

※掲載画像は全て開発中のものとなります。画像、内容ともに実装時は異なる場合があります。

オープニングからクライマックス!

 『鋼の錬金術師』では原作・荒川弘先生がデザインした魅力的な登場人物たちが縦横無尽に駆け回るアクションシーンが醍醐味となっていましたが、『鋼の錬金術師 MOBILE』ではそんな彼らの魅力がタクティカルRPGという形に落とし込まれています。

 ゲームを起動するとプレイヤーを待っているのはいきなりの修羅場。エドワードやアルフォンス、イズミ、マスタング、さらにはホーエンハイムといった物語上の重要人物たちが、強大な力を駆る“敵”と戦う場面からスタート。

 こちらは“来たるべきクライマックス”の先取りであり、同時に操作のチュートリアルを兼ねた戦闘も体験できるというデザインというわけです。

 実際にバトルを体験して筆者が驚いたのは、3Dで再現されたキャラクターの滑らかな動き。各ユニットはマス目状に細分化された戦場を移動しつつ通常攻撃と2種類のスキル、そして奥義を使って敵とバトルを繰り広げることになりますが、このひとつひとつの所作がスピーディーかつクールなんですよ!

 エドワードの地面から錬成した武器を使って繰り出す鋭い一撃や、重厚感と躍動感が融合したアルフォンスの格闘など、それぞれの個性が一挙手一投足に反映されています。

 一方で「ターン制のタクティカルRPGというと覚えることも多そう……」と苦手意識を覚える方もいるかもしれませんが、次に為すべきことがカーソルでひとつずつ指示されるので迷う心配はありません。

 こちらは最初のバトルのみならずメインストーリーがしばらく進むまで、そして新機能が解放されるたびに説明が入るという安心設計。これならば、ゲームに不慣れな方でも心配ありません。

フルボイスのメインストーリーと物語に厚みを持たせるサイドストーリー

 最初の戦闘が終わったところでいよいよメインストーリー第1話が始まります。

 エドワードとアルフォンス──エルリック兄弟が賢者の石の調査のためにやってきたのはリオール。太陽神レトを崇拝するレト教が広く崇拝されている町です。エルリック兄弟が出会った少女・ロゼも信者のひとりで、奇跡の業を操るという教主コーネロに心酔していました。

 1年前に事故で亡くなった恋人をよみがえらせることができるというコーネロの言葉をすっかり信じ込んでいたロゼですが、一方でエルリック兄弟は奇跡の業が“錬金術”だとすぐに見抜きます。

 ここまであらすじを追えば原作ファンの方はピンと来るかと思いますが、メインストーリー第1ステージは原作冒頭のストーリーをそのまま丁寧になぞった構造となっています。ダイジェストになっている部分もありますが、キャラクターたちのコミカルかつ軽妙なやりとりもしっかりと入れ込まれているのも特徴です。

  • ▲教主コーネロや信者たちとはもちろんバトルに! チュートリアルの延長といった感じで難易度は控えめになっているので、ゆったりとアクションを堪能することができました。

 続くメインストーリー第2話は炭鉱の町・ユースウェルでの事件、そして第3話では「綴命」の国家錬金術師ショウ・タッカーやその娘・ニーナとの出会い、さらに第4話では傷の男との衝突──といったように先々の章でも原作と同じ流れでストーリーが描かれていきます。

 いずれの章も全4ステージ構成で、なおかつプレイのテンポ感を損なわないようスマートに整理されているように感じました。『鋼の錬金術師』の知識がまったくないというユーザーも物語に没入できるような工夫が見て取れます。

 さらに注目すべきはメインストーリーがフルボイスということ! こちらのボイスは新録の音声が使われているというのもファンの心をくすぐります。

 メインストーリーを補完するポジションにあるのがサイドストーリー。

 メインストーリーの展開にさらに厚みを持たせるように──一例を挙げるなら、エルリック兄弟が教主コーネロの悪事を白日にさらしたあとのリオールの様子やロゼの決意などが描かれていきます。

 東部過激派“青の団”を率いるバルドや、ユースウェルの炭鉱の経営権を奪われたヨキなど、意外な登場人物が活躍するというのも新鮮です。

バトルはターン制タクティカルRPG!

 序盤はサクサク進んでいた戦闘パートも、ストーリーが進むと歯ごたえが出てきます。

 本作はターン制バトルで、自分のターンにおいては各ユニットごとに1回ずつ移動とアクション(通常攻撃/スキル/奥義)をセットでおこなうことができます。

 通常攻撃は制限がありませんが、スキルはユニットごとに2種類用意されており、どちらも特殊な効果を持つ代わりにリキャストに時間がかかります。

 奥義は読んで字のごとく“奥の手”とも言うべき強力なアクションですが、使うためには奥義ポイントをためる必要があります。

 各アクションは攻撃の及ぶ範囲も異なり、中には一方的に広範囲を攻撃できるものも!(※攻撃によっては相手を倒せなかった場合、通常攻撃による反撃が発生します)

 さらにユニットの潜在能力IIIを解放することでほかのユニットとの“連携攻撃”も解放されます。さらにユニットには6種類の属性のいずれかひとつが割り振られており、属性の相性によってバトルが有利にも不利にも働きます。

 強敵と戦う場合は、相手の危険範囲(敵の射程)をチェックしつつ、前述の要素を吟味しながらクレバーに立ち回らなければならないわけです。操作自体は画面をタップするだけで直感的かつシンプルなんですが、非常に奥が深いんですよね。

  • ▲ユニットには固有の“特性”も備わっています。中には敵に有利な属性に変化するエンヴィーのような変わり種のユニットも。

 ユニットのレアリティは、R、SR、SSRの3種類に分類されていますが、現状ではたとえRであってもオンリーワンな性能のユニットが見受けられたのがおもしろいポイント。兵士を召喚して戦いに参加させる“ヨキ”や、遠方から広範囲を攻撃できる奥義を持つ“フュリー”など、戦略の幅が広がりそうなユニットが散見されました。

 やり込み派のプレイヤーであれば、ぜひともオリジナリティあふれる編成で高難易度のマップにチャレンジしてみるのもおもしろいかもしれません。

 また、味方の勢力を揃えることで能力にボーナスもつくシステムなので、愛着のある特定ユニットを活かせるような編成を考えるのもおもしろそう。推しのキャラクターがいるというユーザーはぜひともチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 今回のクローズドβテストでは40体程度のユニットがプレイアブルになっており、中には「そんなところまで!?」というコアなキャラクターも網羅されていたので、今後のさらなる拡張にも期待が持てます。

やり込みが捗るキャラクター育成要素

 ユニットの育成要素については、経験値獲得によって上昇する“レベル”のほかに、レベルの最大値を増やす“才能限界突破”、ステータスや特性の効果をアップさせる“覚醒ランク”、ツリー形式でユニットの能力を引き出す“潜在能力”などが用意されています。

 また、各ユニットには3つまで装備できる“記憶印影”を使うことで能力の底上げを図ることも可能です。

  • ▲“覚醒ランク”は最大6段階。次のランクにあげるためには同じユニットが必要になります。ただしランクによっては、必ずしも同じユニットではなく、レアリティとランクが共通するユニットで事足りる場合も。
  • ▲各ユニットに3つ装備できる“記憶印影”には、能力アップや特殊効果を持つ“信念”を装備することができます。記憶印影はそれぞれ作品を象徴するようなデザインになっているので、性能とは関係なく集めたくなってしまいます。

 キャラクターをしっかり育成するためには、かなりの数のアイテムが必要に。そんなユーザーのニーズに応えるように、時間経過に応じてアイテムを調達できる“大陸遊歴”や、特定の種類のアイテムを集中的に獲得できる“クエスト”など、アイテム収集に特化した探索系コンテンツも用意されています。

 とくに“大陸遊歴”は兄弟ふたりでのどかに旅をするという、落ち着いたデザインになっていて画面を眺めているだけでもほっこりするものがあります。

 これだけ要素が充実しているとなるとプレイ時間も気になるところですが、本作では指揮をAIに任せる“オート機能”も搭載されているので、戦力的に余裕のあるマップであればサクサクとクリアーできます。これはうれしい!

 筆者も記事にまとめていて「要素が多い!」と舌を巻いていますが、やり込み要素を充実させつつも、原作の魅力的な世界観を広げて遊びがいのあるタクティカルRPGに昇華させているという印象でした。

 そんな『鋼の錬金術師 MOBILE』は2022年夏配信予定。原作ファンの方はもちろん、『鋼の錬金術師』を知らないという方もこちらを“コンテンツの入り口”として、ぜひその深い世界観に触れてみてください。

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