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『クロノ・クロスRD』レビュー! 便利機能のおかげで何周も遊びたくなる

カワチ
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 4月7日に発売されるPS4/Switch/Xbox One/PC向けに用ソフト『クロノ・クロス:ラジカル・ドリーマーズエディション』のレビューをお届けします。※PC(Steam)版のみ、4月8日発売

パラレルワールドが題材の考察しがいのあるストーリーが魅力のRPG

 1999年にPS用ソフトとして発売されたRPG『クロノ・クロス』。本作はそのリマスター作品となります。名作『クロノ・トリガー』の関連作でありますが、単純な続編というわけでも無いので知らなくても楽しめる作品になっています。

 ただ、本作は考察しがいのある奥深いシナリオが魅力なので、知っていたほうが楽しめるのは確実。複雑なストーリーなので最初は「本当に『トリガー』と関係あるの?」と思うかもしれませんが、繋がりが分かってくるとおもしろいです。今の時代であればさまざまな考察サイトもあるので調べてみるとおもしろいかもしれません。

 まずは本作の基本的な部分から解説しましょう。主人公はエルニド諸島にあるアルニ村で生まれ育ったセルジュ。彼は自身が出身世界である“ホーム”とよく似た異世界“アナザー”に迷い込みますが、このアナザーでは10年前に海で溺死してしまい、故人になっていました。

 その後、彼はふたつの世界を行き来しながら冒険。なぜふたつのパラレルワールドが存在するのか判明していくという内容になっています。ストーリーに関してはネタバレになってしまうため、ここまで。今、なお語られ続けるほどに人気のストーリーなのでぜひ注目してみてください。

 なお、展開的には複数のものから一方しか選べないものが多いのが特徴。プレイしているうちに自分だけのストーリーになっていく感覚があります。また、「次のプレイではこっちの仲間を入れてみようかな」といったことを考えることもできるため、周回プレイも楽しい作品になっています。

 仲間になるキャラクターは40人以上存在しており、おばちゃんやカブ人間、キノコなど、ほかのRPGだったら仲間にならないような個性的なものが多いです。


 キャラクターによってはぜんぜん戦力にならない弱いパラメーターだったりしますが、そこも個性になっていておもしろいポイントなのかなと個人的には思っています。

 また、詳しくは後述しますがリマスターには、ほぼ無敵になる機能もあるので、能力に関係なく自分の好きなキャラクターを使用できるのがうれしいところ。

 バトルは“クロス・シーケンス・バトル”というシステム。スタミナが残っていれば好きなタイミングで行動できるというもの。魔法やアイテムにあたる“エレメント”があり“パワーレベル”を消費することで使用できます。

 このエレメントは各キャラクターの“エレメントグリッド”にあらかじめセットすることで使用できますが、誰でも装備できる“共有エレメント”とキャラクター専用の“固有エレメント”が存在。本作ではどのエレメントを組み合わせるかが重要になってきます。

 もうひとつの特徴は“レベルスター”。本作ではザコ戦を繰り返すことで能力が上昇しますが、ボスを倒すと入手できるレベルスターによって仲間全体のレベルが上昇するという仕組み。なお、レベルスター入手後の上昇上限値にステータスが達すると、それ以降は次のレベルスターを入手するまでステータスは上昇しないという仕組みになっています。

 そのため、ほかのRPGと違ってレベル上げで無理やり攻略するというのが難しく、エレメントの組み合わせを考えたりして攻略していくのが楽しいです。

 エレメントは基本的にすべて6色の属性に分かれており、有利不利があるため、この属性を意識するのが重要になります。

 とはいえ、上昇上限値までは地道にステータスを上げることができますし、RPGとしての面白さもしっかり詰まっています。

 グラフィックや楽曲がリファインされている今回のリマスター版ですが、エンカウントのオフや、敵からの攻撃が当たらなくなるバトル強化、通常攻撃を自動で行ってくるなど、便利機能が満載。さらにオリジナル版ではゲームクリア後に使用できた“早送り”や“スロー再生”も最初から使うことができます。

 同じような機能がある『FINAL FANTASY VIII Remastered』などをプレイしているユーザーなら、この便利さが想像できるはず!

 しかも、前述したように本作はどちらか一方しか選べない展開が多いので周回プレイがしたくなる作品。便利機能でサクサクと進めるのはとてもありがたいです!

 なお、さらりと書きましたが、楽曲のリファインもすごくいい! もともとの楽曲も光田康典さんならではの民族楽器を使った独創的な曲でしたが、音質が向上しており聴き応えがあります。ちなみに本作の楽曲には『クロノ・トリガー』のアレンジもあり、『トリガー』ファンも必聴です。

 グラフィックのほうもHD化されており、細部までくっきり描かれています。当時を反映したレトロなモードでも遊ぶことができますが、うれしいのはSDフォント(疑似フォント)が用意されている点。リマスター作品はイラストやグラフィックを切り替えてもフォントはHDのままだったりすることも多いですが、本作はしっかりと当時の雰囲気を味わうことができます。

 また、リマスター版の特徴がサテラビューで配信された『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』が収録されているということ。

 本作は『クロノ・クロス』の原型となった作品でノベル形式のゲームですが、これまで移植されなかったのでなかなかプレイできない作品でした。

 ノベルゲームですが、制限時間付きの選択肢があったり、主人公のHPが無くなるとゲームオーバーになったりとやりこみ要素のある内容になっています。ぜひこちらもチェックしてみて欲しいですね。

 『クロノ・クロス』本編も便利機能で遊びやすくなってますし、『ラジカル・ドリーマーズ』も収録されているので、オリジナル版をプレイした人も、触ったことがないという人もぜひ遊んでみて欲しいですね。


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。



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