上間江望さんが語る『ぎゃる☆がん』への感謝と愛。神園しのぶとの出会いや印象的なイベントを振り返る
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- kbj
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インティ・クリエイツより発売中のNintendo Switch用ソフト『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』。本作で、ヒロイン・神園しのぶを演じる上間江望さんへのインタビューを掲載します。
『ぎゃる☆がん』は、ひょんなことから超モテ男になってしまった主人公が、次々と告白してくる女の子たちを眼力(通称:フェロモンショット)で昇天させ、意中のヒロインを目指す、眼(ガン)シューティング。『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』はシリーズ2作目で、海外版やPC版が発売されるなど、シリーズでもっとの人気のタイトルです。
上間さんには、神園しのぶに加えて、初代『ぎゃる☆がん』にて姫野亜里沙ちゃんと里中るるちゃんを担当。『ぎゃる☆がん』の思い出に加えて、演じたキャラクターとの出会いや演じるうえで心がけたことなどを語っていただきました。
驚きだらけだった初収録
ーー1作目の『ぎゃる☆がん』との出会いについてお話いただけますか。
姫野亜里沙ちゃんと里中るるちゃんは、私の初となる仕事でした。女の子のキャラクターがたくさん出るゲームで、2役あることは聞いていたのですが……どんなタイトルなのかはあまり言っていただいていなかったように思えます。
ーーゲーム内容については聞いていなかったのですか?
もしかしたら、説明いただいたにもかかわらず、緊張して聞こえていなかったのかもしれません。
送られてきた台本を見たら最初から「はぁ~ん」とか「そこ、だめ~~」とかそういう喘ぎ声のようなセリフが最初から並んでいたため、改めて「声優は大変だ」と感じました。
ーーキャラの設定などは?
設定はふんわりとしたものだけで、どういう状況でこういうセリフを出すのか……状況を簡単に説明する“ト書き”はあるんですが、初めての仕事でわからないことだらけだったという記憶があります。
ーー初代『ぎゃる☆がん』は前例がないタイトルで、参考にできるものがなかったですからね。収録はいかがでしたか?
少ないワード数にもかかわらず、私がすごく苦戦してしまい、2人分で2時間くらいかけて録った記憶がありますね。
インティ・クリエイツのサウンドスタッフさんが現場で指示をされていたのですが、「こんな感じで「くぅ~~ん」ってやるんだよ!」と、何度も厳しめに指導してくださったことを覚えています。
ーー苦労されたわけですね。
里中るるちゃんから演じたのですが、私は高い声を想定していました。でも、イメージとは合わなかったのか、キャラが固まるのに時間を要しました。
姫野亜里沙ちゃんは……里中るるちゃんに時間を使いすぎた分、次の人の時間もあって、時間内に収めるように焦りながら、集中力をあげつつの作業だったというイメージがあります。
ーー発売後、実際にゲーム画像をご覧になった時の印象は?
「もっとこういう演技をすればよかった」や「この声がよくない」など悔いだけが残っていました。自分の演技に対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
あとはゲームの映像を見た時に「これは親に見せられないかも……」と思いました。
ーーえ? こんな健全なゲームなのにですか??
内容はしっかり作られているんですが、見え方がちょっとアレじゃないですか?(笑) 特に親の世代には刺激が強いタイトル。親がパソコンなどに疎いので、「調べられなくてよかった」と思いました。
「ゲームに出たよ~!」と伝えて、演じたキャラを予約特典でもらえたしおりで見せました。
ーーPS3版のエンディング曲『LOVE×ME×68』では大勢で歌われていますが、当時の思い出は?
「歌の収録がある」と聞いていたので、一般女子を演じるメンバーでスタジオに向かって歩いていたのですが、入口にカメラを構えた人がいて、どうやら撮影をするらしいと。聞いていない状態からのスタートでした。
『LOVE×ME×68』プロモーションビデオ
ーー先ほどから教えてもらえていないことが多いようですね。
実は教えてもらっていたんですかね?ただ、他の方はちゃんとした服装でお化粧をしっかりしていたので知っていたと思います。
当時私は上京前ということで夜行バスで来たこともあって、ボロボロな状態のうえに、バス内で動きやすいシンプルな服装。メイク道具がなく「これが初の映像収録になるのか!」とショックをうけていたのですが、もし聞いていたら準備はしていたと思うんですよね。
ーーそんなつまづきスタートの収録ですが、いかがでしたか?
同期の子がいましたし、皆のテンションが高い現場で楽しかったですね。1人1人がコメントするシーンやアップになるシーンも撮影してくださって、気を使っていただいていると感じました。
でも、よりアピールをしようと、カメラが向くとみんなが寄っていくんですよ。自分を見せるためにアピールをすることは大事ですが、私は得意ではないので、戸惑いがありつつ、勉強にもなった現場でした。
中川さんもあの場にいました?
(同席されていた)中川:スタジオの上のほうから、偉そうに見ていました。……冗談です。「こんな大勢を、どのように撮影するのか?」と戸惑いつつ眺めていましたね。PVの撮影に立ち会ったことがなかったので、勉強になりました。
くろなのオーディションからまさかの変更に?
ーー2作目の『だぶるぴーす』で主演されることになりましたが、起用の経緯は?
事務所の社長から「また『ぎゃる☆がん』の収録があるから、悪魔役のオーディションを受けてみないか」と言われました。
すでに『ぎゃる☆がん』は知っていましたし、いい思い出と反省すべき思い出があったので、「もちろん受けます!」と返事をしました。前のような後悔をしたくないので、かなり力を入れてテープ録りをしたことを覚えています。
サンプルを聞いていただき、悪魔のくろなちゃんはあわなかったようですが、しのぶちゃんを演じることになりました。
中川:私も記憶があやふやですが、上間さんは歌がうまかった。そこを考慮しつつ、演技力を判断して決めたような気がします。
ーー見た目の印象はいかがでしたか?
カワイらしい人間の女の子で一見マジメに見える委員長タイプの子なので、「しっかりとした演技をしないといけないな」と第一印象で思いました。ただ、収録現場に入ってキャラ説明やイベントシーンの説明を受けたら「しっかりしていないな」と思いましたが(笑)。
私は最初、しのぶちゃんがメインキャラだと思っていなかったんですよ。そのため、台本を見て「こんな量のセリフを収録するのか!」と驚きました。
ーー演じる際にどのようなことを気をつけましたか?
しのぶちゃんは思い込みが激しいところがありつつ、自分に自信がないキャラ。そこは私も理解できるので、そこから役作りをしていきました。
収録時には、最初声を作っていたのですが、「そういうのはなくていいから、演じやすい素のままでやって」と指導があり、普通にしゃべりかけるように演技したのが印象的でした。
もっとキャラっぽく演じるように意気込んでいたのですが、それを捨てて、演じながらキャラを組み上げていきました。
収録は何日間に渡って行われたのですが、窓にハマるとか、悪魔に憑かれるとか、いろいろなシチュエーションがあるじゃないですか? 本当におもしろいゲームだと感じながらの収録でした。想像力を働かせないと、窓にハマるとか思いつかないじゃないですか!?
ーー窓にハマる状況にはなかなか出会いませんからね。
そうなんですよ! 「それはなに?」って。
収録時もすごくて、マイクに直接話すと印象が違うので、マイクに背中を向けて壁のほうに「ホウダイ、助けて~!」と声を発していました。
ゲームの映像を見た際に、確かに背中から声は出ないと納得しました。
ーー生放送や撮影、体験会などいろいろなことが行われましたが、印象的だったことはなんですか?
本当にいろいろなことを経験させていただいたんですが、ゲームをプレイできる試射会が好きでした。自分が出演するゲームを誰かが遊んでいるのを見る機会はあまりないんですよ。
どんな表情で、どんなリアクションでプレイしてくれているのかを見られるうえで、お話をして感想を聞ける……交流できる場所はとても貴重で、いまでもやりたいと思っています。
あとは、台湾でのイベントですね。海外でお仕事をするのが夢だったので、しのぶちゃんが連れていってくれてうれしかったです。海外に行ってもこの制服を着るとは思っていませんでしたが(笑)。
海外の『ぎゃる☆がん』ファンは日本語を覚えてくださっているようで、イベントで日本語で話しても、理解して反応してくださる。世界とつながれたことが感動的でした。
思い返すと本当にいろいろなイベントをしていますよね。発表時のイベントから始まり、サントラの発売イベント、インティ・クリエイツさんの20周年のイベントなどなど……。
ーータイトル発表時のイベントのフォトセッション時に、上間さんはステージに出てきた直後にはけたんですよね。緊張して涙を流してしまったと聞きました。
うれしくて泣いてしまったのかもしれません。イベントに来ている人は、私たちを見に来ているのではないので、迎え入れてもらえないかもしれません。受け入れていただき、イベントが終わって、泣いてしまうほど感極まったようです。
そんな子が、こんなになってしまいましたよ(笑)。ホント、『ぎゃる☆がん』には育てていただきました。
夢のようにうれしかった『だぶるぴーす』移植
ーー『2』でも出演され、シリーズを通して出られていますが、当初と今でシリーズについて印象が変わったことはありますか?
初代の時は、収録や発売が上京前後でゲームハードを持っていなかったので、当時はプレイできませんでした。遊びに行けるような友だちも上京直後はいなく、ただソフトを大事に持っていた記憶があります。
『だぶるぴーす』のお話をいただいてから遊んだので、より深く世界観などを知っていきました。そのため、昔よりも今の方がゲームへの理解度は深まっていますね。
変わらないところはエッチでおバカなところがあるけど、ゲームとしてしっかり作られているところだと思います。
あと、一般女子についてもスポットが当てられて、いわゆるモブキャラが存在しない。細部にまで愛を持って作ってくれているところも変わらないと思います。
ーー初代を作った時は、一般女子の人気が出るとは思っていなかったのではないでしょうか。ユーザーの人気があったのでPS3版でスポットが当たったり、『だぶるぴーす』でルートが用意されたりしたのではないでしょうか?
中川:いや~、いい話ですね。
ーーまるで他人事ですね。
他には、エッチなタイトルだと思わなくなりましたね。以前は配信に出た際にソワソワしていたのですが、今ではそれはなくなりました。「こんな楽しいゲームはないぞ」と思っています。
ーーオリジナル版から約6年後に『だぶるぴーす』が移植され、再度しのぶと向き合いますが、どう感じましたか?
しのぶちゃんという女の子は相変わらず不器用でカワイイと思いました。当時の私の芝居は今ではできないですし、いろいろな部分で初心を思い出させていただきました。
『ぎゃる☆がん』にかかわってきた時間が長いので、私の声優活動においてこの存在はすごく大きいんですね。『ぎゃる☆がん2』ではゲームに出ているのですが、プロモーションはやっていなかった。この制服を着ることがないと思って、少し寂しかったんですね。
またガッツリと活動したいと思っていたので、「『だぶるぴーす』が出る、しかもスイッチで」と聞いた時には寝耳に水で、「そんなことあるの?」と驚きつつ、夢のようですごくうれしかったです。
あとは、こうやってインタビューもしていただいているわけです。
実は、しのぶちゃん単独でインタビューしていただいた機会があまりなくて……電撃さんも歴代ヒロインのキャストにインタビューをされているけど、しのぶちゃんはしていないんですよ!
ーー下着審査やイベント、生放送などでお話いただいていたので、インタビューをしたつもりになっていたのです……なんかすみません。
でも、今回の移植で機会をいただけたわけです。そこを含めて、キャラと再度向き合えることに喜びを覚えました。
ーー新曲『愛のSHOOOOT!』を収録されましたが、いかがでしたか?
第一印象は「すごく『ぎゃる☆がん』」という感じの曲でした。真夜ちゃんとのデュエット曲はオリジナル版のエンディング曲『Twinkle, twinkle, W star』以来で2回目ということで、それもうれしかった。気合いを入れてスタジオに向かったのですが、収録現場で「キーがつらそうだから下げましょう」と言われて「いけると思ったのに!」と出鼻をくじかれました。
それ以降は、楽しく元気に収録していきました。
ただ、『Twinkle, twinkle, W star』は橋本ちなみちゃんと一緒にスタジオに入り、声をあわせて収録したのですが、今回はコロナ禍ということもあり、時間も別での収録だったのは寂しかったです。
Switch版オープニングムービー
ーーもし、ヒョンなことからモテモテ体質になってしまったら、どうしますか?
ホウダイはモテモテになるだけでなく、いろいろな力を使えるようになるじゃないですか。それをふんだんに使って、女の子にもてたいです。
だからただモテモテになるだけでなく、いっそホウダイになりたいですね!
ーー最後に読者へのメッセージをお願いします。
『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』は性別や世代を問わずに楽しんでいただけるタイトル。誰しも頭をからっぽにしたいことはあると思います。そんな時に無心で遊んでいただきたい作品です。
冗談で「家族で遊んでください」と言っているのですが、本気の部分もあるんですよ。“透視”や胸囲が大きくなるとか、ギリギリの部分はあるんですが、年齢を問わず、楽しめると思います。1人でやるもよし、集まってやるもよし。やり込み要素があって、やれることも多いタイトルで、こんなに魅力のつまったゲームはないかと。
『だぶるぴーす』は不死鳥のような作品で、なんどもよみがえってくるほどパワーのあるタイトル。おうちにいる時間が増えていると思うのでぜひ遊んでください!
■『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』通常版
■『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』限定版
※限定版にはアクリルボードとシリーズ3作収納BOXが付属
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