空を飛ぶって、むずかしー。でも、楽しい。新感覚3Dアクション『ストーンフライ』レビュー【電撃インディー#213】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、独自の操作感がクセになるアクション『Stonefly(ストーンフライ)』のレビューお届けします。なお、プレイはPS4版で行っています。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

独自の操作感が心地いい3Dアドベンチャー

 本作は、3Dの俯瞰視点で展開するアクションアドベンチャーゲームです。多脚のタコのような姿をした乗り物、“リグ”を操作して、巨大な植物の枝や葉が主な大地となる不思議な世界を、ストーリーに沿って旅していくことになります。

 植物が生い茂る自然の世界に、昆虫型のロボットが歩き回る世界は、かなり独特なセンスが光ります。

 加えて、その世界を彩るチョークアートのようなグラフィックと、ゆったりした癒し効果のあるサウンドも独創的。これらが上手く融合して、深みのある世界を生み出しているのです。

 また、その世界を旅する乗り物である“リグ”は、基本的にはジャンプと滑空のみを駆使して移動しなければならず、既存のアクションゲームにない操作感を楽しめます。

 さらにその“リグ”は、性能のパワーアップはもちろん、見た目も自由にカスタマイズできるのも、大きな魅力といえるでしょう。

 実際プレイしてみて、自分的には、その“リグ”の操作や強化が最大のポイントだと感じました。今回は、その辺を中心に紹介していきたいと思います。

思うようにいかないけど楽しい“リグ”の操作

 ゲームの大きなポイントとなるところが、世界を旅するために乗り込む、“リグ”と呼ばれる乗り物。主人公はこの“リグ”に乗り込み、ジャンプと滑空を行いながら、広大なフィールドを移動していくことになります。

 移動の基本はジャンプからの滑空です。ジャンプの頂点より上には行けないので、フィールドを歩いて高所に登ったり、上に向かう気流をうまく使いながら移動していくことになります。

 最初は戸惑うかも知れませんが、滑空中はいつでも真下に強制着地可能で、その着地地点もガイドされているので、ほとんどストレスはありません。

 ときにはうまく移動できないこともあるかもですが、絵画の中を飛び回っているような独自のグラフィックもあってか、慣れてくると、その独特な浮遊感がだんだん気持ちよくなってくるのです。

 ちなみに、十字キーの下を押すことで、そのとき行くべき方向を指し示すガイドが表示されます。基本的にはこれに従っていれば迷うことはないです。しかし、たまには脇道にそれて探索してみると、新しい発見があるかもしれません!

気絶させて落下させる2段階の戦闘

 フィールドには敵が配置されている場合もあり、戦闘になることもあります。戦闘では、まずはジャンプ中に爆弾を落として気絶させ、そこを突風による吹き飛ばし攻撃で、ステージから落下させなくてはなりません。

 さらに、バトルフィールドには“リグ”の強化に必要な鉱物やアイテムがたくさん落ちているので、L1の長押しでこれらを吸引していく必要もあります。

 気絶させる→落とすと、2段階の動作が必要なので、ときにはどれから気絶させるか、どのタイミングで落下を狙うかといった戦略的な考えが必要になってくる場合もあるなど、これまたクセのある戦闘となっています。

 とはいえ、難易度的にはそう難しくないですし、特殊な防御をしてくる敵に、“リグ”の強化で対策したりもできるので、アクションが苦手な人でも問題なく楽しめるはず。

 また、相手は昆虫型で、直接倒すわけではないこともあってか、どこかほのぼのとしたカジュアルな雰囲気なのも特徴ですね。自然色の強い背景と、ゆったりした音楽がそう感じさせてくれるのかもしれません。

 ちなみに個人的には、小さな敵は気絶だけさせて動きを止めておき、大きな敵の落下を優先させると戦いやすかったです。

リグの強化で愛着度も高まる

 ゲームの主役ともいうべき“リグ”は、鉱物やアイテムを使って、さまざまな強化が可能となっています。ジャンプ力、吹き飛ばし力、鉱物の吸引スピードなど、項目も多彩で、強化することで、探索や戦闘がどんどん効率良くなっていきます。

 強化の項目は、ゲーム中のさまざまな行動で、主人公がひらめく形で増えていくのですが、その種類は多く、どの順に強化していくかはある程度自由になっています。

 さらに性能の強化だけでなく、見た目のカスタマイズも可能で、船体・脚・アンテナの3つの部位の形状に加え、色も自由に変更が可能。種類が増えれば自分だけの“リグ”を作ることができるので、こだわればこだわった分だけ、愛着度も高まっていきます。

“アルファ・アブラムシ”で鉱物大量ゲットも!!

 この世界には、地域ごとに、アルファ・アブラムシと呼ばれる、巨大な存在(そのエリアの主のようなもの)が生息しています。ゲーム中、特定の条件を満たす(そこへ案内してくれるガイドを追跡する)ことで、そのステージに挑戦することができるようになります。

 これはボーナスステージのようなもので、そこでは大量の鉱物が手に入ります。しかし敵も大量に存在しており、さらに時間制限もあります。うまく敵の攻撃や突然起こる突風をかわし、できるだけたくさんの鉱石を入手することが目的となります。

 一度挑戦が終了するとガイドの追跡からやり直しになりますが、強化用の鉱物を集めるには欠かせないステージ。定期的に行うことで、ゲーム進行にもメリハリがつくので、飽きさせない構成になっていると感じました。

 最後に、本作での探索や戦闘は、なかなかほかにはない独特な内容ですが、チュートリアル的な要素は少な目に感じました。

 次に何をしていいか分からなくなる場面もありましたが、そうした手探り感もまた楽しく感じられたので、これもゲームの魅力の1つなのかなと思います。

 総合的にも、既存のゲームジャンルの枠には収まらない、ちょっと新しいゲーム体験が可能な作品となっています。そうした体験をしたい人は、ぜひ挑戦してみて下さい!


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