ドット絵と3Dが融合した『アノー:ミューテーショネム』。サイバーパンク&美少女が秀逸【海外ゲーム名作案内】
- 文
- 柏又
- 公開日時
海外ゲーム大好きな担当ライターが実際にプレイして気に入ったタイトルを紹介する“海外ゲーム名作案内”コーナー。今回は、Shenzhen Leiting Information Technology Co., Ltdより好評発売中のPS5/PS4/Windowsソフト『アノー:ミューテーショネム』をとり上げます。
本作は、サイバーパンク世界が舞台のアクションアドベンチャー。プレイヤーは、スコープシティでやっかいな仕事を請け負う女性アンとなり、行方不明となった弟の行方を捜します。グラフィックはドット絵調ですが、描き込みや動きはキャラクターの息遣いが感じられるほどかなり作り込まれていています。
それでは、魅力的なキャラクターをピリ辛なアクションが楽しい本作の魅力をPS5版をもとに紹介していきます。
ドット絵と3Dが融合したグラフィック。探索しがいのあるマップ構成が◎
まず、本作で目を引くのがドット絵をベースとしたグラフィックでしょう。街などの構造物は3Dですが、表面のテクスチャはキャラクターはドット絵で表現されていて、しかもリアルタイムでアニメーションしています。
特にキャラクターのドット絵は作り込みがすさまじく、主人公はもちろん街にいるモブキャラも個性的な人物がそろっていて興味深いです。
また、本作は基本的に横視点ですが街などの探索可能なエリアは奥行きのあるフィールドで構成されていて、左右だけではなく手前と奥へ移動できるところもポイント。
NPCの会話を立ち聞きしたり、こみ箱のなかから売るとわずかなお金になるアイテムが拾えるなど探索する見返りがあるのも無逃せないですね。
なお、本作のマップは複数のフィールドで構成されていて、移動にはサイバーパンクものではおなじみの空飛ぶ車で移動します。
本作はPS5版でも若干ロード時間があるのですが、車での移動時やエレベーターを上り下りするなど、移動の種類によって異なるロード画面のパターンが用意されているところもゲームプレイの流れを損なわないうまい配慮がなされていると感じました。
魅力的なキャラクターの織りなすストーリーにも注目。掛け合いが本当に楽しい!
グラフィックとは別に、キャラクターの魅力も本作のおもしろさをになっていると筆者は思います。本作は、ボイスまで日本語ローカライズされているので、よりキャラクターの魅力を身近に感じるのではないでしょうか。
特に注目したいのが、主人公のアンとパートナー役のアヤネのコンビでしょう。クールだけど仲間や家族思いなところのあるアンと、そんなアンが大好きでやたらと積極的なアヤネのやりとりは、見ていて思わずニヤニヤしてしまういわゆる“尊さ”が非常にありますね。
また、ユーザーの間では賛否あるようですが、幕間に挿入される断片的なシーンをまとめて物語の背後にある謎が徐々に明らかになる展開も筆者としては気に入っています。
幕間以外にも、特定のオブジェクトを調べるとそれにまつわる思い出が映像化されるなど、情報を断片的に見せてプレイヤーに印象付ける演出は開発側が狙ってやっている感じがあると思います。
ちょいムズだけどトライ&エラーでクリア可能。難しすぎないゲームバランスが好印象
敵との戦闘があるフィールドでは、マップが奥行きのない完全な横視点となります。主人公の攻撃は軽と重の近接攻撃と銃による遠隔攻撃の3種類、敵の攻撃は防御とローリングで対処します。敵の攻撃をタイミングよく防御すると攻撃をはじき返す“反撃”が可能です。
ゲームバランスとしては、ザコ敵が相手でも防御やローリングをしっかり使ってダメージを極力避けるプレイを求められるちょいムズな印象を筆者は受けました。防御でもけっこうなダメージを受けるのでローリングを中心に立ち回る感じですね。
さらに、ちょっと強めの敵には体力とは別にバリアゲージが設定されていて、攻撃をたたみかけてゲージをゼロにすると“破甲状態”となりその場にダウンします。
破甲状態の敵は一方的に攻撃できる他、R1ボタンで連続攻撃“強力瞬殺”を放つチャンス。強敵との戦いは本作でも厳しいですが、破甲状態から一気に大ダメージを与えられるあたりはメリハリがきっちり効いていると感じました。
ポイントによっては倒されると若干長めに戻されてから再戦となりますが、筆者の場合、だいたい2回リトライすれば全部のバトルはクリアできたのでそこまで難しいバランスではないと感じました。ただし、Windows版でプレイされる方はゲームパッドはあったほうがいいと思います。
雰囲気やキャラクターが気に入ったら買って損なし! 今後のアップデートにも期待
ここまで紹介してきた『アノー:ミューテーショネム』。ドット絵というとクラシックな印象をゲームに与えるタイトルもありますが、本作は現代でなければなしえない技術と作り込みで古さを感じさせない、新鮮な印象を受けました。
開発は中国ということで日本語訳のテキストに若干あちらの漢字が見受けられるものの、キャラクターの魅力は日本のアニメやゲームに近いテイストで普段海外のゲームを遊ばない人でも違和感なく本作の世界に入り込めるでしょう。ゲームとしても筆者には難しすぎず、かつ手ごたえのあるバランスで最後まで気持ちよく遊べました。
本作をプレイしたユーザーの間ではラストの展開に賛否があるようですが、こちらもなんらかの改善や追加が行われるようなので今後についても期待できます。
画面写真やトレイラーを見て響くものがある人ならオススメできますし、アクションゲームを遊んでみたいけど難しすぎるものはちょっと……という人でも間口が広い出来になっていると思います。
ちなみに製品版は2バージョンありますが、コレクション版だとアンのコスチュームが2つ追加されるので個人的にはこちらがオススメだったりします。
シャープでハードな感じとはちょっと異なった独特な雰囲気のあるサイバーパンク世界をぜひ楽しんでほしいです!
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