『ガンエボ』ネットワークテストで加わったエクシアとマラサイを体験。ランクマッチやバトルパスで幅が広がった

セスタス原川
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 バンダイナムコエンターテインメントおよびバンダイナムコオンラインが開発中の新作FPS『GUNDAM EVOLUTION(ガンダムエボリューション)』。4月12日まで行われていたネットワークテストをレポートします。

 本作は、人気アニメ『ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツを用いて戦う6対6のオンラインFPSタイトル。スピーディーで没入感のある操作体験を実現したゲームを、基本プレイ無料で楽しめます。特徴あるさまざまなモビルスーツを乗り換えながら、チームで協力し勝利を目指します。

 2021年8月に行われたクローズドベータテストに続いて、4月8~12日にPC版のネットワークテストが行われました。そちらを体験したのでその模様と、改めてゲームの内容を紹介していきたいと思います。

 なお、画像や内容はすべて開発中のもの。

モビルスーツによる6vs6の本格FPSタイトル

 試合では、個性のあるスキル(武装)を持った機体(ユニット)を使い分け、3つのルールごとに決められた目標達成を目指して戦います。

 各ユニットはスキルに応じて得意なシチュエーションがあります。勝利のためには、自分の選んだユニットの特性を理解して、チームの目標達成のために貢献することが大切です。

 原点となった『機動戦士ガンダム』から、最近放送された『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』、他にもゲームで描かれた『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』など、幅広い作品から機体が参戦しています。

 スキルには、原作で見られたようなアクションや演出を反映させたものばかりで、作品の知識がある方ならば「おっ! この動きは!」となること間違いなしです。特に、ゲージを溜めて発動させる必殺技のような“Gマニューバ”は強力であり、見た目も派手な目玉スキルです。

 ガンダンクのGマニューバではコア・ファイターが突撃。「悲しいけど、これ戦争なのよね」と言いたくなる演出です。

 ガンダムゲームとしての再現性に加えて、FPSとしての完成度が高く、多人数による戦略の高さを存分に楽しめる作り。撃ち合いの強さだけでは勝敗は決まらず、仲間との連携、エリアの攻略、編成の組み合わせなど、考えるところが多くあるので、やればやるほど発見があります。

 ボイスチャット、プリセットチャット(テキストチャット)やピン(シグナル)なども充実しているのでソロでプレイしても問題なく楽しめます。筆者は今回のプレイはソロで行いましたが、長時間やり続けてしまうほど熱中してしまいました。もちろん、連携プレイがポイントとなるので、知り合いとパーティーを組んでプレイすれば、さらにゲームのおもしろい部分を味わえるでしょう。

 敵に照準を合わせてシグナルを出せば味方に敵の位置を知らせられます。咄嗟のタイミングでも情報を共有しやすく、ソロプレイでも味方と連携できました。

試合ごとに変わる3種類のルール

 ゲームの流れは、3種類から今回のルールとステージが決定。目標の達成度に応じて勝敗が決まる仕組みです。

 どのルールが選ばれるか、攻守どちらが先になるのかはランダム。ルールや攻守によって強さが変わるユニットは多くあるので、状況によってさまざまなユニットの組み合わせが楽しめます。

 試合中は仲間との連携がカギに。このゲームにおけるセオリーは、どこかで撃破を狙い、人数差を作ってチームの戦線を上げていくことです。そのためには、自分が生き残り、仲間を守ることが必要不可欠。各々が個々で活動するのではなく6vs6で戦うことを意識して、チームの勝利のために動くことが大切です。

 仲間を助ける面で重要なのは、“リカバリー”システム。撃破されたユニットは中破状態となり、時間が経過するか追加攻撃を受けると大破してリスポーン待ちになります。

 しかし、敵に撃破されても諦めてはいけません。中破している状態で、仲間のリカバリーを受ければその場で復活できるのです。


 メタスやジム・スナイパーIIは遠くからでも仲間のリカバリーが可能。素早く仲間をリカバリーできるガンタンクのように、サポートに長けたユニットもいます。

 現状のルールは3種類あります。1つ目は、攻撃側がどれだけポイントを制圧できるか、防衛側がどれだけ侵入を防げるかを競う“ポイントキャプチャー”。攻撃と防衛の違いがわかりやすいシンプルなルールです。

 2つ目は、お互いのチームが攻撃となり、時間ごとに移り変わるポイントによる制圧率を競う“ドミネーション”。つねにポイントを巡るバトルが発生するので、3つのモードの中でもっとも戦闘が多いルールです。

 3つ目は、攻撃側は時間内に破壊兵器の起動を目指し、防衛側はそれを阻止する“デストラクション”。攻撃側が破壊兵器を設置した後には、逆に防衛側が解除を行うために攻め込む必要があり、攻めと守りの移り変わりが激しいルールです。

追加された新マップ&新機体とは!?

 前回のクローズドベータテストと比べて今回のネットワークテストでは、2体のユニット、3つのマップが追加されました。そちらについてレポートしていきます。

ガンダムエクシア

 『機動戦士ガンダム00』から参戦したガンダムエクシアは、近距離戦に特化したユニット。同じく近距離型のガンダム・バルバトスとの違いは、遠距離攻撃のGNビームダガーを持つこと。そして、低耐久の代わりに素早い移動を得意としているところです。

 メインウエポンは、GNビームダガーを投擲してダメージを与える武装。近接特化でありながら、射撃戦で機能する武装も持ち合わせています。

 GNソードは、素早く正面に向かって突進しながら切りつける近距離攻撃。チャージ時間で威力、移動量が変わり、最大チャージ時にはスタン効果が付与されます。

 GNソード&GNショートブレード(回転斬り)は、近距離の相手を素早く切りつけるスキル。相手をノックバックさせるうえ、スタン状態ならばスタンを継続させます。

 クイックステップは、任意の方向の一度だけ素早くステップができるスキルです。

 Gマニューバはトランザム。GNソードが強化され、クイックステップの回数が2回に増加。GNソード&GNショートブレード(回転斬り)が、より強力なGNビームサーベルに変化します。


 ステップ回数3回に加えて、一気に距離を詰めて切り込むGNソード、さらに移動できるクイックステップと、機動力をいかした近距離戦がガンダムエクシアの強みです。

 切り込んで1撃破を取り、ヘイトを集めた段階でステップを駆使して離脱。遠距離特化ユニットに急速接近しての闇討ちなど、移動武装を使いこなすことで本領を発揮します。

 ただし、HP800とユニットの中でも最低ラインなので、正面からの撃ち合いや、人数不利の状況では一瞬で撃破されてしまうかと。ピーキーな性能なので、プレイヤーのスキル回しの腕が問われるユニットです。

マラサイ(UC)

 『機動戦士ガンダムUC』から参戦したマラサイ(UC)は、海ヘビを使ったスタンと引き寄せを使うトリッキーなユニットです。

 メインウエポンは、中距離で有効なフェダーイン・ライフル。サブアクションで覗き込み状態となり、遠距離でも敵を狙いやすくなります。

 アクティブスキルの海ヘビは正面の敵を引き寄せる武装。当てれば相手を無防備な状態で自身の目の前に移動させられます。

 フェダーイン・ライフル(ビーム刃)は、超近距離でのみ機能するスキル。この武装のみで当てるのは難しいですが、前述の海ヘビで引き寄せてから使用するセットプレイが強力です。

 Gマニューバは、スタン属性の海ヘビを前方の広範囲に発射。範囲内の敵をスタンさせる武装です。前述の引っ張る海ヘビとは異なり、こちらは複数の敵にヒットさせることが可能です。

 マラサイ(UC)は他のユニットにはない、相手を移動させるスキルが特徴。射撃でけん制しつつ、海ヘビで相手を引き寄せてビーム刃で攻撃というアクションを行うことになります。

 このコンボはかなりの大ダメージで、決まった際にはほとんどのユニットを撃破できるのがマラサイ(UC)の強み。無防備な相手や油断している敵には積極的に海ヘビを狙っていきたいです。

 また、HPが1200と高いのも強みの1つ。ジム・スナイパーIIのクリティカルヒットもギリギリ耐える数値のため、中距離での撃ち合い時にも持久力をいかした戦いができます。

3つのマップが追加

 1つ目の新マップは対空砲要塞。ここでは、攻撃チームが2つのポイントを奪取するポイントキャプチャーのルールで対戦します。

 特徴は、Aポイントの前にある大きな橋。この橋は直線になっており防衛側が守りやすいのですが、下道を抜けて一気にポイント付近まで行くことも可能です。

 橋を守りすぎると、下道を利用されてしまい、裏取りされるリスクもあります。相手の攻め方によって守り方を変えることが大切でしょう。

 2つ目は月面通信基地。ここでは、時間ごとに移り変わるポイントを奪い合うドミネーションで対戦します。お互いのチームのスタート場所が非常に近いため、ポイントに向かって競走するような形になっているマップです。

 ポイントへの移動を優先する戦略がセオリーとなるドミネーションですが、油断すると移動中に敵が攻撃を仕掛けてくることもあります。

 また、スタート場所からBポイントが離れており、Cはさらにその奥にあります。その2つのポイントが確保対象になっている場合は復帰に時間を要するため、普段に増して撃破されないことが重要になります。

 3つ目は採掘場。攻撃チームは敵陣での破壊兵器起動を目指し、防衛チームはそれを阻止するデストラクションで対戦します。

 特徴は、2つ目の破壊兵器の設置場所が傾斜になっているところ。攻撃チームが見下ろされるような高低差のある場所が多く、一筋縄では攻め込めないマップです。

 そこで重要なポイントが、リスタート場所を近くしてくれる中継地点の確保です。それを阻止するため、防衛チームが中継地点に集中すると、今度は傾斜から攻めやすくなります。デストラクションでは共通の戦略ですが、攻めづらいこのマップでは特に重要になります。

ルールの理解度が勝敗を分ける

 ゲームをプレイしていて感じたのは、まだテスト版のためか、一部ルールやゲームの要点が浸透していないことでした。確かに、試合ごとにルールが変わり、勝利条件が異なるので、このような対戦型のFPSをプレイしていない人は少し戸惑うかもしれません。

 まず“ポイントキャプチャー”と“ドミネーション”について。こちらの2つのルールでは、相手の撃破も大切ですが、最終的にはポイントに侵入してエリアを取らなければなりません。

 撃破を狙いつつも、人数が有利な状況ができたり、相手がポイントを空けたりした際にはエリアを確保して、最終的に勝利に繋がる行動を取ることが大切です。

 人数有利を作るため、強力なGマニューバを使うのは有効な戦略。仲間と同時に使用すれば、さらに相手にプレッシャーをかけられます。

 “デストラクション”は、起動と解除という2つの特殊なアクションがあります。

 攻撃側は破壊兵器起動を急いで起動したくなり、防衛側は急いで解除したくなりますが、それらの行動中は何もできない無防備なうえに、敵に囲まれている状況で行ってもすぐに状況が元に戻ってしまいます。

 まずは、敵の撃破を狙いつつ、安全に起動・解除ができる状況を作るのがいいです。その状況を産むために、攻撃側のリスポーン距離を縮める中継地点を奪い合う戦いになります。

 中継地点を確保してから敵チームを撃破すれば、相手は継続的な戦いが困難に。安全に破壊兵器の起動・解除を行えるようになります。

 もちろん、これらはあくまで“セオリー”で、あえて独特な行動を取ることも戦略の1つ。目標を達成するために、どんな行動をするのか、試合ごとに考えながら戦うおもしろさは、チームFPSの醍醐味と言えるでしょう。

ランクマッチやバトルパスが実装

 今回のネットワークテストでは、ガチャできるチケットが配布され、スキンやスタンプなどを使ってのプレイを楽しめました。特に、ユニットのスキンは独特な色合いが多く個性を発揮できるもので、正式プレイでも使いたいと思える、収集欲をそそられるものになっていました。

 バトルパスも用意されており、プレイに応じてアイテムがもらえます。ネットワークテストのバトルパスは20レベルまで到達すると、シャア専用デザインの赤いザクIIのスキンが手に入りました。他にもサプライポッド(アイテムパック)、スキンやスタンプなど、ゲーム内で使えるさまざまなアイテムをもらえます。


 加えて、今回のテストでは実力の近い相手と対戦するランクマッチが追加されていました。レートは2000からスタートし、試合内容に応じて勝利すればポイントが増え、負けるとポイントが減っていきます。

 競技性の高いゲームなので、真剣にプレイしたい人にとってランクマッチは欲しい要素の1つ。実際にプレイしてみると、レートが上がるほど相手が強くなり、味方の練度が上がっているのも実感できて試合展開はさらに濃密になり、本格的なFPSのおもしろさを味わえました。

 前回のクローズドベータテスト時には、対戦中に仲間が離脱してしまう状態が散見されましたが、ランクマッチでは離脱ペナルティがあります。離脱するとしばらく試合できず、続けるとペナルティが重くなる仕組みでした。さらに、ゲーム開始直後の離脱は無効試合となる機能もありました。

 その影響なのか、前回よりも離脱の回数は減ったように感じます。それでも、離脱を受けた際のメンバーのデメリットは残っているので、もう少し対策が追加されれば、よりゲームを楽しめることでしょう。前回から改善された部分は多くあったので、正式リリースに期待したいです。

 ネットワークテスト期間中にはランクマッチの順位表が公開されており、毎日上位プレイヤーがしのぎを削って戦っている様子が伺えました。友人とワイワイ楽しめるのはもちろん、勝負に真剣に挑むコアゲーマーも熱中できるFPSです。

 FPSは海外発のタイトルが多いのですが、本作『ガンダムエボリューション』は日本から生まれたFPSという点でも注目したいところ。PC版に加えて、コンシューマ版でもネットワークテストを実施予定なので、新たな発表を待ちたいと思います。

©︎創通・サンライズ ©︎創通・サンライズ・MBS
※画面は開発中のもの。

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