大塚明夫さんが出演! 時代劇風のアクションゲーム『Trek to Yomi』はストーリーもバトルも申し分なし【電撃インディー#210】
- 文
- セスタス原川
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はFlying Wild Hogが開発、Devolver Digitalが発売する『Trek to Yomi』を紹介します。
本作は、モノトーンの時代劇のようなグラフィックで描かれる和風アクションゲームです。
白黒のデザインというだけで特徴的ですが、他にも写真の世界を歩き回るような独特なエリア移動や、手に汗握る戦闘など、新鮮さや面白さを感じられるポイントが多数ある作品でした。
また、師の遺志を継いで戦う主人公“大輝(ひろき)”の物語も続きが気になる波乱万丈の展開で、プレイしていて引き込まれる内容です。
なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
人々を守るために戦う武士の物語
物語は、主人公の大輝の幼少期から始まります。大輝は剣術の師範である三十郎の元で修行をする身でした。
そんなある日、突然修行を中断して飛び出していく三十郎。待機を命じられた大輝でしたが、張り詰めた三十郎の形相を見て、只事ではないとその後を追います。
村に出ると、そこには賊によって荒らされた変わり果てた家や人々の姿が。
仕込まれた剣技で賊を打ち倒し、敵将の元に辿り着いた大輝。三十郎の助力もあり、賊を退けることに成功しますが、戦いの中で三十郎は致命傷を負ってしまいます。
最期を迎える三十郎から「人々を守れ」と遺言を授かった大輝。ここから、大輝の武士として人々のために戦う物語が始まります。
プレイ中に目を引かれるのは、モノトーンでありながらかなりリアルに描かれた人々の姿です。歴史の教科書で見たような“昔の人々”という雰囲気が感じられます。
それだけでなく、賊に襲われて泣き叫ぶ女性の声や、彼らの生々しい会話など、作り込まれたボイスも相まってゲームへの没入感を高めてくれます。
印象的だったのは、各キャラクターのセリフ回しです。大輝の“多くは語らない男”な雰囲気はまさに武士という感じですし、敵に登場する親玉は大塚明夫さん演じるずっしりとした悪役ぶりで痺れました。
ゲーム中は、左右移動のみの戦闘シーンと、奥や手前にも移動できる探索シーンにわかれています。
エリアは細かく分類されており、風景を切り取った写真の中を自由に歩き回っている感覚です。中にはぱっと見ではわからないような隠し道があったり、オブジェクトを動かして道を作る場所があったり、探索し甲斐のある作りになっています。
カメラアングルもエリアによって変わるので、プレイ中には常に新鮮な気分で探索ができました。
手に汗握る刀同士の戦い
刀同士による敵とのバトルは、一瞬の油断が命取りになる焦燥感を楽しめるシステムです。
ライフは6しかなく、敵の斬撃を受けるたびに1つずつ減少していきます。しかも、敵は問答無用で連撃をしかけてくるので、気を抜くとすぐに倒されてしまいます。
こちらも攻撃さえ当てれば簡単に敵を倒せるのですが、敵もガードを駆使したり、間合いを取って様子見をしたりと、知能が高い動きをしてくるのがとてもいやらしいです。
うまく攻略するには、通常の攻撃だけでなくリーチや攻撃速度が早い入力キー追加による特殊攻撃、カウンターなど、さまざまなアクションを駆使する必要があります。
他にも、敵が左右から同時に襲い掛かってきたり、増援が続々ときたりと、ハードな場面も盛りだくさん。途中で心が折れそうになる場面もありましたが、なんとか気合いと慣れで突破しました。
セーブポイントである祠に辿り着けば体力を全回復できますが、それまでに倒されてしまうとその前の祠からの再スタート。後半になると祠と祠の間に出てくる敵が増えて難易度が増していきます。
最初は一番簡単なモードでプレイをしましたが、それでもそれなりの回数はゲームオーバーになりました。バトル面はかなりシビアに作られている印象で、いわゆる“死にゲー”に近い歯ごたえのある戦いが楽しめました。
今回はデモ版ということで2章までのプレイでしたが、それだけでも十分な満足感。むしろ、途中までしかできなかったこともあり、早く続きがプレイしたいと感じるほどでした。
2章までのストーリーは、大人になった大輝が隣村まで人々を助けに行きますが、その隙に自分の村を敵に攻め込まれてしまい、急いで村に戻るというシーンで終了。この先、一体どんな困難が大輝を待ち受けているのか、続きが気になる展開です。
バトル面は、最初は刀を振り回すだけの単調な戦いをしていましたが、それだけでは勝てないことに気が付き、途中からは「ここで攻撃を避けて反撃!」など、試行錯誤しながら戦う面白さを感じられました。シンプルなようで奥深く、遊び甲斐もあるシステムには感服です。
ストーリ良し。バトル良し。さらにエリアやキャラクターも良し。かなり満足度の高い作品になっていますので、和風アクション好きの方は、ぜひプレイしてみてくださいね。
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