『パワプロ2022』の魅力をレビュー。サクセスを筆頭にゲームモードや新要素など多数のチャレンジが存在!
- 文
- アツゴロウ
- 公開日時
KONAMIから4月21日発売予定のPS4/Nintendo Switch用ソフト『eBASEBALLパワフルプロ野球2022』のプレイレビューをお届けします。
言わずと知れたNo.1野球ゲーム『パワプロ』シリーズの最新作で、前作『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』から2年越しの登場となる『パワプロ2022』。
自分を含むシリーズファンにとって、まさに待望である本作はどんなところが魅力なのか? じっくり語っていきたいと思います!
なお、画像は開発中のSwitch版のもの。
対戦、育成、なんでもあり! 野球を楽しむ充実のゲームモード
『パワプロ』シリーズを語るうえで外せないのが、充実のゲームモード。対戦からオリジナル選手の育成、オンラインに接続してのプレイまで、さまざまな形で野球の魅力を味わえるゲームモードが用意されています。
ゲームを始めると、まずメインメニューを埋め尽くすゲームモードの数に圧倒されます。その数、じつに21種類! なかには選手能力を確認できる“選手データ”や、各種設定を行う“設定”など細かなものもありますが、大半は1モードでガッツリ遊べるものばかりです。
野球ゲームの定番である“対戦”は、『パワプロ』ならではのリアルさを追求した投打のおかげで単純にすごく楽しい! 操作性も相変わらずバツグンによく、COM相手でも際限なく遊べますね。もちろん友だちを相手に試合をすることもできますし、大人数が集まるならリーグ戦やトーナメントができる“大会”もオススメです。
野球アクションの操作に慣れていない人がいるなら、簡単な打撃を行うだけの“ホームランアタック”でスコアを競うのもいい感じ。逆に、もっと自分の腕を高めたいなら“チャンピオンシップ”でオンラインに接続し、全国のプレイヤーと戦うのもありでしょう。
プロ野球成分を味わいたいなら“ペナント”。好きなチームで長いペナントを戦っていくモードですが、選手の編成や練習環境の整備など、球団運営的な要素も楽しめます。また本作からプレイ期間の縛りがなくなり、何十年、何百年とプレイが続けられるようになったのもうれしいですね。チームの陣容や選手の個人記録など、自分だけのペナントレース史をつむいでいけるんですから!
プロ野球選手となってその人生を体験していく“マイライフ”も、交友のあるチームメイトとの間で練習効率が上がる“連係練習”が追加されるなど、新要素はいろいろ。話題の新監督のもとで、スタープレイヤーを目指すのもいいかもしれません。
他にも“LIVEシナリオ”で、現在開催中の日本プロ野球ペナントレースの試合のシナリオに挑めるのも〇。リアルでは負けてしまった試合を自分の操作でひっくり返すのはもちろん、たとえ勝ち試合でも、実際の結果の完全再現を目指すというような、こだわりのプレイを楽しめます!
オリジナル選手を育成できるモードがいろいろあるのも『パワプロ』の魅力。おなじみの選手育成モード“サクセス”、大会を勝ち抜くことで選手が育っていく“パワフェス”、高校野球部をまるごと育成する“栄冠ナイン”など、どれもモードとしての完成度が高いうえに、新規要素がふんだんに用意されています。
完全新規のモードとしては、“パワパーク”が期待大。オンライン専用モードで実際に遊べるのは発売してからになるのですが、これは“サクセス”などで作った育成選手を使い、他プレイヤーとさまざまなアトラクションで戦うというモードです。
最初から選べるアトラクション“寿司サバイバル”なら、育成選手のカードデッキを引いてオーダーを決め、他プレイヤーのチームデータと試合で対決。カードの引きやアイテムの使用がカギを握る、白熱の勝負が楽しめます。
アトラクションは今後のアップデートで新たなものが追加予定とのこと。どんなアトラクションで他プレイヤーと競い合えるのか、今から楽しみでなりません!
このように、魅力的なゲームモードがそろった『パワプロ2022』。いや、今回もすさまじいボリュームです! これだけ盛りだくさんだと、正直何からプレイしていいか迷ってしまいますが、とりあえずは好きなモードからプレイして大丈夫かと。
どのモードでも、プレイすれば内容に応じたパワポイントを獲得可能。これを“パワプロショップ”で使えば、各モードのプレイが有利になるアイテムの購入やOB選手の解放できます。だから、どのモードのプレイも決してムダにはならないんですよね。むしろ“パワプロショップ”で十分な準備を整えてから本命のモードに挑む、というのもありかと思います。
三者三様のシナリオで楽しめる“サクセス”の魅力とは?
さきほど「好きなモードからプレイして大丈夫」とは言いましたが、個人的には選手育成モード“サクセス”が『パワプロ』の最大の魅力だと思ってます。なので以降は“サクセス”についてガッツリ語っていきましょう!
ストーリーを楽しみながら主人公=オリジナル選手を育てていける“サクセス”。今回の舞台は高校野球で、シナリオは3本用意されています。主人公は高校野球部員として、練習や恋愛、チームメイトやライバルと交流しながら甲子園優勝、ひいてはプロ野球選手になることを目指していきます。
ちなみに、『パワプロ2018』からキャラクターボイスが搭載され、本作でもかなりの数のキャラクターがしゃべるようになりました。重要なシーンはフルボイスになっており、イベントを大いに盛り上げてくれました。
他にも、これまでは最初のシナリオクリアで次のシナリオが解放という形式が多かったのですが、本作では3本のどれからでもプレイ可能。こちらは地味にうれしいところです。
ライバルとの対決に燃えよ! “パワフル高校 ライバルズ”
“パワフル高校 ライバルズ”は、練習と試合中心のオーソドックスな育成システムですが、実は序盤の選択肢でストーリーが3ルートに分岐するという1粒で3度美味しいシナリオ。主人公はパワフル高校の野球部員というのは変わりませんが、ルートごとに登場するライバルが異なり、ライバルごとのストーリー展開が描かれていきます。
登場するライバルは、猪狩兄弟や女性選手のあおい、新世代ライバルの友沢など、歴代“サクセス”で活躍したキャラクターばかり。彼らとの熱いストーリーを再び見られるというのは、シリーズファンとして感慨深いものがあります。もちろん、以前のストーリーそのままというわけではなく、新設定が追加されるような展開もあるので、その違いを探すのも楽しいものです。
また、ライバルたちはこちらの練習を見に来たり、イベントで遭遇したりすることが多々あります。その際はライバルとの勝負イベントが発生。投打のアクションを行う勝負の他、選択肢を選ぶだけの勝負(勝敗はその時の能力値や運に依存)を選べます。
勝てばもちろん育成用のポイント=経験点が手に入るうえに、特殊能力のコツも習得可能。他にもライバルたちとは、合同合宿で一緒に練習することが。ライバルと競い合い、さらなる高みへ成長していくというのは、まさにこのシナリオならでは。“サクセス”の王道をいくシナリオとして、何度もプレイしたくなりますよ!
熱い血潮ときらめきが彩る青春模様“熱血きらめき アオハル学園”
“熱血きらめき アオハル学園”は、野球だけでなく学園生活の過ごし方も重要に。特徴的なのは、練習メニューや友人との交流、学校行事などをひとまとめにした“行動”コマンドです。
“行動”コマンドから選べる内容は、毎週ごとにランダムで選出。同じ練習メニューを繰り返して特定の能力を上げる、といったことはしにくくなっていますが、そのぶん、練習以外でどんな行動を選ぶかが重要と言えるでしょう。
練習以外の行動についてですが、数がメチャクチャあってビックリ! 定期試験や臨海学校などの学校行事から、遊園地や水族館、映画館などへ遊びに行くお出かけ、さらには夏祭りや海水浴といった季節のイベントまで、実に多種多様です。特定の季節限定のものもありますが、種類は軽く10~20くらいはあるんじゃないでしょうか。学校のメンバー、本当に青春を満喫し過ぎ(笑)。
もちろんこれらの行動でも、育成用のポイントや特殊能力のコツを獲得可能。同時に友人たちの好感度も上がり、チーム力の底上げも図れるという寸法です。
他にも重要な要素として、“きらめきゲージ”と“熱血ゲージ”というものがあります。これは、選んだ“行動”コマンドやそこにいるキャラクターに応じて上昇するゲージで、最大まで貯まると大きなメリットが得られます。
“熱血ゲージ”最大なら練習効果アップ、“きらめきゲージ”最大なら、練習相手から特殊能力のコツを獲得、両方のゲージが最大になれば両方の効果を得ることができます!
どれも効果的ですが、個人的には“きらめきゲージ”最大の効果がイチオシ。一度にたくさんの特殊能力のコツをゲットしていくのはこれまでにない体験でしたし、『パワプロ』で特殊能力はホント重要ですからね。
他のシナリオと比べると多分に運の要素が絡むと思いますが、その代わりにうまく進められた時の爆発力はトップクラス。より優秀な選手を育てたいなら、このシナリオで狙うのは十分ありかと思います。青春を全力で楽しむストーリーもいい感じですし。
“サクセス”の新機軸、爆誕せり! “千将高校 君がキャプテンだ!”
最後は“千将高校 キミがキャプテンだ!”。これまた一風変わったシナリオで、育成終了後に2年生部員の中から選んだメンバーが新たなキャプテン=育成選手となり、チーム状態を引き継いだまま次週のプレイに挑んでいきます。
簡単に言うと、“サクセス”の育成システムで楽しめる“栄冠ナイン”といった感じで、これまでの“サクセス”にない、独特のプレイ感覚が味わえます。というか、「このシナリオだけで独立した1モードにしてもいいのでは?」と思えるほど、かなり奥深い内容かと。
このシナリオの育成システムの柱は“キャプテンサークル”。これは、マネージャーを含めたチームメイトをサークルのスロットに組み込むことで、練習で得られるポイントを増やしたり、育成に役立つサークルスキルを発動したりできます。
チームメイトには性格や相性があり、それに応じて“キャプテンサークル”の効果も変動。キャラクターの配置がうまくいけば、かなりの育成効果を得られます。
とはいえチームは代替わりするので、最良の配置を維持できるかは新入生次第。ときには“黄金世代”とでも言うべき陣容にもなり得ます。このあたりは“栄冠ナイン”っぽくてじつに好み!
キャラクターの配置にはCP=キャプテンシーポイントが必要となりますが、これは練習などで稼ぐことが可能。“ニーズ”を持っているキャラクターがいる練習を選ぶと、獲得CPがアップします。
なかには“トラブル”を抱えているキャラクターがおり、放置しておくと育成に悪影響を及ぼすイベントが発生。“トラブル”は一緒に練習すればなくせるので、“ニーズ”を含めて練習メニュー選びが重要となるでしょう。
ドラマティックなイベントこそないものの、地道な努力で“キャプテンサークル”を充実させ、育成効率を上げていくのはシミュレーションゲーム的な楽しみがあります。“サクセス”の新たな形として、「こういうものもあるのか!」と虚を突かれた感じ。
まさしく三者三様と呼べる今回の“サクセス”。正直なところ、ここまでバラエティに富んだシナリオを出されるのは予想外でした。これは例年にも増して“サクセス”にドハマりしてしまいそうです!
といった感じで“サクセス”について語らせていただきましたが、他にも“パワフェス”や“栄冠ナイン”など、“サクセス”に匹敵するレベルで語れるモードがいくつもあるのが『パワプロ』のスゴイところ。「1年間無人島に行くことになって、そこで唯一遊ぶことのできるゲームを選ぶとしたら何にする?」と尋ねられたら、自分は絶対『パワプロ』を選ぶと思います。だって1年くらいじゃ絶対に遊び尽くせないですから!
そんな『パワプロ』シリーズ最新作にふさわしいクオリティに仕上がっている『パワプロ2022』。興味のある方はぜひプレイを!
一般社団法人日本野球機構承認 日本プロ野球名球会公認 日本プロ野球OBクラブ公認
プロ野球フランチャイズ球場公認 ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2021年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。
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