『SAOAL』メディナ役の岡咲美保さんにインタビュー。二見P「岡咲さんの演技を見てシナリオを変えました」

げっしー
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 PS4/Xbox One/PC(Steam)用ソフト『SWORD ART ONLINE Alicization Lycoris(ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス)(SAOAL)』で、オリジナルヒロインであるメディナ・オルティナノスを演じる岡咲美保さんのインタビューをお届けします。

 『SAOAL』は、小説やTVアニメで展開する『ソードアート・オンライン』のゲーム最新作です。小説では第9巻から18巻、TVアニメでは『ソードアート・オンライン アリシゼーション』の舞台となった《アンダーワールド》を舞台にした冒険が楽しめます。

 インタビューでは、新キャラ・メディナを演じる声優・岡咲美保さんに加えて、『SAO』ゲーム総合プロデューサー・二見鷹介さんもコメントをしていたりするので、そちらにもご注目ください。(※インタビュー中は敬称略)

  • ▲岡咲美保さん。
  • ▲岡咲さんが演じるメディナ・オルティナノス。

「ムカつく」の連発が印象的なTGSで公開された映像を振り返る

――TSG2019では、新たに映像が公開されました。こちらをご覧になった感想をお聞かせください。

二見:さっそく岡咲さんよりも先にコメントしちゃいますが、内容が暗くてすいません!

岡咲:いえいえ、二見さんは暗いとおっしゃいますけど、内容はもちろん、音楽もとてもかっこいいです。

二見:音楽はクラシックを使用したんですけど、どれにするかずっと探していました……。多くの方が気になっているかと思いますが、絵コンテシーンは演出で、わざとあの状態にしています。

岡咲:実際に演じていて、ストーリーも知ってはいるのですが、PVを見ると改めてプレイしたいという気持ちになります。

 PVにはメディナのセリフもたくさん散りばめられていましたが、彼女を演じたからこそ1つ1つの言葉の重みを感じられて、皆さんにもゲームをプレイした後に「こういうことだったのかな?」という風に見ていただけるのが楽しみになりました。

――このPVだと、メディナが「ムカつく」を繰り返し言うところが印象に残っていますが、「ムカつく」についてはどうでしたか?

岡咲:めっちゃ言ってましたね(笑)。相当ムカついたんだと思います。それだけ1つの物事に対する信念が強い子だというのが、PVをご覧になった皆さんにも伝わったんじゃないかなと。なかなか10回以上続けて「ムカつく」なんて言うことはないと思うので(笑)。

『SAO』は憧れの作品。好きなキャラはもちろん……?

――『SAO』という作品についてどう思っているかをお聞かせください。

岡咲:私が声優を目指し始めたのが中学2年生くらいからで、ちょうどそのころから図書館に電撃文庫の『ソードアート・オンライン』が置いてありました。その時、私はまだアニメの世界は詳しくなかったですが、友だちが一番読んでいた作品だと思います。

 一生憧れのままの作品、自分が眺めているような作品なのかと思っていましたが、まさか自分が声優として活動する中でオリジナルヒロインとして、大役を任せていただけるとは思っていなかったので、聞いた時は「私でいいんですか!?」っていう気持ちもありましたが、本当に嬉しかったです。

――『SAO』の中で好きなキャラクターはいますか?

岡咲:メディナとしてはキリトって言いたい(笑)。言わなきゃいけないだろうっていうくらい、キリトはメディナによくしてくれていると思います。

 『SAO』では、どのキャラクターも強い意志を持って戦っている姿が尊敬できて、それぞれの魅力があると思いますが、中でも一番キリトが人間らしさを感じられて好きですね。メディナとしても、キリトだからこそあらわにできた感情、キリトに出会えたからこうなったっていう部分がたくさんあったので。

 キリトを演じている松岡禎丞さんが事務所の先輩でもありますし、松岡さんの演技が大好きなのも加えまして、キリトにしたいと思います。

岡咲さんの演技を見てシナリオが変更!?

――メディナを演じるにあたって大変だった点や注意した部分はありますか?

岡咲:メディナは最初は相手との距離を測るために、自分を偽って接してきます。貴族ですから言葉遣いも、上からきつめですし。

 身分が高く、そして複雑な感情を背負っているために最初から相手にマイナスイメージを与えるキャラクターを演じるのは初めてだったので、とても難しかったです。

 後半になるにつれて、叫ぶシーンや絶望するシーンがあるのですが、ストレートな絶叫だったり、ただひたすら自分の気持ちに向き合って、ぼろっと出る言葉だったりするんですよ。これは相当キャラクターの“中”に入っていないと出てこないような熱量のあるセリフだったので、収録自体も1回5時間くらい掛かるものもありました。

――5時間ですか! それはかなり長いですね。

 はい。多く時間を取っていただきました。その中でだんだんメディナというキャラクターを自分の中でかみ砕いて、演技できるようになった経験は、私の中で自信につながることだと思います。今後色々なキャラクターに出会っても、きちんと演じられるなと思えるようになりました。

――そう聞くと、メディナの演技に興味がわいてきますね。現時点だとユーザーは、メディナの気の強い部分ばかりに目が行っていると思いますが、岡咲さんから見た普段のメディナはどういった印象ですか?

岡咲:そうですよね……。勘違いしないでいただきたいですが、メディナは本当はかわいい子なんです!(笑)

 私自身びっくりしたことがあって、メディナはすごく猫が大好きで、猫の前だと全然キャラクターが違うんですよ。私も猫を実家で4匹飼っているので気持ちはわかりますが、(メディナは)猫の前だと怖いくらいデレるんですよ。「こんなにデレちゃっていいの?」っていうギャップが、普段強気でクールな姿を見せているからこそ、皆さんに刺さるものがあると思います。

 そして、話が進んでいくにつれてキリトたちへの信頼度が増していき、自分の弱さを素直に出していくようになります。そういうところで初めてメディナという10代の少女らしさみたいなものをのぞかせてくるので、愛を持って見ていただけると嬉しいです。

――では、二見さんから見て、岡咲さんの演じたメディナはどうでしたか?

二見:収録に立ち会わせていただきましたが、イメージしている、メディナの芯の強さをいい形で演じていただいて、岡咲さんが演じているシーンを見てシナリオを若干変えました。

 単にテキストで読んでいた時にはそう思わなかったのですが、岡咲さんがメディナとして感情を乗せて話しているのを聞いて、「キリトたちならこういうことを思うんじゃないかな?」と感じた部分があって、話を若干追加しています。

――岡咲さんの演技はイメージ通りというよりはイメージ以上だったと?

二見:イメージ以上でしたよ! メディナというキャラクターに息が吹き込まれたなっていうのは、収録を見ていて思いました。

岡咲:ありがとうございます! キャラクターは魅力的ですし憧れの作品でもありますし、収録に臨む前はとても緊張していたんですよ。ですから、そういう風に言っていただけると本当に嬉しいです。

赤が印象的なメディナのポイントは?

――メディナのシナリオの見どころや印象に残ったセリフはありますか?

岡咲:オルティナノス家を一身に背負って戦い抜くっていう危なさもありますが、1つのことにまっすぐになれるっていうのは彼女の強みだし、かっこいいと思いました。

 かわいいだけじゃないヒロイン像を皆さん好きになってもらえたら嬉しいなと思いながら演じさせていただきました。1つ1つのシーンにメディナの本当の気持ちを乗せられたらいいなとマイク前で格闘していたので、それが少しでも皆さんに伝わればと思います。

――メディナの外見については好きなポイントはありますか?

岡咲:リコリスの花の赤という印象があったのですが、赤は一番パワーがある色だと思っていて、それがメディナにも合ってますね。

 個人的に外ハネの女の子が好きで、ちょっとつんけんしているというか、一筋縄ではいかないというのが顔のデザインにも表れていると思います。キャラクターデザインを見て、こういうキャラクターなのかな? と想像するのが楽しかったですね。

――メディナに限った話ではないのですが、岡咲さん自身が役作りや演技をする上で心がけているポイントはありますか?

岡咲:私は、家で予習して役のイメージを作り込んでいくタイプではありますが、収録現場の空気感も大事だなと思っています。

 今回はゲームだったので1人での収録でしたが、1人でやるにしても予習の時とマイク前では気持ちの乗せ方や空気感、緊張の度合いが変わってくるので、そういうものも否定せず、その瞬間だからこそできる演技を大切にしてみようと思っています。

 キャラクターに対する愛や向き合う気持ちは大事だなと思いますが、他のキャラクターと混じり合い、どういう化学変化があって、どういう一面を見せられるかというのが演技のおもしろいところだと思っています。

 そういうところは自分の中でも一番気を付けていますし、楽しみながら演じている部分でもありますね。

松岡さんも絶賛の名演技!

――8月の“SAOゲーム攻略会議2019”の中で、岡咲さんがアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』の現場にもいらっしゃっていたと松岡さんたちが話していましたけれど、その時に役作りで参考になった点はありましたか?

岡咲:松岡さんとは、『松岡ハンバーグ』というラジオ番組でご一緒させていただいているのですが、その松岡さんの演技をじっくり見られたことがすごく嬉しかったです。

 松岡さんって、マイクの前に立った時にまるでキャラクターが乗り移ったかのようなスイッチの切り替わり方を見せてくれるんですよ。そこがかっこいい声優さんだと思っています。

 スイッチが入った時の松岡さんは、1つ1つのしぐさにもキリトらしさがあふれていて、「こういう演技ができる先輩ってかっこいい、でもどうやってこういう表現をされているんだろう?」と、自分にはまだ勉強が足りていないと思わされるばかりです。いつか松岡さんと同じ目線でお芝居をぶつけ合えるようになりたいというのが目標です。

――メディナを演じると決まった後に、松岡さんとお話はされましたか?

岡咲:実は言いたくて仕方なかったのですが、私から言っていいものなのかなと尻込みしてしまいました……。情報としてどこまで松岡さんの耳に届いているのかわからなかったので、ちょっと黙っておこうと思っていたんです。

 そしたら、3月のとあるイベントの本番前ですよ! その舞台裏でいきなり「メディナ、みぽりんなんだって? びっくりだよ!」と言われて「そうなんですよ! 私もまさか『SAO』でこんなにかかわらせていただけると思わなかったので……」と言ったら、「収録は別々だけど、どんなメディナがくるか想像してキリトを演じている」と言っていただけて、お互い楽しみという話をしました。

――松岡さんが先輩としてどのように後輩と接しているのかわかるエピソードですね。

 先輩という意味でいうと、松岡さんは“後ろ姿で示して見せる先輩”だと思っています。もちろん「頑張ってね」というストレートな言葉も言ってくださることもあるのですが、言葉以外の部分でも、さまざまなことを伝えてくれるタイプですね。それに、私がどういう演技をしたのか、結果を見てくださる先輩だとも思っているので、メディナの演技を見てどう思われるのか、楽しみでもあり、ドキドキしている状態です。

――プレッシャーは感じましたか?

岡咲:そうですね、後輩としてはメチャクチャ感じました(笑)。どういう風に松岡さんが受け取られるか気になりますが、“SAOゲーム攻略会議2019”の時に、私の演技を始めて聞いたということで「これはすごく楽しみだな。今まで想像でメディナっていうキャラクターを作ってたけど、想像以上に力強いパワーを感じたからゲームプレイするのが楽しみだよ」と言っていただけたので、一安心しました。

二見:その後がTGS2019のPVだったのですが……「ムカつく」っていっぱい言わせてごめんなさい。

岡咲:(笑)大丈夫ですよ、逆になんかスッキリしました。演技でもあそこまで「ムカつく」って言うことはないので。

二見:そう言ってもらえると助かります。「ムカつく」って、ただ言わせたいから言わせているわけではなく、メディナの口グセというか、キャラクター性が表れている部分でもあるんですよ。他にもいい意味というか、かわいいと思ってもらえるような「ムカつく」もあります。その演技にも注目してほしいです。

――松岡さんや二見さんがこのように言ってくれたメディナの演技を、ファンも楽しみに待っていると思います。それでは最後に、『SAO』ファンにメッセージをお願いします。

岡咲:PVを見ていただいてわかると思うんですけど、すごく仕掛けが多い、奥の深い作品になっていると思っています。

 メディナというキャラクターもちょっとつんけんしていたり、言葉にトゲがある子なので、皆さんが最初にプレイする時にどういう気持ちでメディナと向き合ってくださるのかが予想できないっていう意味で楽しみです。

 演じるうえで1つのテーマとして抱いているのが、負の感情が大きいからこそ、メディナの中にある1つの信念が輝くというものですね。

 そういう風にメディナを見せていけたら、作品自体も皆さんの心に残るものになるのではないかと思いながら演じさせていただきました。ぜひ最後までメディナとシナリオから目を離さずに、どういう結末を迎えるのか楽しんでいただけたらと思います。

(C)2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス

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