『KH』20周年記念イベントをレポート! さまざまな視点で語られた20周年の軌跡とは?
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4月10日(日)に渋谷ヒカリエで開催された“KINGDOM HEARTS 20th ANNIVERSARY EVENT”。スペシャルミニライブ&トークショーでは、シリーズディレクターの野村哲也氏や音楽を担当する下村陽子氏、ソラの声を務める入野自由氏らが登壇し、20年の思い出などを語ってくれました。
また『KINGDOM HEARTS Union X Dark Road』の紹介や新作アプリゲーム『KINGDOM HEARTS Missing-Link』の発表、さらにナンバリング最新作『KINGDOM HEARTS IV』の発表も行われ会場は大盛り上がりに!
物語に引き込まれる名曲に聞きほれるミニライブ!
イベントがスタートすると、大きな丸形スクリーンに映像が映し出された。映像ではシリーズディレクターの野村哲也氏がこれまでの想いなどを語り、プレゼン資料用に制作されたという貴重な映像も披露。
そして、下村陽子氏が厳選した5曲が演奏されたミニライブへ。タイトル画面で流れる“Dearly beloved”、ソラのテーマソングである“Sora”、シオンとの戦闘を思い出す“Vector to the Heavens”、ヨゾラとの戦闘曲“Nachtflügel”、そして“Link to All”をイベントのためだけのスペシャルアレンジバージョンで演奏。
演奏後には進行役のカイリの声を担当する内田莉紗氏と、『キングダム ハーツ(今、KH)』シリーズで数々の名曲を生み出してきた下村陽子氏が登壇。下村氏は「いつも曲を選ぶのに迷うってしまうのですが、いろんなタイトルから選ぶようにしました。“Dearly beloved”は必要だよね。ソラは主人公だし“Sora”は絶対必要だよね。“Vector to the Heavens”はありがたいことに好きだと言ってくれる方が多いので選びました! “Nachtflügel”は演奏したことがないのと最近の曲なので。そして“Link to All”はすべてに繋がるというタイトルがすごく気に入っていてライブの最後にふさわしい曲だと思いました」などと語っていました。
また、20年で一番の思い出は? と聞かれると、「コンサートが思い出されるんですが、やはり本当にたくさんの思い出があって。あの曲を作っていたときは大変だったなとか、ボツくらったなとか。すごく嬉しいこともしんどいこともありましたが、今日のようなイベントでみなさんとお会いできる機会があるとしんどさも吹き飛んじゃいますね」とコメント。今後は具体的にはまだ発表などはできないが、こんなことができたらいいなというビジョンはあるということで、ゲームだけでなく音楽の展開にも期待したいところです。
『KH』20周年を開発陣の視点から語りつくす!
つづいて、『KH』シリーズディレクターの野村哲也氏と『KH』シリーズブランドマネージャーの間一朗氏が登場。野村氏の「僕、寝てないんですよ。」からトークがスタートし、イベント冒頭の映像の話や初期映像についての思い出を語りはじめた。
これまで発売された『KH』シリーズ13作品の振り返りでは、累計発売本数3,500万本であることや『KHIII』が全世界で670万本ということが発表され、20年のときを経て『KHIII』がシリーズで一番数を出しているということで、この作品から『KH』に触れてくださっている方もいるというのは喜ばしいかぎりですと語っていました。
そして、間氏からスマートフォン向けゲーム『KINGDOM HEARTS Union χ Dark Road』トレーラーが公開され、2022年8月にストーリーを一挙に配信予定との発表が! 野村氏は「これをやっていただければ、かなり謎が解けるんじゃないかな。楽しみに待っていてほしい」とコメント。
さらにスマートフォン向け新作ゲーム『KINGDOM HEARTS Missing-Link』も公開! バトルシーンなどは本編さながらのグラフィックで、『KH』らしい戦闘を楽しむことができるようです。
野村氏は「舞台は多層都市スカラ・アド・カエルム。組織がいくつか存在していて、それぞれの組織が思惑に基づいて動いているという世界で時代としては、唯一描かれてなかった『KINGDOM HEARTS Union X』から『KINGDOM HEARTS Union χ Dark Road』の間の話です。この作品で物語が全部繋がるという形になります」と語ってくれました。本年度中にはβテストを予定しているということなので、続報に期待したいところ。
ファンから寄せられた質問に野村氏が答えるQ&Aコーナーでは、『KH』を愛するファンならではの視点の質問が多く、「リクがカイリに渡したキーブレードはどこで手に入れたの?」や「アイザの顔の傷はいつ誰につけられたの?」など今はまだ答えられないものも! 今後、物語が語られる可能性もあるということなので楽しみに待ちたい。
Q:ノーバディのシンボルマークは生まれながらに付いているの? 付けられたの?
A:生まれながらに付いている。でも、人型ノーバディには付いていない。
Q:宇多田ヒカルさんの楽曲からインスピレーションを受けることはありますか?
A:曲が出来上がってからオープニングムービーを制作しているので、宇多田さんの曲はなくてはならないもの。
Q:ヨゾラ戦の勝敗でストーリーが分岐する演出にした理由は?
A:ヨゾラが非常に強いので,何度挑んでも勝てないプレイヤーのために、負けたときに何かあったほうがいいと考えたから。
Q:『KINGDOM HEARTS 3D』でリクが髪を切った理由は?
A:髪を切れという意見が多かった。自分の中でどちらにしようか迷っている部分はプレイヤーの意見を参考にすることもある。
Q:マスター・オブ・マスターが姿を消そうとした『※』の世界の『※』とは?
A:台本にはきちんと書いてあるのだが、伏字にしている。
20周年を記念したグッズも紹介され、たまごっちや一番くじ、Zoffからメガネ、SuperGroupiesからファッションアイテム、サマンサタバサ プチチョイスからお財布小物など様々なコラボアイテムが発表された。スクウェア・エニックスのe-STOREで発売されている商品も展示されていたのでこちらの記事をチェック!
声優陣と音響監督が『KH』の声を語る!
グッズ紹介後はソラ役の入野自由氏、カイリ役の内田莉紗氏、音響監督の清水洋史氏が登壇し、20年を振り返るトークショーへ。リク役の宮野真守氏は会場には来られなかったものの、ビデオメッセージで登場しました。
当時のオーディションについて聞かれると、入野氏は「覚えていない!」、内田氏は「海が好きだったので、デスティニーアイランドのシーンを演じることができて嬉しかった」とまるで本物のソラとカイリのようなコメントを! それについて清水氏は「ふたりにあったときにソラとカイリがいると思った。子供は先生に演技をやらされている感覚の子が多くて、失敗すると後ろを振り返って大人の顔色をうかがったりするんだけど、入野くんは失敗しても振り返らずに“くそー!”と悔しがっているのが印象的だった」とコメント。
清水氏は当時ディズニーのキャラクターと『KH』のキャラクターの掛け合いに悩んだこと、収録時は感情移入しないように気を付けてはいるがアクセルの「おまえらが何度逃げようが、俺が何度だって連れて帰ってやる!」というセリフには感動してしまったことなど、このイベントでしか聞くことのできない貴重な思い出を語ってくれました。
イベントの終わりには『KHIV』の発表が! 会場もまさかの発表に大歓声が上がりました。公開された映像にはリアルなソラが渋谷ヒカリエに似た場所でハートレスと戦うシーンがあり、ここではじめの映像や会場が渋谷ヒカリエだったことの伏線が回収された形に! 今後、公開された映像よりさらにグラフィックがパワーアップする予定とのことで、まだまだ『KH』シリーズは未来へ繋がっていくようです。
また、宇多田ヒカル氏からビデオメッセージも届いており、宇多田氏自身は『KH』をプレイしていないが子供が興味を持っていてやりたがっているので、ゲームができる年齢になったら一緒にやってみたいと笑顔でコメント。
最後に『KH』シリーズの前ブランドマネージャーの橋本真司氏も登壇し、開発陣から花束を贈られた橋本氏は「『KH』の世界は今後も広がっていきます。これからもよろしくお願いします」とコメント。そして、野村氏が「裏では着々といろいろなものが進んでいます。今後も続報をお待ちになってください。次は25周年で皆さんにお目にかかれればと思います」と語り、シリーズ20周年を記念したイベントは終了となりました。
以上、“KINGDOM HEARTS 20th ANNIVERSARY EVENT” スペシャルミニライブ&トークショーレポートでした。
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